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ヴィレヴァン下北沢店名物バイヤー・金田の語る成功論と怒りとは

ヴィレヴァン下北沢店名物バイヤー・金田の語る成功論と怒りとは

『30th Village Vanguard presents V.V.Rocks ~Sing Your Song!2016~』
インタビュー・テキスト
柴那典
撮影:田中一人

売れたら一人のリスナーに戻りたい。それが僕のスタンスです。

―ここ最近では、水曜日のカンパネラをブレイク前から大きく展開してましたね。あれはどういうきっかけだったんでしょう。

金田:あれは、当時BiSというアイドルユニットのマネージャーだった渡辺淳之介さんからメールが来て。「会社の先輩が新しいユニットを立ち上げたから相談に乗ってください」って話から始まったんです。でも、最初はコムアイさんも何でもない人だったんですよ。可能性の塊だとは感じていましたが、踊れてないし、歌えてもない。だから、最初のアルバムをヴィレッジの下北沢店で売る条件を1つ出したんです。全ての曲にインスト版を作って、それを店内でかけさせてくれと言った。nujabes率いるHydeout Productions所属のケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラで音楽を担当)のニュープロジェクト、として売り始めたんですね。

―そこから水曜日のカンパネラ自体が育っていった。

金田:そうです。とんでもなく化けていった。もちろんそれだけじゃなくて、全ての曲にPVをつけて、それをYouTubeに上げ続けていたことも大きかったですね。それが水曜日のカンパネラのブレイクの一番大きな理由だと思います。だから、たまに「水カンみたいな売り方をしたいです」という相談を受けることもあるんですけれど、そういう人には、ちゃんと頭をひねって、全曲にちゃんとPVを作ってくださいって言います。その上じゃないとサポートできませんって。

―ぼくのりりっくのぼうよみも、デビューのタイミングで限定シングル『sub / objective』をリリースしていました。

金田:あれは宣伝担当の人と飲んでいるときに音を聴かせてもらって、二つ返事で「応援させてください」でしたね。あの声がとにかく素晴らしい。10秒で決めました。曲もいいし、ラップもいい。それに、本人に全てを見通すような頭のよさがある。やらない理由はない、という感じでした。

―最近では出雲咲乃の1stシングル『当流女』の限定盤もリリースされましたね。

金田:彼女も声ですね。トップクラスのクオリティーでした。デビューの時点でこれだけの地力があるということは、かなりの可能性がある。ここから本人の資質が開花したら、どこにでもいける。そういう未来を感じさせる才能の種があると思いました。

―出雲咲乃の『当流女』ではJABBERLOOPとのコラボレーションも実現しています。

金田:JABBERLOOPもヴィレッジでずっと応援してきたバンドなので、これはシンプルに嬉しかったですね。個人的にはもうちょっと彼ららしさを出してもいいかと思ったんですけれど。

―JABBERLOOPは5月に行われるライブイベント『30th VILLAGE VANGUARD presents V.V.Rocks ~Sing Your Song! 2016~』にも出演しますね。

金田:これはヴィレッジが30周年を迎えるということで企画したイベントです。会場ごとにテーマを決めてやるんですけれど、東京は「インストバンドだけのお祭り」というのがテーマなんです。これは是非来てもらいたいですね。

―金田さんが独自のコーナーを展開したり限定盤をリリースしたりしてアーティストを応援するというのは、どういうモチベーションが元になっているんでしょうか。

金田:売れてほしいのはもちろんあるんですけれど、そのアーティストをずっと応援したいというより、ブレイクしてもらって、その後自分は普通のリスナーに戻るのが好きなんですよ。基準としては、応援している人が武道館目指せるか? ぐらいの所でリスナーに戻りたいです。水曜日のカンパネラもそう。僕は間違いなくアリーナツアーをやれると信じています。でも1つのお店で仕掛けられることなんて限られている。だから出来る範囲では全力で支援する。で、売れたら一人のリスナーに戻りたい。それが僕のスタンスです。

金田謙太郎

―それは金田さん自身の考え方なんでしょうか? それともヴィレッジの社風や下北沢の街の持っている空気なんでしょうか。

金田:ヴィレッジの社風というか、現場のスタッフがなんとなく共有している感覚だと思います。ただ、僕はその中でも飛び抜けてリスナー体質が強い人間だと思います。DJカルチャーで育ったというのも大きいですね。

―ルーツにDJカルチャーがあるわけなんですね。

金田:僕はDJミックスから音楽の全てを学んだ人間なので。そこは大きいですね。かつては『ele-king』という雑誌の編集部にいて、テクノが大好きで、DJの真似事もやっていた。そしてクボタタケシさんのDJ。その影響は強いと思います。

―DJって、つまりはサービス業ですよね。その場にいるお客さんをいいムードにする。それがDJという仕事の本質である。

金田:そのとおりですね。

―その考え方を「インテリアになりうる音楽」として小売業に拡張したのが金田さんの売り方だった。

金田:だと思います。それが正解です。だからたいしたことはやってないんですよ。でもCDショップにはその発想があまりなかった。

―そして、それができるのがヴィレッジヴァンガードという店だった。

金田:そうですね。何故ならヴィレッジは本とマンガと雑貨とCDを全部売ってきたからで。でも、実際のところ、今はもうCDコーナーはどんどん縮小しているんです。

―何故でしょうか?

金田:売れないからです。売れなければ他のコーナーに変わるだけ。どのジャンルでもそれは一緒。そこはドライにやっているし、むしろ削った方がいいと言っています。

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イベント情報

『30th Village Vanguard presents V.V.Rocks ~Sing Your Song!2016~』

2016年5月22日(日)OPEN 13:00 / START 13:30
会場:東京都 新木場 STUDIO COAST
出演:
fox capture plan
JABBERLOOP
→Pia-no-jaC←
ADAM at
RIDDIMATES
Marmalade Butcher
高中正義
SPECIAL OTHERS
今沢カゲロウ
jizue
mouse on the keys
and more
料金:6,800円(ドリンク別)

プロフィール

金田謙太郎(かねだ けんたろう)

元『ele-king』編集部員。ヴィレッジヴァンガード店員兼フリーで企画などを行う。株式会社シテイルにも所属。

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