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単なる反骨心ではない ★STAR GUiTARの健全な逆張り精神に学ぶ

単なる反骨心ではない ★STAR GUiTARの健全な逆張り精神に学ぶ

★STAR GUiTAR『Here and There』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:豊島望 編集:山元翔一
2016/11/25

(“Star Guitar”のカバーは)頭の中でイメージが出来上がりすぎていたので、制作はものすごく早かったですね(笑)。

―具体的な曲で言うと、やはりThe Chemical Brothersの“Star Guitar”のことはお伺いしたいです。

★STAR:★STAR GUiTARでカバー曲をする気はなかったんですけど、“Star Guitar”だけは別で、いつかやってみたかったんです。それこそMELTENくんとの対談(EDMを選ばなかった男 ★STAR GUiTAR×fox capture plan)のときに「“Star Guitar”だけは残しておいてくれ」みたいな発言をしましたけど、やっとそれが実現しました。

タイミングとしても今回しかないと思ったんですよ。こうやって歌ものをまとめるんだったら、“Star Guitar”は入れなきゃねって。1曲だけ新曲を入れるのもありだったんですけど、それよりは“Star Guitar”を入れた方が説得力が出るだろうと。

★STAR GUiTAR

―先ほどからおっしゃる通り、直球のベスト盤ではないですけど、“Star Guitar”が入ることで、ベスト盤らしい特別感が出ますよね。せっかくなので、原曲自体についても改めてお伺いすると、リリースが2002年なので、★STAR GUiTARさんが二十歳前後くらいの頃かと思うんですけど、初めて聴いたときはやはり衝撃でしたか?

★STAR:大半の人が言うと思うんですけど、やっぱり、あのミュージックビデオを見たときの衝撃ですよね。あんなふうに音と映像が同期したビデオは当時なかったから、すごい衝撃で。

フランスの映画監督、ミシェル・ゴンドリーが監督を務めている

―今回のカバーにはボンジュール鈴木さんがフィーチャリングされています。

★STAR:メロディーも歌詞も2行で終わるので、ちょっとコーラスで遊べないかなと思って、ボンジュールさんとやりとりして作りました。ボンジュールさんは、「こんなフレーズどうですか?」みたいものをなんとなく投げると、すごく具体的に返してくれるから、やりやすかったですね。

―とはいえ、大名曲をいじるのはプレッシャーかと思うのですが。

★STAR GUiTAR

★STAR:逆に、すごく楽でした。聴き直さなくても全部再現できちゃうくらいには聴いているので、本当に簡単にできちゃって。原曲をガラッと変えるというよりは、1か所だけを劇的に変えて、それ以外は原曲に忠実な範囲で遊ぶと決めたんです。その遊びの部分がボンジュールさんのコーラスだったんですけど、頭の中でイメージが出来上がりすぎていたので、制作はものすごく早かったですね(笑)。

「これしかない」って思い込んでいると、曲が持っているポテンシャルをちゃんと引き出せない。

―“Star Guitar”のアレンジが意外とすんなり進んだとなると、逆に苦労した曲をお伺いしたいです。

★STAR:苦労は今回ほぼしてなくて、最初だけなんですよね。

―どういう方向性でやるか決めるところだけで、あとはイメージがしっかり見えたら、作るのはすぐだったと。

★STAR:単純に、自分のアレンジ能力やミックスの能力が上がったんだと思います。ボーカルは全部原曲のものを使っているんですけど、オリジナルでは聴こえなかったフレーズや音が聴こえてくると思うんです。これは自分でもびっくりしましたね。ミックスや自分の入れた音のせいで声が埋もれていたところが何か所かあったので、そういう意味でも新鮮に聴こえると思います。

★STAR GUiTAR

―昔の曲を聴き返す作業の中で、他になにか再発見はありましたか?

★STAR:最近の僕の曲って全体的に短いんですけど、当時はすごく長いんですよね。それはびっくりしました。

―いわゆるダンスミュージック的なループの曲から、展開するタイプの曲に変わってきたことの表れでしょうか。

★STAR:そうですね。「昔はこんなに繰り返していたのか」って、びっくりしました。もちろん、それがループの面白さなんですけど、最近それを忘れていたと思うくらい新鮮さがありました。今とは曲作りの考え方が全然違ったんですね。

―間違いなく、「ピアノ期」の三枚を通過しての今ですよね。

★STAR GUiTAR

★STAR:『Wherever I am』とか『Wherever You are』ってめちゃめちゃ短くて、ファースト(『Carbon Copy』)の収録時間の半分くらいになっていると思いますし。ただ、今回作り直しても、基本的な構成とかは変えてないんです。リミックスみたいにはしたくなかったので、歌のタイムラインもキーやテンポも絶対に変えない。そのうえでどう飽きさせないかを考えました。ループなんだけどループに聴かせない作り方を覚えた上でのアレンジっていうアップデートの仕方でしたね。

―マインドの部分で言うと、当時と今とでなにか違いを感じましたか?

★STAR:当時の方が頑固だと思う。「これしかない」って思い込んでいるなとすごく感じました。いい意味で言えば、「勢いがある」ってことなんだけど、そのせいで埋もれてしまう音があったことには当時気づいてなかった。

今だったら、「ここを聴かせたら、もっといい曲になるのに」っていうさじ加減がわかるようになったから、今の自分が昔の自分に対して丁寧に整えてあげるような気持ちもありました。当時は選択肢がひとつしかなかったんでしょうね。今は「こんなにあるんだよ」って見えるようになったことで、曲が持っているポテンシャルをちゃんと引き出せるようになったと思います。

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リリース情報

★STAR GUiTAR『Here and There』
★STAR GUiTAR
『Here and There』(CD)

2016年11月16日(水)発売
価格:2,160円(税込)
CSMC-028

1. Starting Over feat. Scandi
2. Mind Surf feat. DAOKO
3. Star Guitar(Vocal by ボンジュール鈴木)
4. Imagine feat. Okika
5. Mirai Real feat. YOW-ROW from GARI
6. Mind Trip feat. Steven McNair
7. 君はスナイパー feat. MIRU from JaccaPoP
8. Brain Function feat. Azumi
9. After You feat. Okika
10. P.O.P(Person Or Popular)feat. Scandi
11. Find the Center of a Circle
12. Youthful Days feat. RAM RIDER

プロフィール

★STAR GUiTAR
★STAR GUiTAR(すたー ぎたー)

プロデューサー / アレンジャーのSiZKによるソロプロジェクト。2010年8月「Brain Function feat. Azumi from yolica」でデビューし、2011年1月には1stアルバム「Carbon Copy」でiTunes Storeダンスチャート1位を記録。テクノを基軸にハウス、エレクトロ、ドラムンベースやエレクトロニカなどの多彩なダンスミュージックを昇華したサウンドを展開する。2014年9月には、「ダンスミュージック」×「ピアノ」を融合させた、コラボレーションアルバム『Schrödinger's Scale』をリリース。90年代のテクノ・ミュージックをベースに、fox capture planのキーボードとしても大ブレイク中の「MELTEN」、PE'Zのキーボードとして時代を築き、現在はソロ名義での活動も盛んな「H ZETT M」、孤高の世界観を奏でる「Schroeder-Headz」等、豪華なピアニスト達との共演を実現し、ある種のセッション的なプロセスによって作り上げたその音像は大きな反響を呼んでいる。

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