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Kacoが語る歌手人生のスタート地点 根拠なき自信で人生は変わる

Kacoが語る歌手人生のスタート地点 根拠なき自信で人生は変わる

Eggs
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:垂水佳菜 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)
2019/01/15

ただの田舎娘が最初に人前で歌ったのが、お台場のZepp DiverCityだったという(笑)。

—根拠はないとはいえ、歌に対する絶対的な自信がKacoさんをここまで動かしてきたわけですよね。歌を歌うことは、子どもの頃から好きだったんですか?

Kaco:好きでした。ピアノも習っていましたし、漠然とですが「将来、ピアノを弾いて、歌う仕事ができたらいいなぁ」というのは小学生の頃には思っていましたね。でも「ちゃんと音楽をやらなきゃ」と強く思うきっかけが、大学2年生のときにあったんですよ。

—それはどんな?

Kaco:私、ずっと絢香さんの大ファンで、ファンクラブにも入っていたんですけど、そのときに「絢香さんと一緒に歌いましょう」という、夢のような企画があったんです。事前に審査があって応募者から5人が選抜されて、歌っている映像がイベント中に上映されるんですけど、そこでさらに選ばれた1人だけが、ステージに上がって絢香さんと歌えるっていう。

私はただただ「絢香さんに会いたい」一心で参加したんですけど、ラッキーなことに、ファイナルまで残ることができたんです。生まれてから一度もライブなんてしたことのない、ただの田舎娘が最初に人前で歌ったのが、お台場のZepp DiverCityだったという(笑)。

Kaco

—しかも、目の前には憧れの絢香さんがいるわけですよね。それは強烈な体験だったでしょうね。

Kaco:ステージ上の照明の眩しさや、大勢の人が自分を見つめる視線、そういうものを初めて浴びたのですが、ものすごく快感でした。「私、絶対に自分の力でここに来る!」と思ったし、その場で私は「歌手になりたいんです」って宣言しました(笑)。そのときから音楽活動について、現実的に考えるようになりましたね。

—曲作りそのものは、すでに15歳で行っていたそうですが。

Kaco:それも絢香さんの影響なんです。あるインタビュー記事で高校生の頃から作詞作曲をはじめたとおっしゃっていたのを読んで、「今の私の年齢と一緒や、やんなきゃ!」と。とはいえ、今言ったように本腰を入れて曲作りをするようになったのは、大学2年生になってからです。そのときは大貫妙子さんや荒井由実さん、それと父親の影響で聴いていた山下達郎さんをお手本にしていました。

自分の好きな音楽を並べてみると、常に小林武史さんの影が(笑)。

—『たてがみ』の収録曲でも、たとえば“涙の割りかた”は大貫妙子さんを彷彿とさせますよね。サビのライン、<一緒に赤くなってくれる?>の「る?」のところでメロディーがヒュッと上がるところとか、何度聴いてもゾクゾクします。

Kaco:本当ですか、嬉しい!(笑) 大貫さんはコード感と、何より声が好きですね。チャーミングだけど、一本筋が通っているというか。特に『note』(2002年)というアルバムが大好きなんです。“涙の割りかた”は、このアルバムに収録されている“Wonderland”がお手本です。リズムの感じとか、サファリパークみたいで素敵だなあって。

大貫妙子“Wonderland”を聴く( Apple Musicはこちら

—サファリパークですか(笑)。“書きかけのファンタジー”は荒井由実さんや小沢健二さんにも通じるメロディーですよね。それに、歌詞に出てくる「ソーダ水」にちなんで、レインスティック(民族楽器)で炭酸っぽい音を出すなど、遊び心も随所に散りばめられていて。聴いていてとても楽しいです。

Kaco:ありがとうございます。この曲は、おっしゃっていただいたようにおもちゃ箱をひっくり返したような、楽しいアレンジにしたかったんです。メロディーも、荒井由実さんへのオマージュというか。彼女のアルバムは、『14番目の月』(1976年)がお気に入りで、なかでも“さざ波”という曲がとても好きです。

荒井由実『14番目の月』を聴く( Apple Musicはこちら

—アルバム全体のサウンドプロダクションは、小林武史さんからの影響も感じました。

Kaco:間違いなく受けています。Mr.Childrenさん、Salyuさん、レミオロメンさん……自分の好きな音楽を並べてみると、常に小林さんの影が(笑)。どんな曲にも必ず「エモさ」があるところが小林さんの魅力ですね。いつか『ap bank fes』で共演するのが夢です(笑)。

高橋久美子さんの文章って、とてもなじみ深い言葉を使っているのに、その組み合わせで見える世界を広げてくれる。

—元チャットモンチーの高橋久美子さんと、“たてがみ”と“あいそうろう”の2曲を共作しているのも本作の聴きどころですよね。高橋さんの、どんなところに惹かれますか?

Kaco:私は高橋さんと同じ愛媛県出身なんですけど、実家の母が愛媛新聞に連載されている高橋さんのエッセイを送ってくれたことがあって。それを読んで、「歌詞を共作するなら高橋さんがいい!」と思っていたんです。

高橋さんの文章って、とてもなじみ深い言葉を使っているのに、その組み合わせで見える世界を広げてくれるというか。「なんでこんな使い方を思いつくんだろう」って常に驚かせてくれるんです。それは、共作しているときにも強く感じました。

Kaco

—ひとりで歌詞を書くのと共作とでは、どんな違いがありましたか?

Kaco:ひとりで曲を書いているときは、鍋をコトコト煮詰めるような作業というか。静けさのなかで自分の心に問いかけ、スーッとトコロテンを絞り出すように歌詞が浮かんでくるんです(笑)。でも共作って、まるでカラーボールがポンポン飛んでくるような感覚でした。「うわ、こんなところから言葉が飛んでくるんや!」の連続。で、それを自分の言葉で打ち返すと、思いもよらないところまで飛んでいって。進化、進化の繰り返しというか、とにかく楽しくて仕方なかったです。

—Kacoさんは、比喩表現がとても豊かですね(笑)。

Kaco:ははは(笑)。もちろん、言いたいことはお互いズバズバ言うんですよ。「この言葉はどう思う?」「うーん、ちょっと浅はかやな」みたいに(笑)。でも、険悪な雰囲気とかは一切なかった。“たてがみ”はそんな感じで、3~4時間で完成しました。もともとその日は歌詞を作る予定ではなくて、「ちょっとご飯でも食べながら軽く打ち合わせしましょうか」みたいな会だったんです。気づいたら、ご飯そっちのけで夢中になっていましたね。居酒屋が実験室になった感じ。

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アプリ情報

『Eggs』
『Eggs』

アーティストが自身の楽曲やプロフィール、活動情報、ライブ映像などを自由に登録・公開し、また、リスナーも登録された楽曲を聴き、プレビューや「いいね」等を行うことができる、アーティストとリスナーをつなぐ新しい音楽の無料プラットフォーム。登録アーティストの楽曲視聴や情報は、「Eggsアプリ」(無料)をダウンロードすると、いつでもお手もとでお楽しみいただけます。

料金:無料

リリース情報

『たてがみ』
Kaco
『たてがみ』(CD)

2019年1月16日(水)発売
価格:2,160円(税込)
EGGS-037

1. 夢から醒めた夢
2. 涙の割りかた
3. 書きかけのファンタジー
4. 猫になれたら
5. あいそうろう
6. たてがみ

イベント情報

『exPoP!!!!! volume117』

2019年1月31日(木)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest

出演:
Kaco
絶対忘れるな
ロイ-RöE-
and more!!!!!

プロフィール

Kaco
Kaco(かこ)

2018年1月に発売されたNEWSのシングル『LPS』では「madoromi」の楽曲提供を行い、アニメ『魔法使いの嫁』第14話では挿入歌「Rose」を作詞、作曲、歌唱にて参加するなど、今、注目の新進気鋭のシンガーソングライター。15歳から作詞作曲を始め、高校ではコーラス部に所属しイタリア歌曲のレッスンへ通い、進学の為に上京。在学中に本格的に音楽活動を開始する。2016年にリリースした自主盤『影日和(かげびより)』では、運命的な出会いからChara、藤原さくら等のライブサポートをしているKan Sano氏がピアニストとして参加することになる。2017年10月には、全国流通盤としてリリースした『身じたく』において、Superflyやアンジェラアキを手がけた松岡モトキ氏をサウンドプロデューサーとして迎え、ピアノ弾き語りはもとより、バンド編成を主体にした骨太の内容に仕上がる。2018年10月22日、自己紹介盤として、ワンコインCDをリリース。この作品は、ギタリスト、サウンドプロデューサーとして数多くのアーティストから信望の厚い小倉博和氏がアコースティックギターで参加した。2019年1月、3rdミニアルバム『たてがみ』をリリース。3月には東京、大阪にてワンマンライブが決定している。

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