ベビメタで評価されても飽き足りない。ゆよゆっぺの核心を突く

アイドル、ロックバンド、EDM、ボーカロイド――多様化する2010年代の音楽シーンにおいて、ジャンル間の垣根を超えて活躍を見せるクリエイターが、ゆよゆっぺだ。

BABYMETALの作詞、作曲、編曲、ミキシングまでを手掛けることでも知られる彼が、別名義「DJ'TEKINA//SOMETHING」にてリリースするアルバム『KAWA-EDM』は、でんぱ組.incやBiSなどのアイドルソングをEDM仕様でリミックスした楽曲を収録した一枚となっている。

もともとはボカロPとして名を上げ、いまや、作詞・作曲・編曲家、DJ、バンドマン、そして生放送主など、様々な顔を併せ持つ彼。その視点から見た現在のアイドル、ボカロ、EDM、さらにはゲーム実況のシーンはどういうものなのか? そして、幅広い活動を見せる彼の核にあるものは何なのか? インタビューにて探った。

BABYMETALの曲作りはマラソンやトライアスロンを走り続けるようなイメージ。

―まず『KAWA-EDM』の企画はどういうところで始まったんでしょうか?

ゆよゆっぺ:これを作り始めた頃は、僕がアイドルのお仕事をさせていただくことが多くなっていて、それと同時に、僕の中でEDM熱が上がってきていたんです。そこで「アイドルのリミックス盤を作ったらいいんじゃない?」って言われて、「それだ!」と思ってやり始めました。でも、考えてみたら前例がなくて。だから、作り始めたはいいものの、どうやったらいいのかわからなかったんです(笑)。

―アイドルグループに楽曲提供するようになったのはいつ頃のことですか?

ゆよゆっぺ:2~3年くらい前からですね。BABYMETALに関わらせてもらうようになったのが、やっぱり大きなきっかけでした。そこから地元の「水戸ご当地アイドル(仮)」に曲提供をさせていただいたり、いろんなアイドルソングのお仕事をいただくことが多くなってきました。やっぱり、日本の音楽シーン全体の中でアイドルの占める領域が大きくなってきたし、需要があるんだなって思います。

―その中でも、ここ最近のゆよゆっぺさんのお仕事の中で、一番大きなものはBABYMETALへの楽曲提供ですよね。

ゆよゆっぺ:そうですね。

―最新アルバム『METAL RESISTANCE』ではリード曲の“KARATE”の作曲も手掛けています。BABYMETALとはどういう経緯で関わるようになったんでしょうか?

ゆよゆっぺ:これはもう、僕がやる気をみせたんです。最初にBABYMETALを知って「なんだこれは! 最高だ!」って思って。マネージャーの村田さんと営業に行ったら、たまたまプロデューサーのKOBAMETALさんも僕の曲を聴いてくれていたみたいで。「1曲やる?」と言われて、「やります! 絶対いいもの作ります!」と即答しました。最初は編曲のお仕事をさせてもらって、そのあと曲を作るようになったんですけれど、これがもう、すごく大変で。

―どんな感じなんですか?

ゆよゆっぺ:KOBAMETALさんって、本当にこだわりが強いんです。一つひとつの曲の作り方が、ちょっと他の現場と一線を画しているんですよ(笑)。わざわざ僕の自宅に出向いていただいて、僕がギターを弾いて「こういうフレーズどうですか?」みたいに言ったら、「ここはもっとこんな感じで」と言ったり、いろんなリファレンスを出したり、口で説明したり、何時間もかけてやりあって作っていく。それを納得するまでずっとやり続ける。締切なんてなく、KOBAMETALさんの認めるラインに到達してやっと作り終わるんです。他の作家とかアレンジャーさんに話しても、「それ、ちょっとおかしいんじゃないか」って言われますね(笑)。

ゆよゆっぺ
ゆよゆっぺ

―いろんなお仕事をする中でも、BABYMETALはかなり特別な作り方になっている。

ゆよゆっぺ:間違いなくそうですね。BABYMETALの曲作りはマラソンやトライアスロンを走り続けるようなイメージで。だからすごく大変なんですけれど、走り切った爽快感がすごい。僕としては好きなジャンルだし、それが楽しくてやっている感じですね。

―そこに充実感もある。

ゆよゆっぺ:今の音楽業界って、一つひとつの曲に対するこだわりが薄れているように感じるんですよ。数字ばかりを気にしているように思える。でも、KOBAMETALさんは自分が好きか嫌いか、いいと思うかどうかで考えている。レコード会社や事務所の言っていることを度外視して、僕もそれに振り回されながら、誰も歩んだことのない道を切り開いていっているんです。音楽を一緒にやらせていただいて、そこが一番面白いと思うところですね。

―「好きなジャンル」と言ってましたが、ゆよゆっぺさんのルーツはラウドロックやメタルにあるんですよね。

ゆよゆっぺ:はい。ずっと、ゆよゆっぺとして、「メタル、スクリーモ、ハードコアが好き」と言いながら活動してきました。

最初は悔しかったんですけど、やりだすと夢中になっちゃったんですよ。EDMはラウドロックとはまた別のベクトルで楽しさがある。

―DJ'TEKINA//SOMETHINGとしての活動はどんな風に始まったんですか?

ゆよゆっぺ:たまたま5年くらい前にDJをする機会をいただいたんです。全然やったこともなかったんですけれど、「やれ」と言われて。電気屋さんでソフトを買って、ネットでDJ講座を調べて、それでやり始めました。

―どうでした?

ゆよゆっぺ:形だけはできるようになったんですけれど、全然下手クソでしたね。途中で音を止めてしまったりもして、「これはちょっとやっちまったな」って悔しさがあって。今まで打ち込みの音楽をやり続けている根底には、その悔しさがあるんだろうなって思います。

―そもそも「DJ'TEKINA//SOMETHING」と名乗り始めたのは?

ゆよゆっぺ:マネージャーの村田さんと「DJネームどうすっぺ?」ってSkype会議をしてたんですよ。で、その時の僕の口癖が「◯◯的なサムシング」だったから、「『DJ的なサムシング』でいいじゃない?」って。お遊びとしてのDJでしたからね。

―ただ、その時はお遊びのDJだったのが、『ROCK IN JAPAN』のような大きなロックフェスにも、『ニコニコ超会議』のようなイベントにも出演するになっているわけですよね。

ゆよゆっぺ:最初は悔しかったんですけど、やりだすと夢中になっちゃったんですよ。「もっとDJ上手くなろう」と思って、いろんな曲を聴くようになったら、EDMはラウドロックとはまた別のベクトルで楽しさがあるとわかって止まらなくなったんですよね。そこから経験値も増えて、リミックスも仕事になっていった。やる気だけで突っ走ってきた感じです。

ゆよゆっぺ

ボーカロイドは、どうしてもつまらないものになってしまった……その原因は、大人の力が見えるようになったことだと思うんです。

―一方で、今のボカロシーンについてはどういう風に思っていますか?

ゆよゆっぺ:出身というか、自分を育ててくれたところだとは思っています。DJ'TEKINA//SOMETHINGとして活動を始めるずっと前、2007年や2008年くらいからボーカロイドの楽曲をニコニコ動画に上げ始めて。「ゆよゆっぺ」という名前が広まって、いろんな方に曲を聴いてもらえるようになった場所なので、自分とは切っても切り離せないものだと思います。ただ、最近になって思うのは、ボーカロイドというものは、どうしてもつまらないものになってしまったというか……。

―というと?

ゆよゆっぺ:僕が思っていたシーンじゃなくなってしまったという感覚は大きいですね。DJ'TEKINA//SOMETHINGを始めた頃くらいまではボーカロイドに可能性を感じていたんですけれど、面白みがなくなっちゃった。その原因は、大人の力が見えるようになったことだと思うんです。好きにいろいろできる環境じゃなくて、お金稼ぎをできる場所になってしまった。

―シーンの変遷を考えると、2011年から2012年くらいがその境目でしたね。

ゆよゆっぺ:そうですね。その頃からボーカロイドが産業になったと思います。でも、もともと僕はボカロPとして大成しようという気持ちはさらさらなかったんですよね。だからDJ'TEKINA//SOMETHINGを始めたわけだし、いろんな作曲の仕事をやるようになったんだと思います。

―ゆよゆっぺさんはバンドマンとしても活動を続けていますよね?

ゆよゆっぺ:はい、今はGRILLED MEAT YOUNGMANSというバンドをやっています。DJも好きで仕方なくやっていたし、それと並行して、バンドも好きだからやってきたという感じです。

―作曲家をして、DJをして、ボカロPをして、いろんなことをやっているわけですけれど、さかのぼると、もともと10代の頃に地元の水戸でバンドを始めたのがゆよゆっぺさんの原点だと思うんですが。

ゆよゆっぺ:そうですね、相当恥ずかしいところですけれど(笑)。

―そもそも10代の頃にラウドロックに惹かれたのはどういうきっかけだったんでしょう?

ゆよゆっぺ:きっかけは、14~15歳の頃にSlipknotの『Iowa』(2001年発売、2ndアルバム)を聴いて、「こういう音楽もあるんだ」と思ったことですね。その後高校に入って、Metallicaの『St. Anger』(2003年発売、8thアルバム)を聴いて。そこにスタジオライブのDVDが入ってたんですけど、それを見て「めちゃめちゃかっこいい!」と思ったんです。何がいいのかわからないけれど、とにかく気持ちが高揚すると思って。その時に初めてメタルに出会ってしまいました。

―それが大きなきっかけになった。

ゆよゆっぺ:そこからSystem of a DownとかKornとかLimp Bizkitを聴いていったんですけれど、一番僕の人生を変えたのがSaosin(2003年、カリフォルニアにて結成のバンド)でした。ニュースクリーモというジャンルの立役者で、僕の土台を作ってくれたバンドだと思います。Saosinを聴いてから自分の考えががらっと変わったんです。

溜まりに溜まったいろんな感情が、サビ頭でドカーンと弾ける。その瞬間が、僕が音楽に一番求めていることなんです。

―Saosinと出会って、ゆよゆっぺさんの考えはどう変わったのでしょう?

ゆよゆっぺ:音楽というのは、気持ちでやるものだって思うようになったんです。Saosinは英語で歌ってるから、何言ってるかわからないのに、聴くたびに泣きそうになっちゃって。音楽でこれだけ人を奮い立たせられるんだ、俺もこういうことがしたいって思うようになりました。その時まで音楽は趣味だと思っていたし、バンドも遊びでやっていたけれど、本気でやろうと思ったんです。自分をさらけ出すためのツールなんだってわかって以来、音楽以外で生活することは考えられないと思うようになりました。

―そうやってメタルやラウドロック、スクリーモで育ってきたゆよゆっぺさんが、どういうところでEDMに夢中になっていったんでしょう?

ゆよゆっぺ:EDMっていうのは、辛さも喜びも、全部「楽しい」に落とし込める音楽だと思うんですよ。特に好きなのが、Showtek ft. We Are Loud & Sonny Wilsonの“Booyah”という曲で。ダークな旋律なのに、世界中ですごい盛り上がってるんですよ。この曲を聴いて、「なんでこんなにダークなのに楽しいんだ? わかった、これがEDMか!」と思うようになって。

―それが『KAWA-EDM』の発想にもつながっている。

ゆよゆっぺ:EDMとアイドルを融合させることによって、最強の「楽しい」を生み出せるんじゃないかと考えてたんです。スタートは軽い気持ちだったんですけれど、よくよく考えたら、結構すごいことをやってるんじゃないかと。

―ただ、これは『KAWA-EDM』を聴いて感じたことなんですけれど、EDMにあるいろんな要素の中で、ゆよゆっぺさんが抽出しているのはメタルに感じた気持ちよさと共通するポイントだと思うんですね。

ゆよゆっぺ:ああ、そうかもしれない。

―言葉にするとバカみたいですけれど、溜めて溜めてドカーンといく瞬間の気持ちよさ、というか。

ゆよゆっぺ:そうなんですよ。溜まりに溜まったいろんな感情が、サビ頭のドロップとかブレイクダウンでドカーンと弾ける。その瞬間が、僕が音楽に一番求めていることなんです。それを一番感じられる音楽がメタルとEDMだと思っていて。だから、ジャンルというのは、僕の中ではあんまり関係ないんですよね。爆発が気持ちよければそれでいい。そこに注力して音楽を作ってきたというのは、このアルバムを作って再確認できたことです。

―その発言をもって考えると、ゆよゆっぺさんのやってきたことって、すごく面白いですよね。ボカロPをやって、DJをやって、アイドルに曲を書いて、バンドをやっている。普通に考えたら「この人は一体何がやりたいんだろう?」って思われるわけじゃないですか。

ゆよゆっぺ:ははは、たしかにそうですよね。

―だけど「サビ頭の爆発を作りたい」と言えば、そこに一貫性がある。

ゆよゆっぺ:それに気付いたのは本当に最近なんですよ。実際「君は一体何がやりたいの?」ってよく言われるんです。自分でも「なんでこんなことやってるんだろう」って思ってたし。「これはメタルじゃない」「これはEDMじゃない」とも言われるんです。でも、そういうことを言われても、本質的なところで、僕はこれがやりたいだけなんですよ。

ニセモノって、ちゃんと信念を持ってやり続ければ本物になると思うんです。それがCrossfaithを見ていて思ったこと。

―特にラウドロックとかメタルのシーンって、一本気であること、ブレずに一貫して同じことを続けている人がかっこいいとされる雰囲気が根強くありますよね。

ゆよゆっぺ:そうなんです。それなんです。

―で、反対に、いろんなものに手を出す「いっちょかみ」はダサい、かっこ悪いと思われがちで。

ゆよゆっぺ:本当にそうなんですよ。

―それで思うことがあるんですけれども。Crossfaithというバンドがいますよね。ゆよゆっぺさん、たぶん同世代くらいじゃないですか? しかも同じような音楽に影響を受けている。

ゆよゆっぺ:まさにそうです。完全に同期です。

―僕としては、「一本気」の代表が彼らで、「いっちょかみ」の代表がゆよゆっぺさんだと思うんです。

ゆよゆっぺ:ははは、そうか……。いや、でも、当時は彼らもバカにされていたんですよ。「トランスコア」とか呼ばれて、メタルと電子音が融合したサウンドをずっとやってきたわけじゃないですか。「何これ?」って言われることも、「こんなのニセモノじゃん」って言われることもあった。でも、ニセモノって、ちゃんと信念を持ってやり続ければ本物になるし、新しいジャンルになると思うんです。それが彼らを見ていて思ったことで。

―そうそう。だからゆよゆっぺさんも「いっちょかみ」であることに誇りを持ってやり続けたらいいんじゃないかと思うんですよ。だって、こんな風にやってきた人は他にいないわけですから。

ゆよゆっぺ:ははははは! たしかに。でも、僕自身、メタルに関しても、ハードコアに関しても、人一倍勉強してきたつもりなんです。一見ニセモノに見えるものでも、本物を知らずに作った「それっぽいもの」と、本気でやってきた人の作るものの違いって、誰が聴いてもわかっちゃうんです。BABYMETALだって、本筋のメタルの人から見たら「ニセモノだ」って言われそうじゃないですか。でも、それを作る人間が本物だったから、パワーや爆発力が伝わった。そういう意味では僕も本気でやってきたし、なので、そこは許してくださいって感じです(笑)。

―ゆよゆっぺさんも、スタイルとしては、ボカロPも作曲家もDJもバンドもいろいろやってるけれど、10代の時に憧れたものに対しては裏切っていない。

ゆよゆっぺ:そこがちゃんと裏付けになってくれているのはあると思います。僕、音楽の歴史を掘るのが好きなんです。EDMはまだ歴史が浅い音楽なんですけれど、メタルとかハードコアに関しては死ぬほど掘ったので。

―本気でフェイクをやること、っていうのはすごく強いんですよね。

ゆよゆっぺ:そうですね。たぶん、10年後になったら、今ニセモノだと言われているものは新しいジャンルになると思うので。そうしたら僕は「許してください」って言わなくて済むようになる。「君が正しかったよ」って言われる日が来たらいいなって、そう思ってるんですよね。そういう意味では、Crossfaithは本当にすごいんですよ。彼らだって、10年前は「チャラい」って言われてたんです。でも、若い時からちゃんと演奏力を持って、いろんなところに攻め込んでいった。説得力があった。それがすごいところだと思いますね。

ゲーム実況だって、生放送主だって、それを仕事にできるのは特殊な人だと思うんです。自分を捨てることが求められるわけですから。

―Crossfaithはいまや海外のメタルフェスに出演しているわけですよね。でも、ゆよゆっぺさんも、自分が書いた曲がBABYMETALを通してちゃんと世界中で受け入れられている。作家としての名前、クリエイターとしての名前は、ひとつのブランドができつつあると思うんです。

ゆよゆっぺ:ありがたいですね。

―でも、作家としての評価だけでは飽き足りないところがある?

ゆよゆっぺ:そうなんです。“KARATE”を書けたこと、それが認められたことはすごく嬉しいんですけれど、それだけだと何か違うんです。

―今のゆよゆっぺさんは、クリエイターとしてだけじゃなく、アーティストとしても多チャンネルですよね。DJ'TEKINA//SOMETHINGの活動も、GRILLED MEAT YOUNGMANSの活動もある。そして最近ではソロでYouTuber的なこともやっている。

ゆよゆっぺ:YouTubeで登録者数が3000人にならないとCDが出せないという挑戦をしています。現時点(インタビュー収録日は5月16日)であと20人くらいなんですよ。

―YouTubeの動画もいくつか拝見したんですが、弾き語りに加えて、ゲーム実況みたいなこともやろうとしている。

ゆよゆっぺ:はい、そうです。

―なんというか、本当に「いっちょかみ」だなぁ! って思うんですけど。

ゆよゆっぺ:ははははは!

―なんでゲーム実況をやろうと思ったんですか?

ゆよゆっぺ:ゲーム実況、本当に好きなんです。ニコニコ動画で、大将さんとか最終兵器俺達とか、有名な実況者さんたちの動画を見ると、楽しそうなんですよね。僕が辛そうに音楽をやっているのがバカバカしいレベルで楽しそうなんです。それを見たらやりたくなって。

―たしかに、今はニコニコ動画でもYouTubeでもゲーム実況が音楽以上に人気ジャンルになってますよね。かつての10代はモテようと思ってバンドを始めたかもしれないけれど、今の10代はモテようと思ったらゲーム実況を始めるような世の中になっている、とも言える。

ゆよゆっぺ:そうですね。でも、ゲーム実況とか、生放送とか、YouTuberとか、そういうことをやって女の子からキャーキャー言われたり、お金を得られたりしているのって、何かおかしいと思うんです。小学生のなりたい職業ランキングにYouTuberが入ってるなんて、おかしな話じゃないですか。

―でも、ゆよゆっぺさんはそれをやろうとしてましたよね。

ゆよゆっぺ:そうなんです(笑)。だから楽なことじゃない、って言える。YouTubeで動画を作って「こんなに大変なんだ!」ってわかりました。ゲーム実況だって、生放送主だって、それを仕事にできるのは特殊な人だと思うんです。音楽とかイラストを作るより難易度は高いと思う。自分を捨てることが求められるわけですから。

―たしかにそうですね。

ゆよゆっぺ:僕はゲーム実況とか生放送って、究極の二次創作だと思っているんです。そこには多大なるスキルが求められるし、やらなきゃいけないことがたくさんある。これを毎日やるなんて無理だって思います。だから僕はオススメしたくないです(笑)。モテるためにやるようなものじゃない。

ゆよゆっぺ

―ゆよゆっぺさんは、あくまでアーティストとして、自分自身が表舞台に立ちたいと思っている。その欲求はどういうところにあるんですか?

ゆよゆっぺ:やっぱり、僕は自分をさらけ出して、本気で音楽をやりたいんですよ。それはきっと、10代の頃にSaosinに出会って、感情の吐き出し方とかぶちまけ方を教えてもらったことが根源にあるんだと思います。でも、裏方として曲を書いても、動画を作っても、結局のところ、自分をさらけ出すことはできていないから。それに、自分自身が、何十年も残るアーティストになりたいんです。「俺がいた」という証明をちゃんとしたい。承認欲求が強いだけなのかもしれないですけどね。

リリース情報
DJ'TEKINA//SOMETHING
『KAWA-EDM』(CD)

2016年5月25日(水)発売
価格:2,268円(税込)
AVCD-93429

1. ヘドバンギャー!!(BABYMETAL)TEKINA REMiX
2. でんでんぱっしょん(でんぱ組.inc)TEKINA REMiX
3. シェキメキ!(Dream5)TEKINA REMiX
4. プリプリSUMMERキッス(SUPER☆GIRLS)TEKINA REMiX
5. 夏祭り(Whiteberry)TEKINA REMiX
6. 恋の天気予報(ウェザーガールズ)TEKINA REMiX
7. 鼓動の秘密(東京女子流)TEKINA REMiX
8. IDOL(BiS)TEKINA REMiX
9. チェケラ(Cheeky Parade)TEKINA REMiX
10. secret base ~君がくれたもの~(ZONE)TEKINA REMiX
11. White Love(SPEED)TEKINA REMiX

プロフィール
DJ'TEKINA//SOMETHING
DJ'TEKINA//SOMETHING (でぃーじぇい てきな さむしんぐ)

またの名をゆよゆっぺ。VOCALOID-Pとして、キャリアをスタートさせ、その後ヤマハミュージックコミュニケーションズからメジャーデビュー。BABYMETAL、ももいろクローバーZ、バンドじゃないもん!、ERIHIRO等の楽曲制作を手がける。DJ'TEKINA//SOMETHINGとしては数々のロックフェスに登場。『ROCKIN' ON JAPAN FES』に3年連続の出演、『SUMMER SONIC 2015』へ出演、さらに『COUNT DOWN JAPAN』にも出演している。海外イベントへの出演も多く、今までに、台湾、インドネシア、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール等のアジア各国を初め、アメリカ、チリ等へも渡っている。



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