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コムアイ×Yogee角舘健悟 東京も好い、でも海外は発見に満ちている

コムアイ×Yogee角舘健悟 東京も好い、でも海外は発見に満ちている

パルコ「50年目の、新しいパルコ。」
インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:永峰拓也 編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)

私は、「なくなったけどここにあるもの」がすごく好きなんだと思う。表現する対象は常にそれなんだなって。(コムアイ)

―水曜日のカンパネラの曲でいえば、昨年11月にリリースしたyahyelとのコラボレーション楽曲“生きろ。”はまさに東京のヒリヒリしたリアルを描いた歌だと思うんですけど。

コムアイ:そうですね。あの曲の英題は“Survive Tokyo”だし。

コムアイ:話が少し逸れますけど、やっぱり私は渋谷パルコが新しく生まれ変わるよりも、取り壊されるときのほうがワクワクしちゃうんですよ(笑)。4年前に渋谷パルコが取り壊されると知ったとき、自分なりの弔いをやらなければと思って“メデューサ”のミュージックビデオを渋谷パルコで撮ったし。変わっていく東京の街で、渋谷の象徴的な商業ビルの中で自分が踊って歌ったら、その土地の記憶が全部付いてくるんじゃないかと思って。渋谷パルコで買い物をした人、デートした人――そういう記憶や念をガーッと引き連れていくような感覚があったんですよね。

閉館した渋谷パルコで撮影ができたからこそ、そういう感覚をより強く覚えたと思う。今、あのミュージックビデオを見ると、自分の顔も変わってるし面白いんですよね。そういうふうに私は、消えることの面影みたいなものがすごく好きなんだと思います。なくなったけどここにあるもの、みたいな。表現する対象は常にそれなんだなって。

コムアイ:それで“生きろ。”は、電車に人が飛び込んだときのことを描いた歌なんです。それは自殺した部屋を事故物件扱いするような念の話ではなくて。

角舘:どういうこと?

コムアイ:何年か前の朝に、新宿駅のホームに行ったら血の海になっていたのね。

角舘:マジ!?

コムアイ:でも、濃い真っ赤な血ではなくて、清掃されていたから水浸しで血の色が薄くなっていて。それを見たとき、瞬間的に「血の海だ、誰かが死んだんだ」って思ったんだけど、そこに光が差していて、私にはそれが祝福の光のように映ったんだよね。この人は解放されたんだという感じがして。もうその人の肉体はないし、電車も普通に動いていて。でも、だからこそ「あそこにはどんな思いがあったんだろう?」って興味を覚えてあの曲ができたんです。

角舘:そこにどんな思いがあったかに興味があるんだ。

コムアイ:そう。飛び込むまではしんどかったかもしれないけど、飛び込んだ瞬間は安心したんじゃないかとも思って。簡単に解放されるからこそ、ギリギリを生きるしかないんだなって。

角舘:すごくディープな話だね。俺はそこに思いを寄せることは絶対にできないな。俺はできるだけお花畑を見ていたいから(笑)。

コムアイ:よく言うよ(笑)。

左から:コムアイ、角舘健悟

中国の若者は、一番美味しいカルチャーの果実を積極的に食べてるのが伝わってくる。(角舘)

角舘:コムはこの前、インドに行ったんでしょ? その話も聞きたいね。いろいろ感じたことあったでしょ?

コムアイ:あった。インドもそうだし、インドネシアに行ったときも日本を遡ったようなムードを感じた。中国だったら、日本の1980年代や1990年代のような活気に近いんじゃないかと思う。

角舘:それはめっちゃわかるよね。

コムアイ:中国の街(の様相)は未来感もあるんだけど。

角舘:レトロフューチャーって感じだよね。それくらいごちゃごちゃしてるし。でも、若者たちは超元気だし、一番美味しいカルチャーの果実が目の前にあってそれを積極的に食べてるのが伝わってくる。

Yogee New Waves、中国でのライブ中の様子
Yogee New Waves、中国でのライブ中の様子

コムアイ:中国に行くと元気になるよね。自分も若返る気がする。

角舘:中国にネガティブな印象を抱いたことはないな。

コムアイ:私も!

角舘:みんな黄砂がどうとかいろんなネガティブな理由をつけるけど、全然楽しいっしょって思う。

コムアイ:中国はめっちゃ楽しいよね。人に遠慮がなくなるし。

角舘:そうだね。「これくらいの気遣いのレベルでいいんだ」ってなるよね。

コムアイ:北京も空気がきれいだったよ。きれいな青空だった。でも、中国でももうちょっと田舎のほうに行きたいかな。文明の進化を感じすぎないところに。雲南省の森の中とかに住んでみたい。

コムアイ、中国にて
コムアイ、中国にて

コムアイ:インドだったら、北のほうは資本主義のピラミッドの一番下に組み込まれちゃってる感じがあるんだよね。だから、盗みを働かないと生きていけなかったり、嫉妬心に苛まれて苦しんでる人が増えていて。

でも、南の人たちは資本主義的なシステムや西洋文化を無視して生活しているところがあるのがすごくいいなと思った。私はそこに未来を感じて。現地の人に「日本人って誰が有名なの?」って訊かれて答えたら、「オノ・ヨーコ? ジョン・レノンの奥さん? ジョン・レノンって誰?」みたいな(笑)。

角舘:へえ! The Beatlesくらい知ってそうなのにね。

コムアイ、インドにて
コムアイ、インドにて

―それって現地の人はほとんどインドのカルチャーだけを享受しているということなんですか?

コムアイ:そうですね。インド国内の音楽については、タブラの名手とか向こうのポップスターのこと、みんな詳しいし好きですね。ポップミュージックでもラーガというインド古典の音階が使われていて、「Music」というと、彼らが頭に思い浮かべるのは西洋音階ではないんです。あ、“荒城の月”を歌ってくれたおじいさんはいましたね。

共通の話題は少ないけど、欧米のヒットチャートが通用しない世界があるのは嬉しい。ちょっと別の星の音楽のように感じる。アフリカや南米とかにも同じことを感じる場所がありそう。そういう世界をこれから知れることは今の自分にとって希望でもあるなって思うんですよね。

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サイト情報

『パルコ50周年キャンぺーンサイト』メインビジュアル
『パルコ50周年キャンぺーンサイト』

2019年1月1日からスタートしたパルコの50周年キャンペーン「50年目の、新しいパルコ。」の特設サイト。同サイトでは、インタビュー企画や謝恩企画など、随時情報が更新中。

リリース情報

水曜日のカンパネラ, オオルタイチ『YAKUSHIMA TREASURE』
水曜日のカンパネラ, オオルタイチ
『YAKUSHIMA TREASURE』

2019年4月3日(水)配信リリース

イベント情報

YAKUSHIMA TREASURE
『LIQUIDROOM 15th ANNIVERSARY とうとうたらりたらりら』

2019年8月22日(木)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM

リリース情報

Yogee New Waves『BLUEHARLEM』通常盤(CD)
Yogee New Waves
『BLUEHARLEM』通常盤(CD)

2019年3月20日(水)発売
価格:3,240円(税込)
VICL-65136

1. blueharlem
2. Summer of Love
3. CAN YOU FEEL IT
4. Good Night Station
5. Suichutoshi
6. emerald
7. Bring it Home
8. past song
9. Bluemin' Days(Album Ver.)
10. SUNKEN SHIPS

イベント情報

Yogee New Waves
『5th Anniversary Paradis? 〈HOW DO YOU FEEL ABOUT PARAISO?〉』

2019年9月10日(火)
会場:東京都 渋谷 WWWX

『Yogee New Waves ASIA TOUR 2019』

2019年9月12日(木)
会場:台湾 台北 THE WALL

2019年9月14日(土)
会場:マレーシア クアラルンプール Live Fact

2019年9月15日(日)
会場:タイ バンコク Lido Connect

2019年11月21日(木)
会場:中国 北京 Omni Space

2019年11月22日(金)
会場:中国 上海 MODERN SKY LA

2019年11月24日(日)
会場:中国 西安 Core Space

2019年11月26日(火)
会場:中国 杭州 MAO Livehouse

2019年11月27日(水)
会場:中国 南京 DMO Music Space

プロフィール

コムアイ
コムアイ

アーティスト。1992年生まれ、神奈川育ち。ホームパーティで勧誘を受け歌い始める。「水曜日のカンパネラ」のボーカルとして、国内だけでなく世界中のフェスに出演、ツアーを廻る。その土地や人々と呼応して創り上げるライブパフォーマンスは必見。好きな音楽は民族音楽とテクノ。好きな食べ物は南インド料理と果物味のガム。音楽活動の他にも、モデルや役者など様々なジャンルで活躍。2019年4月3日、屋久島とのコラボレーションをもとにプロデューサーにオオルタイチを迎えて制作した新EP『YAKUSHIMA TREASURE』をリリース。

Yogee New Waves
Yogee New Waves(よぎー にゅう うぇいぶす)

2013年に活動開始。2014年4月にデビューe.p.『CLIMAX NIGHT e.p.』を全国流通でリリース。その後『FUJI ROCK FESTIVAL』《Rookie A GoGo》に出演。9月には1stアルバム『PARAISO』をリリースし、年間ベストディスクとして各メディアで多く取り上げられる。2017年1月にBa.矢澤が脱退し、Gt.竹村、Ba.上野が正式メンバーとして加入し再び4人編成となり始動。5月に2ndアルバム『WAVES』をリリースし、『CDショップ大賞2018』前期のノミネート作品に選出。11月には映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』の主題歌に“SAYONARAMATA”が起用される。2019年3月20日には約2年振りとなる3rdアルバム『BLUEHARLEM』をリリースし、全14公演の国内ツアーと、台湾、マレーシア、タイ、中国の4か国8都市を巡るアジアツアーを開催。

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