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『シブカル祭。』常連の愛☆まどんなが考える、渋谷の街の空気感

『シブカル祭。』常連の愛☆まどんなが考える、渋谷の街の空気感

『シブカル祭。2017~この胸騒ぎは渋谷のせいだ。~』
インタビュー・テキスト
萩原雄太
撮影:永峰拓也 編集:川浦慧、野村由芽

2011年の初開催から2016年まで毎年、『シブカル祭。』に参加してきた「女流美術家」愛☆まどんな。1980年代の漫画に登場するような美少女をモチーフにした作品の数々を発表している彼女は、渋谷PARCOの外壁をキャンバスに、巨大な壁画を描いたり、ペインターの「Ly」や現代美術家でアイドルの「マコ・プリンシパル」など、さまざまなクリエイターとのコラボレーションを行ったりと、『シブカル祭。』において中心的な活躍をしてきた。

残念ながら今年は不参加となってしまったものの、『シブカル祭。』の草創期から携わってきた彼女は、多数の女性クリエイターたちが集うこのイベントをどのような目で見てきたのだろうか? そして、『シブカル祭。』を通じて、どのようなアートの可能性が広がっていくと考えているのだろうか? OGとなる彼女に、今年も開催される『シブカル祭。』語ってもらった。まずは、彼女が2次元美少女を描く理由から、話を伺っていこう。

女の子なら誰しもが経験してきたけれども、絶対に取り戻せない、少女という時代

―愛☆まどんなさんは、2次元美少女をモチーフにさまざまな作品を手がけられていますね。近年は、2次元美少女がオタクだけのものではなく一般的になりつつありますね。

:オタクカルチャーが、一般的な文化として認知されつつあるのを感じています。自分の作品も、活動を始めた当初は秋葉原にいる、いわゆるオタクの方々が買ってくれることが多かったんです。けれども、社会的にもオタクカルチャーに対する違和感が少なくなり、私自身も「でんぱ組.inc」「バンドじゃないもん!」などのアイドルとの仕事で徐々にいろいろな人に知ってもらうようになってきました。

その結果、今ではサラリーマンや女子大生、OLさんなどが普通に作品を購入してくれたり、渋谷にいるような女子高生たちがグッズを持ってくれるようになったり、状況が変わってきているのを実感しています。

愛☆まどんな
愛☆まどんな

―愛さんのファン層も、オタクから普通の女子たちに広がっているんですね。

:ただ、同じような「2次元」というジャンルで見られがちですが、実は私自身はオタクの人々が好きな今のアニメやマンガは、あまり知らないんです……。なぜ、自分が2次元のモチーフを描き続けているのかは、いまだに手探りで理由を探しているんですよね。

―元々、どのような作家から影響を受けてこのような作風になっていったのでしょうか?

:1980年代の青年マンガが大好きです。特に大友克洋先生の『AKIRA』(講談社)の壊れている街の風景や世界観がとても好きですね。直接的に絵柄として影響を受けたのは、『あんどろトリオ』(秋田書店)などのロリコンマンガで有名な内山亜紀先生や、鳥山明先生など。鳥山先生の描く初期のブルマなんて、めちゃめちゃかわいいですよね。きっと、あの人もロリコンなんじゃないかな……?

愛☆まどんな

―(笑)。愛さんが美少女を好きになったきっかけって、何だったんでしょう?

:理由はわからないのですが、自分が幼女の頃からずっと幼女が好きでした(笑)。小学生の頃から中学生のお姉さんが好きだったし、中学生くらいの頃には12歳前後の女の子が好きだったんです。その年代特有の、中途半端で発育途上な感じや、不安定で壊れそうな感じに惹かれてしまう。体型的には、完全に脂肪がついて女性らしくなる前の痩せた身体の少女が好きなんですよね。

―大人になるかならないかの、微妙な年代ですね。

:描いている美少女たちには、自分の理想を重ねている部分が大きいと思います。2次元の少女は、現実の少女とは違い、触れないし抱きしめることもできません。一方的に好きになることしかできない「女神」のような存在であり、永遠に汚れることもない。女の子なら誰しもが経験してきたけれども、絶対に取り戻せないのが、少女という時代なんです。

ただ、その一方で、その年代だった頃の自分を、描いている少女たちに重ね合わせている部分もあるのかな、と最近思っています。私自身その頃は、さまざまなコンプレックスを抱えていたし、家庭も不安定だった。理想的な美少女を描いている部分と、自分を重ね合わせている部分との両方があるんだと思います。

愛☆まどんな『BLUE WALL』(2015)
愛☆まどんな『BLUE WALL』(2015)

愛☆まどんな『君はくちびるを寄せつけない』(2017)
愛☆まどんな『君はくちびるを寄せつけない』(2017)

―理想であり自分自身でもある。そんなバランスの上で、愛さんの描く美少女たちは成り立っているんですね。

:例えば、単純に「絵がうまくなりたい」みたいなことはあまり思わないのですが、自分の内側にある、不安定で壊れそうな感じを表現するような線を描きたいとはいつも思っています。だから、私の作品を好きという人には繊細な人が多いかもしれませんね。

―一方で「エロい」と評されることもしばしばです。男性から見ても、愛さんの描く美少女たちには独特のエロさが感じられます。

:自分の絵に対して、男性が女性に感じるような性的な魅力も感じているんです。私自身、性的に興奮をしている部分も少なくないですね。ただ、狙ってエロさを描いているわけではなく、描き終わったら「今回の作品はけっこうエロいな……」と実感するくらい。

グッズも展開していて、Tシャツにプリントして販売したりもしているので、「こんなエロいプリントの服を着て、女の子たちが歩いてくれるんだ」というドキドキ感も楽しんでいますね(笑)。

『くさってもロリコン!2017 T』
『くさってもロリコン!2017 T』(サイトで見る

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イベント情報

『シブカル祭。2017~この胸騒ぎは渋谷のせいだ。~』
『シブカル祭。2017~この胸騒ぎは渋谷のせいだ。~』

2017年10月20日(金)~10月29日(日)

展示
2017年10月20日(金)~10月29日(日)
会場:東京都 渋谷 GALLERY X BY PARCO
料金:入場無料

オープニングパーティー
2017年10月20日(金)
会場:東京都 渋谷CLUB QUATTRO
料金:入場無料

『シブカルファッションショー。2017“UNDER CONSTRUCTION”』

2017年10月22日(日)
会場:東京都 渋谷パルコ工事現場

『シブカル音楽祭。2017』

2017年10月27日(金)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京都 渋谷 WWW
出演:
禁断の多数決
CHAI
小林うてな
AAAMYYY
Akiko Nakayama
伊波英里
大島智子
HATEGRAPHICS
and more
料金:前売2,500円 当日3,000円(共にドリンク別)

プロフィール

愛☆まどんな(あい まどんな)

嫌われない程度に愛されたい、昭和生まれの美術家です。オリジナルの二次元美少女とナンセンスなコピーで日本人らしい作品を作り続けてきたいと思います。最近はデザインとフィギュア原型に力をいれてます。

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