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タムくんとタイの作家に訊く、タイのキャラクター文化急成長の訳

タムくんとタイの作家に訊く、タイのキャラクター文化急成長の訳

『タイキャラトーキョー in ROPPONGI』
インタビュー・テキスト
島貫泰介
撮影:鈴木渉 編集:川浦慧

「旅行もショッピングもみんな好きでしょ? 仕事もいいけど、遊ぶことも大切だよ」ってことを、一番伝えたい。(JJ)

—JJさんは広告代理店に勤務するかたわら、Jay The Rabbitを発表されたそうですね。

JJ:うさぎが好きなんですよ。SNSで自分の言葉を伝えたいときに、ネットで見つけたいろんなうさぎの画像にコメントをつけてアップしてたんです。でもそれだと自分の感情が十分には伝わらない。そこでイラストを自分で描いてみようと思った。それがJay The Rabbit(以下、ジェイラビ)誕生の瞬間です。

Jay The Rabbit
Jay The Rabbit(Instagramで見る

—もともと動物がお好きなんですか?

JJ:そうですね。特にうさぎは特別で、子どもの頃、おばあちゃんが私につけてくれたニックネームが「うさぎちゃん」だったんです。タイでは親しい人を動物で呼ぶことは多いんですね(笑)。うさぎはかわいいし攻撃的でもないからすごく好きなんです。

—日本だと猫好きが多いですよ。

JJ:タイもそうです!

—ジェイラビは「恋する独身OL」という変わった設定ですが、JJさんご自身の生活を反映していますか?

JJ:私自身と、私のまわりの人たちの要素をミックスした感じですね。ジェイラビを最初にアップしたときは恋人のいない時期だったんですけど、彼氏持ちの友人からしょっちゅう恋の相談をされていたんですよ。そのときに出てきたフレーズにすごく心に迫るものが多くて、これをシェアしたいな、と思ったんです。

Jay The Rabbit
Jay The Rabbit(Instagramで見る

—ジェイラビはJJさんの代弁者でもあり、友人たちの代弁者でもあるんですね。ショッピング好き、流行り物好き、旅行好き、って設定も同様ですか?

JJ:そのとおりです! でもみんな好きだよね? 「旅行もショッピングもみんな好きでしょ? 仕事もいいけど、遊ぶことも大切だよ」ってことが、みんなに一番伝えたいことです。

—タイでのジェイラビ人気はすさまじいそうですが、人気者になっていくプロセスをどのように感じていますか?

JJ:アップした最初の日に、1日で「いいね!」数が2万に達したんです。そのあと「いいね!」が20万になったときにジェイラビのコミュニティーができあがったりもしました。みんなジェイラビのことを「ねえさん」とか愛称で呼ぶようになったんです。つまり、そのくらい身近な存在として受け入れてくれた。きっと、OLって設定がみんなの気持ちにフィットしたんだろうな。みんな仕事の合間のブレイクタイムにFacebookを覗いたりしているだろうから。

—日本でも深夜までハードに働いてる人が相当数いますから、ジェイラビのセリフは心に刺さりそうです。タイの人たちも、かなり忙しく働いているんでしょうか?

JJ:仕事に対して日本人は特にマジメだよね。でもタイ人はそうでもないよ。一生懸命働くけど、しょっちゅう休憩してる。オンとオフを切り替えながら、楽しく仕事してる人が多いよ。お腹がすいたら、職場に出前を呼ぶしね。

—自由だ(笑)。ジェイラビは、マドンナともコラボしたりしていますが、特に思い出深いプロジェクトはありますか?

JJ:いちばん気に入ってるのは、化粧品の「KIEHL'S」とのコラボですね。ジェイラビと象が並んだイメージを作ったのですが、その売り上げの一部を象の保護基金の寄付にあてたんです。私は動物が大好きだからとても嬉しかったな。あと、自動車メーカーの「HONDA」のキャンペーン。新車を予約するとジェイラビのぬいぐるみがプレゼントされるんだけど、1000体も作ったのにすぐになくなってしまってびっくりしました。

JJ:ジェイラビの展開で気をつけているのは、自分の名前を一切出さないことです。最初のうちは、「作家は誰だ?」って気にするファンも多くいたんだけど、人気が広がっていくうちに裏側を知るよりも、純粋にジェイラビを好きであることに比重が移っていった。誰が作ったかなんて無粋でしょう? それに、パーティーに行っても誰も私のことを気づかないのもとってもラク(笑)。

—クリエイターが表に出ないことが、プラスになるんですね。

JJ:そうすることで、私自身もジェイラビと友だちのような気持ちでいられるしね。台湾の連続ドラマにジェイラビが出演したんだけど、まるで友だちのような気持ちで喜ぶことができた。そういう新鮮さはキープしたいんだよね。

いちばん好きな日本漫画は『ガラスの仮面』!(JJ)

—JJさんは日本にもけっこういらっしゃると聞きました。どんな印象を持っていますか?

JJ:食べ物が大好き。それから毎回びっくりするのは日本人の時間管理能力の高さ。仕事もプライベートもしっかりしてるよね。渋谷駅前のスクランブル交差点に行くといつもびっくりするんだけど、人も車も安全に行き来している。あれがタイだったらみんな死んでるよ!

Jay The Rabbit
Jay The Rabbit(ジェイ・ザ・ラビット)(Instagramで見る

—クリエイティブ面ではどうですか?

JJ:『ドラえもん』が大好きだよ。あと、日本製の長いストーリーのある漫画も大好き。『ワンピース』とか『ドラゴンボール』とか。タイでは日本の連載漫画の人気がすごいんです。あといちばん好きなのは『ガラスの仮面』!

—へえ! 日本の演劇関係者にとって『ガラスの仮面』はバイブルですが、JJさんが好きな理由はなぜ?

JJ:『ガラスの仮面』はストーリーのなかに、劇中作というかたちでまた別のストーリーがありますよね。私はミュージカルが大好きだから、そういう仕掛けがあると嬉しい。日本の漫画には専門的な業界を題材にするものが多いから、それを読むと演劇の世界が深く理解できたりするのも嬉しい。

—『ガラスの仮面』は完結しないことで有名ですが、ジェイラビでも大長編のストーリーを作ってみたいとか思いますか?

JJ:そういうアイデアを考えたこともあるよ。ジェイラビの家族を描いて、ファミリーストーリーにするとか。いつか挑戦してみたいね!

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イベント情報

『タイキャラトーキョー in ROPPONGI』
『タイキャラトーキョー in ROPPONGI』

2018年7月14日(土)~7月29日(日)
会場:東京 六本木ヒルズ アート&デザインストア
参加キャラクター:BLOODY BUNNY(ブラッディバニー)、Durian THE MASK(ドリアン・ザ・マスク)、Jay the Rabbit(ジェイ・ザ・ラビット)、MAJORY(マジョリー)、Mamuang(マムアン)、MEAW(ミャオ)、Shewsheep(シューシープ)
主催:タイ国大使館商務参事官事務所

クリエイターワークショップ

人気キャラクターのクリエイターによるワークショップを開催します。
2018年7月14日(土)、7月15日(日)
会場:東京 六本木ヒルズ アート&デザインストア

プロフィール

Poptoday(ぽっぷとぅでい)

2003年にチュラロンコーン大学建築学部インダストリアルデザイン学科卒業後、グラフィック・デザイナーとして活動。2006にLiffolabを創設し、グラフィック、キャラクター、ゲームのデザイナーとして活躍。2012年にShewsheepをスタート。

JJ(じぇいじぇい)

PR・マーケターとして広告代理店に勤務する傍ら、SNSにアップしたうさぎのイラストが友人にシェアされ瞬く間に人気に。うさぎの名前JAYは自らのニックネームJJから。現在は独立し、連載や企業タイアップを中心に活躍中。

ウィスット・ポンニミット

1976年、タイ・バンコク生まれ。愛称はタム。バンコク、シラパコーン大学デコラティブアート学部卒。1998年バンコクでマンガ家としてデビューし、2003年から2006年まで神戸に滞在。2009年『ヒーシーイットアクア』により文化庁メディア芸術祭マンガ部門奨励賞受賞。現在はバンコクを拠点にアーティスト・マンガ家として作品制作の傍ら、アニメーション制作・音楽活動など多方面で活躍する。主な作品に「マムアン」シリーズ、『ブランコ』(小学館)、『ヒーシーイット』シリーズ(ナナロク社)など。2016年には、新刊『ヒーシーイットレモン』刊行、個展「ほっとすぽっと」開催、くるりの楽曲「琥珀色の街、上海蟹の朝」PV制作を手掛けたほか、さいたまトリエンナーレ2016にも参加。

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