特集 PR

アングラから一気に全国区へ Have a Nice Day!インタビュー

アングラから一気に全国区へ Have a Nice Day!インタビュー

Have a Nice Day!『The Manual(How to Sell My Shit)』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人 編集:柏井万作

浅見北斗率いる「鼻持ちならない奴ら」、Have a Nice Day!の「拡張」が止まらない。5月には共に東京のアンダーグラウンドシーンを拠点に活動してきたNATURE DANGER GANGとおやすみホログラムの3組を追ったドキュメンタリー映画『モッシュピット』が全国公開され、渋谷O-WESTでのワンマンライブを成功させると、浅見の目線は遂にアンダーグラウンドの外側に、そして、東京の外側に向けられた。

タイトルからして挑発的な新作『The Manual(How to Sell My Shit)』には、東名阪で行われるリリースパーティーの入場券がついていて、ここには東京だけでなく、地方での活動を活発化させようという意志が感じられる。また、タワーレコード限定の予約特典として、おやすみホログラムと永原真夏をゲストに迎えたCD-Rが制作され、これはアンダーグラウンドを抜け出て、より広いリスナーにリーチしようとする姿勢の表れだと言えよう。

これらの挑戦の背景にあるのは、やはり熱気渦巻くモッシュピットをもっともっと大きくしていきたいという願いだ。『モッシュピット』を制作したAVメーカーHMJMを率いるカンパニー松尾氏はHave a Nice Day!について「最初動画サイトで見て『感じなかった』ものがライブを通して体現し、リアルな現象を目の前にしてようやく僕の頭やカラダに伝わった」とコメントしている。そう、浅見はいつだって、モッシュピットの前で君を待っている。

全然知らないやつらが俺たちの曲をシンガロングしてくれて、超絶感動したんです。これなら地方でもやっていける可能性あるなって。

―ニューアルバムの帯は東名阪で行われるリリースパーティーの入場引換券になっていて、これまであくまで東京を中心としてきたHave a Nice Day!(以下、ハバナイ)の活動に変化が出てきたと言えそうですね。「インターネットじゃ全く縮まらない距離もある」というコメントも印象的でした。

浅見:今まで東京でやってきて、「東京が一番」ってずっと思ってたので、あんまり地方のことは考えてなかったんです。でも、去年リキッドルームでのリリースパーティーを成功させて、今年の5月には渋谷O-WESTでのワンマンも成功させることができたので、これを地方にも広げていきたいと思うようになったんです。

最初はこれまで通りにインターネットを使って何かやろうと思ったんですけど、リキッド規模で成功できたのって、自分たちが東京で積み重ねてきたものがあったからこそなんですよね。お客さんとの共 犯関係というか、信頼関係があった。でも、その関係性が地方の人とは作れてないという問題があって。

浅見北斗
浅見北斗

―『SCUM PARK』(浅見が主催する東京のアンダーグラウンドパーティー)のような現場で培ってきたものが、地方の人とは共有できていないと。

浅見:そう。『SCUM PARK』や『歌舞伎町Forever Free!!!』があったから東京では強いことが言えたけど、同じことをすぐに大阪や名古屋でできるかっていうと、ちょっと失礼になっちゃうし、共感を得られないなって。だから今回のアルバムは、インターネットを使ってアプローチするんじゃなくて、「CDにチケットがついてる」っていう形でやってみようと思ったんです。

―東京にはリアルな現場があって、そこにインターネットも加わって広がりが生まれたけど、地方に最初からインターネットでアプローチしても、届かないだろうと。

浅見:あときっかけとしては映画『モッシュピット』が公開されたことも大きくて。僕らちょっと前まで名古屋でライブをしたことなかったんですけど、映画は名古屋でも上映されたんですね。それに対して、「ライブしに来たことないのに、映画だけやるのはおかしい」みたいな攻撃的な反応もあって、確かにそれもそうだなって。これまでは「東京でやってんだから、こっちに来ればいいじゃん」ってスタンスだったけど、敵対心をむき出しにされると、逆におもろいこと起こるんじゃねえかって気もしたし。

―実際、つい先日(10月13日)に名古屋でライブをしてきたんですよね?

浅見:そうなんです。『龍宮ナイト』ってイベントで、ハバナイとLimited Express (has gone?)と、地元のTHE ACT WE ACTの3バンドだったんですけど、めっちゃ盛り上がったんですよ。「平日だし、東京の感じは出ないと思うけど、アウェイでやるハバナイを観たい」って言ってもらって、僕らもそのつもりで行ったんですけど、実際はホントすごくて。東京だと知ってる顔も多いけど、全然知らないやつらが俺たちの曲をシンガロングしてくれて、超絶感動したんです。これなら地方でもやっていける可能性あるなって。

Have a Nice Day!のアーティスト写真
Have a Nice Day!のアーティスト写真

―イベントとの相性の良さもあっただろうし、『モッシュピット』がいい予習になったっていう部分もあったでしょうね。

浅見:『モッシュピット』は大きかったですね。ちょっと前に札幌にも呼んでもらったんですけど、それも札幌で『モッシュピット』を観たっていう人が呼んでくれたし、実際に行ったら、「HMJM(ハマジム。カンパニー松尾監督が所属するAVメーカー)が好きで『モッシュピット』を観て、それきっかけでハバナイ観に来ました」っていうお客さんもいたりして、自分たちだけだったらそういう状況は作れてなかったと思うけど、「これは地方にも出て行かないと」って思いました。

Have a Nice Day!のライブ風景
Have a Nice Day!のライブ風景

―ちなみに、『モッシュピット』の公開以前は、ハバナイと地方はどんな関係だったのでしょう?

浅見:イベントに呼ばれて行くことは何回かあったんですけど、僕が言ったことで喧嘩みたいになっちゃったり、どっちかって言うと、嫌われてたと思います(笑)。ただ、新潟から毎回『SCUM PARK』を観に来てくれてたお客さんが、新潟でも『SCUM PARK』みたいなことをやりたいって呼んでくれたり、京都でodd eyesってバンドがやってる『感染ライブ』っていうイベントは、『SCUM PARK』に雰囲気が近かったり、そういうのも中にはあったって感じですかね。

―喧嘩(笑)。ハバナイはプロレス的な側面も持ってるから、誤解されることも多いのかなって思うんですよね。なので、バンドのことをちゃんと理解してる企画者の存在が重要で、今はその役目を『モッシュピット』が果たしてくれてるってことなのかなと。

浅見:そうですね。昔はそれこそ音源だけを聴いて、「いいな」って思った人が呼んでくれてたと思うんですけど、最近は『モッシュピット』のおかげで「どういう存在なのか」っていうところまで理解して呼んでくれるので、実際行ったらちぐはぐになるってことはなくなりましたね。今はもう東京の人たちと変わらないぐらい、僕らのことを理解してくれてるなって思います。

Page 1
次へ

リリース情報

Have a Nice Day!『The Manual(How to Sell My Shit)』
Have a Nice Day!
『The Manual(How to Sell My Shit)』(CD)

2016年11月9日(水)発売
価格:2,160円(税込)
Virgin Babylon Records / VBR-036

1. Haywood/Marcellus
2. dance with my climax(void void)
3. 666
4. LOVE SUPREME
5. ミッドナイトタイムライン
6. CRUSH CANDY
7. skit
8. NEW ROMANCE feat. world's end girlfriend
9. WASTED
10. 24hours feat. 入江陽
11. BLUE MIRRORBALL
12. パーティーが終わる
13. Rogers

イベント情報

Have a Nice Day!『The Manual(How to Sell My Shit)』リリースパーティー

2016年11月23日(水・祝)
会場:愛知県 名古屋 鶴舞DAYTRIP
出演:
Have a Nice Day!
NATURE DANGER GANG
おやすみホログラム
料金:当日1,000円(2ドリンク付)
※アルバム付属の引換券で入場無料(ドリンク別)

2016年11月25日(金)
会場:大阪府 味園ユニバース
出演:
Have a Nice Day!
SANABAGUN.
どついたるねん
料金:当日1,000円(ドリンク別)
※アルバム付属の引換券で入場無料(ドリンク別)

2016年12月12日(月)
会場:東京都 渋谷 WWW X
出演:Have a Nice Day!
料金:当日2,500円(ドリンク別)
※アルバム付属の引換券で入場1,000円(ドリンク付)

プロフィール

Have a Nice Day!
Have a Nice Day!(はぶ あ ないす でー)

リーダーの浅見北斗を中心に、2011年頃より活動するジャンク・ディスコ・バンド。ウネるシンセ、太いベースを軸としたサウンドが魅力。2012年にオモチレコードより『BLACK EMMANUELLE EP』2013年に『welcome 2 SCUM PARK』を発表。新宿LOFTを中心に開催されていた“SCUM PARK”の中心的バンドとして、NATURE DANGER GANGらとともに東京アンダーグラウンド・シーンで注目を浴びる。2015年4月にはおやすみホログラムとのコラボ作「エメラルド」、Limited Express (has gone?)とのコラボ作「Heaven Discharge Hells Delight」をリリース。15年11月18日には会場限定3rdアルバム「Dystopia Romance」のリリースパーティーをクラウドファンディングで一般から出資を募り恵比寿リキッドルームでの開催にこぎつけ満員御礼、大成功を収めた。2016年4月、Virgin Babylon Recordsからベスト盤『Anthem for Living Dead Floor』、5月にはアルバム『Dystopia Romance 2.0』をリリース。11月9日にアルバム『The Manual(How to Sell My Shit)』をリリース。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

yahyel“TAO”

音楽と映像、そしてその相互作用によって完成するyahyelの芸術表現が完全に別次元に突入したことを証明するミュージックビデオ。クライムムービーとそのサントラのような緊迫感に終始ゾクゾクする。一体いつ寝てるんですかと聞きたくなるが、監督はもちろん山田健人。「崇高」という言葉を使いたくなるほどの表現としての気高さに痺れる。(山元)

  1. 香取慎吾が「慎吾母」に ファミマ「お母さん食堂」メインビジュアル公開 1

    香取慎吾が「慎吾母」に ファミマ「お母さん食堂」メインビジュアル公開

  2. 森山未來が蒼月潮、山本美月がウテナに、テレ東『このマンガがすごい!』 2

    森山未來が蒼月潮、山本美月がウテナに、テレ東『このマンガがすごい!』

  3. 安室奈美恵の引退日に1回限りのCM放送 安室の「笑顔」集めた60秒映像 3

    安室奈美恵の引退日に1回限りのCM放送 安室の「笑顔」集めた60秒映像

  4. 乃木坂46が『anan』ジャック 表紙は白石麻衣、西野七瀬、齋藤飛鳥ら7人 4

    乃木坂46が『anan』ジャック 表紙は白石麻衣、西野七瀬、齋藤飛鳥ら7人

  5. 「女の子は皆めんどくさい」コレサワが伝える、女子の本性と本音 5

    「女の子は皆めんどくさい」コレサワが伝える、女子の本性と本音

  6. 渡辺あや脚本『ワンダーウォール』、静かに話題呼ぶ京都発ドラマ地上波再放送 6

    渡辺あや脚本『ワンダーウォール』、静かに話題呼ぶ京都発ドラマ地上波再放送

  7. 崎山蒼志が戸惑い混じりに語る、『日村がゆく』以降の喧騒の日々 7

    崎山蒼志が戸惑い混じりに語る、『日村がゆく』以降の喧騒の日々

  8. 高畑充希×山崎賢人がオタク役、福田雄一監督の実写『ヲタクに恋は難しい』 8

    高畑充希×山崎賢人がオタク役、福田雄一監督の実写『ヲタクに恋は難しい』

  9. Corneliusが世界で認められるまで。海外進出のカギは何だった? 9

    Corneliusが世界で認められるまで。海外進出のカギは何だった?

  10. 『ULTRA JAPAN 2018』開催。日本におけるEDM人気の立役者が5周年 10

    『ULTRA JAPAN 2018』開催。日本におけるEDM人気の立役者が5周年