インタビュー

スチャとネバヤン、同じ電波をキャッチしちゃった似た者同士

スチャとネバヤン、同じ電波をキャッチしちゃった似た者同士

インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:廣田達也 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)

世代もジャンルも異なるから意外な組み合わせのようでいて、その実、ナチュラルに噛み合うだろうと想像できる2組のコラボレーションが実現。スチャダラパーとnever young beach=「スチャとネバヤン」名義によるデジタルシングル”ネバやんとスチャやん”及び”スチャやんとネバやん”がデジタルリリースされた。

どこを切り取ってもオリジナルのヒップホップ文法で遊び続け、昨年デビュー30周年を迎えたスチャ、結成時から新鮮かつどこか懐かしい色褪せないバンドサウンドと歌を鳴らし続けているネバヤン。活動の様相としても、そして音楽的にも互いに時流に流されることなくマイペースなスタイルを貫く2組の好相性ぶりは、ここに結実した2曲にしっかり表れている。

ネバヤンの心地よく緩やかなアンサンブルに、「人生のたられば」論をなだめながら切り捨てるラップが絡む”ネバやんとスチャやん”。サンプリングっぽいフィーリングもまとったグルーヴィーなファンクサウンドに、スチャならではのセルフボースティングが踊る”スチャやんとネバやん”。どちらの楽曲のサビでもネバヤンのフロントマン、安部勇磨が泰然自若とした歌唱を披露しており、そのバランスもまた面白く味わい深い。

今回は、スチャのBoseとネバヤンの安部勇磨による対談を実施。2組が邂逅した経緯、そして2021年にこのコラボレーションが実現した必然性と親和性をたっぷり語ってもらった。

互いに感じる、感覚の近さ。世代を超えて共有する空気やバイブレーションの正体

<b><b>スチャダラパー</b><br>ANI、Bose、SHINCOの3人からなるラップグループ。1990年にデビューし、1994年『今夜はブギー・バック』が話題となる。以来ヒップホップ最前線で、フレッシュな名曲を日夜作りつづけている。2020年4月8日、デビュー30周年記念アルバム『シン・スチャダラ大作戦』リリース。<br><b>never young beach(ネバーヤングビーチ)</b><br>土着的な日本の歌のDNAをしっかりと残しながら、USインディなど洋楽に影響を受けたサウンドと極上のポップなメロディ、そして地に足をつけて等身大の歌詞をうたった楽曲で、音楽シーンに一石を投じる存在として、注目を集めるバンド。2014年春に結成。
スチャダラパー
ANI、Bose、SHINCOの3人からなるラップグループ。1990年にデビューし、1994年『今夜はブギー・バック』が話題となる。以来ヒップホップ最前線で、フレッシュな名曲を日夜作りつづけている。2020年4月8日、デビュー30周年記念アルバム『シン・スチャダラ大作戦』リリース。
never young beach(ネバーヤングビーチ)
土着的な日本の歌のDNAをしっかりと残しながら、USインディなど洋楽に影響を受けたサウンドと極上のポップなメロディ、そして地に足をつけて等身大の歌詞をうたった楽曲で、音楽シーンに一石を投じる存在として、注目を集めるバンド。2014年春に結成。

安部:Boseさん、僕さっきまで『ウイイレ』(サッカーゲーム『ウイニングイレブン』のこと)やってました(笑)。

Bose:僕も今朝やってたけど、その話をしだすとこの対談終わらないから(笑)。

―2人はゲーム仲間でもあるんですか?

Bose:そう。ゲームを一緒にやったりして、それが打ち解ける要素にもなったから。レコーディングよりもゲームで濃密な時間をすごした感じがあります(笑)。

去年コロナになって暇な時期に10年ぶりくらいに再開してネット対戦を始めて。それで安部くんと話してるときに「え、ウイイレやってんの!?」となって。これだけ歳が離れていてもいきなり共通項あった! って感じで(笑)。『ウイイレ』に関しては、僕はもう安部くんを師と仰ぐほど尊敬してるんです。それくらい強い。

安部:唯一、これだけは自信があります(笑)。6万人くらいいるユーザーのなかでだいたい200位とかなので。

Bose:マジで誇れるレベル。

―それにしてもスチャとネバヤンのコラボレーションと聞いて、意外なようでいてスッと合点がいったんですね。それは活動の様相としても、音楽的にも自分たちの意思で能動的にマイペースなスタイルを貫いてるゆえだと思っていて。

スチャとネバヤン“ネバやんとスチャやん”を聴く(Apple Musicはこちら / Spotifyはこちら

Bose:言ったら、僕らと安部くんたちって20歳くらい年齢差があるんだけど、でも、なんでネバヤンがこういうサウンドとかバンドの雰囲気になっているかは、なんとなくわかるというか。いま、自分たちが安部くんたちくらいの年齢で音楽をやってたら同世代の友だちになっていたと思う。もっと言ったら、年齢とか関係なくグループの雰囲気とかバイブレーションが近いんだろうなって。

左から:安部勇磨(never young beach)、Bose(スチャダラパー)
左から:安部勇磨(never young beach)、Bose(スチャダラパー)

Bose:僕はネバヤンの音楽がずっと好きで、わりと最初の作品からずっと聴いてたんですけど。あと、これは偶然なんだけど、ネバヤンの最初のアルバムのジャケット(『YASHINOKI HOUSE』)のイラストを描いたのって京都精華大学出身の子でしょ?

安部:あ、そうです。オオニシアキオさん。

―Boseさん、京都精華大学のポピュラーカルチャー学部で教授をされてましたよね。

Bose:そう。「ネバヤンのジャケってあの子が描いてるんだよ」って聞いてたから。そういうところでも縁がありましたね。初めてネバヤンに会ったのは4年前くらいの対バンなんだけど(2017年6月22日に代官山UNITにて開催された『Election-10th Anniversary-』)。

never young beach『YASHINOKI HOUSE』ジャケット
never young beach『YASHINOKI HOUSE』ジャケット(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く

―勇磨くんはどうですか? 先ほどBoseさんからは世代は関係なく雰囲気やバイブレーションが近いという言葉がありましたけど。

安部:Boseさん、スチャのみなさんが僕らに気を遣ってくれていることもわかったうえで言いますけど、やっぱり僕らも感覚が近いなと思っています。世代が違う人と関わっていくなかで年齢差とか関係なく近くに感じられる人がいるなと思うんですけど、Boseさんにもそれを感じますね。

―もしかしたら勇磨くんにとっては細野(晴臣)さんもそういう存在なのかもしれないと思います。

安部:ああ、そうですね。細野さんもBoseさんも柔軟な発想を持っていろんなアンテナを立ててる方だからこそ、僕らにも接しやすい空気をつくってもらえてると思うんですけど。みなさん、心がずっと若いというか。Boseさんも朝5時くらいまで一緒に『ウイイレ』やってくれるので(笑)。やっぱ年齢は関係ないなぁって思います。

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リリース情報

スチャとネバヤン『ネバヤンとスチャやん』
スチャとネバヤン
『ネバヤンとスチャやん』

2021年5月26日(水)配信

1. ネバやんとスチャやん
2. スチャやんとネバやん

プロフィール

スチャダラパー

ANI、Bose、SHINCOの3人からなるラップグループ。1990年にデビューし、1994年『今夜はブギー・バック』が話題となる。以来ヒップホップ最前線で、フレッシュな名曲を日夜作りつづけている。デビュー25周年となる2015年にアルバム『1212』をリリース。2016年に『スチャダラ2016 ~LB春まつり~』を開催し、ミニアルバム『あにしんぼう』をリリース。2017年に『ミクロボーイとマクロガール / スチャダラパーとEGO WRAPPINʼ』、『サマージャム2020』の2曲を発売。2018年4月に日比谷野外大音楽堂で『スチャダラパー・シングス』を開催し、ライブ会場限定販売となる4曲入りCD『スチャダラパー・シングス』を発売。2019年11月に『ヨン・ザ・マイク feat. ロボ宙&かせきさいだぁ』を配信リリース。2020年4月8日、デビュー30周年記念アルバム『シン・スチャダラ大作戦』リリース。

never young beach(ネバーヤングビーチ)

土着的な日本の歌のDNAをしっかりと残しながら、USインディなど洋楽に影響を受けたサウンドと極上のポップなメロディ、そして地に足をつけて等身大の歌詞をうたった楽曲で、音楽シーンに一石を投じる存在として、注目を集めるバンド。2014年春に結成。2015年に1stアルバム「YASHINOKI HOUSE」を発表し、「FUJI ROCK FESTIVAL」に初出演。2016年に2ndアルバム「fam fam」をリリースし、様々なフェスやライブイベントに参加。2017年にSPEEDSTAR RECORDSよりメジャーデビューアルバム「A GOOD TIME」を発表。2018年に10inchアナログシングル「うつらない / 歩いてみたら」をリリース。そして2019年に、4thアルバム「STORY」を発表し、初のホールツアーを開催。また近年は上海、北京、成都、深圳、杭州、台北、ソウル、バンコクなどアジア圏内でもライブに出演。

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