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MONOEYESが示す、ロックバンドの限界突破 4人で語る5年間の結晶

MONOEYESが示す、ロックバンドの限界突破 4人で語る5年間の結晶

MONOEYES『Between the Black and Gray』
インタビュー・テキスト
矢島大地
撮影:新保勇樹 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

MONOEYESが9月23日にリリースした『Between the Black and Gray』。細美武士が自身のソロプロジェクトに着手し、その楽曲たちが求めていたバンドサウンドを形にすることから始まったMONOEYES。その始まりから5年を経て、アンサンブルの円熟、バンド4人のグルーヴを立体的に映し出すサウンドデザインの一旦の完成、そしてロックバンドがロックバンドのまま描き得るカタルシスの限界突破までを一気に示す、とんでもない完成度を誇っているのが今作である。

細美がソロプロジェクト用に制作していた楽曲が多くを占めていた『A Mirage In The Sun』(2015年)。そして、細美、スコット、戸高、一瀬によるバンドとしての肉体を確立した『Dim The Lights』(2017年)ではより一層制約のないソングライティングが解放されていった。メロディーの跳躍力がさらに増し、そのメロディーを飛び越えるようにして各楽器のフレーズと絡み合いがカタルシスを生み、またさらにメロディーが解放されていく--確固たる武器である歌・メロディーの力をこれまで以上に飛ばすソングライティングと、思い描くリズム・楽曲の物語を寸分の狂いなく再現できるバンドの力と、それに呼ばれるようにして引き出されていく、これまで以上のメロディー。いわば、ロックバンドを「制限」ではなく「引き出し合うからこそ無限である」という概念として拡張しているのがMONOEYESであり、その様を見ること自体がロックバンドの可能性そのものである。

前作までに獲得したソングライティングをさらに更新するように、ポップミュージックを席巻するR&Bを歌唱面でもリズムの面でも食いながら、一方ではガレージやポップパンクも縦横無尽に跳ね回っている今作。1990年代から連なるロックをそのまま完全刷新した作品だと捉えられるアルバムであるし、細美が「無限にメロディーが作れる」と語ったことはそのまま、今なお輝き続けるロックバンドの魅力を示している。

MONOEYES(ものあいず)<br>細美武士(Vo,Gt)、戸高賢史(Gt)、スコット・マーフィー(Ba,Cho)、一瀬正和(Dr)からなるロックバンド。当初は細美のソロとして始動し、2015年6月にデビュー。同年に1stアルバム『A Mirage In The Sun』を発表。以来、全国ツアーをコンスタントに展開し、2020年9月23日に3rdアルバム『Between the Black and Gray』をリリースした。
MONOEYES(ものあいず)
細美武士(Vo,Gt)、戸高賢史(Gt)、スコット・マーフィー(Ba,Cho)、一瀬正和(Dr)からなるロックバンド。当初は細美のソロとして始動し、2015年6月にデビュー。同年に1stアルバム『A Mirage In The Sun』を発表。以来、全国ツアーをコンスタントに展開し、2020年9月23日に3rdアルバム『Between the Black and Gray』をリリースした。

音による肉体的な高揚を求めてーーコロナ禍は徹底してサウンドを突き詰める時間をバンドにもたらした

―とんでもなく素晴らしいアルバムを聴かせていただきました。オーセンティックなロックバンドのままで、ここまで時代性を伴ったサウンドを獲得して刷新を果たすことができるんだということ、歌とソングライティングを突き詰めることで発明のようなロックをまだまだ体感できるんだということを実感させられました。

細美(Vo,Gt):それ逆に聞きたいんだけど、どの辺が発明だって感じた?

―確固たるメロディーの力があった上で、さらにそれを飛び越えるような楽器のフレーズが飛び出したり、そのフレーズと絡み合って昇っていくコーラスがとんでもないカタルシスを放っていたり。1曲丸ごと聴かれることすら難しくなってきた時代に、あくまでシンプルなポップソングのフォーマットを崩さず、細やかなフックの数々でどんどん跳躍していくことで最後の最後まで高揚が持続していく様は、とんでもない発明と刷新だと感じました。

細美:そっか。俺たち4人の中でも、カッコいいレコードを作れた実感はあって。録れたときからその感覚があったし、ライブクルーたちからも、前作までにはなかった「すごいアルバムだね」っていうリアクションが返ってきてた。俺たちのイメージしていたものがそのまま、聴いてる人にも伝わるように作れたんだなって思えたし、作れて本当によかったなと思う作品ですね。

―細美さんご自身がそこまでの手応えを感じられたのは、どういうポイントなんですか。

細美:俺はやっぱり全曲に大きなカタルシスを持たせたいし、アルバム通してもカタルシスを持続させたいんですよね。俺の思うカタルシスっていうのは、時間をかけて組み上げた積み木を、完成してからみんなで一気に壊すような、あの快感に近いものです。

ポップス的な言い方をすれば、コーラスパート(サビ)がその快感を持っているのかどうかはやっぱり重要で。俺が手応えを持てているのは、そういう部分ですかね。やっぱりコーラスにカタルシスがある楽曲は、難しく考えなくても肉体的に「カッコいいな」って思っちゃうじゃない? MONOEYESが目指してきたのは、雑に言っちゃえばそういう高揚なんですよね。このバンドで鳴らしたい音を突き詰めた結果、そこにいけた実感がありますね。

細美武士
細美武士
MONOEYES“リザードマン”を聴く(Apple Musicはこちら

―そこまで突き詰められたのは、どうしてなんだと思います?

細美:この作品は今年の2月から作ってたんだけど、緊急事態宣言が出たことで時間ができたのは大きいと思う。だから、3曲目の“リザードマン”と、あとスコットが書いた8曲目の“Satellite”、10曲目の“Outer Rim”をあとから足して。ただ、作詞は全部、スコットも俺もコロナの影響が出始めたあとにやったので、あんまり経験したことない状況で書いた歌ではありますね。

―なるほど。その辺りは後ほどじっくり伺いたいと思います。戸高さんは、今作にどんな手応えを持たれていますか。

戸高(Gt):コロナの影響もあって、とにかくやりたいことを全部突き詰めようと思って。今のMONOEYESがやれることを全部やれた作品なんじゃないかなと思っていますね。出来上がってみて、「やりたかったことを遂にやっちゃったぞ」って感覚かな。そのやりたかったことを言葉にすることもできるんだけど、一方であんまり言葉にしたくないようなことも封じ込めることができたような気がしますね。

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リリース情報

『Between the Black and Gray』
MONOEYES
『Between the Black and Gray』(CD)

2020年9月23日(水)発売
価格:2,640円(税込)
UPCH-20560

1. Bygone
2. Fall Out
3. リザードマン
4. Iridescent Light
5. Thermite
6. Castles in the Sand
7. Nothing
8. Satellite
9. Interstate 46
10. Outer Rim
11. 彼は誰の夢

イベント情報

『MONOEYES Semi Acoustic Live Tour 2020』

2020年10月1日(木)
会場:北海道 Zepp Sapporo

2020年10月2日(金)
会場:北海道 Zepp Sapporo

2020年10月10日(土)
会場:宮城県 仙台GIGS

2020年10月11日(日)
会場:宮城県 仙台GIGS

2020年10月24日(土)

会場:大阪府 Zepp Osaka Bayside

2020年10月25日(日)
会場:大阪府 Zepp Osaka Bayside

2020年11月8日(日)
会場:広島県 広島クラブクアトロ

2020年11月9日(月)
会場:広島県 広島クラブクアトロ

2020年11月12日(木)
会場:愛知県 Zepp Nagoya

2020年11月13日(金)
会場:愛知県 Zepp Nagoya

2020年11月22日(日)
会場:熊本県 熊本城ホール シビックホール

2020年11月24日(火)
会場:福岡県 Zepp Fukuoka

2020年11月5日(水)
会場:福岡県 Zepp Fukuoka

2020年12月1日(火)
会場:東京都 Zepp Tokyo

2020年12月2日(水)
会場:東京都 Zepp Tokyo

『MONOEYES「Between the Black and Gray Live on Streaming 2020」』

2020年10月19日(月)20:00~
料金:前売券 2,500円 / 当日券 2,500円
受付期間:2020年10月3日(土)12:00~2020年10月26日(月)20:00
アーカイブ期限:2020年10月26日(月)23:59まで

プロフィール

MONOEYES
MONOEYES(ものあいず)

細美武士(Vo,Gt)、戸高賢史(Gt)、スコット・マーフィー(Ba,Cho)、一瀬正和(Dr)からなるロックバンド。当初は細美のソロとして始動し、2015年6月にデビュー。同年に1stアルバム『A Mirage In The Sun』を発表。以来、全国ツアーをコンスタントに展開し、2020年9月23日に3rdアルバム『Between the Black and Gray』をリリースした。

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