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大黒摩季はなぜ復帰した? バブル時代も主婦の気持ちも知る女の歌

大黒摩季はなぜ復帰した? バブル時代も主婦の気持ちも知る女の歌

大黒摩季『Greatest Hits 1991-2016 ~All Singles + ~』
インタビュー・テキスト
柴那典
編集:矢島由佳子
2016/11/25

シンガーソングライターとして、そして女性として、40代を「生きる」ということとは、どういうことなのだろうか。そして「歌う」ということは、どういう表現なのだろうか。ちょっと大袈裟な話になってしまうかもしれないけれど、そういうことを感じさせてくれた取材だった。

2010年に子宮疾患と不妊治療のため音楽活動を休止し、今年8月、6年ぶりの復活を果たした大黒摩季。先日放映されたテレビ番組『情熱大陸』では、活動休止中だった6年間の病気治療、専門学校の講師としてボーカリストを目指す若い世代を教える姿、そして母の介護を行う日々も赤裸々に描かれていた。

一方、先日は18年ぶりとなる『ミュージックステーション』に出演。“熱くなれ”“あなただけ見つめてる”“ら・ら・ら”という自身の代表曲を歌い上げ、パワフルな歌声を披露している。デビュー25周年を迎え、コンプリートベスト『Greatest Hits 1991-2016 ~All Singles + ~』のリリースを機に、大黒摩季のこれまでとこれから、そして若い世代に向けたメッセージを聞いた。

2回お腹を切っているので、一度は歌えない覚悟をしていました。

―まず、『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2016 in EZO』(以下、『ライジング』)で6年ぶりの復活のステージに立ったときの感触はいかがでしたか?

大黒:とりあえず「みなさまの思っている、ファンの方々が好きな大黒摩季ってなんだっけ?」ということを思い出すところから始まりました。活動休止はまったくポジティブなものではなく、病気に身ぐるみはがされた感じでしたからね。完全に音楽から離れて、母の介護と、自分の治療と、あとは主婦として暮らすだけでした。音楽やエンターテイメントに関しては、作り手ではなくて受け手にまわっていたんです。普通に音楽ファンとして洋楽や若い世代のアルバムを聴いていただけで。復帰すると決めたのも、今年の4月くらいのことでした。

『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2016 in EZO』
『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2016 in EZO』

―復帰を決めたのはなにが大きかったのでしょうか。

大黒:身体の調子です。去年の11月に最後のオペをしてから、体力が回復してきて、メディカルの先生から「歌ってもいい」と言われたんですね。それ以前から、「25周年のタイミングで復帰できたらいいね」と周りは言っていたんです。でも私の様子待ちだった。3月、4月くらいから、「いけそう」「いけるかも」みたいになってきて、『ライジング』が手を挙げてくれたので、ホームグラウンドの場所から出ようと思ったんです。

―地元の札幌は再スタートの場所として思い入れがあった?

大黒:そうですね。気分的にはゼロなんてものではなく、マイナスからのスタートでしたから。身体が前と違うから、戦いの場である東京に出る勇気はなくて。なにがあっても抱擁してくれるような、ホームの場所から出たほうがいいだろうって思ったのがひとつです。

もうひとつは、マイナスからのスタートっていうのはデビュー前と同じだから、もう一回デビュー前から始めようと。実を言うと『ライジング』は一般のみなさんへの復帰だったんですけど、その前に、休んでいる間も支えてくださったファンクラブのみなさんの前で歌う機会があったんです。そこが本当に6年ぶり、オペ後初めて歌う場所でした。実は一番緊張したのが、その小さいライブハウスです。たかだか20cmのステージなんですけど、そこに上るのにはすごく勇気が必要で。

―音楽から完全に離れて生きていくという選択肢もあり得たわけですよね。なぜそちらを選ばなかったのでしょう。

大黒:2回お腹を切っているので、一度は歌えない覚悟をしていました。声量も、ハイピッチの地声も、お腹周りが肝なんです。まさにその部分を切っている。先生たちも腹筋を横に切らずに縦に切るとか、いろいろ考えてくれたんですけれど、それでも手術後の痛みを思うと、「無理だろう」と言われたりもしました。

でも、その20cmを上った瞬間に「始まった」と思ったんです。そのあとに、高校生のときからやっていた札幌のベッシーホールという小さいライブハウスで、バンド編成で歌いました。それを経て、みなさんが大好きなノリノリな大黒摩季が『ライジング』に出たんです。

『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2016 in EZO』
『RISING SUN ROCK FESTIVAL 2016 in EZO』

―『ライジング』のMCで、「みなさんで私を大黒摩季にしてください」と言っていましたよね。あの言葉にはどんな思いがあったのでしょう?

大黒:大黒摩季って、私の「私物」じゃないんですよね。大黒摩季というブランドでありプロジェクトである。たくさんのミュージシャンの才能を拝借して、自分の血肉にして、プロデューサーや周りのスタッフたちが選んでくるものに乗っかる。

大黒摩季というブランドをみんなで作っている意識が強くて、私自身もそのキャストの一人なんです。だから「大黒摩季にしてください」って言っているときにいつも思うのは、お客さんが望んでいるものを教えてください、ということ。それは嘘ではなく自分の一部なんです。

大黒摩季
大黒摩季

―ある種客観的に「大黒摩季らしさ」というものを捉えている。

大黒:たとえば活動休止中に吉川晃司さんがバックコーラスに呼んでくれたときも、「大黒くんっぽいのでどうぞ」って言われたんですけど、「大黒摩季っぽいのってどういう感じですか?」って感じですから(笑)。「地声がとんがってて、ビブラートがかかってて、シャウティーなやつ」「了解、これ?」「そうそう、っぽいね!」みたいにやり取りしながら確かめていく感じでした。

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リリース情報

大黒摩季『Greatest Hits 1991-2016 ~All Singles + ~』STANDARD盤
大黒摩季
『Greatest Hits 1991-2016 ~All Singles + ~』STANDARD盤(3CD)

2016年11月23日(水)発売
価格:3,672円(税込)
JBCZ-9035~37

[DISC1]
1. STAY
2. STOP MOTION
3. DA・KA・RA
4. チョット
5. 君に愛されるそのために
6. 別れましょう私から消えましょうあなたから
7. Harlem Night
8. あなただけ見つめてる
9. 白いGradation
10. 夏が来る
11. 永遠の夢に向かって
12. ROCKs
13. Stay with me baby
14. ら・ら・ら
15. いちばん近くにいてね
16. 恋はメリーゴーランド~Original Version~
17. 子供の国へ
[DISC2]
1. FIRE
2. あなたがいればそれだけでよかった
3. 愛してます
4. あぁ
5. ガンバルシカナイジャナイ?!
6. 熱くなれ
7. アンバランス
8. ゲンキダシテ
9. You're not mine
10. 空
11. Power Of Dream
12. 風になれ
13. ネッ! ~女、情熱~
14. 太陽の国へ行こうよ すぐに ~空飛ぶ夢に乗って~
15. 夢なら醒めてよ
16. 虹ヲコエテ
[DISC3]
1. 雪が降るまえに
2. アイデンティティ
3. 勝手に決めないでよ
4. 夏が来る、そして...
5. いとしい人へ ~Merry Christmas~
6. ASAHI ~SHINE&GROOVE~
7. OVER TOP
8. 胡蝶の夢
9. コレデイイノ?!
10. Our Home
11. IT'S ALL RIGHT
12. Anything Goes!
13. TAKE OFF ~SKY MARK Cheer up↗↗ver.~
14. Higher↗↗Higher↗↗︎ ~Single ver.~
15. My Will ~世界は変えられなくても~

大黒摩季『Greatest Hits 1991-2016 ~All Singles + ~』BIG盤 初回限定生産盤
大黒摩季
『Greatest Hits 1991-2016 ~All Singles + ~』BIG盤 初回限定生産盤(4CD+DVD)

2016年11月23日(水)発売
価格:10,000円(税込)
JBCZ-9038~41

[DISC1~3]
『Greatest Hits 1991-2016 ~All Singles + ~』STANDARD盤と同様
[DISC4]
1. 復讐GAME
2. Good-Luck Woman
3. GLORIA
4. Everybody,Groove!!
5. 未来が私を呼んでいる…
6. ふたりが好きだから
7. そして
8. After Blue
9. SLOW DOWN
10. Just Start Again
11. 永遠の光り
12. LIFE ~episodeⅠ~誕生~
13. Forever Rose
14. Make A Wish
[DVD]
『Maki Ohguro 90's Music Video Collection』
1. STOP MOTION
2. DA・KA・RA
3. チョット ※
4. 別れましょう私から消えましょうあなたから ※
5. DA・DA・DA ※
6. Harlem Night ※
7. あなただけ見つめてる ※
8. U.Be Love ※
9. 白いGradation ※
10. 夏が来る
11. 永遠の夢に向かって ※
12. ROCKs
13. ら・ら・ら ※
14. いちばん近くにいてね ※
15. FIRE ※
16. 恋はメリーゴーランド~Original Version~ ※
17. 愛してます ※
18. あぁ ※
19. 熱くなれ ※
20. アンバランス
21. ゲンキダシテ ※
22. 空
23. Power of Dream ※
24. 風になれ ※
25. ネッ! ~女、情熱~ ※
26. 太陽の国へ行こうよ すぐに~空飛ぶ夢に乗って~ ※
27. 夢なら醒めてよ
※ショートバージョン

イベント情報

『Maki Ohguro 2017 Live-STEP!! ~ Higher↗↗Higher↗↗中年よ熱くなれ!! Greatest Hits+ ~』

2017年2月25日(土)
会場:埼玉県 羽生市産業文化ホール 大ホール

2017年3月4日(土)
会場:茨城県 常陸太田市民交流センター パルティホール 大ホール

2017年3月5日(日)
会場:栃木県 栃木文化会館 大ホール

2017年3月11日(土)
会場:愛知県 安城市民会館 サルビアホール

2017年3月12日(日)
会場:兵庫県 加古川市民会館 大ホール

2017年3月20日(月・祝)
会場:千葉県 多古町コミュニティプラザ文化ホール

2017年4月15日(土)
会場:山形県 やまぎんホール(山形県県民会館)

2017年4月22日(土)
会場:静岡県 磐田市民文化会館

2017年4月23日(日)
会場:岐阜県 バロー文化ホール(多治見市文化会館)

2017年4月29日(土)
会場:山梨県 甲府 コラニー文化ホール 大ホール

2017年5月7日(日)
会場:千葉県 千葉県文化会館 大ホール

2017年5月14日(日)
会場:神奈川県 ハーモニーホール座間ホール

2017年6月2日(金)
会場:東京都 かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール

2017年6月3日(土)
会場:埼玉県 狭山市市民会館 大ホール

2017年6月17日(土)
会場:広島県 三原市芸術文化センター ポポロ

2017年6月18日(日)
会場:兵庫県 篠山 たんば田園交響ホール

2017年6月24日(土)
会場:群馬県 伊勢崎市文化会館 大ホール

プロフィール

大黒摩季
大黒摩季(おおぐろ まき)

札幌市・藤女子高等学校を卒業後、アーティストを目指して上京。スタジオ・コーラスや作家活動を経て、1992年『STOP MOTION』でデビュー。ミリオンヒットを立て続けに放ち、1995年にリリースしたベストアルバム『BACK BEATs #1』は300万枚を超えるセールスを記録する。テレビ出演やライブも行わなかったことから、大黒摩季は存在しないなどの都市伝説があった中、1997年の初ライブでは有明のレインボースクエアに47,000人を動員し、その存在を確固たるものにする。その後も毎年全国ツアーを継続し、精力的に活動するも2010年病気治療のためアーティスト活動を休業する。その間、地元・北海道の長沼中学校に校歌を寄贈、東日本大震災により被災した須賀川小学校への応援歌・歌詞寄贈、東日本大震災・熊本地震への復興支援など社会貢献活動のみ行っていたが、昨年よりDISH//、TUBE、郷ひろみなどの作詞提供をはじめクリエイティブ活動を再開。2016年8月、『RISING SUN ROCK FESTIVAL』での出演を皮切りに、故郷である北海道からアーティスト活動を再開。

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