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RAMMELLSが語る、同世代バンドと共有する社会の違和感・責任感

RAMMELLSが語る、同世代バンドと共有する社会の違和感・責任感

RAMMELLS『Beat generation』
インタビュー・テキスト・編集
矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
撮影:Kay N
2020/01/15

<そうだ 僕らがいつでも時代を作ってる>――これは、1月15日にRAMMELLSがリリースしたミニアルバム『Beat generation』の1行目に歌われる言葉。

そのアルバムタイトルである「ビートジェネレーション」とは、1950年代のアメリカで20~30代を過ごした作家・ジャック・ケルアックが提唱した言葉で、当時の文学界の人たちが牽引した社会に対するカウンターアクションは、同時代でも次世代にも多くの若者に影響を与えた。のちに、ジャック・ケルアック自身はその言葉の意味を、「だまされてふんだくられて精神的肉体的に消耗している世代」と表現している。

RAMMELLSは、今の世の中を見渡して、人々が「精神的肉体的に消耗している」ことを感じ取りながら、同世代のミュージシャンたちと、それを変えていこうとする感覚を共有している。いい時代を作っていくために、一人ひとりができること、音楽にできることとはなにかーーボーカル・黒田秋子の目に映っているものを聞かせてもらった。

同世代のミュージシャンを見てても、違和感に物申す人が多くなってきたと感じます。

RAMMELLS(らめるず)<br>左から:彦坂玄(Dr)、真田徹(Gt)、黒田秋子(Vo)、村山努(Ba)<br>2015年8月結成。真田徹が自分の求める最高の音楽を実現させるために、大学時代の先輩である黒田秋子、村山努を誘い2015年8月に結成。2016年彦坂玄をドラムに迎え、ライブ活動を本格的にスタート。2017年12月アルバム『Authentic』でメジャーデビュー。
RAMMELLS(らめるず)
左から:彦坂玄(Dr)、真田徹(Gt)、黒田秋子(Vo)、村山努(Ba)
2015年8月結成。真田徹が自分の求める最高の音楽を実現させるために、大学時代の先輩である黒田秋子、村山努を誘い2015年8月に結成。2016年彦坂玄をドラムに迎え、ライブ活動を本格的にスタート。2017年12月アルバム『Authentic』でメジャーデビュー。
RAMMELLS『Beat generation』のリード曲“Beat generation”

―RAMMELLSは「ビートジェネレーション」をどう捉えていて、なぜ今回のミニアルバムのタイトルにその言葉を持ってきたのか、聞かせていただけますか。

黒田:去年の誕生日に、ジャック・ケルアックの『オン・ザ・ロード』(1957年)をスタッフからいただいて。いろんな方が読んでるっていうのは前から知っていたんですけど。

―ミュージシャンでも、ボブ・ディラン、ジョン・レノン、ブルース・スプリングスティーン、ニール・ヤングらが、この本から影響を受けたと言われていますね。

『オン・ザ・ロード』(河出書房新社 / 訳・青山南)。黒田秋子の私物
『オン・ザ・ロード』(河出書房新社 / 訳・青山南)。黒田秋子の私物

黒田:ジャック・ケルアックが言った「ビートジェネレーション」の意味は曖昧で、本の中でも明確には提示されていないんですけど、「くたびれた世代」というワードがでてきて。

最近、セクハラ、パワハラ、自殺、殺人、煽り運転とか、いろんな報道を見てて、「なんなんだろう、みんなくたびれちゃってんのかな」って思っていたんですよね。この時代(「ビートジェネレーション」が指すのは1955~1964年頃)の人ほどヒッピーではないけど、「くたびれた世代」という意味では、今と近いものがあるんじゃないかなって。これは自由と愛を求めて旅をする話ですけど、私の同世代も、自由とか愛を求めようとしているのは同じなのかなと思うし。当時の人たちの深い部分を知ることはできないですけど、そこはリンクしてるのかもしれないと思って、『Beat generation』をタイトルにしました。

―黒田さんと同世代の人たちが自由や愛を求めてるというのは、どういうところで感じますか?

黒田:同世代のミュージシャンを見てても、それを感じることが多いですね。違和感に物申す人も多くなってきたなって。

黒田秋子
黒田秋子

―同世代のミュージシャンって、具体的にどういう人が浮かびます?

黒田:たとえばSANABAGUN.も(参照記事:RAMMELLS×SANABAGUN.対談)、「お前なんなんだよ」っていうことをバチバチに表現してるし、それを歌詞にもしてるし。彼らは路上時代から感じてきたこともあると思うんですけど、すごく骨太感があって、本当にかっこいいなと思う。

「自由と愛」で言うなら、Suchmosもそうですよね。こないだのNakamuraEmiさんとの対談のときに矢島さんがSuchmosの歌詞の話を教えてくれて、そのあとちゃんと読んでみたら、「同じ気分なんだな」って思いました(参照記事:RAMMELLS×NakamuraEmi対談。Suchmosの話をしているのは3ページ目

あっこゴリラさんも、女性としてすごいなと思います(参照記事:あっこゴリラインタビュー)。Gateballersもめちゃくちゃ好きで。濱野夏椰くんはとても丁寧に愛を歌っているなと思う(参照記事:Gateballers・濱野夏椰インタビュー)。同世代で言うと、King Gnuもそうですよね。

―GateballersもKing Gnuも、個と個の関係性を大事にしながら生きようとしてる様が、音楽にも表れている人たちですよね。ビートジェネレーションって、個の存在価値よりも、政治とか産業の大きなシステムが進んでいくことに価値が置かれた社会の中で、「人間らしさってなんだっけ?」を見つめ直そうとした人たちのムーブメントで。

黒田:そうですね。『natural high』(2016年10月リリース、1stミニアルバム)を出したときくらいに、安倍政権とか安全保障関連法に反対するデモがあって、“Blue”はそのときに考えていたことを書いた曲だったんですけど……。

RAMMELLS“Blue”。黒田秋子と真田徹(Gt)が初めてスタジオに入ったときに、真田が持ってきたデモから生まれた曲。いわば、RAMMELLSが結成されて初めてできた曲(Apple Musicはこちら

―“Beat generation”のサビは、“Blue”の和訳ですよね。つまりサビは同じことを歌ってる。

黒田:そう。その頃から、同世代の人たちは意見を言い始めるようになったなと思っていて。『natural high』以前は、間違っていることに対して「間違ってる」って言える世の中ではあんまりなかった気がするんです。

でも誰かが言い初めて、デモとかもあって、ミュージシャン界隈でもそれを曲にする人が多くなった。ここ2、3年で、世の中に対しても、身近なことに対しても、音楽業界に対しても、違和感をちゃんと言っていく人が増えたなって感じているんですよね。

RAMMELLS
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リリース情報

RAMMELLS『Beat generation』
RAMMELLS
『Beat generation』(CD)

2020年1月15日(水)発売
価格:2,000円(税込)
CRCP-40593

1. Beat generation
2. Overdrive
3. The sugar
4. 千年後
5. I'm a runner
6. think other
7. rain

プロフィール

RAMMELLS
RAMMELLS(らめるず)

メンバーは、黒田秋子(Vo)、真田徹(Gt)、村山努(Ba)、彦坂玄(Dr)。2015年8月結成。真田徹が自分の求める最高の音楽を実現させるために、大学時代の先輩である黒田秋子、村山努を誘い2015年8月に結成。2016年彦坂玄をドラムに迎え、ライブ活動を本格的にスタート。変幻自在のボーカルで表現される中毒性たっぷりのメロディーと個性溢れるリリックに、ロック、ファンク、ソウル、ジャズ、シューゲイザーなど様々な音楽性が絡み合った新世代オルタネイティブサウンドを響かせている。2017年更なる活躍に期待がかかる今知っておくべきバンドとしてピックアップされ、2017年12月アルバム『Authentic』でメジャーデビュー。翌2018年3月デビュー記念ワンマンライブでは東京・渋谷WWWを完売させ大成功をおさめる。2018年7月にミニアルバム『take the sensor』を、翌2019年4月に2ndアルバム『Mirrors』をリリース。リード曲“真っ赤な太陽”のMVに俳優の松重豊氏が出演し話題を呼んだ。

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