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ボカロシーン、焼け野原からの再出発 DECO*27×Neru対談

ボカロシーン、焼け野原からの再出発 DECO*27×Neru対談

DECO*27『GHOST』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人 編集:山元翔一

今年100万再生超えてる曲の歌詞は、音に当ててる感じがありますね。聴いて一発で覚えられるフレーズが入ってるっていうのが共通点なんです。(DECO*27)

―では、ここからは『GHOST』について話していこうと思います。まずはNeruくんからアルバムに対する感想をもらえますか?

Neru:僕、ここからはただのファンです(笑)。まず2曲目の“リバーシブル・キャンペーン”がすごく印象的で、歌詞の言葉遊びとか、BPMで押す感じはデコさんらしいんですけど、ミクスチャーっぽさもあって。今年ボーカロイドで一番ヒットした“ゴーストルール”が1曲目だから、2曲目ってすごく大事じゃないですか? その大事なところに、“ゴーストルール”の流れを汲みつつ、今までのデコさんの集大成と言えるような曲でちゃんとハードルを越えてきてて、めっちゃいいなって思いました。

DECO*27:2曲目がコケるとアルバム全体がダメになっちゃうと思うんで、狙っていたところを褒めてもらえてうれしいです(笑)。

Neru:あと5曲目の“妄想感傷代償連盟”がすごくいいんですよね。個人的な好みで言うと、これが一番好きでした。クラブっぽい4ビートというか、サウンド的に新しいことをやりつつ、リリックはライムを踏みつつも、意味を破綻させないことに気を配っているところがさすがデコさんって感じ。

Neru

―歌詞に関してはちゃんと訊いておきたくて。今回書き方が少し変わっていますよね?

DECO*27:今までだと、たとえば自分がNeruくんと話して、「楽しい」って気持ちがそのまま曲になっていたんです。でも今回は、Neruくんとしゃべっている場面を俯瞰して、その風景を歌詞にするっていう方法になってます。

―その俯瞰して見る題材として、ニュースが大きかったそうですね。

DECO*27:昨年から今年にかけて「嘘」がワイドショーを騒がせることが多かったんで、“ゴーストルール”とか“ライアーダンス”はそういうことについて書いています。あまりよくない出来事ですけど、良くも悪くも刺激を受けたので、それで書いたって感じですね。

―Neruくんは歌詞に対してどんなこだわりがありますか?

Neru:歌詞はもちろん意味も大事なんですけど、それ以前に音楽じゃないですか? 音として成立してないと、ただの文章でしかないので、意味を成立させつつ、音として気持ちがいいっていうのは大事にしています。「ちゃんと音楽としてのマナーを守った日本語を使おう」みたいな意識はあります。

―またちょっとシーンの話に戻すと、ニコ動において言葉のインパクトが重要なのは間違いないと思うんですね。ただ、それもある種テンプレになっちゃって、言葉のインパクトを求めるばかりに、今Neruくんが言ったような「音楽として気持ちいい」っていう部分がおざなりになっていたところもあると思いますか?

Neru:2013年あたりから、ストーリー調の歌詞がめっちゃ流行ったんですよね。そうなると、登場人物を立てなきゃいけないし、物語として成立させないといけないから、歌詞が長くなって、符割りも細かくなる。そういうブームは間違いなくあったから、その意味では、歌詞に重きを置く分音楽をないがしろにするっていう側面もあったのかも。

DECO*27

DECO*27:でも、今年100万再生超えてる曲の歌詞は、音に当てている感じがあります。意味があるのかないのかは作った人に訊かないとわからないけど、聴いて一発で覚えられるフレーズが入っているっていうのは共通点で。僕ら以外のお二方だと、サビの歌詞にタイトルが入っているんですよね。で、“ゴーストルール”と“脱法ロック”は、「イェイイェイ」とか「ウォウウォウ」とか、合いの手の部分が受け入れられたのかなって感じていますね。ニコ動はコメントができるので、そこでみんなが参加できるんですよね。

―確かに、あの弾幕はすごいですよね(笑)。

DECO*27:前に出した“ストリーミングハート”とか“音偽バナシ”とかでも合いの手を結構使っていたから、Neruくんと飲んだときにその話になって。「あれやりたいんですけど、デコさんがやってるからやれないんですよ」って言われたんですけど、でも別に俺の専売特許じゃないし、「One Directionもやりまくってるよ」って話して(笑)。

Neru:神のお告げでオッケーが出たので、帰って速攻で入れました(笑)。

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リリース情報

DECO*27『GHOST』初回限定盤
DECO*27
『GHOST』初回限定盤(CD+DVD)

2016年9月28日(水)発売
価格:3,200円(税込)
UMA-9083/4

[CD]
1. ゴーストルール
2. リバーシブル・キャンペーン
3. LOVE DOLL
4. 散散駄目調子
5. 妄想感傷代償連盟
6. いいや
7. 正義のタレット
8. ライアーダンス
9. Find The Light
10. 生心病
11. 針鼠
12. Sprite Girl
13. at
[DVD]
1. ストリーミングハート (MV)
2. Find The Light (-short MV-)
3. 『MIKU in the GHOST』 Analog Live Drawing by おぐち
(※副音声:DECO*27、おぐちによる解説)
※紙ジャケット仕様、20ページ大判ブックレット付属

DECO*27
『GHOST』通常盤(CD)

2016年9月28日(水)発売
価格:2,700円(税込)
UMA-1083

1. ゴーストルール
2. リバーシブル・キャンペーン
3. LOVE DOLL
4. 散散駄目調子
5. 妄想感傷代償連盟
6. いいや
7. 正義のタレット
8. ライアーダンス
9. Find The Light
10. 生心病
11. 針鼠
12. Sprite Girl
13. at
※16ページブックレット付属

プロフィール

DECO*27
DECO*27(でこ にーな)

福岡生まれ、男性。レフティスタイルでギターを奏で、作詞、作曲を手掛けるアーティスト/プロデューサー。ロックをベースにフォークからエレクロニックミュージックまでを柔軟に吸収したサウンドと印象に残るメロディー、等身大の感情をリアルに、かつ絶妙な言葉遊びを用いて描かれた歌詞が若い世代から絶大な支持を得ている。2016年1月に公開した楽曲「ゴーストルール」は、ニコニコ動画において瞬く間にミリオンを達成。9月現在、ニコニコ動画とYouTubeでの合計再生回数は500万回を超える。そして2016年9月28日、前作より2年半振りとなる新作アルバム『GHOST』をリリースする。

Neru(ねる)

ボーカロイドクリエーター。10代の頃からネットシーンでの音楽活動を開始、作品を発表する度に評価を上げ、2011年「東京テディベア」で200万を超える再生数を記録しシーンに衝撃を与えた。その後もコンスタントに人気曲を発表、2013年連続で発表された「ハウトゥー世界征服」「ロストワンの号哭」はそれぞれ150万・300万再生という桁外れのヒットを記録しその地位を不動のものとした。主に疾走感溢れるロックサウンドが得意であり、唯一無二の世界観を持つ言葉で紡がれた歌詞に多くのファンが熱狂している。

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