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Ken YokoyamaからのSOS バンドに訪れた転換期を包み隠さず語る

Ken YokoyamaからのSOS バンドに訪れた転換期を包み隠さず語る

Ken Yokoyama『Songs Of The Living Dead』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:西槇太一 編集:山元翔一、矢島由佳子

「ハイスタには勝てねえ」なんて思ってたら、やってる意味がないんです。(Jun)

Ken:勝ち負けはわかんないけど、「やれてるぜ」って実感は得たいよね。その感覚って結局、自分のなかからしか湧いてこないんです。立場は違えど、僕にとってもあのツアーはハイスタとの戦いでした。

よく公言してるように、ハイスタをやってるときはハイスタが世界一のバンドでありたいけど、Ken BandをやってるときはKen Bandが世界一でいたいんです。ここでKen Bandの存在感を示せなかったら、「ハイスタだけでいいじゃん」って思われちゃう。冗談じゃないですよ、そんなの。

『Ken Yokoyama VS NAMBA69』(2018年)収録曲

Hi-STANDARD『The Gift』(2017年)収録曲

—Junさんはいかがですか?

Jun:ハイスタのファンは「は?」って思うかもしれないけど、俺は昔から「負けてねえよ」と思ってて。実際、人気はハイスタにおよばないと思うけど、俺のなかではKen Bandのほうがかっこいいんですよ。『The Gift』がどんなにいいって言われても、俺は普通に『Sentimental Trash』(2015年発表のKen Yokoyamaの6作目)のほうがかっこいいと思っちゃう。「ハイスタには勝てねえ」なんて思ってたら、やってる意味がないんです。

Ken:……こうやって話してるとわかるように、Ken Bandにしか持ちえない、独特の憂鬱がすごくあるんですよね(笑)。

Jun Gray、Ken Yokoyama、Hidenori Minami、Matchan
Jun Gray、Ken Yokoyama、Hidenori Minami、Matchan

—KenさんはスプリットツアーでNAMBA69に対してどのように思いましたか?

Ken:ko-heyが入ったNAMBA69がそれまでと違った空気感を持ってやっているっていうのは、ものすごく眩しく見えました。僕はそれにすごく影響を受けたかもしれないです。「ああなろうぜ」っていうんじゃなくて、根本の部分を見つめて、「やっぱり人だな」っていう。人の力が曲を輝かせるし、それがバンドだなってすごく感じたんです。ナンちゃんのところと比べて、その意識が希薄だなって感じたので、そこを今年のアタマに修正したかったんですけど……今思えば、3人にSOSを出したんだと思うんです。

—助けを求めた?

Ken:そうですね。これまで僕の発想、僕のペースでKen Bandをやってこれちゃったのが、2017年に『The Gift』を作って、ツアーをして、「ハイスタ強いぞ」って、すごく感じたんです。「あのバンドと戦うには、俺1人じゃどうにもならない。Ken Bandを助けてくれ」って、そういうSOSだったと思うんです。で、それぞれのキャッチの仕方があって、JunちゃんとMinamiちゃんはそれを受け取ってくれた。Matchanからの答えは、あの電話だった。そういうことだと思うんですよね。

Junちゃんのアイデアで「これをこのタイミングでやろう」って言ってくれたのが、すごく嬉しかったんです。(Ken)

—じゃあ、『Songs Of The Living Dead』のリリース自体は、Matchanさんの脱退が決まる前から進められていたわけですよね。

Ken:そうです。一番古い録音が14年前なんですけど、そのときから構想自体は練りはじめていたんです(笑)。じゃあ、なぜ今かっていうと、それはJunちゃんのひと言があったから。今年の計画を話してるなかで、Junちゃんが「ここしかないだろ」って言いはじめたんですけど、それって1月の意識改革の結果だと思うんです。

僕、めちゃめちゃ文句言ったんですよ(笑)。スケジュール的には結構厳しかったから、「実際曲作るのは俺とMinamiちゃんだぞ」って。でも、僕のアイデアじゃなくて、Junちゃんのアイデアで「これをこのタイミングでやろう」って言ってくれたのが、すごく嬉しかったんです。

Jun:こういう作品を出したいっていうのは、ずっと前から言ってたんですよ。で、ナンちゃんとのスプリットで新曲をほぼ使い切ったから、次の展開を考えると、今年フルアルバムを出すのはまず無理だろうと。来年には作りたいけど、「それまでリリース空くの?」って考えると、前から言ってた案をここでやるべきなんじゃないかって。

Kenは新録も混ぜて作りたいって言うから、たしかに「できんのかな?」とは思ったけど、曲作りに時間かけると、下手したら年を跨いで来年のリリースになっちゃうし、「それじゃ意味なくね? 頑張ってよ」って(笑)。

—結果的には、Matchanさん脱退のタイミングで、過去の曲をまとめたコンピレーションが出るというのは、バンドとしての明確な区切りを感じさせますね。

Ken Yokoyama『Songs Of The Living Dead』ジャケット
Ken Yokoyama『Songs Of The Living Dead』ジャケット(Amazonで見る

Ken:ジャケットがちょっとホラータッチで、墓石に「2004-2018」って書いてあるんです。区切りなんだなって、しみじみ思っちゃいましたね。これで次のドラマーが入ったら……プロフェッショナルなメンタルを持ったドラマーが入ったら、プロフェッショナルなドラマーがいなかった時期の……。

Matchan:俺はいいですけど、間接的にGunnちゃんもディスるのやめてください(笑)。

Ken:名前出したら、文字になっちゃうじゃん!「GunnちゃんとMatchan」って!

Matchan:もう言ってるじゃないですか!

—(笑)。これはちょっとヒロイックな見方かもしれないですけど、アルバムの最後にNO USE FOR A NAMEのカバー“Soulmate”が入ってるじゃないですか? 資料には「6年前に急逝したバンドのボーカリストTony Slyへの深い愛情が感じられる」と書いてあって、それもあるとは思うけど、過去のバンドメンバーに捧げられたようにも思えるなって。

Ken:そうですね。メンバーだけじゃなくて、同じ時期に一緒にしのぎを削った仲間たちも含めて、すごく象徴的な曲ですよね。歌詞の内容はまたちょっと違うけど、このタイトルはやっぱりすごく強いなって思います。

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リリース情報

Ken Yokoyama『Songs Of The Living Dead』
Ken Yokoyama
『Songs Of The Living Dead』(CD)

2018年10月10日(水)発売
価格:2,700円(税込)
PZCA-85

1. I Fell For You, Fuck You
2. My Shoes
3. What Kind Of Love
4. My Day
5. Nervous
6. Don't Wanna Know If You Are Lonely
7. Swap The Flies Over Your Head
8. If The Kids Are United
9. You're Not Welcome Anymore
10. Walk
11. Sayonara Hotel
12. Going South
13. Brand New Cadillac
14. Dead At Budokan
15. Hungry Like The Wolf
16. Nothin' But Sausage
17. Living After Midnight
18. A Stupid Fool
19. A Decade Lived
20. Soulmate

ツアー情報

『Songs Of The Living Dead Tour』

2018年10月18日(木)
会場:神奈川県 川崎 CLUB CITTA'

2018年10月24日(水)
会場:福岡県 DRUM LOGOS

2018年10月26日(金)
会場:鹿児島県 CAPARVO HALL

2018年10月27日(土)
会場:熊本県 熊本 B.9

2018年10月29日(月)
会場:広島県 広島CLUB QUATTRO

2018年10月30日(火)
会場:愛媛県 松山 WstudioRED

2018年11月3日(土・祝)
会場:秋田県 Club SWINDLE

2018年11月4日(日)
会場:青森県 青森 Quarter

2018年11月6日(火)
会場:宮城県 仙台 RENSA

2018年11月7日(水)
会場:福島県 郡山 HIPSHOT JAPAN

2018年11月12日(月)
会場:群馬県 高崎 Club FLEEZ

2018年11月13日(火)
会場:長野県 CLUB JUNK BOX

2018年11月15日(木)
会場:石川県 金沢 EIGHT HALL

2018年11月16日(金)
会場:新潟県 LOTS

2018年11月27日(火)
会場:大阪府 なんばHatch

2018年11月28日(水)
会場:愛知県 名古屋 DIAMOND HALL

2018年12月6日(木)
会場:東京都 新木場 STUDIO COAST

プロフィール

Ken Yokoyama
Ken Yokoyama(けん よこやま)

Hi-STANDARD、BBQ CHICKENSのギタリストである横山健が2004年に始動させたバンド。2004年、アルバム『The Cost Of My Freedom』でKen Yokoyamaとしてバンド活動を開始。その後、コリン(G)、サージ(B)、Gunn(Dr)を率いてライブ活動を開始。2005年に『Nothin' But Sausage』、2007年に『Third Time's A Charm』をリリース。2008年1月13日に日本武道館でのライブを『DEAD AT BUDOKAN』と称して行った(12000人動員)チケットは即日完売。この公演を最後にコリンが脱退し、新たに南英紀が加入。同年秋にはサージも脱退し、Jun Gray(B)が加入する。2010年には『FOUR』をリリース。10月には「DEAD AT BAY AREA」と題したアリーナライブを神戸と幕張で実施した。その後Gunnが脱退し、松浦英治(Dr)が加入。2011年3月11日の震災を期にKen Bandを率いて東北でフリーライブ等を積極的に敢行。9月18日にロック・フェスHi-STANDARD主催『AIR JAM 2011』を横浜スタジアムで開催する。そこで、11年ぶりにHi-STANDARDの活動を再開させ、12年には横浜での収益を基に念願の東北で『AIRJAM 2012』を開催。11月には5枚目のアルバム『Best Wishes』をリリース。2015年7月、シングルとしては8年4か月ぶりとなる『I Won't Turn Off My Radio』をリリースし、テレビ朝日系『ミュージックステーション』に初出演。大きな話題を呼んだ。9月、2年10か月ぶりとなるニューアルバム『Sentimental Trash』を発表。また、Gretsch Guitar 132年の歴史において、初の日本人ギタリストのシグネチュア・モデル「Kenny Falcon」が発売される。2016年3月には自身2度目となる日本武道館公演を『Dead At Budokan Returns』と称して開催。2018年6月、難波章浩率いるNAMBA69とのスプリット盤『Ken Yokoyama VS NAMBA69』をリリース。同年10月には、コンピレーション提供曲や未発表音源に加えて、新たに録音した楽曲を収めたセルフコンピレーションアルバム『Songs Of The Living Dead』を発表した。

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