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ゴスペラーズとSIRUPが語る、ソウルミュージックとは「エモ」

ゴスペラーズとSIRUPが語る、ソウルミュージックとは「エモ」

The Gospellers 25th Anniversary tribute『BOYS meet HARMONY』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:永峰拓也 編集:矢島大地、矢島由佳子(CINRA.NET編集部)

それまで僕らのようなボーカルグループってほぼいなかったから、「前例がない故の苦労」はありました。(黒沢)

—今振り返ると、“永遠に”は当時(2000年)のゴスペラーズにとってどういう1曲だったと言えますか?

黒沢:この曲はもともと、僕らの盟友である妹尾武さんが作ってくれたオーセンティックなバラードだったんです。それを、アメリカのブライアン・マイケル・コックスとパトリック“ジェイキュー”スミスという、アッシャーやメアリー・J.ブライジの大ヒットシングルを手がけたR&Bのプロデューサーにアレンジしてもらったんですけど、ちょっとしたビート感や上モノフレーズの変更しかしていないのに、これまで耳にしたことのないようなサウンドになって返ってきて。「こんなに変わるのか!」と、ものすごく衝撃を受けたことを覚えています。

ゴスペラーズ“永遠に”を聴く(Apple Musicはこちら

—結果、“永遠に”はゴスペラーズの名を広く知らしめる最初の楽曲となったわけですよね。

黒沢:確か、この曲が入ったアルバム『Soul Serenade』(2000年10月発売)の発売日がツアー初日だったんですよ。売る気ないの? って感じだけど(笑)、この曲のおかげでどんどんお客さんが増えていって、ついには“永遠に”が始まるときに、拍手が起こるようになったんです。「あ、これは曲が一人歩きし始めたんだな」って、そのときに実感しました。

そのすぐあとに、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)が決まって。そのときはすでに次の“告白”というシングルが出てたんだけど、番組サイドから“永遠に”を歌って欲しいという要望があって。その日の放送を境に、いわゆる「5桁バック」(1万枚を超えるバックオーダー)が毎日続いたんです。毎日ですよ?

SIRUP:ええー! いいなあ……(笑)。

黒沢:今とは時代が違ったからね(笑)。とにかく、そこで僕らゴスペラーズは「世間」に発見されたんだと思います。「こんなグループがいるよ」って。

そこまでに6年もかかってしまいましたけど、もしこの曲がなかったら、“告白”を経て“ひとり”のようなアカペラシングルを出すなんて無理だったと思うんですよ。そういう意味で、僕らの道を切り開いてくれた最初の楽曲だとも思っています。

黒沢 薫(ゴスペラーズ)

—デビューから“永遠に”までの6年間は、今振り返るとどんな気持ちでしたか?

黒沢:ありがたいことに、ライブには初期の頃から人が入ってくれたので、活動そのものに苦労を感じたことはなかったんですよね。ただ、それまで僕らのようなボーカルグループってほぼ存在していなかったから、売るためのフォーマットも、歌うための楽曲もなかったんです。それで活動していくためにはどうするべきか……「前例がない故の苦労」は確かにありましたね。

ちなみに「本当はもっと、ディープなことをやった方がいいんじゃないかな」と、メンバー全員がなんとなく思いつつ一歩踏み出せない時期というのはありました。それは、『Soul Serenade』の前に出した『FIVE KEYS』(1999年7月発売)という5枚目のアルバムで、ようやく吹っ切れるわけですけど。ただ、ファンの中には「ゴスペラーズがアイドルみたいな曲をやるとは思いませんでした」みたいな反応もあったんです。「え、アイドル?」と思ってびっくりしたんですよね。自分たちとしては、当時のソウル、ブラックミュージックやR&Bに思いっきり寄ったつもりでいたから。

—確かに、そういうアルバムでしたよね。

黒沢:すごくショックだったんだけど、それってどういうことなのか色々考えてみると、当時のアイドルたちが海外の最先端のR&Bやニュージャックスウィングを、僕らよりも早く取り入れていたからだったんですよ。

SIRUP:あ、そうか!

黒沢:だから、本場のサウンドを知らない人には「R&B=アイドルソング」という認識だったわけだったんですよね。実際、少し売り上げも落ちたんです。「いや、俺たちがやりたいのはこういうサウンドなんだ!」という気持ちで、さらにその路線を推し進めたのが『Soul Serenade』と、アカペラシングル“ひとり”だったんです。この時期は僕らにとっても重要なターニングポイントでしたね。

ゴスペラーズ“ひとり”を聴く(Apple Musicはこちら

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リリース情報

V.AThe Gospellers 25th Anniversary tribute『BOYS meet HARMONY』
V.A
The Gospellers 25th Anniversary tribute
『BOYS meet HARMONY』(CD)

2019年3月20日(水)発売
価格:2,700円(税込)
KSCL-3136

1. 永遠に / SIRUP
2. ミモザ / COLOR CREATION
3. 新大阪 / Da-iCE
4. 熱帯夜 / UNIONE(ユニオネ)
5. ポーカーフェイス / Creepy Nuts
6. 星降る夜のシンフォニー / FlowBack
7. 月光 / XOX
8. 星屑の街 / SOLIDEMO
9. ひとり / 港カヲル from グループ魂

  • Apple Musicで聴く
  • イベント情報

    『ゴスペラーズ 25th Anniversary tribute live 〜BOYS meet HARMONY〜』

    2019年3月25日(月)
    会場:東京都 Zepp DiverCity

    出演:
    ゴスペラーズ
    COLOR CREATION
    大野雄大(from Da-iCE)
    XOX
    SIRUP
    SOLIDEMO
    FlowBack
    UNIONE

    リリース情報

    SIRUP
    『FEEL GOOD』(CD)

    2019年5月29日(水)発売
    価格:3,024円(税込)
    RZCB-87001

    プロフィール

    ゴスペラーズ
    ゴスペラーズ

    1991年に早稲田大学のアカペラサークル「Street Corner Symphony」で結成し、94年にキューンミュージックよりメジャーデビュー。2000年リリースのシングル“永遠に”がロングセールスを記録し、『ひとり』は、アカペラ作品としては日本音楽史上初めてセールスチャートのベスト3入りを果たした。日本のボーカルグループのパイオニアとして、アジア各国でも作品がリリースされている。

    SIRUP
    SIRUP(しらっぷ)

    R&B / ソウル、HIPHOPなどをベースに、ジャンルを超えて様々なクリエイターとコラボレーションし、新しいものを生み出していく。その変幻自在なボーカルスタイル、五感を刺激するグルーヴィーなサウンド、そして個性的な歌詞の世界観でリスナーを魅了する。SIRUPは、「Sing & Rap」からなる造語。

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