インタビュー

ミツメ×STUTS対談 今は、創作への前向きな気持ちが救いになる

ミツメ×STUTS対談 今は、創作への前向きな気持ちが救いになる

インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:池野詩織 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)
2021/03/19

シャムキャッツ主催イベント『EASY』など、ミツメとSTUTSの音楽活動が交わり始めた2010年代半ばの記憶

 

―STUTSくんはミツメの音楽にどのように触れ、どんな印象を持ってますか。

STUTS:小学校の同級生がベースを弾いてるバンド、ということで聴き始めたんですけど、2014年くらいから海外のインディアーティストのライブにちょこちょこ出させてもらっていた時期があって。そのころからミツメと現場が一緒になることも増えてきたんですよね。

そうだ、2015年くらいにnakayaanのソロプロジェクトのライブでMPCを叩いたこともあって(2015年3月に神保町試聴室で開催された『シンギング・ゲーム』。共演は菅原慎一のバンドセット、may.e名義のmei ehara)。

―そういう共演もあったんですね。

nakayaan:言われるまで忘れてた(笑)。

STUTS:ミツメの作品は『A Long Day』(2016年)というアルバムがすごく好きで。ミニマルでタイトな音像の中に浮遊感のあるサウンドが鳴ってるあの感じが新鮮でした。これまでもずっとミツメは近い存在に感じてましたね。

ミツメ『A Long Day』収録曲(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く

―ミツメのメンバーはSTUTSくんの音楽性にどのような印象を持ってますか?

川辺:STUTSくんが一人でMPCを叩いてるイメージも大きくあるんですけど、ビーサンの北里さん(Alfred Beach Sandal名義で活動していた北里彰久)とやってるアルバム(2017年リリースの『ABS+STUTS』)を聴いて、「こういうポップス的なアプローチもできる人なんだな」って少し印象が変わって。懐の広いアーティストなんだなと思ったんです。そのうえで一本筋が通って真ん中にMPCがドンとあるから職人的でカッコいいなって。

Alfred Beach Sandal + STUTS 『ABS+STUTS』収録曲。なお、同楽曲のベースはnakayaanが担当している(関連記事:Alfred Beach Sandal + STUTS、なぜ二人はタッグを組んだのか?

須田(Dr):僕も最初はやっぱりサンプラーを叩いている姿が印象的で。なんのときだったか、nest(TSUTAYA O-nest)でライブを観たんです。

STUTS:たぶんシャムキャッツさんの『EASY』というイベントだと思います(2014年10月にTSUTAYA O-West / O-nestの2会場で開催されたシャムキャッツ主催イベント『EASY』)。

須田:ああ、シャムの『EASY』だ。そのときのライブが本当にカッコよくて。それ以前にもYouTubeでストリートライブをやっている映像は見ていたんですよ。

―ニューヨークのハーレムでパフォーマンスしている映像ですね。

須田:そう。生で観たときに「人間ってこんなふうにサンプラーを叩いてライブができるんだ……」と思って。シンプルに動物的な動きとして感動してしまって。

一同:(笑)

須田:「なんでここまでMPCの演奏を突き詰めたいんだろう?」という興味も湧いたし。それ以降、活動や音楽性の幅も広がっていって、今回一緒に曲作りする前から常に惹かれるものがありましたね。これは本人がいるから言うとかではなくて。

STUTS:ありがとうございます。

 

須田、大竹、nakayaanが順番にSTUTSの真面目さ、センス、向上心を賞賛。STUTSは頭を抱える

須田:あと、僕の友だちがやっている楽器のスクールがあって。その友だちから「そういえば、最近STUTSくんが通い始めてさ」って話を聞いて。そこでも驚いたんですよね。

STUTS:そうなんです。1年半前くらいから月1行くか行かないくらいで鍵盤とギター、最近は生ドラムの先生にも少しだけ教えてもらっています。

須田:そうやって音楽を貪欲に学ぶ姿勢も素晴らしいなと。

―STUTSくんは生楽器を体得したいフェーズでもあるんですか?

STUTS:今までサンプリングする対象として捉えていたものを、自分で楽器を弾いて演奏して表現できるようになったらより楽しいだろうなって常々思っていて。でも、なかなかチャレンジできずにいたので、スクールに通ってみようと思ったんです。

須田:そこのドラムの先生が「すごく筋がいい」と言ってると噂で聞きました。

STUTS:いやいや、全然です。

 

大竹(Gt):最初は僕もビートの人というか、路上でMPCを叩いてる姿が印象的で。今回、一緒に曲を作らせてもらってポップス的なすごく開かれたセンスがあるなって思いましたね。

nakayaan:音楽に対する向上心が本当にすごいと思うし、尊敬してます。新しい作品(2020年リリースの『Contrast』)では歌やラップもしてるしね。ライブでやっていたフリースタイルもよかった(関連記事:STUTSがマイクをとる 数々の音楽家から受けた刺激と経験を武器に)。

STUTS:いやいや……。

川辺:(STUTSが)頭を抱えてる(笑)。

 

―ラップや歌について言われるのはまだ照れくさいですか?

STUTS:まだ恥ずかしさがありますね。でも、「恥ずかしさがある」ってあんまり言わないほうがいいと思うんですよ(笑)。褒められるのはありがたいです。

Page 2
前へ 次へ

リリース情報

『Basic(feat. STUTS)』
ミツメ
『Basic(feat. STUTS)』

2021年3月17日(水)配信リリース

ミツメ
『Basic(feat. STUTS)』(7インチアナログ盤)

2021年4月21日(水)発売
価格:2,200円(税込)
PEKF-91035 mitsume-028

[SIDE-A]
1. Basic(feat. STUTS)
[SIDE-B]
1. ジンクス

『VI』
ミツメ
『VI』(2CD)

2021年3月24日(水)発売
価格:3,000円(税抜)
PECF-1183/4 mitsume-026

[CD1]
1. Intro
2. フィクション
3. 変身
4. ダンス
5. 睡魔
6. メッセージ
7. システム
8. VIDEO
9. リピート
10. コンタクト
11. Interlude
12. トニック・ラブ
13. Basic(feat.STUTS)(ボーナストラック)
[CD2]
1. Intro
2. フィクション(instrumental)
3. 変身(instrumental)
4. ダンス(instrumental)
5. 睡魔(instrumental)
6. メッセージ(instrumental)
7. システム(instrumental)
8. VIDEO(instrumental)
9. リピート(instrumental)
10. コンタクト(instrumental)
11. Interlude
12. トニック・ラブ(instrumental)

ミツメ
『VI』(アナログ盤)

2021年3月24日(水)発売
価格:3,200円(税抜)
PEJF-91034 mitsume-027

1. Intro
2. フィクション
3. 変身
4. ダンス
5. 睡魔
6. メッセージ
7. システム
8. VIDEO
9. リピート
10. コンタクト
11. Interlude
12. トニック・ラブ

イベント情報

『WWMW』

2021年3月31日(水)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM

プロフィール

ミツメ
ミツメ

2009年、東京にて結成。4人組のバンド。オーソドックスなバンド編成ながら、各々が担当のパートにとらわれずに自由な楽曲を発表し続けている。そのときの気分でいろいろなことにチャレンジしています。2021年3月24日、ニューアルバム『VI』をリリース。

STUTS
STUTS(スタッツ)

1989年生まれのトラックメーカー/MPC Player。2016年4月、縁のあるアーティストをゲストに迎えて制作した1stアルバム『Pushin’』を発表し、ロングセールスを記録。2017年6月、Alfred Beach Sandalとのコラボレーション作品『ABS+STUTS』を発表。2018年9月、国内外のアーティストをゲストに迎えて制作した2ndアルバム『Eutopia』を発表。現在は自身の作品制作、ライブと並行して数多くのプロデュース、コラボレーションやCM楽曲制作等を行っている。

SPECIAL PR 特集

もっと見る

BACKNUMBER PR 注目のバックナンバー

もっと見る

PICKUP VIDEO 動画これだけは

あらかじめ決められた恋人たちへ“日々feat.アフロ”

何かを我慢することに慣れすぎて忘れてしまいそうになっている「感情」を、たった10分でこじ開けてしまう魔法のようなミュージックビデオ。現在地を確かめながらも、徐々に感情を回転させていくアフロの言葉とあら恋の音。人を傷つけるのではなく、慈しみ輝かせるためのエモーションが天井知らずの勢いで駆け上がっていった先に待ち構えている景色が、普段とは違ったものに見える。これが芸術の力だと言わんばかりに、潔く堂々と振り切っていて気持ちがいい。柴田剛監督のもと、タイコウクニヨシの写真と佐伯龍蔵の映像にも注目。(柏井)

  1. THE SPELLBOUNDがライブで示した、2人の新しいロックバンド像 1

    THE SPELLBOUNDがライブで示した、2人の新しいロックバンド像

  2. 中村佳穂が語る『竜とそばかすの姫』 シェアされ伝播する歌の姿 2

    中村佳穂が語る『竜とそばかすの姫』 シェアされ伝播する歌の姿

  3. 『プロミシング・ヤング・ウーマン』が映し出す、「女性の現実」 3

    『プロミシング・ヤング・ウーマン』が映し出す、「女性の現実」

  4. ジム・ジャームッシュ特集が延長上映 『パターソン』マーヴィンTシャツも 4

    ジム・ジャームッシュ特集が延長上映 『パターソン』マーヴィンTシャツも

  5. A_oから青い心を持つ全ての人へ 自由に、自分の力で生きること 5

    A_oから青い心を持つ全ての人へ 自由に、自分の力で生きること

  6. 地下から漏れ出すアカデミックかつ凶暴な音 SMTKが4人全員で語る 6

    地下から漏れ出すアカデミックかつ凶暴な音 SMTKが4人全員で語る

  7. 林遣都×小松菜奈『恋する寄生虫』に井浦新、石橋凌が出演 特報2種到着 7

    林遣都×小松菜奈『恋する寄生虫』に井浦新、石橋凌が出演 特報2種到着

  8. 『暗やみの色』で谷川俊太郎、レイ・ハラカミらは何を見せたのか 8

    『暗やみの色』で谷川俊太郎、レイ・ハラカミらは何を見せたのか

  9. ギャスパー・ノエ×モニカ・ベルッチ『アレックス STRAIGHT CUT』10月公開 9

    ギャスパー・ノエ×モニカ・ベルッチ『アレックス STRAIGHT CUT』10月公開

  10. 『ジョーカー』はなぜ無視できない作品なのか?賛否の議論を考察 10

    『ジョーカー』はなぜ無視できない作品なのか?賛否の議論を考察