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前田エマ×maegamimami×田中ちえこが語る、女の子のパワー

前田エマ×maegamimami×田中ちえこが語る、女の子のパワー

ISETAN PARK net
インタビュー・テキスト
冨手公嘉
撮影:西田香織 編集:野村由芽、飯嶋藍子

まだ価値の定まらないものを見つけて作家さんと一緒に広めていけたらいい。(たなか)

―maegamimamiさんの描かれるイラストに女性が多いのはどのような理由からなのでしょうか?

maegamimami:単純に、女の子の生き様に一番興味があるんです。恋愛対象ってことではなくて、自分自身が女として生を受けたから。歌手として歌を表現方法にする人でも、ファッションデザイナーとしてお洋服を作る人でも、女性の表現者に興味があるし、いろんな人の考えることや生き様を知りたい、追求したいって思うんです。

誤解を招くような表現かもしれないですけど、男の人は嫌いじゃないし尊敬する人もたくさんいます。でも、どこか世界は、女性が存在しているということで成立している気がするんですよね。

前田:それは私もわかる気がします。社会に出て2年経って、こんなちゃらんぽらんな私でも、日本の社会システムのなかで女性として生きていくことって大変なんだなと実感しています。だからこそ、女性として表現に向かっている人のパワーを感じる機会がより増えました。

―ギャラリストとして、日々さまざまな作家さんと接する機会が多いたなかさんは?

たなか:私も自分が女性だからなのかもしれないですけど、今頑張っていると感じる作家さんは女性が多い気がします。たとえば批評家に何かを言われてもすぐに受け入れずに、自らの表現で立ち向かっていくパワーがあったり。だから自然と応援したくなっちゃうんですよね。

―新宿眼科画廊はいわゆる普通のギャラリーが扱うような作品だけではなく、イラストレーションなどサブカルチャー周りの作品も扱うなど、守備範囲が広い気がします。それは意図してのことなのでしょうか?

たなか:そうですね。ギャラリストとしては、すでに一定の価値評価がある作品や人より、まだ価値の定まらないものを見つけてその作家さんと一緒に広めていけたらいいなと思っています。

冒頭でお二人が話されていた「ノイズ」に近い部分があるのかもしれませんが、私がギャラリストとして作家さんや作品を選ぶとき、まだよくわからなかったり、すぐにはいいと思えないような作品を扱うこともあるんですよ。

maegamimami、前田エマ、たなかちえこ

―そうなのですね。

たなか:たとえば、ろくでなし子さん(女性器をモチーフとした作品などで知られるアーティスト)の個展をしたときも、作品のすべてを理解していたわけではないです。だけど、良くも悪くもかなりの反響があって。

自分が好きなもの、良いと断言できるものだけを選んで展示するのではなく、すぐにわからなくても何か余地があるものが、時間をかけて後々特別になることもある。私の個人的な好みで扱う作品を決めるのではなくて、可能性を秘めたものを大事にしたいです。

ろくでなし子『よいこのまん個展』(新宿眼科画廊)
ろくでなし子『よいこのまん個展』(新宿眼科画廊)

前田:新宿眼科画廊は、演劇もあれば、絵画もあれば、写真表現もあったり、バリエーションが豊かでおもしろいですよね。アートの文脈や典型的な構図に依存しないで、自由さや軽やかさを持っていられるのは、たなかさんのギャラリストとしての強みですよね。

直感の赴くまま行きたい場所へ行き、見たいものを見て、感覚に自由に応えていきたい。(maegamimami)

―これからどんなアーティストと一緒にギャラリーを盛り上げていきたいと考えているのでしょうか?

たなか:ありがたいことに「新宿眼科画廊」は、いつも変わった作家を扱うユニークなギャラリーというイメージが定着してきて、徐々に立ち位置ができつつある。だけど、今抱かれているようなイメージを壊していきたいとも思っています。

私、プライベートでキックボクシングに熱中していて(笑)。それで筋肉を意識するようになったんですけど、そうしたら身体表現のおもしろさに気づかされることが増えたんです。一見無関係に思えることでも、やってみると新しい発見があると思うので、ギャラリーも限界やジャンルを定めずに、果敢に挑戦していきたいですね。

新宿眼科画廊での展示を眺める前田エマ
新宿眼科画廊での展示を眺める前田エマ

―maegamimamiさんと前田さんはいかがですか?

maegamimami:私の今年のキーワードは「軽やか」なんです。これまでは表現をするうえでがんじがらめになっていた部分があった気がしていて。直感の赴くまま行きたい場所へ行き、見たいものを見て、どんどん自分の感覚に自由に応えていきたい。それによって研ぎ澄まされるものや、偶然の出会いから得られる発見があるんじゃないかなって思っています。

前田:「軽やか」。いいですね。私は、この春から友人とアトリエを借りました。今までは一人で制作をすることが多かったので、何か新しいことが起きるんじゃないかと純粋にワクワクしています。あと、歌を唄ってみたいですね(笑)。

ISETAN PARK netで前田エマ×maegamimamiが『新宿とアート』をテーマに新宿の街を紹介
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サイト情報

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日本最大級のファッション発信基地である伊勢丹新宿店の「今」と「これから」がわかるウェブメディア。ファッション、アート、音楽、カルチャーなどを切り口に、週ごとに新宿店で繰り広げられるイベント情報を紹介しています。

プロフィール

前田エマ(まえだ えま)

モデル。1992年生まれ。東京造形大学卒業。オーストリアウィーン芸術アカデミーに留学経験を持ち、在学中からモデル、エッセイ、写真、ペインティング、朗読、ナレーションなど、分野にとらわれない活動で注目を集める。

maegamimami(まえがみまみ)

イラストレーター。群馬県出身。女性誌、ウェブ、広告、ブランドとのコラボレーションなどを中心に活動する。また、クッションをはじめとする刺繍作品を展開するアーティスト活動も行なう。女性をモチーフにした作品が主。TBS系連続ドラマ『カルテット』のポスタービジュアルのイラストデザイン及び、主題歌“おとなの掟”(Doughnuts Hole×椎名林檎)のジャケットを制作。初の作品集『maegamimami Grab The Heart』(宝島社)が発売中。

田中ちえこ(たなか ちえこ)

ギャラリスト、アーティスト。新宿眼科画廊ディレクター。現代美術を中心に、写真や映像作品、演劇など、様々なジャンルの展覧会を行っている。ギャラリー名の由来は、「新橋内科画廊」を元にして「目に良い場所」という意味。眼科は併設していない。

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