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The Cheserasera×Halo at 四畳半対談 家族未満、親戚以上の二人

The Cheserasera×Halo at 四畳半対談 家族未満、親戚以上の二人

The Cheserasera『dry blues』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:永峰拓也 編集:矢島由佳子、川浦慧

自分は「愛」っていうものに固執しているんだろうなって思います。(宍戸)

―Haloは、ファンタジックな世界観を構築して、ストーリーテリングする楽曲も多いですよね。音楽以外に、自分たちの物語のインプットとなるものはなにかありますか?

渡井:映画から書いた曲は何曲かあります。たとえば、“リバース・デイ”や“春が終わる前に”は、どちらも映画から影響を受けていますね。あ、あと“ペーパームーン”も、映画から書いた曲です。他には、絵本や漫画もインプット元としてはあります。9月に出るミニアルバムにも、絵本から影響を受けている曲が入っていて。

Halo at 四畳半『Animaplot』ジャケット
Halo at 四畳半『Animaplot』ジャケット(Amazonで見る

宍戸:僕も、めちゃくちゃ映画は好きですね。でもやっぱり、僕は渡井と違って、どちらかと言えばハッピーじゃない映画が好きかもしれない(笑)。『エターナル・サンシャイン』(2004年公開、ミシェル・ゴンドリー監督)とか、邦画だと『クロエ』(2001年公開、利重剛監督)とか、どちらもハッピーな終わり方ではないし。でも、そういう映画のほうが深く気持ちに残ったりするんですよね。なんとも言えない感覚をもたらす映画を観て、自分の生活を省みたりして、それが詞になっていったり。

―渡井さんは「生きている以上、幸せなりたい」と仰いましたけど、もしかしたら宍戸さんは、そういうことを強く言いたくないという気持ちもあるのかなって思いました。

宍戸:いやいや、幸せになりたいですよ、僕も(笑)。渡井が言うように「みんな幸せになりたいんだ」って、僕も本当にそう思います。でも、幸せへ向かって行く道のりが、それぞれ違うんですよね。それはいいことだと思う。

もちろん、道の途中でぶつかる瞬間もあって、それは悲しかったりするし、自分の正義を殺して相手側の正義も受け入れなければいけない場面もあって、そこで悩むことは多いけど……でも、「幸せになりたい」っていう気持ちは、決して否定したくない。それは自分が否定されたくないからでもあるんだけど。

宍戸翼(The Cheserasera)

―ケセラの新作『dry blues』についても伺いたいんですけど、渡井さんは、本作をどう聴きましたか?

渡井:やっぱり、今回も宍戸さんの日記なんじゃないかと思うぐらい生々しいなと思いました。個人的に、バンドマンとしては2曲目の“LOVELESS”には、思うところがありましたね。歌詞を読んで「確かに!」って。打ち上げが終わったあとの、謎の手を叩く儀式はなんなんだろう? とか。

宍戸:今回は、聴いた人に「宍戸、なにがあった?」って言われることが多くて(笑)。でもむしろ、これまでの作品に比べて、自分を削って作った感覚はない。

昔は自分を傷つけて曲を作ることも多かったけど、ファンの人たちとか、対バンの人たちとか、身の回りのいろんな人たちと話すことで、「自分が抱く感情は、みんな抱いたことがあるんだな」っていうことがわかるようになってきたんですよね。自分の経験や気持ちを書いているんだけど、それは自分だけのものではないっていう、変な自信が湧いてきて。だからこそ、言っちゃえるっていう部分は、今作には強いかもしれないです。

The Cheserasera『dry blues』ジャケット
The Cheserasera『dry blues』ジャケット(Amazonで見る

―ある意味では、かつてなく周りを信頼している作品とも言える?

宍戸:その視点は新しいな。でも、そうかもしれないです。僕はずっと、「こんなしょうもないことを考えているのは、僕だけなんだろうな」って思っていて。でも今は、どれだけすごそうに見える人でも、みんな同じなんだってわかったんです。みんな腹が減ったら飯を食うし、悲しい気持ちになることもあるし、道に迷うこともあるし。そういう意味で、自分の感情の出し方が、「こういうこと、あるよね?」っていう言い方に整理されてきた部分はあるかもしれないです。

―アルバムの冒頭が“I Hate Love Song”と“LOVELESS”から始まりますけど、「LOVE=愛」に対して、「Hate」や「Less」という表現で始めることは、このアルバムを象徴しているなって思いました。

宍戸:自分は「愛」っていうものに固執しているんだろうなって思います。「愛があるのか? ないのか?」っていうことばかり考えているのかもしれない……まぁ別に、これらの曲のなかで「愛とはなにか」なんて言っていないんですけど、「こんなの愛じゃねえ!」っていう気持ちは強く出てきているんだと思います。このアルバムについて僕が書いた文章があるんですけど……。

―アルバムの特設サイトにも載っている文章ですね。

宍戸:はい。そのなかに「愛が真っ赤とは限らない」っていうフレーズがあって。「愛」っていうと、みんなベタベタに真っ赤なハートみたいなものを思い浮かべるかもしれないけど、そんな「付き合って1か月目」みたいな状態だけが愛じゃないから。別れた彼女を引きずる愛もあるわけで。今回のアルバムは、いろんな愛の形について迫ろうとした作品なのかなって思います。

―このアルバムの歌詞のなかには、<未来>という言葉もよく出てきますよね。「時の流れ」というものも、今作においては重要なテーマなのかなって思いました。

宍戸:なんというか、「続けるしかないなぁ」って思うんですよね。それは言い換えれば「生きなきゃ」っていう気持ちに近いものだと思うんですけど。このアルバムって、「これはこれだな」っていう諦め……というか、「悟り」を持った曲も多いと思うんですよね。でも、それが『dry blues』っていうタイトルの理由でもあると思うんです。

ブルースって、湿っぽくて熱いものっていうイメージもあると思うけど、このアルバムの曲は、びしょびしょに汗をかいているような、表面的な熱さを持っている曲たちではなくて。ただ、秘めた熱さは持っている。「冷めた青春」とか、「乾いた憂鬱」とか、そういう言葉が、全部ハマってくるイメージなんですよね。

宍戸翼(The Cheserasera)、渡井翔汰(Halo at 四畳半)

ケセラは、続けてくれているだけで幸せだということをすごく実感するんですよ。(渡井)

―Haloの9月に出る新作は、どんな作品になりそうですか?

渡井:今回は、サウンドアプローチとして新しい要素が多くて。四人で鳴らす以外の音……鐘の音やオーケストラの音が入ってきたり、友人のアコーディオン奏者にも参加してもらったりして、楽曲の世界観の深まり方も前作より強くなっていると思います。今日の話にも繋がると思うんですけど、音楽のなかに「物語」と「感情」っていうものがあるのだとしたら、「感情」の部分が、前作よりも研ぎ澄まされたなと思っていて。

渡井翔汰(Halo at 四畳半)

宍戸:僕も1回聴かせてもらったんですけど、表現力が多彩になっているよね。でも、芯はブレてないなって思った。あと、やっぱりHaloはライブを絶対に観たほうがいいです。一体感がすごくて、メンバー同士の絆みたいなものをすごく感じるんですよ。伝えることに余念がないというか……客席に向けて、すごい飛んでいき方をしますね。稀に見る団結力を持ったバンドだと思う。

―ケセラの団結力はどうなんですか?

宍戸:みんな、マジで自己中ですね(笑)。でも、これがうちの最大の持ち味なんだと思います。それぞれに「こうしたい」っていうプレイがあって、それを曲げないから、奇妙なアンサンブルが生まれるっていう(笑)。ギターソロで、ベースが前に出てきたりするんですよねぇ……。

渡井:(笑)。でも、ケセラは絶対に3ピースでなければいけないバンドですよね。それぞれが攻めるじゃないですか。でも、それが成り立つのはこの三人だからなんだと思う。サビの歌詞を聴かせる部分で、ドラムがバーッてフィルを叩き始めたりするのが成り立つって、すごいなと思います。

宍戸:もはや、いいんだか悪いんだかわからないけどね(笑)。

渡井:でも、最初にも言いましたけど、地元の佐倉にいた先輩バンドたちはもう壊滅的にいなくなってしまっているので、ケセラは、続けていてくれているだけで幸せだということをすごく実感するんですよ。なので……絶対に辞めないでくださいね。

宍戸:それはこっちのセリフだよ(笑)。やっぱり、Haloのような同郷の後輩バンドに出会うと、「家族よりは遠いけど、親戚よりは近い」みたいな、特別な人に出会えている感覚になるんですよね。すごく心強い存在です。地元で見た光景が素敵なものだったっていうことは、僕らにもHaloにも強く残っていると思うので、その息吹は残していきたいですよね。

宍戸翼(The Cheserasera)、渡井翔汰(Halo at 四畳半)

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リリース情報

The Cheserasera『dry blues』
The Cheserasera
『dry blues』(CD+DVD)

2017年8月2日(水)発売
価格:3,240円(税込)
TCSR-10001

[CD]
1. I Hate Love Song
2. LOVELESS
3. うたかたの日々
4. 心に抱いたまま
5. フィーリンクナイス
6. You Say No
7. 春風に沿って
8. Blues Driver
9. カサブランカの花束
10. 乱れた髪を結わえて
11. good morning
[DVD]
1. I Hate Love Song(Music Video)
2. Blues Driver(Music Video)
3. good morning(Music Video)
4. Making & Commentary of 1,2

イベント情報

The Cheserasera
『“dry blues tour”-ワンマン公演-』

2017年10月7日(土)
会場:愛知県 名古屋 HUCK FINN

2017年10月15日(日)
会場:宮城県 仙台 Flying Son

2017年10月19日(木)
会場:福岡県 graf

2017年10月21日(土)
会場:大阪府 LIVE SQUARE 2nd LINE

2017年10月29日(日)
会場:東京 下北沢 CLUB Que

The Cheserasera
『"dry blues" 発売記念インストアライブ』

2017年8月18日(金)
会場:北海道 タワーレコード 札幌ピヴォ店

2017年9月3日(日)
会場:千葉県 タワーレコード 津田沼店

2017年9月8日(金)
会場:広島県 タワーレコード 広島店

リリース情報

Halo at 四畳半『Animaplot』
Halo at 四畳半
『Animaplot』(CD)

2017年9月20日(水)発売
価格:1,728円(税込)
DDCB-14055

1. クレイマンズ・ロア
2. ステラ・ノヴァ
3. ユーフォリア
4. 劇場都市
5. 発明家として
6. トロイカの箱
7. 点描者たち

イベント情報

Halo at 四畳半
『ぼくらの設計図の描き方』

2017年11月4日(土)
会場:広島県 CAVE-BE

2017年11月5日(日)
会場:福岡県 Queblick

2017年11月18日(土)
会場:宮城県 仙台 MACANA

2017年11月19日(日)
会場:新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE

2017年11月22日(水)
会場:北海道 札幌 COLONY

2017年11月25日(土)
会場:大阪府 梅田CLUB QUATTRO

2017年11月26日(日)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2017年12月2日(土)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST

プロフィール

The Cheserasera
The Cheserasera(ざ けせらせら)

2009年、東京にて前身バンドを結成。2010年2月26日、渋谷屋根裏との共同レコ発企画を開催。同日、1st demo『夜も消えない』をリリース。2010年11月21日、初自主企画『曇天ケセラセラ』を開催。バンド名を「The Cheserasera」に改名。2011年12月、rockin’on presents『RO69JACK COUNTDOWN JAPAN 11/12』の入賞アーティスト16組に選出される。2013年10月9日、タワーレコード限定1st シングル『Drape』をリリース。2014年1月8日、初の全国流通盤となる1stミニアルバム『The Cheserasera』をリリース。2014年6月4日、メジャー1st ミニアルバム『WHAT A WONDERFUL WORLD』をリリース。そして2017年8月2日、ニューアルバム『dry blues』をリリースした。

Halo at 四畳半
Halo at 四畳半(はろ あっと よじょうはん)

2012年6月、千葉県佐倉市にて結成。力強さと温かさが共存する唯一無二の楽曲と圧倒的な歌と演奏でオーディエンスを魅了する「Halo at 四畳半」。メンバーは渡井翔汰(Vo,Gt)、齋木孝平(Gt,Cho)、白井將人(Ba)、片山僚(Dr,Cho)。2015年7月、初の全国流通盤となる1stミニアルバム『APOGEE』をリリース。2017年9月20日に、ニューアルバム『Animaplot』の発売が決定。

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