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Kickstarter×講談社 世界へ発信すべき日本のクリエイティビティー

Kickstarter×講談社 世界へ発信すべき日本のクリエイティビティー

Kickstarter×講談社
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
編集:宮原朋之(CINRA.NET編集部)

クリエイティブなものを生み出すために大切なコミュニティーの力

―中田さんは、Kickstarterやクラウドファンディングの認知度について、海外と日本には差があると感じますか?

中田:欧米ではクラウドファンディングがマーケットとして成熟しきっているので、仕組みも皆さん大体把握していますし、期待値とクオリティーのバランスも均衡になっていますね。ものづくりにおいて、クラウドファンディングは1つの選択肢として定着しています。

でも、日本では資金を募ることに抵抗のある方が、まだまだいらっしゃいます。提供する側も「なんでお金が必要なの?」と疑問に思う方が多いのではないかと。

―そうした差はなぜ出てきてしまうのだと考えますか?

中田:個人的な感覚ですが、日本は独自の文化がすでに形成されていて、クリエイティブの土壌がすでにオンライン以外で定着している印象があります。『コミックマーケット』や『ゲームマーケット』といったイベントで、アマチュアのクリエイターが何かを作って気軽に発表できる土壌があり、それ自体は本当に素晴らしいことだと思っています。

2019年11月23日(土)~24日(日)『ゲームマーケット2019秋』会場の様子 ©GameMarket / 「電源を使用しない」アナログゲームのイベント『ゲームマーケット』のオンライン化をKickstarterが支援。ほかにも講談社とのパートナーシップを通じて、様々なクリエイターコミュニティの支援を行っている
2019年11月23日(土)~24日(日)『ゲームマーケット2019秋』会場の様子 ©GameMarket / 「電源を使用しない」アナログゲームのイベント『ゲームマーケット』のオンライン化をKickstarterが支援。ほかにも講談社とのパートナーシップを通じて、様々なクリエイターコミュニティの支援を行っている

中田:逆に欧米にはそういった土壌がなく、それこそがKickstarterの生まれたきっかけになっているんです。大手レーベルに拾われなかった、契約できなかったアーティストたちが自分の夢を叶えるために作り出したという経緯がある。

レーベル契約ができないアーティスト、出版が叶わなかった作家やライターがKickstarterを通して斬新な作品を発表し、それがどんどん広がっていったことで、大手レーベルや大手出版社、大手アーティストが利用するようになり、それをも受け入れるくらいの規模になったのです。

『Soul of Hong Kong』 / 若干22歳のドキュメンタリスト、ジャーナリストの小西遊馬さんが、香港のデモを支援している救護班に迫ったドキュメンタリー
『Soul of Hong Kong』 / 若干22歳のドキュメンタリスト、ジャーナリストの小西遊馬さんが、香港のデモを支援している救護班に迫ったドキュメンタリー(サイトを見る

―要するにKickstarterの中に、コミケのような「コミュニティー」が形成されると。

中田: Kickstarterには世界中のファンと繋がるコミュニティーがあります。「クラウドファンディング・プラットフォーム」ではなく「コミュニティー」と自認していて、そこからクリエイティブが生まれると思っています。

市原:今後、コミュニティーを意識することは、とても大事になってくると思います。例えば何かサービスやプロダクトが流通していく時には、「こういういいものがありますので、どうぞお使いください」ということではなくて、先にアイデアや理念を発信し、賛同する人たちによってコミュニティーが形成される。

もしくは、既存のコミュニティーに対して「こういうものをお届けしたい」という提案をする。そしてコミュニティーとのやり取りの中でサービスやプロダクトが完成に近づいていくという流れになっていくのではないかとも思います。

中田:おっしゃる通りです。クリエイティブなものを生み出すにはクリエイターだけではなくて、コミュニティーの力が大切だと思っています。そのコミュニティーでは、資金の提供という形だけではなく、支援者たちの「声」も反映される。要するに、Kickstarterはクリエイターとバッカーが一緒に物を作っていく場所、プラットフォームなんです。

欧米のバッカーは、気軽に「こんな機能はない?」「こういうオプションはどう?」「こんな色展開も欲しい」といった感じで、様々な意見をボンボン出してくるんですね。そこで交流が生まれ、クリエイターが作る作品もどんどん改良されていくわけです。

―それがクリエイターにとってプレッシャーになることはないですか?「お金を出してくれる人たちの意見だから、尊重しなければ」と思ってしまう人もいそうです。

中田:そこは線引きが必要だと思います。バッカーの声に全て応えていたらキリがないですから、私たちスタッフがクリエイターをフォローしたり指導したりしているところです。

『地球の温暖化を防ぐ引力発電装置』 / 「常時発電が可能で人体や自然環境に悪影響のない安全な発電装置で地球温暖化をストップさせることを目的として開発された」という説明がある。他のSNSでは批判的なコメントが多かったが、Kickstarterのバッカーからのコメントには専門的な技術面の指摘や質問の他に、温かい意見も寄せられたのが特徴的
『地球の温暖化を防ぐ引力発電装置』 / 「常時発電が可能で人体や自然環境に悪影響のない安全な発電装置で地球温暖化をストップさせることを目的として開発された」という説明がある。他のSNSでは批判的なコメントが多かったが、Kickstarterのバッカーからのコメントには専門的な技術面の指摘や質問の他に、温かい意見も寄せられたのが特徴的(サイトを見る

―特に日本だと、そういうバッカーの意見に左右されてしまうクリエイターも多そうですね。

中田:おっしゃる通りです。欧米のクリエイターが成熟しているのは、そういったバッカーからの要望をうまく取り入れているからなんですよね(笑)。日本のクリエイターからよくご相談いただくのは、「こんな要望が届いているのですが、どうしたらいいでしょう?」というものです。

バッカーは「絶対にこの要望を聞いてほしい」というわけではなくて、チームの一員として意見を気軽に言っているので、あくまでも「アドバイスの1つ」として聞いてもらえるといいのかなと思いますね。

市原:おそらくKickstarterのコミュニティーには「新しいもの好き」というか、いま世の中にあるもので満足している人ではなく「何かもっと他に面白いものはないか?」と常に探している人たちが多いのでしょうね。その人たちに対して、クリエイターがどうアプローチしていけばよいか、今後の課題にもなってくると思います。

『Lost Glove on the Road 』 / 10年以上、道に落ちている片手袋を撮り続けてきた石井公二さんが、立ち上げたフォトブックプロジェクト
『Lost Glove on the Road 』 / 10年以上、道に落ちている片手袋を撮り続けてきた石井公二さんが、立ち上げたフォトブックプロジェクト(サイトを見る

―まさに、市原さんが先ほどお話しされていたクリエイターを支える編集者の話に通じることですよね。

中田:そう思います。Kickstarterにおけるクリエイターとコミュニティーの関係は、講談社の作家と編集者の関係とすごく似ていますよね。クリエイターの才能を最大限に引き出す力のことを「編集」と捉えると、Kickstarterの場合の編集とはコミュニティーの力、クリエイターに対するフィードバックのことだと思うんです。

お互いに意見をぶつけ合いながら、より良い作品を作っていく。そのためのノウハウを講談社から学んでいきたいと思っています。

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サイト情報

KickstarterNavi

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書籍情報

『キックスターターガイドブック入門編』
『キックスターターガイドブック入門編』

2017年12月25日(月)発売
著者:キックスターターガイドブック製作委員会
価格:1,320円(税込)
発行:講談社

プロフィール

中田美樹(なかた みき)

Kickstarter 日本担当の Outreach Lead としてブルックリン本社に勤務。バイカルチュアルなエキスパートとして映像制作(ニューヨーク)、広告制作(東京)、スタートアップ企業(東京)の業務に携わり、現在に至る。

市原真樹(いちはら しんじ)

講談社にてモーニング編集部、ヤングマガジン編集部などで漫画編集者として努めたのち、人事業務を経て経営企画部署へ。現在はKickstarter社とのパートナーシップ対応チームに属する。

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