特集 PR

シャムキャッツは友達?それとも仕事?幼馴染の夏目と菅原が語る

シャムキャッツは友達?それとも仕事?幼馴染の夏目と菅原が語る

シャムキャッツ『Friends Again』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:馬込将充 編集:山元翔一

「『Friends Again』ってテーマで、四人で一緒に作ってきたじゃん」という気持ちの面でのすれ違いがあった。(菅原)

—他のメンバーが感じた違和感みたいなものは何だったんですかね?

夏目:俺の「仕事病」がまた発症しちゃってたんですよね。すでにできていた8曲がすげえよかったから、藤村もバンビも「この感じを汚したくない」っていうのが強かったみたいで。

菅原:論理的には正しいんだけど、感覚的なところですよね。「『Friends Again』ってテーマで、四人で一緒に作ってきたじゃん」という気持ちの面でのすれ違いがあったんです。あとは、制作のリミットが超近づいていて、めちゃめちゃタイトなスケジュールだったから、持ってきたものをちゃんと消化できる自信がなかったっていうのもあって。

夏目:そこで今までだったら、「みんなが気に入らないならやめる」か「いや、やるんだ」のどちらかだったけど、そのときはちゃんと話し合ったんです。俺としては、友達が持ってきた曲に対して「よし、わかった。頑張ろう!」って言ってくれてもいいじゃんって思ったんですよ。

左から:夏目知幸、菅原慎一

夏目:それって仕事的な感覚じゃないというか、ここ何年かメンバーに求めちゃっていた感覚と違ったから、このテンションで作ればいいものになる気がしたんです。それで、“Lemon”と“Hope”も収録することになりました。

—今、名前の挙がった“Hope”についてお伺いしたいです。歌詞が夏目くんと菅原くんの共作ということもあり、二人の関係性を表しているようにも聴こえたのですが、この曲はどのように作られたのでしょうか?

夏目:<何を聞いても君はすぐに答える>っていうアタマの歌詞が最初からメロディーと一緒に出てきて、各パートごとにメンバーのことを歌ってみようと思ったんです。歌詞だから、曖昧な部分も相当あるんですけど、でもここには四人とも出てくるんですよ。

The Beatlesの“Come Together”(1969年)って、ジョン(・レノン)がメンバーそれぞれのことを歌っているらしくて、その方式。ただ、自分のことは思いつかないから、最後のワンフレーズだけ菅原に書いてもらったんです。

—<あいつが歌うと沈む故郷くらい 大したことないじゃんと思えるから不思議さ>というところですね。ここは菅原くんが書いたんじゃないかなと思ってました。

菅原:最初は「あいつが歌うとシャツの綻び(ほころび)くらい」だったんですよ。

夏目:でも、もっと「大したこと」を入れてほしいって言ったら、「沈む故郷」っていう、とんでもない言葉が出てきたんですけど、これがいいかなって(夏目と菅原が生まれ育った団地は、2011年の東日本大震災による液状化現象の影響を受けた)。

夏目知幸

夏目:歌詞って、流れを無視した言葉が一番刺さるんですよね。映画とか小説は説明しないと話が進まないけど、音楽は景色とかを急に飛び越えることが可能で。そういう歌詞を書くのってなかなか難しいんだけど、この曲はその飛躍が最後にハマった気がしましたね。

初期の俺たちのことを好きだった人が喜ぶものを作りたいっていう気持ちがあったんです。(夏目)

—そんなメンバー四人のことを歌った曲に、“Hope”という強いタイトルをつけたのはなぜだったのでしょうか?

夏目:それはだから……私のロマンティックなところですよね(笑)。

—ははは(笑)。

夏目:とんねるずの石橋貴明が、「コンビで出てきた芸人は、なぜコンビで出てきたのかをいちいち振り返らないといけない」って言ってたんですよ。それと同じで、世の中に出ようとしたときにすでにこの四人だったから、「なぜこの四人だったのか?」って、ことあるごとに振り返らないといけないなって最近よく思ってて。だから“Hope”は、そういう意味合いの曲でもあるかなって思います。

あと今回は、別に媚びるんじゃなくて、初期の俺たちのことを好きだった人が喜ぶものを作りたいっていう気持ちがあったんですよ。“Travel Agency”の<恋人に触れるように 暗闇に手を伸ばせ>っていう歌詞も、今思えばそういう意味で。

シャムキャッツ Tumblr「WITH A BAND」より
シャムキャッツ Tumblr「WITH A BAND」より(ページを見る

シャムキャッツ『Friends Again』収録曲

夏目:それに、自分のことを好きでいてくれる人たちをちゃんと喜ばせたいというか、「ちゃんとした大人になったよ」って言いたいじゃないですか? 今までは「俺のやりたいことをみんなが受け入れてくれるといいな」って思っていたけど、応援してくれる人たちにちゃんと向き合ったときに、誰かの希望が自分だったら素敵だし、自分の希望の種が誰かだったらいいなって……そんな感じかな。

—シャムキャッツって、昔から「The Beatlesみたいにみんなが曲を作って、みんなが歌うバンドが理想」と言っていたじゃないですか? 今作はそう言わないまでも、みんながフラットに対峙しているっていう意味で一番The Beatles的で、やっとそういう作品ができたことが、バンドを続ける希望になった。そういう意味での、“Hope”っていうタイトルであるようにも受け取れました。

菅原:あ、この曲は藤村さんもちょっとだけ歌ってるんですよ。

夏目:そうそう、そういうところも初期っぽいんだよね。だから、ホント今作が新しい始まりだなって感じはすごくする。

左から:菅原慎一、夏目知幸

ギャグで言うんですけど、バンドってホントにブラック企業なんです(笑)。(夏目)

—9月16日の千葉LOOKからツアーがスタートしますが、アルバムリリース後のライブの手応えはいかがですか? 先日の『exPoP!!!!! vol.100』でのライブは、昼の日比谷野外音楽堂というシチュエーションともマッチしていて、非常に気持ちがよかったです。

菅原:『Friends Again』の曲はごまかしがきかなくて、そのときのコンディションがすごく影響するんですよ。これまではディレイでごまかしてたけど(笑)。体調が万全じゃないと、その日のライブに支障が出ちゃうので体調には気をつけたいです。

—今回のアルバムはオーバーダブもないですし、サイケ要素も薄いですもんね。

夏目:そういう「醒めてる」演奏って難しいんです。だから、最初はちょっと手間取ったけど、やっと起きてる状態でもいい感じにできるようになってきました。これはよく言っちゃうんだけど、怒ってなくてもスーパーサイヤ人になれないといけないっていうか。

菅原:それ俺も今、マジで言おうとしてた(笑)。

夏目:(笑)。でも、やっと最近ちょっと楽しくなってきたんですよ。正直、去年は大変なことばっかりに目がいく1年で、レーベルを立ち上げて、お金のことも考えて、ツアーを組んで、グッズも作って、曲も書いて……ギャグで言うんですけど、バンドってホントにブラック企業なんです(笑)。

でも最近は、ちょっとポジティブになってきて。手放しで「楽しい」っていうのは相変わらず違うと思うけど、四人とスタッフでバンドを動かすって、かなり楽しいことだし、世の中のいろんな仕事のなかでも、かなり特別なことをやらせてもらっているなって感覚なんです。だからそういうテンションを、ライブでもそのまま出していきたいですね。

左から:菅原慎一、夏目知幸

Page 4
前へ

リリース情報

シャムキャッツ『Friends Again』
シャムキャッツ
『Friends Again』(CD)

2017年6月21日(水)発売
価格:2,916円(税込)
TETRA RECORDS / TETRA-1005

1. 花草
2. Funny Face
3. Four O’clock Flower
4. Travel Agency
5. Coyote
6. Hope
7. October Scarf
8. Riviera
9. Lemon
10. 台北
11. 31 Blues

イベント情報

『シャムキャッツ tour “Friends Again”』

2017年9月16日(土)
会場:千葉県 千葉LOOK

2017年9月17日(日)
会場:愛知県 名古屋CLUB QUATTRO

2017年9月18日(月・祝)
会場:大阪府 umeda TRAD

2017年9月22日(金)
会場:石川県 金沢vanvan V4

2017年9月23日(土)
会場:岡山県 YEBISU YA PRO

2017年9月24日(日)
会場:香川県 高松TOONICE

2017年9月30日(土)
会場:北海道 札幌COLONY

2017年10月6日(金)
会場:新潟県 新潟CLUB RIVERST

2017年10月7日(土)
会場:宮城県 仙台CLUB JUNK BOX

2017年10月13日(金)
会場:福岡県 福岡graf

2017年10月14日(土)
会場:鹿児島県 鹿児島SR HALL

2017年10月15日(日)
会場:大分県 大分AT HALL

2017年10月21日(土)
会場:東京都 SHIBUYA TSUTAYA O-EAST

プロフィール

シャムキャッツ
シャムキャッツ

メンバー全員が高校3年生の時に地元浦安で結成。2009年春、アルバム『はしけ』でデビュー。同年、河川敷でのゲリラライブを収録した『BGM』、2012年に初期アンセム「渚」「なんだかやれそう」を収録した『たからじま』、2014年にバンドの評価を決定づけたギターロックの金字塔『AFTER HOURS』、そして2015年にバンド最大のヒット作となったミニアルバム『TAKE CARE』を発表したあと、それまで所属していたレーベルから独立。自主レーベルを立ち上げ、2枚のEP『マイガール』『君の町にも雨はふるのかい?』を経て、2017年6月21日に2年3か月ぶりとなるフルアルバム『Friends Again』をリリースした。

関連チケット情報

2017年9月22日(金)
シャムキャッツ
会場:金沢vanvanV4(石川県)
2017年9月23日(土)
シャムキャッツ
会場:YEBISU YA PRO(岡山県)
2017年9月24日(日)
シャムキャッツ
会場:TOONICE(香川県)
2017年9月30日(土)
シャムキャッツ
会場:COLONY(北海道)
2017年10月6日(金)
シャムキャッツ
会場:新潟CLUB RIVERST(新潟県)
2017年10月7日(土)
シャムキャッツ
会場:仙台CLUB JUNK BOX(宮城県)
2017年10月13日(金)〜10月15日(日)
シャムキャッツ
会場:graf(福岡県)
2017年10月21日(土)
シャムキャッツ
会場:TSUTAYA O-EAST(東京都)
2017年11月9日(木)〜11月29日(水)
会場:磔磔(京都府)
2017年11月18日(土)
neco眠る
会場:名古屋クラブクアトロ(愛知県)

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

シャムキャッツ“Four O'clock Flower”

ただシャムキャッツの四人がフラットに存在して、音楽を鳴らしている。過剰な演出を排し、平熱の映像で、淡々とバンドの姿を切り取ったPVにとにかく痺れる。撮影は写真家の伊丹豪。友情や愛情のような「時が経っても色褪せない想い」を歌ったこの曲に、この映像というのはなんともニクい。(山元)