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KKBOX山本雅美の生き方。平日は「音楽業界」土日は「場所作り」

KKBOX山本雅美の生き方。平日は「音楽業界」土日は「場所作り」

CAMPFIRE
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:豊島望 編集:矢島由佳子

川は日常生活の延長線上にあるじゃないですか。学校の放課後的な魅力がある。

―昨年は、comaecolorのメンバーたちと『タマリバ~TAMAGAWA RIVERSIDE FESTIVAL~』を開催して、そこから週末限定カフェ「SOTO KAWADA」につながっていったそうですね。

山本:『タマリバ』はゼロから立ち上げた、本当に手作りフェスだったんです。出演アーティストやコンテンツ出店者の方も、自分たちが直接声をかけさせてもらったり、知り合いに紹介してもらったりしながら決めていきました。それでも2日間で、およそ3000人の方に来て頂いて。こういう場所をみんな求めていたんだと感じました。

山本:そのときに僕ら、私道だと知らずに車を横付けしてしまったんです。そうしたら、今「SOTO KAWADA」を開いている「川田旅館」のオーナー楠瀬さんに、「なにやってんだ」って怒られたところから我々の出会いが始まった(笑)。「え、ここ旅館なんですか!」って僕らもびっくりして。実はとても由緒ある旅館で、調布の撮影所で映画の撮影などがあった際には、スタッフが宿泊することもあったそうなんです。

川田旅館
川田旅館

山本:もともと僕らは「海の家」ならぬ、「川の家」を作りたかったんです。河川敷でのんびりできるようなスペースがあったらいいなとずっと思っていて。でも、実際にやってみようと思うと、行政をはじめ、いろんなところからの制約があったり、食品管理の問題もあったりして、なかなかハードルが高いんですね。

それで「どうしたものか……」と思っていたところに、こんな出会いがあって。僕らの思いを楠瀬さんにお伝えしたところ、賛同していただき、それで「川田旅館」の一部を使わせてもらう形で「SOTO KAWADA」を開くことができたんです。

―山本さんの「川の家」に対するこだわりは、どこからきているのですか?

山本:海と違って、川は日常生活の延長線上にあるじゃないですか。都心に住んでいる人が海へ行くとなると、車を用意するなど準備も手間もかかる。海は日常から切り離された、非日常的な空間へ行くような感覚があると思うんですけど、川はすぐに行けますよね。しかも小田急線が見えたり、人や自転車が行き交う音なども聞こえてきたりして、ちょっと学校の放課後的な魅力がある気がするんです。

多摩川河川敷の様子
多摩川河川敷の様子

―確かに「川の家」だと完全な非日常ではなく、日常と非日常の中間に存在する、ホッとするスペースというイメージがありますよね。しかも「SOTO KAWADA」の場合、週末限定の営業という「儚さ」も、日常とは少し違う特別感があります。

山本:そうなんです。河川敷にみんなが集まれるスペースを作って、コーヒーを飲みながら夕暮れの川をぼーっと眺めていると、向こう岸のラブホテルの灯りまでエモく見えてくる、みたいな(笑)。そんな時間を過ごすことで、また平日の活力になったらいいなと。

―それもまた、「視点を変える」という発想と結びつくのですね。

山本雅美

関心を持ってくれる人が顕在化したのも、クラウドファンディングを始めてよかったことのひとつです。

―今回、「SOTO KAWADA」プロジェクトのためのクラウドファンディングをやろうと思ったのは?

山本:最初は自分たちでできる範囲で、地元の人たちに寄付してもらいながらやろうと思っていたんです。クラウドファンディングとなると、リターンも考えなければならないじゃないですか。やることとリターン品が、ちゃんとマッチすればいいのですが、僕らからすれば「まだリターンを満足に返せないんじゃないか?」と。

難しいかなと思っていたんですけど、僕らの考えに賛同してパトロンになってくださった方々には、「リターン品を渡しておしまい」という形ではなく、一緒にここを作ってもらう形にしたらどうだろうと思うようになりました。今回、リターンを5000円からと高めに設定したのも、そういう思いがあったからなんです。

SOTO KAWADAの様子
SOTO KAWADAの様子(クラウドファンディングページを見る

―「SOTO KAWADA」はゴールデンウィークからオープンしたそうですが、今はどんな状況なのですか?

山本:清澄白河にできたブルーボトルコーヒー日本1号店の店長だった宮崎哲夫さんと、そこで働いていたMotocoさんに週末来ていただき、コーヒーの提供をしてもらっています。お二人はコーヒーユニット「Let It Be Coffee」として活動されていて、コーヒードリップワークショップを開催するなど、今注目を集めています。

それと、手ぶらで多摩川にきても思う存分楽しんでもらえるよう、「ピクニックセット」の貸出をしているんです。今は数が少ないのですが、これもクラウドファンディングの支援金を使わせていただいて、増やしていきたいですね。

レンタルピクニックセット(テーブル、チェア2脚、ピクニックシート、マグカップ2つ、ハンドドリップコーヒー、焼き菓子)。
レンタルピクニックセット(テーブル、チェア2脚、ピクニックシート、マグカップ2つ、ハンドドリップコーヒー、焼き菓子)。

―実際に始めてみると、「あ、これも必要かも」みたいな、細々とした設備補充の必要性も見えてきますよね。

山本:そうなんです。先日も、犬連れでいらっしゃったお客様がいて。リードをつなげておくフックを取り付けたほうがいいなとか。ロードバイクで来られた方のためのバイクラックも必要だなとか。いきなり大規模な改装は難しいのですが、ちょっとずつでも快適な空間にできればなと。そうすると、スタッフの持ち出しだけの運営ではなかなか難しいんですよね。

―クラウドファンディングに登録してみて、反応はいかがですか?

山本:お金の支援だけではなく、実際に「SOTO KAWADA」まで来てくださって、「僕はデザインの仕事をしているので、なんらかの形で関わることができたら」というふうに申し出てくださった方とか、オープンからだけでもたくさんいらっしゃいました。資金を集めるのも大切ですが、そういう人たちとの出会いも大切だなと。関心を持ってもらって、能動的にアクションしてくれる人が顕在化したのも、クラウドファンディングを始めてよかったことのひとつだと思います。

とにかく、人手が全然足りていないんです(笑)。今は狛江在住の有志が週末にでているのですが、僕も土日に仕事の現場がないわけでもないですし、週末ずっと出るのは難しい。無理してやっていても続かないので、一緒に関わってくれる人たちの募集もかけなければと思っています。10月には第2回『タマリバ』を開催予定で、そこでもたくさんの人が訪れてくださるでしょうし。

有志のスタッフが、DIYで「SOTO KAWADA」のデッキを作っている様子
有志のスタッフが、DIYで「SOTO KAWADA」のデッキを作っている様子

―クラウドファンディングに登録して、賛同者が顕在化したことで、「SOTO KAWADA」が人と人をつなぐ交流の場にもなっていくかもしれないですね。

山本:そう思います。こうやって週末限定とはいえ、継続的なスペースがあると、そこで時間をかけて、会話を通してお互いの思いなどを知ることができます。そこからまた、別のプロジェクトが誕生する可能性だってありますよね。そういう、サロンとしての役割を果たすこともできたらいいなと思っています。

「SOTO KAWADA」とは違いますが、個人的には、ポテンシャルの高い狛江の飲食店で、アーティストたちが気軽に演奏できるようなネットワークも設けたいと思っています。食や酒、音楽でつながっていくような、「現代版の流し」みたいな企画を実現したいです。そういった場所が広がっていくことで、飲食店にもアーティストにもエコサイクルできればいいなと。興味を持ってくださった方は、ぜひ連絡ください(笑)。

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プロジェクト情報

GoodMorning
DIYスタイルで週末限定の多摩川ライフの拠点を作りたい

2016年10月に多摩川河川敷フェスティバル『TAMARIBA』を開催したcomaecolorが取り組む新しいDIYプロジェクトは、多摩川河川敷にみんながほっこりできるカフェスペース「SOTO KAWADA」。地元の方はもちろん、多摩川を愛する人たちの素敵な空間を作ります!
クラウドファンディングプロジェクトの支援募集は、2017年5月20日23:59まで。

プロフィール

山本雅美(やまもと まさみ)

1990年ビクターエンタテインメント入社。SPEEDSTAR RECORDS、マーケティング本部副本部長を経て、2008年にアミューズとKDDI合弁の音楽レーベル&マネジメント会社A-Sketchの設立に参画。同社取締役を経て2015年4月より現職。

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