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The Wisely Brothersが、モヤモヤした過去の自分に手紙を贈る

The Wisely Brothersが、モヤモヤした過去の自分に手紙を贈る

『さよなら、退屈なレオニー』
インタビュー・テキスト
飯嶋藍子
撮影:タケシタトモヒロ 編集:久野剛士(CINRA.NET編集部)

ティーンエイジャーの頃、親も友達も全員敵に見えたり、斜に構えて世の中に違和感や怒りを感じたり。そんなフラストレーションを強く持って無敵な気もする一方、ひとりぼっちで世界に取り残されたような孤独感を抱いたりする。きっと誰もが感じたであろう、あの青い心のあり方を鮮やかに描いた映画『さよなら、退屈なレオニー』が6月15日に公開される。

カナダの田舎、まさにそんな時期の女の子レオニーの姿を描いたこの映画。高校卒業直前の夏、将来の夢もなく、家族ともうまくいかず、ちょっぴり恋をしながらも、ただこの街を出たいと願うレオニーに、10代の自分を重ねる人もきっと多いはず。今回、この映画の日本版予告編のイメージソングとして“メイプルカナダ”を提供したThe Wisely Brothersの3人に、それぞれの「レオニーのような時期」を振り返ってもらった。

「こうしなきゃいけないのはわかっているけど、なんで思うように前向きに進めないんだろう」っていう気持ちは、大人になったいまでもある。(渡辺)

―カナダの田舎町で自分の生活にフラストレーションを抱える高校生レオニーを描いた青春映画『さよなら、退屈なレオニー』。本作の日本版では“メイプルカナダ”がテーマ曲になっていますが、The Wisely Brothers(以下、ワイズリー)のみなさんの青春時代はレオニーと比べてどのようなものでしたか?

和久利(Ba,Cho):レオニーは私と反対のタイプだなって思いました。私は昔からやりたいことが多くて、やりたいことが見つからない時間を過ごすレオニーを見ていると少しもどかしかったです。自分と違う青春を見た気がして不思議でした。でも、レオニーの「そこにいたくないから」という理由で家を飛び出したり、自分の好きなことを止められない衝動には、共感できる部分もあって。

The Wisely Brothers(わいずりーぶらざーず)<br>左から、渡辺朱音(Dr./Cho)、真舘晴子(Gt./Vo.)、和久利泉(Ba./Cho)。都内世田谷総合高校の軽音楽部にて結成。2014年 下北沢のライブハウスを中心に活動開始。2016年7月『シーサイド81』リリースした。そして、2019年7月17日にニューアルバム『Captain Sad』をリリース予定。
The Wisely Brothers(わいずりーぶらざーず)
左から、渡辺朱音(Dr./Cho)、真舘晴子(Gt./Vo.)、和久利泉(Ba./Cho)。都内世田谷総合高校の軽音楽部にて結成。2014年 下北沢のライブハウスを中心に活動開始。2016年7月『シーサイド81』リリースした。そして、2019年7月17日にニューアルバム『Captain Sad』をリリース予定。

真舘(Gt,Vo):私は(和久利)泉とは逆で、ずっとレオニーと同じ気持ちだなと思って。いまの自分にも昔の自分にも、何故かすごくぴったりきました。自分の思い通りに物事が進まないってことが、だんだんとわかってくる過程とかね。

渡辺(Dr,Cho):「こうしなきゃいけないのはわかっているけど、なんで思うように前向きに進めないんだろう」っていう気持ちは、いまでもあるような気がするよね。私の場合、学生時代は周りに対して冷めていたし、一緒に楽しく話せばいいのにあえて友達と一緒に行動しないことを選んだりして。

でもそれは周りの人たちが悪いわけじゃなくて、本当に自分の問題だったと思うんです。自信がないから強がったり、弱かったり不安だったりする自分を見せたくなくてそうじゃない自分を演出したり。

『さよなら、退屈なレオニー』トレイラー

―そういう自分の本心と行動がちぐはぐになってしまう時期ってありますよね。

真舘:いまでも常にそうです(笑)。基本的に物事って思い通りにいかないけど、その一つひとつに対して自分を適応させられないじゃないですか。自分を器用に変えられないからこそ、どうしても環境が変化するたびに揺さぶられて疲れたり、ひとりになりたくなったり、逃げ出したくなったり、いつもはやらないことをやってみようって思ったり……。

でも、それによって感情が動いたり生まれたりすることって、悪いことじゃないんだと思いました。そういう感情があるからこそ、自分の本心がわかるし、自分と本当に近いものを見つけたときにちゃんと心が開けるし、「ここに行きたい」「こうなりたい」という気持ちが芽生えるんだと思います。

『さよなら、退屈なレオニー』場面写真 / ©CORPORATION ACPAV INC. 2018
『さよなら、退屈なレオニー』場面写真 / ©CORPORATION ACPAV INC. 2018

先がないからこそ、とりあえずなにか新しいことを始めて、いまの自分を解放させたい。(真舘)

―たしかに自分が変わっていなくても、周りが変わるとそれだけで不安になったりしますよね。真舘さんは昔から環境の変化に敏感でした?

真舘:私は家族のかたちが変わる家庭で育ったので、当時は人にいえない悩みも多くて。小さいときはその環境が私の世界の全てだったからすごく戸惑いがあって。身近にいた人が離れてしまうことやその逆のことがあったり、そういうことを誰に相談したらいいかわからなかった。人にいえないから小さい嘘もつかなきゃいけないし、人と壁ができて……そうやって周りばかり気にすることが嫌でした。

 

―でも、そういう悩みを自分の内側だけに留めておくのって、やっぱりどうしてもしんどくなったりしませんでした?

真舘:そうですね。誰にも相談できないモヤモヤした気持ちをどうにもできないから、将来のことよりも目の前にある状況とか、その瞬間に心に抱いていることに気持ちを持っていかれてしまうんです。

周りの環境や人が急激に変わっていくのを見ると、全部が信じられなくなっちゃって。いま幸せだったとしても、その状況がこの先も続いていくなんて保証がないって考えてしまったんです。先がないからこそとりあえずなにか新しいことを始めて、いまの自分を解放させたいというか。そんなことも理由の一つになり、とりあえず軽音楽部に入ってバンドを始めたんです。

『さよなら、退屈なレオニー』場面写真 / ©CORPORATION ACPAV INC. 2018
『さよなら、退屈なレオニー』場面写真 / ©CORPORATION ACPAV INC. 2018

和久利:私は、楽器はずっとやっていたんですけど、中学時代はバスケとバトミントンを兼部していて。ずっと運動部だったから、軽音楽部ってストイックな感じがしなくて最初は嫌だったんですけど(笑)、あるときに通学路で楽器を背負っている同級生を見て、なんで私はいま楽器やってないんだろう? ってふと思ったんです。そんなときに(真舘)晴子が軽音部に入るって聞いて。

渡辺:私はその頃まさに10代特有の「斜に構えた時期」だったかも。軽音部に誘われても「私バイトするんだよね」って断って。そのくせ家族には「軽音部誘われたんだよね〜」ってずっといっていて。たぶん誰かの後押しがほしかったんでしょうね。それで家族から「やればいいんじゃないの?」っていわれて入部しました。でも、晴子が別になんでもよかったみたいな気持ちで始めたとは知らなかった……。みんな気合いがあったわけじゃないのに、そのわりには長く続いてるね(笑)。

The Wisely Brothers
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作品情報

The Wisely Brothers『Captain Sad』
『さよなら、退屈なレオニー』

2019年6月15日(土)から新宿武蔵野館ほか全国で順次公開
監督:セバスチャン・ピロット
出演:
カレル・トレンブレイ
ピエール=リュック・ブリラント
上映時間:96分
配給:ブロードメディア・スタジオ

リリース情報

The Wisely Brothers『Captain Sad』
The Wisely Brothers
『Captain Sad』(CD)

2019年7月17日(水)発売
価格:2,800円(税込)
COCP-40901

1. 気球
2. テーブル
3. つばめ
4. はなればなれピーポーズ
5. イルカの背中
6. 柔らかな
7. Hobby
8. いつかのライフ
9. ナイトホーク
10. River
11. Horses/馬たち

プロフィール

The Wisely Brothers(わいずりーぶらざーず)

都内高校の軽音楽部にて結成。真舘晴子(Gt.Vo)、和久利泉 (Ba.Cho)、渡辺朱音(Dr.Cho)からなるオルタナティブかつナチュラルなサウンドを基調とし 会話をするようにライブをするスリーピースバンド。 2014年下北沢を中心に活動開始。 2018年2月キャリア初となる1st Full Album「YAK」発売。 同年11月7inchアナログ「柔らかな」発売。 2019年7月17日に2nd Full Album「Captain Sad」をリリース予定。

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