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理想の海外進出とは? MONOらの例からROTH BART BARONと考察

理想の海外進出とは? MONOらの例からROTH BART BARONと考察

CAMPFIRE
インタビュー・テキスト
柴那典
撮影:豊島望 編集:矢島由佳子、山元翔一

ROTH BART BARONが、UKデビューに向けたプロジェクトをクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にてスタートしている。これまで『ロットバルトバロンの氷河期』『ATOM』という2枚のアルバムをリリースし、海外のインディーミュージックと共振する音楽性で大きな評価を集めてきた彼ら。

海外でのレコーディングやツアーなども重ねてきたバンドは、なぜ今、イギリスでの展開を目指すようになったのか? そしてなぜ、そのためにクラウドファンディングを使おうと思ったのか。バンドの現在や目指す地点だけでなく、彼らの音楽のベースにある価値観について、そしてクラウドファンディングと音楽の形を巡る話まで、三船雅也(Vo,Gt)、中原鉄也(Dr)とたっぷり語り合った。

恐れずに自分たちで活動の舵を切っていかないと面白くない。(三船)

―まず、UKデビューに向けてのきっかけは、どういうところにあったのでしょうか?

三船(Vo,Gt):僕らはこのバンドが始まったときから、日本とそれ以外の世界をわけることなく音楽をやろうと決めていて。フラットに、肩肘張らずにそういうことをやれる環境を模索してきたんです。

いまだに僕らもメディアも便宜上、「洋楽」「邦楽」という言葉を日常的に使っているじゃないですか? どうして当たり前のようにそう言えるんだろうかとか、そういう小さな疑問がたくさんあるなかで、僕らは悶々としながらやってきたんです。

左から:中原鉄也、三船雅也
左から:中原鉄也、三船雅也

―『ロットバルトバロンの氷河期』(2014年)はアメリカのフィラデルフィア、『ATOM』(2015年)はカナダのモントリオールと、これまでレコーディングに関しては海外で行っていましたよね。今回はクラウドファンディングという枠組みを使っているわけですけど、そもそも最初から海外にアタックしていた?

三船:そうですね。とりあえずやってみようと。今ってインターネットで調べたら、自分たちがどんな立ち位置にいるかわかるようになったじゃないですか。だから自分たちも含めて、僕らの世代って、変に頭がよくなっちゃって、動きづらいところがある気がするんです。結果がある程度見えているから恐れてしまうというか。

でも、そこで恐れずに自分たちで活動の舵を切っていかないと面白くないなと感じていて。やってみればなんとかなるんじゃないかとも思うんですよ。僕らは最初のレコーディングでアメリカに行くことができて、『ATOM』ではアメリカツアーもして、北米大陸にはアプローチできた。でも、ヨーロッパとなると僕らは一度も行ったことがなくて。

―では、今回の話に至るきっかけは?

三船:実はFEEDER(イギリスのロックバンド)のベーシストのTAKAさん(TAKA HIROSE)がきっかけなんです。『ATOM』をリリースして、去年アジアツアーをしている頃だったかな、突然メッセージをいただいて。「君たちのサウンドが面白くて気に入っている。可能性があると思うよ、イギリスでもやってみない?」、そんなふうに言ってくださったんです。

左から:中原鉄也、三船雅也

三船:TAKAさんは日本人として一人でイギリスに渡って、ツアーを重ねてこられた方だというのは知っていたので、日本と世界をわけ隔てなく音楽活動をしたい僕らとしては一番相談に乗ってほしい人で。そんな人から幸運にも連絡をいただけたこともあって、何度かやりとりをしていたんです。

中原(Dr):自分たちが好きなミュージシャンと同じステージに立つきっかけにもなるだろうし、これはすごくラッキーなことだと思いました。

―そこからどういうやりとりをしたんですか?

三船:最初は、「僕らはこうしたいと思っている」という漠然としたことを伝えました。ビジネスを考えたら、向こうで受けやすいメロディーを英語で歌う選択肢もあるだろうけれど、僕らの原動力にあるのは「心が動かされること」なんです。

自分たちがアートとして表現を作っていくときに、別に僕らはマクドナルドとかコカ・コーラとか、インスタントに世界中で展開されるようなものを作りたいわけじゃない。そういうスタンスを崩さずに、僕らが日本で生活しながら世界でも同等に音楽をやれるのか、みたいなところから始まって。

三船:その後TAKAさんが、向こうでのデビューをサポートしてくれる方と引き合わせてくれたんです。その人と一緒にプランを組み立てる段階で話がかなり具体的になって。今は2017年にイギリス、ヨーロッパで僕らが何をできるだろうかというところまで相談に乗ってもらっている感じです。

MONOとTHE NOVEMBERSを見て、音楽をやりながら歳をとるというのはすごく素敵なことなんじゃないかと思った。(三船)

―去年、ROTH BART BARONはMONOとTHE NOVEMBERSとイベントで共演していますよね。MONOは海外で活動を続けてきた先輩にあたりますが、実際に話してみて「なるほど」と思うこと、参考になるようなこととかってありましたか?

三船:なるほどと思うことばかりでした。もちろんMONOもそうですけど、THE NOVEMBERSも、インディペンデントで活動を頑張っていて尊敬する先輩バンドですから。

最初にMONOとTHE NOVEMBERSを見て思ったのは、音楽をやりながら歳をとるというのはすごく素敵なことなんじゃないかということでした。「ミュージシャンは歳をとると旬ではなくなる」みたいに、ネガティブなことを言われることもあるじゃないですか。でも、二組の生き様が、歳をとることの良さに気づかせてくれたんです。

三船雅也

―MONOのGotoさん(Takaakira“Taka”Goto)はすごくフランクで、熱い人ですよね。

三船:そう。MONOはすごく情熱的な人たちだったんですよ。いかにして英語を勉強したかとか、いかにして海外で自分の好きな音楽をやっていくようになったのか、とか。Gotoさんがおっしゃったことのなかで非常に面白かったのは、「世界一になれば自動的に日本一になれるんだ」という話で。すごくシンプルだし、情熱のある話ですよね。

でも彼はすごく現実的で、夢だけを見ているわけじゃなくて、シリアスに現実を見るクレバーさがある。だから、無邪気だけどしっかりとしているんです。それにMONOは、ヨーロッパツアーを36公演無休でやり続けてきたり、いろんなことを肌で体験してきた説得力もある。

中原:僕はドラムのTakadaさん(Yasunori Takada)とお話をしたんですけど、いろいろ丁寧に教えてくれて。飲み会の席ではすごく気さくなんですけれど、ライブを観たら引き込まれてしまう。それは世界で戦ってきた経験で得たものなんだと感じました。とにかく世界観が圧倒的なんですよね。

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プロジェクト情報

CAMPFIRE
CAMPFIRE

「UKデビューに向け、イギリスでEP盤&ミュージックビデオを制作」
2017年2月20日(月)までクラウドファンディング募集

プロフィール

ROTH BART BARON
ROTH BART BARON(ろっと ばると ばろん)

三船雅也(Vo,Gt)、中原鉄也(Dr)から成る2人組フォークロックバンド。2014年、米国フィラデルフィアで制作されたアルバム『ロットバルトバロンの氷河期』でアルバムデビュー。続く2015年のセカンドアルバム『ATOM』は、カナダ、モントリオールのスタジオにて現地のミュージシャンとセッションを重ね作り上げられた。2015年はアジアツアーをはじめ、国内外のフェスへの出演なども精力的に行っている。

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