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TOSHI-LOWとフェス。アーティスト兼主催者目線で、現状を語る

TOSHI-LOWとフェス。アーティスト兼主催者目線で、現状を語る

OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND『MIDNIGHT SUN』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:中村ナリコ 編集:山元翔一、矢島由佳子

日本におけるフェスの立ち位置は「ブーム」の時期を過ぎ、「文化」として定着したと言っていいだろう。苗場スキー場に会場を移してから20回目の開催を迎えた『FUJI ROCK FESTIVAL』を筆頭に、今年も全国各地で大小様々なフェスが開催され、その規模感も意義も多岐に渡り、その意味合いが語られ続けている。

そんななか、「アーティスト主催フェス」の数も増え続けている。OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDがオーガナイザーを務め、今年で9年目を迎えるのが、群馬県の水上高原リゾート200で開催される『New Acoustic Camp』(今年は9月15日~16日に開催)。利便性の高い都市型フェスに対し、「キャンプ」を軸として、自然との調和を掲げる『New Acoustic Camp』は、時代へのちょっとした提言を含んでいるとも言えよう。

その異色のラインナップが話題を呼んだ『LUNATIC FEST.』への出演をはじめ、BRAHMANを中心として、例年以上に数多くのフェスに出演したTOSHI-LOWは、「アーティスト主催フェス」の先駆けとも言うべき『AIR JAM』にも出演するなど、日本のフェス文化を見続けてきた1人である。その説得力のある言葉の数々は、現在の「フェス」のあり方についてもう一度考え直すきっかけになるはずだ。

昔はフェスに出るとき「1つのピースに成り下がりたくない」って思ってたけど、今は自分がそのフェスに期待されてることを考えるべきだと思っていて。

—今年、BRAHMANとOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND(以下、OAU)で例年に比べてもかなり多くのフェスに出演されていますよね?

TOSHI-LOW:数えてもないし、他のアーティストと比べてどうかもわかんないけど……まあ、多いんだろうね(笑)。

—そこには何か理由があるのでしょうか?

TOSHI-LOW:特にはないけど、『LUNATIC FEST.』(以下、『ルナフェス』。主催はLUNA SEA)とか、毛色の違うところから呼ばれることが増えたのはあるんじゃないかな。今年は『VIVA LA ROCK』とかもさ、普段の自分たちのお客さんよりも若い世代が多いという意味ではそうだと思うし。

TOSHI-LOW(BRAHMAN、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)
TOSHI-LOW(BRAHMAN、OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)

—『ルナフェス』は今年一番の他流試合だったと言っていいと思うんですけど、自分たちのことを「異物」と語り、初見のお客さんの心も掴んだであろうMCも含めてかなり話題を呼びましたよね。

TOSHI-LOW:あの日、『ルナフェス』に来ていないはずの人たちからすごい連絡来てさ(笑)。「あいつは『ルナフェス』で何やるんだ?」って、みんな気にしてたんだろうね。期待もあっただろうし、もしかしたら、「失敗するんじゃねえの?」って、面白がって見てた人もいっぱいいたと思う。

—結果的には、「一瞬にしてジャンルの壁なんかブチ壊せる」というMCの言葉通りになったと思います。

TOSHI-LOW:今のフェスはボーダーレスな時代になってるじゃない? だから、「自分もそういうジャンルレスなイベントに出るかもしれない」っていうイメージを持つのは当然で。そうじゃなきゃ、ある意味閉じていっちゃうわけだから。そういう意味でも、「TOSHI-LOWはどうやったのかな?」って気にしてる気持ちはとてもわかる(笑)。

—実際、TOSHI-LOWさんはどのような心持ちでステージに臨んだのでしょうか?

TOSHI-LOW:そこは簡単な話で、そのフェスにリスペクトがあるかどうかだと思う。俺たちはロックバンドだし、ある意味パフォーマーとして、何をやったっていいとは思うの。「あえて苦言を呈する」とかも俺はよくやるし。

でも、最近思うのは、そのフェスに対しての信頼があれば、そのフェスを彩る1つのピースでいいんじゃないかってことで。昔はフェスに出るとき、「1つのピースに成り下がりたくない」って思ってたけど、今は自分がそのフェスに呼ばれた理由とか、期待されてることを考えるべきだと思っていて。そうやって、1つのフェスを作り上げていくことが理想なんじゃないかな。

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リリース情報

『MIDNIGHT SUN』
OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND
『MIDNIGHT SUN』

2018年8月24日(金)配信リリース

イベント情報

『New Acoustic Camp 2018~わらう、うたう、たべる、ねっころがる。~』
『New Acoustic Camp 2018~わらう、うたう、たべる、ねっころがる。~』

2018年9月15日(土)、9月16日(日)
会場:群馬県 水上高原リゾート200 ゴルフコース
料金:2日通し券17,000円 9月15日入場券10,000円 9月16日入場券9,000円
※小学生以下は無料

プロフィール

OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND
OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND(おーばーぐらうんど あこーすてぃっく あんだーぐらうんど)

2005年結成。ヴァイオリニストでフロントマンも務めるMARTIN(Vo,Violin,A.Gt)とパーカッショニストKAKUEI(Perc)に、ハードコア・パンク・バンドBRAHMANのTOSHI-LOW(Vo,A.Gt)、KOHKI(A.Gt)、MAKOTO(Cb)、RONZI(Dr)のメンバー全員が参加する、生楽器だけの編成による6人組アコースティック・バンド。欧米をはじめとしたトラッドやルーツ・ミュージックを巧みに織り込んだ有機的な音楽性に、繊細さとダイナミズムとを併せ持ったパフォーマンスで多くのオーディエンスを魅了。国内最大級のフェスや海外でのライブを重ねるほか、2010年からは、全てのアーティストがアコースティック限定の編成で出演するキャンプフェス「New Acoustic Camp」のオーガナイザーを務めている。

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