特集 PR

川崎鷹也が語る、世間に見つかるまでの葛藤と、根底にある「愛」

川崎鷹也が語る、世間に見つかるまでの葛藤と、根底にある「愛」

川崎鷹也『Magic』
インタビュー・テキスト・編集
矢島由佳子
撮影:永峰拓也
2020/10/16

父が栃木でライブバーを経営してるんですよ。でもずっと怖くて行けなかった。

川崎鷹也の「歌」と「声」に人々の心を揺さぶる力があるということは、今回の現象が証明していると言えるだろう。ただし、その実力と自信を手にするまでにはいくつもの悔しさと努力があったことを話し、さらには、家庭環境に対する意外な反動があることも明かした。

川崎鷹也

―小さい頃から音楽はお好きだったんですか?

川崎:父が栃木でライブバーを経営してるんですよ。だから音楽というものは、少なからず小さい頃から近くにあって。高校3年生の文化祭で初めて人前に立って、HYさんの“366日”とサザンオールスターズの“真夏の果実”を同級生のピアノの伴奏で歌い、それの反響がよくて調子に乗り(笑)。音楽が近くにありすぎて気付いてなかったけど、自分が好きなこと、やりたいことはこれなんだろうなと思って、文化祭の次の日に「東京に行く」って親に言いました。

―お父さんが経営されているライブバーというのは、何系?

川崎:アメリカンバーで、外国のバンドとかゴリゴリのパンクバンドとかが出るライブバーです。アコースティックとかではなくて、ドラムセットがあって、トゲトゲのアクセサリーをしてる人たちがいるような(笑)。でも、僕はずっと怖かったんですよ。小学生の少年からすると、ゴリゴリの外国人のパンクバンドって怖くて、全然行けなかったんです。

―お父さんはもともとそういう音楽がお好きなんですか?

川崎:そうですね。10-FEET、Hi-STANDARD、HAWAIIAN6とかをひたすら聴いてました。CDを渡されるんですよ、「これを聴け」って。でも、小さい頃は怖くて聴けなかった(笑)。

―当時川崎さんはどういう音楽を好んで聴いていたんですか?

川崎:清水翔太さん、絢香さん、サザン、エレカシ、Superflyさんとか、J-POPを聴いてました。自分の感覚的に、歌の力があるものが好きで。音というよりかは、声や歌を感じるものを聴いてましたね。

―お父さんが好きなものに対する反動というか(笑)。

川崎:4つ上の兄がいて、兄はどちらかと言うとそういう音楽が好きだったし、お父さんの店にもよく行ってたし、バンドを組んでお父さんの店でやったりもしてたんですけど……僕は「ツーバス」とか言われても「はあ……」って感じでしたね(笑)。

川崎鷹也

―それで東京に出て、音楽専門学校のボーカルコースに通われていたんですよね。“魔法の絨毯”が世間に見つかるまで、学校の同級生とか周りの人が売れていくのを傍目で見てた、という状況もあったんじゃないですか?

川崎:ありました。専門学校のときから、僕の音楽に対する原動力は悔しさから来ていて。僕はギターがまだ弾けない状態で専門に入ったから、入学して初めての自己紹介のときに「ギターも弾いたことないし曲も書いたことないし、人前で歌ったのはあの文化祭一回きり」という状態で、でも周りはすでに曲を書いてるしライブもやってるし対バンがどうのこうのって言ってて、僕は「対バンってなんだろう?」って(笑)。その日からすごく劣等感を感じて、自分が恥ずかしいし悔しくて。「せめてこの専門学校の中では一番を取らなきゃ」と思ったのが、最初の感情でした。

自分の歌に対してそこそこ自信を持って来たけど、井の中の蛙だったなと思って、そこからはひたすら練習してました。音楽スタジオでバイトして、学校が終わったら23時くらいまでバイトして、夜中から朝7時までスタジオで練習して、布団もなにもないスタジオでドラムスティックの木屑にまみれながら2時間だけ寝て、また学校へ行ってバイトして練習して、というのを2年間ずっとやってましたね。

川崎鷹也

―その中でよく諦めなかったですね。自分は井の中の蛙だったってわかってしまうと、「違う道へ行こう」ってなりかねないとも思うんですけど。

川崎:引っ込みがつかなかったんですよ。栃木から東京に出てくるのって一大決心で、傍から見るとただ東京に出てきただけかもしれないけど、当時の僕にとってはすごく覚悟のいることで。親にも啖呵切ってるし、周りの友達にも「売れてくるわ!」って言って出てきてるから、栃木に帰るのは自分の選択肢の中であり得ないし、音楽から逃げるのもあり得ないって思い続けていたんです。

―在学中から、6人組のアコースティックユニット・Bocco.としても活動されてましたよね。

Bocco.活動時の映像

川崎:2年くらいやってました。プロデューサーの方から誘っていただいたことがきっかけだったんですけど、実は最初断ったんです。カバーをやりたくなくて。そのときはだいぶ尖ってたから(笑)、人のふんどしで有名になるのは違うんじゃないのかって思ったし、自分の曲を歌ってなんぼでしょって。でも専門の先生から「一回やってみろ」「そういう世界もあると学んだ上で判断しろ」って言われて。

実際にやってみて、アンサンブルというものを学びました。相手を立てる歌い方とか、ハモリ方とか。シンガーソングライターが6人集まると、そりゃみんな我が強いからぶつかるし、誰かとなにかをやるという意味でのアンサンブルも学びましたね。結局、みんなそれぞれやりたいことがあったりして解散したんですけど。

川崎鷹也
Page 2
前へ 次へ

リリース情報

川崎鷹也『Magic』
川崎鷹也
『Magic』

2020年10月1日(木)配信

1. Let me know
2. エンドロール
3. 光さす
4. ほろ酔いラブソング

イベント情報

『川崎鷹也ワンマンライブ “Magic~魔法の絨毯にのって~”』

2020年11月6日(金)
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-EAST
定員:300名
料金:3,000円(ドリンク別)

プロフィール

川崎鷹也
川崎鷹也(かわさき たかや)

1995年、栃木県生まれ。2018年、アルバム『I believe in you』をリリース。一度聴いたら忘れられないハスキーな歌声と美しいビブラート、癖になるメロディーラインが魅力。2020年8月、TikTokで“魔法の絨毯”が人気となり同曲を使った動画が27,000本以上アップされ、トータルの再生回数は約1億3千万回となる(2020年9月現在)。また、Spotify「バイラルTop50」で1位を獲得。LINE MUSIC「アルバムトップ100」で2位にランクイン。2020年10月1日に、EP『Magic』をニューリリース。11月6日にはワンマンライブ(有観客&無料配信)『Magic~魔法の絨毯にのって~』を開催する。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

岩井勇気(ハライチ)『ひねくれとか言われても俺はただ自分が進みたい道を選んでるだけ』

ドリームマッチでの『醤油の魔人 塩の魔人』、ラジオで突如披露した推しキャラケロッピをテーマにしたEDM調楽曲『ダメダメケロッピ』など、音楽的な才能に注目が集まる岩井勇気。今回はミツカン「こなべっち」とタッグを組み、自らがマイクを取ってラップに挑戦。しかもこの動画、岩井がこれまでラジオや書籍の中で言及してきた、珪藻土のバスマットや、海苔、メゾネットタイプの部屋、クラウス・ノミなどのネタが詰まっていて、まさか岩井さんの自宅なのでは……? と隅々まで見てしまう。つぎはぜひ、自作のトラックとリリックによる曲が披露されることを待っています。(川浦)

  1. 映画『82年生まれ、キム・ジヨン』が突きつける、社会に深く根づく性差別 1

    映画『82年生まれ、キム・ジヨン』が突きつける、社会に深く根づく性差別

  2. 横浜流星が「つらいかぜ」を打ち砕く プレコールの新CM「闘い続ける」篇 2

    横浜流星が「つらいかぜ」を打ち砕く プレコールの新CM「闘い続ける」篇

  3. ジョン・レノンが時代に残す闘いの爪痕、ヨーコがもたらしたもの 3

    ジョン・レノンが時代に残す闘いの爪痕、ヨーコがもたらしたもの

  4. 木村拓哉を操上和美が撮影『SWITCH』原宿特集に小泉今日子、池田エライザら 4

    木村拓哉を操上和美が撮影『SWITCH』原宿特集に小泉今日子、池田エライザら

  5. King Gnu井口理が獣医師役 野村不動産「プラウド」ブランドムービーが公開 5

    King Gnu井口理が獣医師役 野村不動産「プラウド」ブランドムービーが公開

  6. 高橋一生主演×荒木飛呂彦原作ドラマ『岸辺露伴は動かない』12月NHKで放送 6

    高橋一生主演×荒木飛呂彦原作ドラマ『岸辺露伴は動かない』12月NHKで放送

  7. カルティエの新作キャンペーンに常田大希、池田エライザ、野田洋次郎ら起用 7

    カルティエの新作キャンペーンに常田大希、池田エライザ、野田洋次郎ら起用

  8. 大滝詠一『A LONG VACATION』40周年記念盤が全音楽記録媒体でリリース 8

    大滝詠一『A LONG VACATION』40周年記念盤が全音楽記録媒体でリリース

  9. YOASOBIがGoogle PixelのCMソングを担当 新曲“アンコール”を起用 9

    YOASOBIがGoogle PixelのCMソングを担当 新曲“アンコール”を起用

  10. スピッツ、全着席のコンサートを11月に東京ガーデンシアターで開催 10

    スピッツ、全着席のコンサートを11月に東京ガーデンシアターで開催