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ベビメタで評価されても飽き足りない。ゆよゆっぺの核心を突く

ベビメタで評価されても飽き足りない。ゆよゆっぺの核心を突く

DJ'TEKINA//SOMETHING『KAWA-EDM』
インタビュー・テキスト
柴那典
撮影:田中一人 編集:矢島由佳子

最初は悔しかったんですけど、やりだすと夢中になっちゃったんですよ。EDMはラウドロックとはまた別のベクトルで楽しさがある。

―DJ'TEKINA//SOMETHINGとしての活動はどんな風に始まったんですか?

ゆよゆっぺ:たまたま5年くらい前にDJをする機会をいただいたんです。全然やったこともなかったんですけれど、「やれ」と言われて。電気屋さんでソフトを買って、ネットでDJ講座を調べて、それでやり始めました。

―どうでした?

ゆよゆっぺ:形だけはできるようになったんですけれど、全然下手クソでしたね。途中で音を止めてしまったりもして、「これはちょっとやっちまったな」って悔しさがあって。今まで打ち込みの音楽をやり続けている根底には、その悔しさがあるんだろうなって思います。

―そもそも「DJ'TEKINA//SOMETHING」と名乗り始めたのは?

ゆよゆっぺ:マネージャーの村田さんと「DJネームどうすっぺ?」ってSkype会議をしてたんですよ。で、その時の僕の口癖が「◯◯的なサムシング」だったから、「『DJ的なサムシング』でいいじゃない?」って。お遊びとしてのDJでしたからね。

―ただ、その時はお遊びのDJだったのが、『ROCK IN JAPAN』のような大きなロックフェスにも、『ニコニコ超会議』のようなイベントにも出演するになっているわけですよね。

ゆよゆっぺ:最初は悔しかったんですけど、やりだすと夢中になっちゃったんですよ。「もっとDJ上手くなろう」と思って、いろんな曲を聴くようになったら、EDMはラウドロックとはまた別のベクトルで楽しさがあるとわかって止まらなくなったんですよね。そこから経験値も増えて、リミックスも仕事になっていった。やる気だけで突っ走ってきた感じです。

ゆよゆっぺ

ボーカロイドは、どうしてもつまらないものになってしまった……その原因は、大人の力が見えるようになったことだと思うんです。

―一方で、今のボカロシーンについてはどういう風に思っていますか?

ゆよゆっぺ:出身というか、自分を育ててくれたところだとは思っています。DJ'TEKINA//SOMETHINGとして活動を始めるずっと前、2007年や2008年くらいからボーカロイドの楽曲をニコニコ動画に上げ始めて。「ゆよゆっぺ」という名前が広まって、いろんな方に曲を聴いてもらえるようになった場所なので、自分とは切っても切り離せないものだと思います。ただ、最近になって思うのは、ボーカロイドというものは、どうしてもつまらないものになってしまったというか……。

―というと?

ゆよゆっぺ:僕が思っていたシーンじゃなくなってしまったという感覚は大きいですね。DJ'TEKINA//SOMETHINGを始めた頃くらいまではボーカロイドに可能性を感じていたんですけれど、面白みがなくなっちゃった。その原因は、大人の力が見えるようになったことだと思うんです。好きにいろいろできる環境じゃなくて、お金稼ぎをできる場所になってしまった。

―シーンの変遷を考えると、2011年から2012年くらいがその境目でしたね。

ゆよゆっぺ:そうですね。その頃からボーカロイドが産業になったと思います。でも、もともと僕はボカロPとして大成しようという気持ちはさらさらなかったんですよね。だからDJ'TEKINA//SOMETHINGを始めたわけだし、いろんな作曲の仕事をやるようになったんだと思います。

―ゆよゆっぺさんはバンドマンとしても活動を続けていますよね?

ゆよゆっぺ:はい、今はGRILLED MEAT YOUNGMANSというバンドをやっています。DJも好きで仕方なくやっていたし、それと並行して、バンドも好きだからやってきたという感じです。

―作曲家をして、DJをして、ボカロPをして、いろんなことをやっているわけですけれど、さかのぼると、もともと10代の頃に地元の水戸でバンドを始めたのがゆよゆっぺさんの原点だと思うんですが。

ゆよゆっぺ:そうですね、相当恥ずかしいところですけれど(笑)。

―そもそも10代の頃にラウドロックに惹かれたのはどういうきっかけだったんでしょう?

ゆよゆっぺ:きっかけは、14~15歳の頃にSlipknotの『Iowa』(2001年発売、2ndアルバム)を聴いて、「こういう音楽もあるんだ」と思ったことですね。その後高校に入って、Metallicaの『St. Anger』(2003年発売、8thアルバム)を聴いて。そこにスタジオライブのDVDが入ってたんですけど、それを見て「めちゃめちゃかっこいい!」と思ったんです。何がいいのかわからないけれど、とにかく気持ちが高揚すると思って。その時に初めてメタルに出会ってしまいました。

―それが大きなきっかけになった。

ゆよゆっぺ:そこからSystem of a DownとかKornとかLimp Bizkitを聴いていったんですけれど、一番僕の人生を変えたのがSaosin(2003年、カリフォルニアにて結成のバンド)でした。ニュースクリーモというジャンルの立役者で、僕の土台を作ってくれたバンドだと思います。Saosinを聴いてから自分の考えががらっと変わったんです。

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リリース情報

DJ'TEKINA//SOMETHING『KAWA-EDM』
DJ'TEKINA//SOMETHING
『KAWA-EDM』(CD)

2016年5月25日(水)発売
価格:2,268円(税込)
AVCD-93429

1. ヘドバンギャー!!(BABYMETAL)TEKINA REMiX
2. でんでんぱっしょん(でんぱ組.inc)TEKINA REMiX
3. シェキメキ!(Dream5)TEKINA REMiX
4. プリプリSUMMERキッス(SUPER☆GIRLS)TEKINA REMiX
5. 夏祭り(Whiteberry)TEKINA REMiX
6. 恋の天気予報(ウェザーガールズ)TEKINA REMiX
7. 鼓動の秘密(東京女子流)TEKINA REMiX
8. IDOL(BiS)TEKINA REMiX
9. チェケラ(Cheeky Parade)TEKINA REMiX
10. secret base ~君がくれたもの~(ZONE)TEKINA REMiX
11. White Love(SPEED)TEKINA REMiX

プロフィール

DJ'TEKINA//SOMETHING
DJ'TEKINA//SOMETHING(でぃーじぇい てきな さむしんぐ)

またの名をゆよゆっぺ。VOCALOID-Pとして、キャリアをスタートさせ、その後ヤマハミュージックコミュニケーションズからメジャーデビュー。BABYMETAL、ももいろクローバーZ、バンドじゃないもん!、ERIHIRO等の楽曲制作を手がける。DJ'TEKINA//SOMETHINGとしては数々のロックフェスに登場。『ROCKIN' ON JAPAN FES』に3年連続の出演、『SUMMER SONIC 2015』へ出演、さらに『COUNT DOWN JAPAN』にも出演している。海外イベントへの出演も多く、今までに、台湾、インドネシア、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール等のアジア各国を初め、アメリカ、チリ等へも渡っている。

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