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ラブリーサマーちゃん、真摯さを胸に語る ノイジーな世界に調和を

ラブリーサマーちゃん、真摯さを胸に語る ノイジーな世界に調和を

ラブリーサマーちゃん『THE THIRD SUMMER OF LOVE』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:中山京汰郎 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部) 撮影協力:DJ Bar EdgeEnd、TSUTAYA O-nest

ノイズにあふれた世界でも、調和を信じたい。本当はいがみ合う必要がないはずの私たちだから

―2曲目の“More Light”に関して、ライナーノーツではTwitterでの誹謗中傷について触れた上で、「脆い精神にできるだけ寄り添いたい」と書かれていますね。

ラブサマ:CINRAさんって、『She is』でフェミニズムについてのイベントをやられていたり、ジェンダーに関して意識的なメディアだと思うんですけど、“More Light”は2年くらい前に、ちょうど「#MeToo」で世界が揺れ動いていたときに書いた曲で。

私、フェミニズムについて浅学で、語るのはまだ怖くてセルフライナーノーツには書けなかったんですけど、女性が虐げられてきた歴史は長いし、たくさんの人が苦しい思いをしてきたし、今もしている。それはすごく重いもので。ただ、女性が虐げられてきたのは、同時に男性も虐げられているからなのではないかとも思っていて……これって名誉男性的な考え方なんですかね?

―ラブサマちゃんは、ジェンダーに関係なく平等な世界のためには男性側が受けている「こうでなくてはならない」というプレッシャー(Toxic Masculinity=有害な男性らしさ)も同時に取り除く必要があると考えているということ?

ラブサマ:そうです。そこから解放させようっていうのが「メンズ・リブ」(もともとは「ウーマン・リブ」という1960年代に世界的に広がったフェミニズム及びジェンダーの原点とも呼ばれる運動があり、それを受ける形で生まれた考え方)っていうらしくて。私は女性なので女性の痛みはわかるけれど、男性になったことはないから男性の苦しみはわからない。なので、わかろうとしたいです。

フェミニズムを進めるときには男性と腹を据えて議論して考えることが必要不可欠だと思います。それなのに、いがみ合ってしまう。いがみ合ってしまう理由は様々だと思いますけど、そのひとつとして慣習的で規範的な「男らしさ」に囚われてしまった男性の存在があるのではないかと思います。

それに、何かがすごい勢いで盛り上がるときって、それをはじめた人は確固たる意志を持っていただろうし、切実に訴えている人がほとんどなのはもちろんですが、その人たちとは別に、流行りに乗っかろうって人も、「このお祭り騒ぎで私も人間としての厚みを出してやろう」みたいな考えの人もいる気がしていて。

―どんな議論や活動、運動であってもきっとそういう人はいるでしょうね。

ラブサマ:はっきり言っておきたいのは、男性も女性もそうじゃない人も、自分がやりたいと思うことをやって、やりたくないと思うことは拒否できて、尊厳を持って生きられる世の中であるべきだし、全員が全員そうやって生きていければいいと思うんです。

ラブリーサマーちゃん

ラブサマ:でも、先ほど言ったように、どんな運動でもその規模が大きくなれば、何の思想もないのに憂さ晴らしのために流れに乗っかる人がいて、そういう人がインターネット上でいがみ合いを起こしてしまう。SNSの普及に伴って、今まで知り合う可能性の低かったクラスタ同士が容易に接触できるようになりました。それがいがみ合いを加速させ、可視化させていると思います。そうなると、どんなに大切な議論でも世間から見くびられてしまう。

そういうときに、余裕のある人は言い方を考えたり、やり方を考えたりしないと、どんどん世の中が寒くなると思って、“More Light”ではそういうことを歌おうと思ったんです。<オクターブ違いに重なる感情がいがみ合っている>っていう歌詞は、男女のことを指していて、私は男の人と女の人は本当は仲よくできるんじゃないかな? と思っているというか、祈っているから。

―それこそオクターブの音同士はきれいに重なるはずですもんね。

ラブサマ:オクターブって、世界中のどんな音楽にもあるそうです。たとえば「ドミソ」ってかなりポピュラーなハーモニーですけど、それがない音楽もある。でも、「オクターブがきれいに響く」っていう考え方がない音楽は世界中のどこにもないらしくて。なので、私たちもオクターブみたいに仲よしでいられたらなって、こういう書き方をしたんです。

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リリース情報

ラブリーサマーちゃん
『THE THIRD SUMMER OF LOVE』初回限定盤(CD)

2020年9月16日(水)発売
価格:3,630円(税込)
COCP-41239
※三方背ケース、初回盤限定ブックレット付

1. AH!
2. More Light
3. 心ない人
4. I Told You A Lie
5. 豆台風
6. LSC2000
7. ミレニアム
8. アトレーユ
9. サンタクロースにお願い
10. どうしたいの?
11. ヒーローズをうたって

プロフィール

ラブリーサマーちゃん

1995年生まれ、東京都在住の25歳女子。2013年夏より自宅での音楽制作を開始し、インターネット上に音源を公開。SoundCloudやTwitterなどで話題を呼んだ。2015年に1stアルバム『#ラブリーミュージック』、2016年11月にはメジャーデビューアルバム『LSC』をリリースし好評を博す。2020年9月には待望の3rdアルバム『THE THIRD SUMMER OF LOVE』を発売。可愛くてかっこいいピチピチロックギャル。

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