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YAJICO GIRLはなぜ評価される?『未確認』などで勝ち抜いた理由

YAJICO GIRLはなぜ評価される?『未確認』などで勝ち抜いた理由

Eggs
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:相原舜 編集:矢島由佳子
2017/09/11
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プロとしてやるのではなく、そのまま友達を続けたほうがいいんじゃないかなって、最初は思っていたんです。

―どのような経緯でバンドを組むようになったのですか?

四方:高校で軽音楽部に入って、最初に組んだのがYAJICO GIRLだったんです。最初はずっとコピーをやってました。本当に色々やりましたよ。さっき名前が出たバンドは一通りコピーしましたし、The SALOVERSや10-FEET、NUMBER GIRL。あと、RAGE AGAINST THE MACHINE、LINKIN PARKとか、ゴリゴリのロックもやってました。

YAJICO GIRL

―当時のメンバーのまま、ずっと続いているのもすごいですよね。高校時代の友達とプロとしてバンド活動を続けていくうえで、メリットやデメリットはありますか?

四方:ありますね。いい部分は、たとえば曲を作ったりアレンジをしたりしているときに、「この曲はいい感じ」とか「こういうアレンジは自分には合わへん」っていうのを、お互い遠慮なく言えるし、感性も近いところです。

デメリットというか……これから先のことはよく考えます。高1からずっと友人としてやっているので、最近事務所が決まって「仕事にしていくぞ!」というなかで、お互いの関係性も変わっていくのかなって。もしかしたら他人同士のほうが、仕事として割り切って話せることもあるのかもしれないですよね。これからは「友達だからこそ言いづらい」っていう部分も出てくるかもしれないなと。

―実際、事務所と契約して「プロでやっていく」となったとき、メンバー間の温度差もありました?

四方:少しはありましたね。俺も最初は、メンバーとはまず友達でいたかったし、プロとしてやるのではなく、そのまま続けたほうがいいんじゃないかなと思っていたんです。

でも、こんなふうに評価してもらえることなんて誰もがあるわけじゃないし、与えられているチャンスを無駄にしてはいけないなと。そう思ってからは、「よっしゃ、やるぞ!」とシフトチェンジしました。

YAJICO GIRL

音楽にしても文化にしても、ずっと引き継がれて続いていくじゃないですか。

―楽曲の話をすると、2016年3月にリリースした1st EP『いえろう - EP』の表題曲が、YAJICO GIRLの知名度をぐっと上げる1曲となり、さらにはコンテストのグランプリにもつながっていたのではないかと思うのですが、いかがですか?

四方:そうですね。“いえろう”は、「新しい曲を作ろう」という話になってスタジオに入り、ゼロからセッションで作っていったんです。大体のアレンジがまとまったところで、前から書きためていた歌詞をメロディーに乗せて歌ってみたら、いい具合にはまって。そこから細かい部分を修正したら、割とすぐに完成しました。

すごくポップやし、キャッチーやし、「ちゃんと好かれる曲」になったなと。YAJICO GIRLの名刺代わりになるような代表曲ができたという実感は、当時からありました。

四方颯人

―同年9月にリリースした1stアルバム『ひとり街』(ライブ会場とタワーレコードの一部店舗にて販売)は、YAJICO GIRLにとってどんな1枚だと言えますか?

四方:あのアルバムは、関西のライブハウスがプロデュースしている「十代白書」というオーディションでグランプリを取った特典で作ったんです。結構急な話だったので、「早く曲を作らなアカン」ってなって(笑)。

曲を作るにも、その頃はコードとかちゃんと理解していなかったから、適当にギターを弾いて、歌詞とメロディーをつけて、セッションでアレンジを固めていくっていう。とにかく切羽詰まった状態でのアルバム制作でした。

『未確認フェス』でグランプリを取る前だったので、今聴き直してみると、まだ自分たちに自信がなくて、揺れている感じがありますね。その分、初期衝動的な勢いは感じますけど。

―では、最新作であり初の全国流通盤となる『沈百景』についてお聞きします。まずタイトルが面白いですよね。これは、どんな気持ちで付けたものですか?

四方:事務所が決まり、「これからは音楽を突き詰めてやっていくんだ」ってなったときに、まずは自分の内面に深く潜り込んでいこうと思ったんです。そうすることで、いろんな体験もできるだろうし、いろんな景色が見られるんじゃないかなって。

YAJICO GIRL『沈百景』ジャケット
YAJICO GIRL『沈百景』ジャケット(Amazonで見る

―「自己の内面へと沈んでいくことで見える風景」を「沈百景」と名付けたわけですね。

四方:そうです。制作中は、昔のことを振り返ることが多かった。事務所が決まっていなかったら、そのまま就職する可能性もあったけど、それを逸脱して、こっちの道に行くことになったわけじゃないですか。そういうことを考えながら、逸脱する前の青春時代、特に高校生活のこととかを思い出して書いた曲が多いです。

あと、そのまま就職というルートを進んで行く友達との「別れ」とか、そこから別の道へと進む僕らの「決意」とか。それらがアルバム全体のテーマになっているように思います。リード曲の“サラバ”は、まさにそういうアルバムのテーマを象徴するような歌詞で、大切な1曲となりました。

―個人的に印象に残ったのは“PARK LIGHT”の歌詞で、<僕の死が慈しまれるような>と、自分がいなくなったあとの世界について書いているところでした。

四方:音楽にしても文化にしても、ずっと引き継がれて続いていくじゃないですか。続いていくなかで、自分の作ったものが誰かの糧になるとか、そういうことがあればいいなって思うんです。

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リリース情報

YAJICO GIRL『沈百景』
YAJICO GIRL
『沈百景』(CD)

2017年9月6日(水)発売
価格:1,620円(税込)
EGGS-023

1. 光る予感
2. PARK LIGHT
3. ロマンとロマンス
4. サラバ
5. 黒い海

イベント情報

『CINRA×Eggs presents「exPoP!!!!! volume101」』

2017年9月28日(木)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
出演:
すばらしか
RIDDIMATES
YAJICO GIRL
and more
料金:入場無料(2ドリンク別)

『YAJICO GIRL自主企画:ヤジヤジしようぜVOL.2 supported by NANIWAdelic』

2017年9月17日(土)
会場:大阪府 ESAKA MUSE
出演:
YAJICO GIRL
SAPPY
パノラマパナマタウン
Rollo and Leaps
学天即
金属バット
馬と魚
ヤジコ食堂

『YAJICO GIRL「沈百景発売記念」インストアミニライブ&特典会』

2017年9月30日(土)
会場:大阪府 タワーレコード梅田NU茶屋町店

2017年10月22日(日)
会場:東京都 タワーレコード新宿店7階

プロフィール

YAJICO GIRL
YAJICO GIRL(やじこ がーる)

武志綜真(Ba)、吉見和起(Gt)、四方颯人(Vo)、古谷駿(Dr)、榎本陸(Gt)。『未確認フェスティバル2016』『MASH FIGHT Vol.5』など、2016年各種コンテストを総なめとしたその事実を裏切らない才覚を宿す、希少生命体のような5人組ロックバンド。現在大学3年生。2012年、高校の軽音楽部で結成。くるりやASIAN KUNG-FU GENERATIONを敬愛する四方(Vo)が作詞作曲を務め、独自のフィルターを通してアウトプットされる楽曲は王道とマニアックの間を行き、幅広く支持を集める。これまでMVの制作からデザインまで古谷(Dr)の主導により完全自主制作で行い、その作品の評価も高い。独特の個性とリズムで日々を歩くマイペースなスタイルとは裏腹に、楽曲に込めるメッセージは時代の憂いを的確に捉えて、アンチテーゼをさりげなく放つ。どこか哀愁漂う圧倒的メロディセンスと抒情的な歌詞が秀逸な、2017年バンドシーン最重要な「転がる石」ロックンロールモンスター。

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