インタビュー

三浦直之×佐久間宣行 高校時代の東京への憧れが、今につながってる

三浦直之×佐久間宣行 高校時代の東京への憧れが、今につながってる

インタビュー・テキスト
てれびのスキマ
撮影:前田立 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)

ともにカルチャー全般に深い愛情を注ぎ、ともに作品に「青春」の匂いを色濃く漂わせ、ともに東北の男子校出身……と共通点の多い、ロロの劇作家・三浦直之とテレビプロデューサー・佐久間宣行。長年、お互いの作品のファンでありながら、意外にもふたりは一緒に仕事をしたことはないという。2015年から始まったロロの舞台『いつ高』(『いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校』)シリーズが、このたびファイナルを迎えることを機に、そんなふたりが初対談を行った。

三浦直之
三浦直之
佐久間宣行
佐久間宣行

佐久間がロロに共鳴し、ほぼすべての作品を観てきたわけ

―おふたりの関係は、いつごろから始まったのですか?

三浦:佐久間さんがロロの『LOVE02』(2012年、こまばアゴラ劇場)の感想をTwitterでつぶやいてくれたので「あ、佐久間さんが観に来てくれたんだ!」って思ったのをすごく覚えてます。

2012年2月14日の佐久間のツイート

佐久間:いや、でも最初に観たのは『グレート、ワンダフル、ファンタスティック』(2011年、こまばアゴラ劇場)だったんですよ。

三浦:え!? そんな前だったんですか! すごいな!

佐久間:それと新宿眼科画廊でやった『いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三小学校』(2010年)の初演も観てる。でも『グレート~』は、すげえいい部分と本当にわけがわからない部分があって。それで感想をつぶやけなかったの(笑)。

三浦:大混乱したやつだからなあ。

佐久間:まだ自分の理解が及ばないんじゃないかと思ってつぶやけなかったんだけど、『LOVE02』は本当に掛け値なしにすばらしいと思って。

三浦:嬉しいなあ。まだロロの動員が5~600人とか、そんくらいのときじゃないかなあ。

佐久間:ロロって、一生覚えているんじゃないかって思うような名シーンが、急にバツーンとあらわれたりするんですよね。

あと、これはロロだけじゃなく、坂元裕二さんの脚本とか、僕の好きなものに通底するものだけど、すごく楽しいことをやっているし描いてるんだけど喪失感があるとか、もうすでに失われてるものでも失われてないって描くとか、全体的にすごく共鳴できるテーマを扱ってるんです。だから、ロロはほぼ全部、観てるんじゃないかな。

佐久間宣行(さくま のぶゆき)<br>1975年生まれ。テレビ東京のプロデューサーとして、『ゴッドタン』『あちこちオードリー』『ウレロ☆シリーズ』『ピラメキーノ』など多数の番組を手掛け、『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』では監督も務めた。2021年3月末にテレビ東京を退社。現在は、フリーのテレビプロデューサーとして活動。『オールナイトニッポン0』水曜日のパーソナリティーも担当している。
佐久間宣行(さくま のぶゆき)
1975年生まれ。テレビ東京のプロデューサーとして、『ゴッドタン』『あちこちオードリー』『ウレロ☆シリーズ』『ピラメキーノ』など多数の番組を手掛け、『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』では監督も務めた。2021年3月末にテレビ東京を退社。現在は、フリーのテレビプロデューサーとして活動。『オールナイトニッポン0』水曜日のパーソナリティーも担当している。

『ゴッドタン』や「キス我慢選手権」など、佐久間の手がける番組から三浦が受けた影響

―ロロのことはどこで知ったんですか?

佐久間:もともとはインターネットの噂からですね。とりあえず面白そうな劇団は一度観に行くことにしてて。あとロロは、役者が面白いって噂を聞いたんだ。

三浦:そうだったんですね。ロロのメンバーを、『ゴッドタン』(テレビ東京)に呼んでくれてますもんね。

佐久間:そうそう。最近「smash.」ってアプリで公開した『ハライチのYAMi』という番組があるんですけど、1話は「なんだこれ?」みたいなのをつくろうと思って、ハライチがオープニングトークしてるんだけど、途中からコントになってアニメになってドラマになって終わるっていう(笑)。

三浦:えー、なにそれ!

佐久間:それで岩井や澤部と対立するパワハラディレクター役を全部、板橋駿谷くん(ロロ)がやってる。ノリノリで(笑)。

『ハライチのYAMi』ティザー予告編

三浦:似合いそうだなあ。

佐久間:ロロの役者さんってみんなポップカルチャーが好きだから、バラエティでも「こういう意図で」っていうとすぐに伝わるから話が早いんだよね。

三浦:メンバーはテレビ好きも多くて、メンバー同士でもしますからね。僕もバラエティがすごく好きで。『LOVE02』では、『¥マネーの虎』(2001年~2004年 / 日本テレビ系列)を引用したりしましたし、そういうことはたくさんやってて。

『めちゃイケ』(1996年~2018年 / フジテレビ系列)とかも小さいころからずーっと観てたんですけど、バラエティ番組の虚実の間を行き来する感じがすごく好きなんですよ。『ゴッドタン』にもそういう魅力をずっと感じてました。「キス我慢選手権」とか(笑)。

三浦直之(みうら なおゆき)<br>1987年、宮城県出身。ロロ主宰 / 劇作家 / 演出家。2009年、主宰としてロロを立ち上げ、全作品の脚本・演出を担当。古今東西のポップカルチャーを無数に引用しながらつくり出される世界は破天荒ながらもエモーショナルであり、演劇ファンのみならずジャンルを超えて老若男女から支持されている。2019年脚本を担当したNHKよるドラ『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』で第16回『コンフィデンスアワード・ドラマ賞脚本賞』を受賞。
三浦直之(みうら なおゆき)
1987年、宮城県出身。ロロ主宰 / 劇作家 / 演出家。2009年、主宰としてロロを立ち上げ、全作品の脚本・演出を担当。古今東西のポップカルチャーを無数に引用しながらつくり出される世界は破天荒ながらもエモーショナルであり、演劇ファンのみならずジャンルを超えて老若男女から支持されている。2019年脚本を担当したNHKよるドラ『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』で第16回『コンフィデンスアワード・ドラマ賞脚本賞』を受賞。

三浦:いま佐久間さんとドラマ(『生きるとか死ぬとか父親とか』 / テレビ東京)をつくってる山戸(結希)監督が撮ったRADWIMPSのミュージックビデオがあるんです。ずーっと女性2人が見つめ合って「いつキスすんだろう?」みたいな感じで、その緊迫感がずーっと進んでく。「これ、キス我慢選手権だ!」って思って(笑)。あれを「こんなにロマンチックにできるんだ!」みたいな感動がすごいあったんですよ。

三浦:自分もそういうふうに、バラエティを引用して、そのイメージを塗り替えるような作品を描きたいなとずっと思ってるんです。

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イベント情報

「いつ高シリーズ」vol.9『ほつれる水面で縫われたぐるみ』
「いつ高シリーズ」vol.9『ほつれる水面で縫われたぐるみ』

2021年6月26日(⼟)~7月4日(日)全12公演
会場:東京都 吉祥寺シアター

脚本・演出:三浦直之
出演:
板橋駿谷
亀島一徳
森本華
多賀麻美
重岡漠
料金:
前売 一般5,000円 U-25券4,000円
当日 一般5,500円 U-25券4,500円
※高校生以下無料、親子ペア割引1,000円引き

「いつ高シリーズ」vol.10『とぶ』
「いつ高シリーズ」vol.10『とぶ』

2021年6月26日(⼟)~7月4日(日)全12公演
会場:東京都 吉祥寺シアター

脚本・演出:三浦直之
出演:
板橋駿谷
亀島一徳
篠崎大悟
料金:
前売 一般5,000円 U-25券4,000円
当日 一般5,500円 U-25券4,500円
※高校生以下無料、親子ペア割引1,000円引き

プロフィール

三浦直之(みうら なおゆき)

1987年、宮城県出身。ロロ主宰/劇作家/演出家。2009年、主宰としてロロを立ち上げ、全作品の脚本・演出を担当。古今東西のポップカルチャーを無数に引用しながらつくり出される世界は破天荒ながらもエモーショナルであり、演劇ファンのみならずジャンルを超えて老若男女から支持されている。2019年脚本を担当したNHKよるドラ『腐女子、うっかりゲイに告(コク)る。』で第16回コンフィデンスアワード・ドラマ賞脚本賞を受賞。

佐久間宣行(さくま のぶゆき)

1975年生まれ。テレビ東京のプロデューサーとして、『ゴッドタン』『あちこちオードリー』『ウレロ☆シリーズ』『ピラメキーノ』など多数の番組を手掛け、『ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE』では監督も務めた。2021年3月末にテレビ東京を退社。現在は、フリーのテレビプロデューサーとして活動。オールナイトニッポン0水曜日のパーソナリティーも担当している。

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