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chayが語る、いま求められるシンガーソングライターのあり方

chayが語る、いま求められるシンガーソングライターのあり方

『大切な色彩』
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:豊島望 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)
2019/04/25

「ありきたりなシンガーソングライター」のイメージを避け、デビュー時から一貫して「どこにもいない人」を目指し、自らのイメージを確立するためセルフブランディングを積極的に行ってきたchay。

4月24日にリリースされる『大切な色彩(いろ)』では、Crystal Kayとのコラボで話題となった前作“あなたの知らない私たち”で魅せた、艶やかでジャジーなサウンドから一転、「出会い」と「別れ」が交差する春という季節にぴったりな、清々しくもどこか切ない楽曲が並ぶ。

本作では、幼少期から大ファンだという松任谷由実の1979年の楽曲“最後の春休み”をカバーしている。今なお色褪せることなく活躍する松任谷由実を、同じ女性シンガーとしてどのように見つめているのだろう? そして、chayが目指すシンガーゾングライターはどんな姿なのだろうか。28歳の彼女が今、激動する「シンガーソングライターシーン」について思うこと、これからの歩みについて丁寧に語ってくれた。

生まれて初めて行ったコンサートがユーミンさんだったんです。

—今作は前作から一転、春っぽくて爽やかな楽曲が並びましたね。松任谷由実さんの“最後の春休み”もカバーされていて。

chay:以前にもユーミンさんの“12月の雨”をカバーさせていただいたことがあるんですが、今回「春を詰め込んだ1枚にしよう」という思いがあったので、再度ユーミンさんをカバーさせていただきました。表題曲の“大切な色彩”や“With”とは違い、この曲はあえて感情移入を抑えて歌っています。

chay(ちゃい)<br>1990年10月23日生まれ。幼少の頃から歌手を目指し、小学生の頃からピアノで曲を作り始める。大学に入学すると同時にギターを始め、路上ライブなどを重ね、本格的に音楽活動を始める。2012年10月に『はじめての気持ち』でワーナーミュージック・ジャパンよりCDデビュー。
chay(ちゃい)
1990年10月23日生まれ。幼少の頃から歌手を目指し、小学生の頃からピアノで曲を作り始める。大学に入学すると同時にギターを始め、路上ライブなどを重ね、本格的に音楽活動を始める。2012年10月に『はじめての気持ち』でワーナーミュージック・ジャパンよりCDデビュー。

—ユーミンさんも、抑揚を抑えて歌うことで聞き手の想像力に委ねるタイプのシンガーですよね。

chay:ユーミンさんの曲って、1曲の中で物語になっていて、抑揚を抑えて歌ったほうがすっと耳に入ってくるし、聴いている人それぞれが自分の気持ちを投影させやすいんじゃないかと気づいて。そこでいつもの私のように、情感を込めて歌い上げてしまうと、ストーリーが耳に入ってこなくなる。そういう歌い方は、今回が初めての経験でした。

chay『大切な色彩』ジャケット
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—chayさんは、ユーミンさんのどんなところが好きなのですか?

chay:私、生まれて初めて行ったコンサートがユーミンさんだったんです。小学校低学年の頃、両親に連れて行ってもらったんですけど、幼心に圧倒されました。ユーミンさんのコンサートってエンターテイメントじゃないですか。衣装は何度も変わるし演出も凝っていて、ものすごく楽しくて。まだ歌詞の意味もよく分からなかった頃から楽しめたし、本当にテーマパークに遊びにきているみたいな。

chayとしてデビューする際、「歌や曲はもちろん、アートワーク、ミュージックビデオ、衣装、演出などこだわった、目でも耳でも楽しんでもらえるアーティストになりたい」という目標を掲げたのも、ユーミンさんのライブを観たことが大きかったのかもしれない。

—“最後の春休み”は、ユーミンが25歳の時にリリースしています。そして、chayさんと同じくデビュー7年目なんですよね。

chay:25歳の時なんだ! 「天才」としかいいようがないです……。デビュー7年かぁ。

—chayさんにとって、この7年はどんな時間でしたか?

chay:5周年までは、とにかく「chayとはこうありたいし、こうあるべきだ」という理想像みたいなものが確固としてあって、そこに対してものすごく頑固にこだわりがありました。もう、それ以外のものは一切受け付けません! みたいな。ある意味では視野が狭かったのかもしれないですけど、おかげでchayのイメージみたいなものは、少なからず浸透したんじゃないかと思っています。

5周年を迎えてからは、これからの新しいchayをどう見せられるか、成長していくchayの姿を見てもらいたいし、冒険することに躊躇しなくなりました。以前は「冒険しちゃったら、chayのイメージがブレてしまうんじゃないか?」という恐れがあったんですけど、今はどんなことでも前向きに考えられるようになったと思います。新しい人との出会いや、新しいことへの挑戦が、自分の視野をどんどん広げてくれるというか。

chay

—その「イメージを確立させたい」と思っていた時には、誰か目指すべきロールモデルがあったのですか?

chay:いえ、とにかく「どこにもいない人になりたい」と思っていました。「○○みたい」と言われるのがイヤだったんですよ。それこそ「ギターを持って歌っている女の子」って、たくさんいるじゃないですか。しかも、当時はイメージがわりと画一化されていて……。

そこを、私らしくすり抜けるにはどうしたらいいかなって。「ワンピースにヒールを履いて、キラキラのギターを持ったシンガーソングライターがいてもいいんじゃない?」と思ったんですよね。当時、日本にはあまりそういうアーティストがいなかったんですけど、海外ではテイラー・スウィフトなどがやっていました。

—誰もいない場所を見つけて、心からやりたいことをそこでやるというのは、非常にオルタナティブなアティチュードですよね。

chay:そうおっしゃってもらえると嬉しいです。ただ、誰もやっていないことをやると必ず批判があるし、前例がないことをやるのは自分でも怖いことではあったんですよね。いろんな人に反対されたし、「シンガーソングライターならこんな格好をして、こんな曲を歌ったほうがいいよ」みたいなことも言われたし。それでもそこは、当時から全くブレなかった。自分を押し通すのは、本当に大変でしたけどね(笑)。

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リリース情報

chay『大切な色彩』
chay
『大切な色彩』(CD)

2019年4月24日(水)発売
価格:1,620円(税込)
WPCL-13040

1. 大切な色彩
2. With
3. 最後の夏休み

プロフィール

XXXXX
chay(ちゃい)

1990年10月23日生まれ。幼少の頃から歌手を目指し、小学生の頃からピアノで曲を作り始める。大学に入学すると同時にギターを始め、路上ライブなどを重ね、本格的に音楽活動を始める。2012年10月に「はじめての気持ち」でワーナーミュージック・ジャパンよりCDデビュー。2013年10月より2014年3月までフジテレビ系「テラスハウス」に出演し、各方面で話題に。2014年5月より「CanCam」専属モデルとしても活動開始。2015年2月にリリースされた「あなたに恋をしてみました」は、フジテレビ系月9ドラマの主題歌となり、50万DLを突破し大ヒット!その後、配信限定リリースを含めた9枚のシングルと、2枚のアルバムを発売。昨年12月にはフィーチャリングにCrystal Kay を迎え、シングル「あなたの知らない私たち」を発売。これまで歌ってきたピュアで一途な恋心とはうってかわって、女と女の戦いやスリリングな大人の恋の駆け引きを思わせる楽曲が話題を呼んだ。

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