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なぜバズるのか? CM好感度1位をとった電通・佐藤雄介の考え方

なぜバズるのか? CM好感度1位をとった電通・佐藤雄介の考え方

flumpool『FREE YOUR MIND』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:豊島望 編集:矢島由佳子

日清カップヌードルを一口食べて「美味い!」と叫ぶだけの瞬間を壮大に表現したCMをはじめ、新旧ヤキソバンが入り乱れる日清焼きそばU.F.O.の広告など、エクストリームかつサイケデリックな映像世界を展開し、お茶の間を沸かせてきた電通のCMプランナー・佐藤雄介。最近、flumpoolの制作チームに加わった彼は、アートワークやミュージックビデオに斬新なアイデアを導入し、各方面で大きな話題をさらっている。

なにかとんがったことをやれば、あっという間にネットで叩かれて炎上する昨今、奇想天外な作品を作り続ける彼が、「CM好感度1位」に輝くことができるのは一体なぜなのだろうか。多忙を極める佐藤を訪ね、彼のクリエイティブの脳みそを覗かせてもらった。

「なんとしてでもこの職業に就きたい」と思っていた。

―佐藤さんは学生時代に『ACC 学生CMコンクール』の大賞を受賞していますが、そもそもなぜCMに興味を持ったのでしょうか?

佐藤:僕は今、flumpoolのメンバーと同じ31歳なんですけど、中学~高校時代に、ミシェル・ゴンドリーやスパイク・ジョーンズといった海外の映像作家が面白いミュージックビデオ(以下、MV)を次々と発表していたんです。当時はYouTubeもまだ黎明期でしたから、彼らの作る作品を一生懸命ネットで探して見ていました。

ちょうど高校生くらいの頃かな。日本では、CMプランナーがMVに関わっていることが多くて。JUDY AND MARYやSMAP、L'Arc-en-Cielの作品に携わっていることを知って、CMにも興味を持ったんです。振り返ってみると、子どもの頃は星新一や阿刀田高(ともに小説家)のショートショートを読むのが大好きだったんですよ。その延長で、時間軸の短い短編映画や短編映像に興味を持ったのかもしれないですね。

佐藤雄介
佐藤雄介

―高校生の頃は映像制作会社に入りたいと考えていたそうですね。

佐藤:はい。でも大学で色々と調べているうちに、自分は広告やキャンペーンの企画のほうが向いていると思うようになって。ただ、どうやらそのためには広告代理店に入らないといけないらしいぞ、と。そのときにはじめて気付いたんですよね。そして、それは狭き門らしいぞ、と。なんの武器もない自分が入れる自信なんて全然なくて、たとえば学生時代に賞を取っているとか、なにか実績を残しておかないと無理だと思ったので、それで色々な賞に応募していたわけです。

―狭き門とわかっていても、そこで諦めずに「じゃあ、どうすれば入れるか?」を考えたわけですね。

佐藤:そうです。その頃はよくも悪くも、「なんとしてでもこの職業に就きたい」と思っていたので(笑)。

―とはいえ、「よし、じゃあ応募するための企画を立てよう」と思っても、すぐにアイデアが思い浮かぶものでもないですよね?

佐藤:ええ。なので、その頃はとにかくインプットをしまくりました。CMだけではなくて、ドラマや映画もたくさん見ましたね。

―そうやって浴びるようにインプットする時期は、遅かれ早かれ必要だということですよね。

佐藤:はい、そう思います。

「一生懸命考えた時間はすべて無駄ってこと?」って思うくらい、アイデアがゴミのようにどんどん捨てられていく。最初はそれが衝撃でした。

―電通に入社し、最初の1年は営業に配属されたのち、2008年よりクリエイティブ局に配属されたそうですね。最初は思うようにいかなかったとか。

佐藤:企画って、出せばすんなり通って、すぐ形にできると思っていたんです。でも、全然違うんですよね。通らないんですよ、企画が。「あんなに一生懸命考えた時間はすべて無駄ってこと?」って思うくらい、アイデアがゴミのようにどんどん捨てられていく。最初はそれがもう衝撃で。「広告業界ってのは、こういうところなのか」と。

佐藤雄介

―洗礼を受けたわけですね。

佐藤:入った当時は「どう形にしていくのか?」がわかってなかったんですよね。企画まではできるけど、それをどういうプロセスで世の中に出していくのかという、仕事の流れそのものがわかってなかった。

で、ようやく形にすることができても、思ったような反応が得られない。「なるほど、普通に作っただけだとダメだよな」と。単に形にするだけではなく、自分が子どもの頃に見て「面白い!」と思っていたCMのクオリティーまで持っていくにはどうしたらいいのか、とにかく悩み、考えましたね。

―糸井重里さんが、「企画は誰でもできる。それを形にしてはじめて評価される」とおっしゃっていたことを思い出しました。

佐藤:そう思います。新人のときは、企画がいいだけで評価されたところがあるけど、企画がいいだけでは意味がなくて、色々な条件の中で、実際に世の中に出せるものを作らなければならないわけですから。どうやりくりして実現させるか、そこが重要だし広告の醍醐味ですよね。企画力よりも実現力が大事だと思います。

企画ばっかり作れるようになっても、そのあとのことがなにもできずに、「お任せしまーす」って投げるようだったら、誰もキャンペーンを任せてくれないですからね。自分で一通りのことができることが大切で、そのレベルに達するまでに数年かかりました。

―はじめて自信を持てた作品というと?

佐藤:味噌汁'sというバンド(RADWIMPSの盟友)のデビューアルバムリリースタイミング(2014年5月)で、チームに入れてもらって、プロモーションなど一から全部やらせてもらいました。テレビCMの枠もあったし、MVを含めた映像やジャケットなど、アーティスト周りの仕事を、自分の好きな表現で、ひと通りやることができたのは貴重な経験でしたね。

佐藤:しかもそれが好評で、マルコメで「ロックを聴かせた味噌汁」という、新しい商品を作るプロジェクトにも繋がったんです。元々は味噌汁'sとマルコメのコラボ商品だったんですけど、ただのコラボ商品で終わると狭いキャンペーンになってしまうので、レイヤーを一段階上げて、「ロック」という括りで普遍性を持たせました。ロックフェスにも味噌汁屋さんを出店するなど、活動は多岐にわたりましたね。そういう仕事を作っていると、やっぱり見てくれている人がいて、カップヌードルの競合プレゼンに呼んでもらうきっかけにもなったんです。

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リリース情報

flumpool『FREE YOUR MIND』初回限定盤
flumpool
『FREE YOUR MIND』初回限定盤(CD+DVD)

2016年11月2日(水)発売
価格:2,160円(税込)
AZZS-55

[CD]
1. FREE YOUR MIND
2. ムーンライト・トリップ
3. labo(live at FM802 MEET THE WORLD BEAT 2016)
4. Blue Apple & Red Banana(live at SWEET LOVE SHOWER 2016)
[DVD]
『flumpool 7th tour 2016「WHAT ABOUT EGGS?」at 東京国際フォーラム Special Selection』
1. 解放区
2. Sprechchor
3. DILEMMA
4. 絶体絶命!!!
5. 産声
6. 夜は眠れるかい?
7. Blue Apple & Red Banana
8. Hydrangea
9. World beats
10. 花になれ

flumpool『FREE YOUR MIND』通常盤
『FREE YOUR MIND』通常盤(CD)

2016年11月2日(水)発売
価格:1,296円(税込)
AZCS-2057

1. FREE YOUR MIND
2. ムーンライト・トリップ
3. labo(live at FM802 MEET THE WORLD BEAT 2016)
4. Blue Apple & Red Banana(live at SWEET LOVE SHOWER 2016)

イベント情報

flumpool
『flumpool COUNTDOWN LIVE 2016→2017 「FOR ROOTS」~シロテン・フィールズ・フォーエバー~』

2016年12月31日(土)
会場:大阪府 大阪城ホール

プロフィール

佐藤雄介(さとう ゆうすけ)

電通クリエイティブ・ディレクションセンター5部 CMプランナー / コピーライター。2007年電通入社、2008年クリエイティブ局配属、2013年カンヌ広告祭 ヤングカンヌ「フィルム部門」にて日本初のブロンズ受賞。2016年ADSTARSフィルムクラフト部門グランプリ、TCC新人賞、ACC賞、ACC学生CMコンクール グランプリなど。最近の仕事としては、日清カップヌードル「STAY HOT いいぞ、もっとやれ。」、日清焼そば U.F.O.「エクストリーム!」、ネオファースト生命「◯◯の妻」、大塚製薬ポカリスエット「エール/サンクス篇」、マルコメ「ロックを聴かせた味噌汁」「世界初かわいい味噌汁」、プレステ4「できないことが、できるって、最高だ2016」など。flumpoolの『EGG』『解放区』『FREE YOUR MIND』のクリエイティブディレクションを手がける。

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