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寿司くんが『文化庁メディア芸術祭』受賞 岡崎体育との制作を語る

寿司くんが『文化庁メディア芸術祭』受賞 岡崎体育との制作を語る

『文化庁メディア芸術祭』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:豊島望 編集:宮原朋之、山元翔一

「作ったものは見てもらわないと意味がない」と思っているんです。

―アニメ『寿司くん』誕生の背景を教えてください。

こやま:学生の頃、寿司屋でバイトしてたんです。それもあってお寿司の落書きをよく描いていたんですけど、ある日、自分でアニメを作ってみようと思って「ちゃんとしたキャラクターが欲しいな」と考えていたときに、「あ、あの落書きがあるやん」と。そのままスキャナーで取り込んで動かしてみたのがきっかけです(笑)。

寿司くん以外のイラストは、イラストレーターの朝倉チサトさんに描いてもらっているんですけど、寿司くんだけはそのときの落書きをずっと使っているんです。僕は絵がめちゃめちゃ下手で……。最初は声もイラストも全部自分でやろうと思ったんですけど、それはもうあまりにも下手すぎて諦めました(笑)。

―声を担当している方も、非常に味わい深いですよね。

こやま:素人臭いほうが面白いと思って、できるだけ滑舌の悪い知り合いに声をかけてやってもらいました(笑)。

―こやまさんは映像制作だけでなく、「ヤバイTシャツ屋さん」(以下、ヤバT)のメンバーとしてバンド活動もしていますよね。2016年にメジャーデビューし、5枚目のシングル『パイナップルせんぱい』が9月20日にリリースされました。

こやま:ヤバTは、メジャーデビューする予定なんて全くなかったんです。コントも撮りたい、ミュージックビデオもアニメも作りたいっていうことの延長線上で、「音楽もやりたい」と思って始めたことであって。ただ、僕自身の考えとして、「作ったものは見てもらわないと意味がない」と思っているんですね。

―どういうことでしょう?

こやま:学生の頃、自主制作で一生懸命作品を作るのに、広め方がわからないのか面倒臭いのか、ごく一部のマニアだけの間で消費されて終わりっていう、ほとんど自己満足でしかないような人たちをたくさん見てきたんです。僕、それは嫌なんですよ。自分で作ったものをできる限り多くの人に見てもらいたい。だからヤバTも、せっかく音源を作ったから『寿司くん』と同じくらいセルフプロモーションに力を入れたんです。SNS上で作品を拡散するコツを『寿司くん』を作ったときに身につけられたので、その辺は効率よくできたと思います。そしたらちょっとずつ注目されるようになったんですよね。

こやまたくや

ヤバイTシャツ屋さん『パイナップルせんぱい』通常盤ジャケット
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―そうやってアウトプットを増やしていくと、作品そのものや表現の仕方に変化はありました?

こやま:ありましたよ。バンドやっているときと、映像をやっているときでは思考回路が変わるんです。岡崎さんと一緒にものを作っているときは、「俺たちは天才!」と思い込んでやっているし、実際に岡崎さんと作った作品や、自分の映像作品を見ていると「これは天才的やな……」と思うのに、バンドでやっているときは「自分の中の天才の部分」は邪魔に思えて、アホになっていくというか……って、こんな発言自体がアホ丸出しですけど。無意識のうちに「映像作品を作る自分は賢くて、音楽をやっているときはアホ」っていうキャラ設定をしているんやと思います。

こやまたくや

何か作品を完成させたら軽い気持ちで応募してみるのもありかなと思います。

―そういう無意識の部分がありつつも、ヤバTの歌詞を読むとこやまさんの世界観は一貫しているなって思うんですよね。常に斜に構えているし、ありきたりでストレートな表現は「ダサい」と思っているところは音楽をやる上でも変わらないし。

こやま:そうですね。恥ずかしがり屋だし、「かっこええことは歌われへん」というのはあります。映像でも歌でも、ストレートな表現というのが恥ずかしいんですよ。それでヤバTもいろいろ試行錯誤した結果、曲はめっちゃかっこええけど、歌詞はふざけてるっていうのがしっくりくるなと。

―そういう美意識って、やはり京都出身というのもありますかね?

こやま:うん、あるかもしれない。岡崎さんも宇治出身なんですけど、「市内コンプレックス」があるんです。宇治市って、京都市からは見下されてるし、そもそも京都府民と思われていないと個人的には感じているんですよ(笑)。それでこじらせちゃうんでしょうね。そこは岡崎さんと通じるんだと思います。ちなみに今、僕は京都市内に住んでます……って言ってしまうのも「市内コンプレックス」からですね(笑)。

―(笑)。これからも、アウトプットはどんどん増やしていくつもりですか?

こやま:そのうち絵本とか描くような気がしますね(笑)。音楽と映像にこだわらず、生きているうちにいろいろできたらいいなと思いながら日々過ごしています。

さっき、「自分がアホになったみたいで嫌だ」と言いましたけど、音楽をやりながら映像も作れるなんて、すごく幸せな環境ですよね。なんでもできるようにしたかったから、なんでもできるようになってきている今が、とても楽しいです。

こやまたくや

―では最後に、これから『第21回文化庁メディア芸術祭』に応募する方へのメッセージをお願いします。

こやま:「文化庁」って聞くとちょっと尻込みしてしまうかもしれないですが、『メディア芸術祭』では有名か無名かにかかわらず、評価してもらえるんです。僕も学生のころはあんまりよく考えずに応募していたし、何か作品を完成させたら軽い気持ちで応募してみるのもありかなと思います。

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イベント情報

第21回 文化庁メディア芸術祭 作品募集

募集期間
2017年8月1日(火)~10月5日(木)日本時間18:00必着

募集部門
4部門(アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガ)
※プロ、アマチュアおよび自主制作作品、商業作品を問わず応募できます。

アート部門
インタラクティブアート、メディアインスタレーション、映像作品、映像インスタレーション、グラフィックアート(写真を含む)、ネットアート、メディアパフォーマンス等

エンターテインメント部門
ゲーム(テレビゲーム、オンラインゲーム等)、映像・音響作品(ミュージックビデオ、自主制作・広告映像等)、空間表現(特殊映像効果・演出、パフォーマンスを含む)、ガジェット(プロダクト、ツールを含む)、ウェブ(ウェブプロモーション、オープンソースプロジェクトを含む)、アプリケーション等

アニメーション部門
劇場アニメーション、短編アニメーション、テレビアニメーション、オリジナルビデオアニメーション(OVA)等

マンガ部門
単行本で発行されたマンガ、雑誌等に掲載されたマンガ(連載中の作品を含む)、コンピュータや携帯情報端末等で閲覧可能なマンガ、同人誌等の自主制作のマンガ等

『第20回 文化庁メディア芸術祭受賞作品展』

2017年9月16日(土)~9月28日(木)
会場:東京都 NTTインターコミュニケーション・センター、東京オペラシティ アートギャラリーほか
入場料無料

受賞作品:
アート部門
大賞
Ralf BAECKER『Interface I』
優秀賞
吉原 悠博『培養都市』
『Alter』制作チーム(代表:石黒浩/池上高志)『Alter』
Benjamin MAUS / Prokop BARTONÍČEK『Jller』
Ori ELISAR『The Living Language Project』
新人賞
津田道子『あなたは、翌日私に会いにそこに戻ってくるでしょう。』
Rosa MENKMAN『DCT: SYPHONING. The 1000000th interval.』
Nina KURTELA『The Wall』

エンターテインメント部門
大賞:
庵野秀明/樋口真嗣『シン・ゴジラ』
優秀賞:
市原えつこ『デジタルシャーマン・ プロジェクト』
川嵜鋼平/中野友彦/中村裕美/橋本俊行/宇田川和樹/天野渉『NO SALT RESTAURANT』
『PokémonGO』制作チーム(代表:野村達雄)『Pokémon GO』
『UnlimitedCorridor』制作チーム(代表:松本啓吾)『Unlimited Corridor』
新人賞:
岡崎体育/寿司くん『岡崎体育「MUSIC VIDEO」』
Ryo Kishi『ObOrO』
Marcel BUECKNER / Tim HEINZE / Richard OECKEL / Lorenz POTTHAST / Moritz RICHARTZ『RADIX | ORGANISM / APPARATUS』

アニメーション部門
大賞:
新海誠『君の名は。』
優秀賞:
山田尚子『映画『聲の形』』
Alê ABREU『父を探して』
Anushka Kishani NAANAYAKKARA『A Love Story』
Anna BUDANOVA 『Among the black waves』
新人賞:
堤大介/ロバート・コンドウ『ムーム』
Emma VAKARELOVA『I Have Dreamed Of You So Much』
Arturo "Vonno" AMBRIZ / Roy AMBRIZ『Rebellious』

マンガ部門
大賞:
石塚真一『BLUE GIANT』
優秀賞:
高井研一郎/原作:林律雄『総務部総務課 山口六平太』
ユン・テホ/訳:古川綾子/金承福『未生 ミセン』
筒井哲也『有害都市』
松本大洋『Sunny』
新人賞:
灰原薬『応天の門』
清家雪子『月に吠えらんねえ』
畑優以『ヤスミーン』
功労賞:
飯塚正夫
梯郁太郎
高野行央
松武秀樹

リリース情報

ヤバイTシャツ屋さん『パイナップルせんぱい』初回限定盤
ヤバイTシャツ屋さん
『パイナップルせんぱい』初回限定盤(CD+DVD)

価格:1,620円(税込)
UMCK-9922

[CD]
1. ハッピーウェディング前ソング
2. 眠いオブザイヤー受賞
3. とりあえず噛む
4. ハッピーウェディング前ソング(岡崎体育 remix)
[DVD収録内容]
・ヤバイTシャツ屋さんのパイナップルツアー
・沖縄・ナゴパイナップルパークでオフを楽しむメンバーの姿を収録

ヤバイTシャツ屋さん『パイナップルせんぱい』通常盤
ヤバイTシャツ屋さん
『パイナップルせんぱい』通常盤(CD)

価格:1,188円(税込)
UMCK-5636

1. ハッピーウェディング前ソング
2. 眠いオブザイヤー受賞
3. とりあえず噛む
4. ハッピーウェディング前ソング(岡崎体育 remix)

ヤバイTシャツ屋さん『Tank-top of the DVD』
ヤバイTシャツ屋さん
『Tank-top of the DVD』(DVD)

2017年9月20日(水)発売
価格:3,500円(税込)
UMBK-1253

[収録曲]
・オープニングドキュメンタリー「タンクトップ神誕生」
・Tank-top of the world
・寝んでもいける
・メロコアバンドのアルバムの3曲目ぐらいによく収録されている感じの曲
-MC1-
・L・O・V・E タオル
・DQNの車のミラーのところによくぶら下がってる大麻の形したやつ
・Don’t stop SNS
・ZIKKA
-MC2-
・ウェイウェイ大学生
・天王寺に住んでる女の子
・週10ですき家
・喜志駅周辺なんもない
-MC3-
・とりあえず噛む
・反吐出る
・流行りのバンドのボーカルの男みんな声高い
・スプラッピ スプラッパ
・無線LANばり便利
・ネコ飼いたい
・ヤバみ
-アンコールMC-
・肩 have a good day
・あつまれ!パーティーピーポー
<おもしろ特典映像>
おもしろライブ当日のおもしろメンバーのおもしろ様子

プロフィール

こやまたくや

京都府出身、大阪芸術大学芸術学部映像学科卒業。24歳。「寿司くん」名義でアニメ・ミュージックビデオなどの映像作品を中心に制作活動を行う。ロックバンド、ヤバイTシャツ屋さんのギターボーカルとしても活動中。

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