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ORANGE RANGEのNAOTO率いるdelofamiliaが、10年経て語る胸中

ORANGE RANGEのNAOTO率いるdelofamiliaが、10年経て語る胸中

delofamilia『filament/fuse』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:鈴木渉 編集:川浦慧
2017/11/02
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ORANGE RANGEの音楽的リーダーでありギタリストのnaotohiroyamaと、シンガーソングライターで現在はロンドンを拠点に活動するRie fuによるユニット、delofamiliaの通算6枚目のアルバム『filament/fuse』がリリースされた。

前作『Carry on Your Youth』からおよそ3年ぶりとなる本作は、基本的にはこれまでの延長線上にあるもの。アイデアの断片をメールでやり取りし合いながら紡ぎあげた、楽曲そのものよりも声の質感、空間の響き方などにフォーカスしたというサウンドスケープは、naotohiroyamaの朋友、倉石一樹によるアートワークとの相乗効果によって、聴き手に様々な映像的イメージを喚起させる。

ORANGE RANGEの活動で商業的成功を収めたnaotohiroyamaが、それとは正反対とも言えるような前衛的かつアブストラクトな作品を、10年もの間マイペースに作り続けている理由はどこにあるのだろうか。今年34歳を迎えた彼に、その思いを訊いた。

—前回のインタビューからおよそ3年ぶりですが、この間、NAOTOさんはどんな活動をされていたのですか?(delofamiliaインタビュー 大人になっても忘れたくないものって?

naotohiroyama:今年delofamiliaは結成10周年、ORANGE RANGEもインディーズデビューからちょうど15年経ったということもあって、そこに向かって活動をしていました。delofamiliaの場合は特に焦ることもないので、アルバムに向けてマイペースにゆっくり作ってました。結果、3年もかかっちゃいましたが(笑)。

naotohiroyama
naotohiroyama

—Rie fuさんは現在、ロンドンに拠点を移して活動されているそうですね。日本を経ったのはいつ頃?

naotohiroyama:ロンドンに行く前に、一瞬だけシンガポールに行ってたんですよ。あれは確か、前作『Carry On Your Youth』(2014年6月発売、6thアルバム)を出してすぐくらいだったと思う。で、ここ2年くらいはロンドンに住んでいますね。だから、このアルバムを制作している間、彼女と会ったのは1時間半くらいなんですよ(笑)。

でもそれって実は、彼女が東京に住んでいた時から何も変わっていなくて。彼女も僕も、自宅にスタジオがあるので、ずっとデータでやり取りしていたんです。お互いの性格的にも、会って話すより気楽というか、メールだとダメ出しも遠慮がない(笑)。「このアイデアは良くない」「こういうのはやりたくない」みたいな。特に彼女はイエスノーがはっきりしていて外国人みたいなんです。

—メールのやり取りだけで進めていく制作スタイルだったら、お互いどこにいようが問題ないですよね。近所に住んでいようが、ロンドンに移住していようが関係ないというか。

naotohiroyama:そうなんです。だから制作については特に変化があったわけではないですね。

—この3年の間によく聴いた音楽や、何かインスパイアされた出来事はありましたか?

naotohiroyama:ミッシー・エリオットが復帰して、新曲“WTF(Where They From)”を出したじゃないですか。それを聴いて、「やっぱり良いなあ」と思って実家から旧譜を引っ張り出して、車の中でずっと聴いていました。僕の中の「三大女性シンガー」は、ミッシー・エリオット、ビョーク、マドンナなんですよ。見た目も音も最高じゃないですか。この三人はずっと不動です。

naotohiroyama:それと最近、邦画をたくさん見るようになったんですよ。以前は食わず嫌いであまり見ていなかったんですけど、邦画って不穏な空気が漂った作品が多いですよね。特に印象に残ったのは、中島哲也監督の『渇き』や、西川美和監督の『ゆれる』。他にも中田秀夫監督の『リング』や『仄暗い水の底から』、飯田譲治監督の『らせん』のようなジャパニーズホラーを見直してみたら、すごく良かった。僕の好きな洋楽のテイストに、どこか通じるところもあって。

naotohiroyama

—ちなみに、洋画はどんな作品が好きなのですか?

naotohiroyama:フランソワ・オゾン監督の『スイミング・プール』や、ガス・ヴァン・サント監督の『エレファント』、それからリチャード・リンクレイター監督の「ビフォア三部作」(『ビフォア・サンライズ』『ビフォア・サンセット』『ビフォア・ミッドナイト』)などが好きですね。

—そういえば、前作のインタビューではマッドリブやPortisheadに影響されたとおっしゃっていましたけど、彼らのダウナーなムードというのは、一連のジャパニーズホラーやNAOTOさんの好きな洋画にも底通する部分があるのかもしれないですね。

naotohiroyama:うん、確かにそうかもしれない。

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リリース情報

delofamilia『filament/fuse』
delofamilia
『filament/fuse』(CD)

2017年11月1日(水)発売
価格:3,024円(税込)
VICL-64867

1. agenda
2. race
3. Enter The Mirror feat.波多野裕文(People In The Box)
4. if it fall
5. peace
6. rooms
7. pyramid
8. World is Weeping
9. DLOP
10. delight

プロフィール

delofamilia
delofamilia(でろふぁみりあ)

2007年に始動。ORANGE RANGEのリーダー / ギタリストであるNAOTO(naotohitoyama)と、シンガーソングライターRie fuを中心としたバンド。当初はNAOTOのソロプロジェクトとして始動し、信近エリや車谷浩司(参加当時AIR名義)がボーカリストとして参加し、1stアルバム“quiet life”をリリース。2ndアルバム”eddy”にゲスト・ヴォーカリストとしてRie fuを迎えたことをきっかけに、2011年に発表した3rdアルバム”Spaces in Queue”からdelofamiliaは2人のユニット・プロジェクトへと発展し、現在の体制に至る。

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