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シャムキャッツは友達?それとも仕事?幼馴染の夏目と菅原が語る

シャムキャッツは友達?それとも仕事?幼馴染の夏目と菅原が語る

シャムキャッツ『Friends Again』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:馬込将充 編集:山元翔一

藤村とバンビの三人でスタジオに入るようになって、菅原にも声をかけたんだけど、当時暗黒期だったから「俺はやらない」って。(夏目)

—一度離れた二人がどうやって再合流して、シャムキャッツ結成に至るのでしょうか?

夏目:まず、この建物の上にある英会話教室で藤村(頼正 / Dr,Cho)に会ったんです。俺、高校に入ってからもバレーボール部だったんですけど、顧問の先生にいじめられてやめちゃって。それで家でダラダラしてたら、親に「英会話教室でも通ってみたら?」って言われて行ってみると、同じようにバスケ部をやめて英会話教室に来た藤村がいて、「一緒じゃん」って(笑)。で、藤村はすでに高校でJUDY AND MARYのコピバンをやっていて、そのメンバーがバンビ(大塚智之 / Ba,Cho)。

左から:大塚智之、藤村頼正 / シャムキャッツ Tumblr「WITH A BAND」より
左から:大塚智之、藤村頼正 / シャムキャッツ Tumblr「WITH A BAND」より(ページを見る

夏目:それから三人でスタジオに入るようになってライブもやったんですよ(バンド名は「淫乱シャムキャッツ」)。でも「やっぱり四人がいいね」って話になって、菅原に声をかけたら、菅原は当時暗黒期だったから「俺はやらない」ってずっと言ってて。

菅原:変に頑なになってたんだよなぁ。

菅原慎一

夏目:でも、そのあとに俺とバンビは大学生活が始まり、菅原と藤村は浪人生活が始まって、同じ予備校で仲良くなったみたいで。

菅原:急接近しました。代々木の予備校に通ってたから、二人で代々木のBOOKOFFに行って、よく『東京大学物語』(江川達也による漫画)を立ち読みしてた。

夏目:たしかに『東京大学物語』の話、よくしてたよね。

菅原:「東京大学物語クラブ」っていうのを作って、精神世界を考察してた(笑)。俺は高校3年間社会から隔絶してたので、浪人時代はその反動で一気にディスクユニオンとかに通い始めて、音楽を聴き漁るようになったんです。それに加えて藤村と仲良くなったことで、「バンドやろう」って思うようになりました。

夏目:俺、当時日本の音楽を全然知らなくて、日本に面白いバンドなんていないと思ってたんですよ。大学入って、ロック雑誌にも興味が持てなくなっていたときに、菅原は高円寺のU.F.O. CLUBとかに行くようになってて、おとぎ話、毛皮のマリーズ、前野健太とかをいち早く知ってたんですよね。そのときは「菅原、音楽知ってるなぁ」って思ってた。

菅原:高校のときはパンクばっかり聴いてて、自分でファイルにThe Clashって書いて、Ramonesのシール貼って、ズボンに安全ピンとかつけてたくらいなんですけど、結局歌ものが好きで。U.F.O. CLUBにはパンクっぽいんだけど、ちゃんと歌があって、まだ誰にも知られてないバンドがいて、俺にとっての憧れが詰まってたんです(U.F.O. CLUBは、2009年にシャムキャッツが初めてワンマンライブを行ったライブハウスでもある)。

菅原慎一

夏目:俺は早稲田で「中南米研究会」に入ったので、ライブハウスとのつながりとかなくて。でも、菅原は法政大学に入って、サークルがCRJ(東京近郊に在住の学生による音楽団体。正式名称は「CRJ-tokyo」)ともつながってたから、外部から情報が入ってきていて、バンドの初期においてはそれがすごく重要だったんですよね。

俺としては、『Friends Again』っていうフレーズが出たことによって、楽になったところがあって。(菅原)

—ここまでシャムキャッツの前史を振り返ってもらいましたが、去年の11月に行った菅原くんの単独インタビューでは、「いつからかバンドが仕事みたいになっていて、友達に戻りたいと思うようになった」と話してくれていましたよね(バンドに歴史あり。シャムキャッツ菅原が語る「友達に戻りたい」)。だから6月に出たアルバムのタイトルが『Friends Again』だったことに驚いたんですが、夏目くんはあのインタビューを読んで、どんな感想を持ちましたか?

夏目:俺も途中から仕事だと感じてた部分が強くて、今になって腹を括り過ぎてたなと。仕事ってやるしかないし、「やりたくないから、やらないです」とは言えないじゃないですか? だから「やらなきゃいけない」ってなったときに、メンバーに対しても、自分に対しても、気持ちの部分まで考えてなかったなって。「俺もやってるし、みんなもやってよ」くらいの感じ。でも、「これがホントにやりたいことじゃないな」って気づき始めて……まあ、難しいところではあると思うんですよ。

夏目知幸

—バンドには仕事的な側面が必要なときもありますよね。「プロ意識」とも言えるかと思いますが。

夏目:『AFTER HOURS』とか『TAKE CARE』(2015年)を作ったときは、ただの友達同士でバンドをやってるとフワッとしちゃう部分もあるし、人間関係を尊重し過ぎると、甘くなるところも出てきちゃうから、もっと仕事っぽくしないとバンドが成長しないんじゃないかと思ってたんですよね。

それで自分にもメンバーにもギューッと締めつけてやっていった結果、そのより戻しが来て、ちょっと辛くなってたんです。自主レーベルを立ち上げたタイミングがその極限というか、何かちょっと背負っちゃってたところがあったのかな(自主レーベル「TETRA RECORDS」は2016年8月に設立)。

—シャムキャッツでも、生徒会長役が続いていたというか。

夏目:続いてないつもりだったんだけど、続けてたんですよね。でも、それによってバンドに妙な負荷を与えちゃっていた気がする。

夏目知幸

夏目:個人的にも、全然曲が書けなくなっちゃったんですよ。作曲を一番メインの仕事に置かなくちゃいけないのに、他のことに力を注ぎ過ぎて、曲が思い浮かばなくなっちゃって……そうなると余計にいろいろ上手くいかなくなるんですよね。

—でも、実際にレーベルの運営を始めるなかで、四人それぞれの役割が自然と生まれてきて、徐々に「仕事」から「友達」へと変化していったのでしょうか?

菅原:俺としては、『Friends Again』っていうフレーズが出たことによって、楽になったところがあって。

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リリース情報

シャムキャッツ『Friends Again』
シャムキャッツ
『Friends Again』(CD)

2017年6月21日(水)発売
価格:2,916円(税込)
TETRA RECORDS / TETRA-1005

1. 花草
2. Funny Face
3. Four O’clock Flower
4. Travel Agency
5. Coyote
6. Hope
7. October Scarf
8. Riviera
9. Lemon
10. 台北
11. 31 Blues

イベント情報

『シャムキャッツ tour “Friends Again”』

2017年9月16日(土)
会場:千葉県 千葉LOOK

2017年9月17日(日)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2017年9月18日(月・祝)
会場:大阪府 umeda TRAD

2017年9月22日(金)
会場:石川県 金沢vanvan V4

2017年9月23日(土)
会場:岡山県 YEBISU YA PRO

2017年9月24日(日)
会場:香川県 高松TOONICE

2017年9月30日(土)
会場:北海道 札幌COLONY

2017年10月6日(金)
会場:新潟県 新潟CLUB RIVERST

2017年10月7日(土)
会場:宮城県 仙台CLUB JUNK BOX

2017年10月13日(金)
会場:福岡県 福岡graf

2017年10月14日(土)
会場:鹿児島県 鹿児島SR HALL

2017年10月15日(日)
会場:大分県 大分AT HALL

2017年10月21日(土)
会場:東京都 SHIBUYA TSUTAYA O-EAST

プロフィール

シャムキャッツ
シャムキャッツ

メンバー全員が高校3年生の時に地元浦安で結成。2009年春、アルバム『はしけ』でデビュー。同年、河川敷でのゲリラライブを収録した『BGM』、2012年に初期アンセム「渚」「なんだかやれそう」を収録した『たからじま』、2014年にバンドの評価を決定づけたギターロックの金字塔『AFTER HOURS』、そして2015年にバンド最大のヒット作となったミニアルバム『TAKE CARE』を発表したあと、それまで所属していたレーベルから独立。自主レーベルを立ち上げ、2枚のEP『マイガール』『君の町にも雨はふるのかい?』を経て、2017年6月21日に2年3か月ぶりとなるフルアルバム『Friends Again』をリリースした。

関連チケット情報

2017年9月22日(金)
シャムキャッツ
会場:金沢vanvanV4(石川県)
2017年9月23日(土)
シャムキャッツ
会場:YEBISU YA PRO(岡山県)
2017年9月24日(日)
シャムキャッツ
会場:TOONICE(香川県)
2017年9月30日(土)
シャムキャッツ
会場:COLONY(北海道)
2017年10月6日(金)
シャムキャッツ
会場:新潟CLUB RIVERST(新潟県)
2017年10月7日(土)
シャムキャッツ
会場:仙台CLUB JUNK BOX(宮城県)
2017年10月13日(金)〜10月15日(日)
シャムキャッツ
会場:graf(福岡県)
2017年10月21日(土)
シャムキャッツ
会場:TSUTAYA O-EAST(東京都)
2017年11月9日(木)〜11月29日(水)
会場:磔磔(京都府)
2017年11月18日(土)
neco眠る
会場:名古屋クラブクアトロ(愛知県)

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シャムキャッツ“Four O'clock Flower”

ただシャムキャッツの四人がフラットに存在して、音楽を鳴らしている。過剰な演出を排し、平熱の映像で、淡々とバンドの姿を切り取ったPVにとにかく痺れる。撮影は写真家の伊丹豪。友情や愛情のような「時が経っても色褪せない想い」を歌ったこの曲に、この映像というのはなんともニクい。(山元)