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Ken Yokoyamaが意識する、死と感謝。挫折や抑うつからの生還

Ken Yokoyamaが意識する、死と感謝。挫折や抑うつからの生還

Ken Yokoyama『4Wheels 9Lives』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:横山マサト 編集:矢島由佳子

宮本浩次から影響を受けた、「歌」から逃げない姿勢

―『Bored? Yeah, Me Too』リリース時の取材で話していただいたように(前回のインタビュー)、もともとは2019年12月にアルバムのレコーディングを予定していたけど、健さんの体調不良や緊急事態宣言など、さまざまな理由でレコーディングが伸びて、ようやく完成したのが今回のアルバムで。その長い時間のなかで、作品の全体像はどのように変化していったのでしょうか?

横山:これまではそのとき作った曲を無駄にしたくなくて、最初はイマイチでもなんとか自分たちの納得する形に仕上げて、全部収録するスタイルだったんです。でも今回は全体のバランスを見て、「この曲いいけど、アルバムとして並んだときにどうかな?」というジャッジができて、それはバンドにとって初めてのことでした。

だから、今回ボツにした曲いっぱいあるよね? 『Bored? Yeah, Me Too』と『4Wheels 9Lives』と合わせて18曲入ってるんですけど、本当は全部で25~26曲あったと思います。

Jun:なんでボツにできたかって、言い方悪いけど、この人(横山)の体調不良があったからで。それがなければ2019年の12月にそのままレコーディングしてただろうから、今回ボツにした曲がボツにならずにレコーディングをしてた可能性もあった。

Jun Gray

横山:そのままいってたら、よく言えばバラエティに富んでるけど、ちょっと散漫なアルバムになってた可能性はありますね。『4Wheels 9Lives』はすごく統一感があるというか、整合性があると思うんです。で、『Bored? Yeah, Me Too』にはバラエティがある。

CAP:Ken Yokoyama『Bored? Yeah, Me Too』トレイラー

―その統一感とか整合性もアルバム全体の抜けのよさに繋がってるなと思います。

横山:抑うつ状態をやって、ライブはストップしちゃったけど、意外と早くリカバリーができて、その後はひたすら新曲を作ってたのでこだわる時間も増えたんです。

夜中に一人でアルバムの曲を通して聴いてみると、「この曲好きだけど、今回じゃなくてもいいな」って、素直になれたんですよね。前だったら「好きだし入れちゃおう」ってなってたけど、今回は図らずも時間に余裕があって、それがアルバムの色に繋がってると思います。

―今作は健さんの歌も深みを増していて、昨年のコラムで宮本浩次さんについて書かれていましたけど、宮本さんと活動をともにしたことの影響がはっきり表れているなと。

横山:めちゃめちゃ出てると思いますね。「歌」に関しては、僕のなかでは“Do you remember?”前後で分かれると言ってもいいくらい、それくらい影響を受けちゃいました。

2019年10月にリリースした、宮本浩次の楽曲。プロデュースとギター、コーラスを横山健が務め、Jun Grayがベースを担当

―その影響を言葉にしていただくと、どんな部分が大きかったですか?

横山:僕はもともと好きで歌ってたわけじゃなくて、「雰囲気を掌握するにはフロントマンにならないといけない。だったら、歌わなきゃいけない」という考えで歌い始めていたから、「歌う」ということそのものからは逃げてたんです。

でも宮本さんとの活動があって……もちろん、あのレベルに達するには今からじゃ遅いと思うし、もともと才能がないかもしれないけど、でも本気で向き合わないとダメだなって気持ちにさせられたんですよね。

―それは精神的にですか? それとも、技術的に?

横山:まずは精神的なところですね。技術的な部分はその後。

横山健

横山:宮本さんだってサラッと歌えるわけじゃなくて、あの人、一生懸命練習するんですよ。スタジオから帰るときに、「練習してきます」って言って帰るんです。

―宮本さんほどのキャリアの方でも。

横山:で、あの人本当にやってると思うんです。ブレスの入れ方とか、ちゃんと練習して決めてきたなってわかる。ただ、そういう具体的な部分よりも、やっぱり歌と向き合ってるかどうかだと思うんですよね。

あの人はずっと歌のことを考えてると思うんですよ。僕もギターとか楽曲制作のことはつねに考えていて、新曲を作り始めると、運転してても、飯食ってても、クソしてても、ずっと考えてるんです。ただ、歌に関してはそうじゃなかった。宮本さんはきっと歌のことをずっと考えているからあれだけ歌が輝きを放つんだなって、実感しちゃったんですよね。『Bored? Yeah, Me Too』も『4Wheels 9Lives』もその影響を受けて歌と向き合って作ったので、すごく満足してます。

―Junさんは健さんの歌の変化をどう感じていますか?

Jun:レコーディングをしてて前と違うなと思ったのは、前はピッチのことをすごく気にしてたけど、今回は歌の表情にすごくこだわってたことで。何回か歌って、そのなかからチョイスするときも、「こういう歌詞だから、こういう歌の表情で」みたいなことを気にしてましたね。

横山:だって、“Do you remember?”を聴いたらそう思いますよ(笑)。

Jun:レコーディングしてる宮本さんを見たら、「一流ってこういうことなんだな」って思ったもんね。

左から:横山健、Jun Gray

横山:レコーディングしてるときのあの人は、歌の化身みたいな感じなんですよ(笑)。なので、僕もそのくらい本気で逃げずにやったので、気分もよかったです。

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リリース情報

Ken Yokoyama
『4Wheels 9Lives』(CD+DVD)

2021年5月26日(水)発売
価格:3,850円(税込)
PZCA-91

[CD]
1. I'm Going Now , I Love You
2. 4Wheels 9Lives
3. Spark Of My Heart
4. Have Hope
5. Helpless Romantic
6. Cry Baby
7. MyParadise
8. Angel
9. Forever Yours
10. On The Sunny Side Of The Street
11. Without You
12. While I'm Still Around

[DVD]
1. I'm Going Now , I Love You
2. Cry Baby
3. Out Alone
4. Still I Got To Fight
5. Angel
6. Forever Yours
7. Woh Oh
8. Helpless Romantic
9. While I'm Still Around

Ken Yokoyama
『4Wheels 9Lives』(CD)

2021年5月26日(水)発売
価格:2,750円(税込)
PZCA-92

1. I'm Going Now , I Love You
2. 4Wheels 9Lives
3. Spark Of My Heart
4. Have Hope
5. Helpless Romantic
6. Cry Baby
7. MyParadise
8. Angel
9. Forever Yours
10. On The Sunny Side Of The Street
11. Without You
12. While I'm Still Around

イベント情報

『SATANIC CARNIVAL 2021』

2021年6月5日(土)、6日(日)
会場:山梨県 富士急ハイランド・コニファーフォレスト

6月5日出演:
バックドロップシンデレラ
The BONEZ
Dizzy Sunfist
Fear, and Loathing in Las Vegas
マキシマム ザ ホルモン
NAMBA69
Northern19
ROTTENGRAFFTY
SiM
SPARK!!SOUND!!SHOW!!
Survive Said The Prophet
Suspended 4th
WANIMA

6月6日出演:
04 Limited Sazabys
10-FEET
Age Factory
Coldrain
G-FREAK FACTORY
ハルカミライ
HAWAIIAN6
HEY-SMITH
Ken Yokoyama
MONGOL800
NOISEMAKER
SHADOWS
TOTALFAT
Paledusk(O.A.)

プロフィール

Ken Yokoyama
Ken Yokoyama(けん よこやま)

Hi-STANDARD、BBQ CHICKENSのギタリストである横山健が2004年に始動させたバンド。2004年、アルバム『The Cost Of My Freedom』でKen Yokoyamaとしてバンド活動を開始。現在のメンバーは横山健(Vo,Gt)、南英紀(Gt)、Jun Gray(Ba)、EKKUN(Dr)。2021年5月26日に7thフルアルバム『4Wheels 9Lives』をリリースする。

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