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unBORDE・鈴木竜馬を取材。ゲス乙女を巡る報道に対して提言も

unBORDE・鈴木竜馬を取材。ゲス乙女を巡る報道に対して提言も

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インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:永峰拓也 編集:矢島由佳子

そもそも個人的に広告が大好きで、可能性をすごく感じているし、そこに対するモチベーションは強く持っている。

―レーベル5周年には、所属アーティスト全員が参加する「unBORDE all stars」を結成し、オリジナル曲“Feel”を発表。さらには、コカ・コーラとのコラボで、4月に幕張メッセにて主催フェスを「完全招待制」、つまりは無料開催という企画もありました。これはどのような経緯で実現したのでしょうか?

竜馬:そもそも個人的に広告が大好きで、可能性をすごく感じているし、そこに対するモチベーションは強く持っているんです。それに、若いときからコカ・コーラとはいつか仕事をしたいとずっと思っていて。

コカ・コーラに関しては、RIP SLYMEのときになにがなんでもコカ・コーラの広告をやりたくて、電通他、いろいろなところに出向いて、自主プレゼンをしたりした結果、“熱帯夜”をCMに使ってもらうことができました。そのおかげで、曲自体が大ヒットとなった。そこで一回「コカ・コーラと仕事をしたい」という夢は叶っているんですけど、コカ・コーラみたいなかっこいいナショナルブランドとは何度でもご一緒したいので(笑)。

―ゲスの極み乙女。の“私以外私じゃないの”もコカ・コーラのCMソングでしたもんね。

竜馬:完全招待制のイベント開催に関しては、まずunBORDEが5周年ということでなにかをやりたくて、幕張メッセを先走って押さえちゃったんです。なおかつ、最近はいろんなレコード会社がフェスをやったりしてますけど、僕たちは興業として儲けたいというよりも、ファン感謝デーにしたかった。そのためには、「無料招待」がインパクトもあっていいよね、と。

僕が中高生の頃に、HOUND DOGの“ff(フォルティシモ)”がカップヌードルのCMで大ヒットして、そのあと日本武道館でライブを10日間やって、11日目はタダという企画をやっていたんですけど、それが子どもながらに鮮烈な記憶として残ってたんですよね。

―そこで今回再びコカ・コーラと組むことを考えたと。

竜馬:「コカ・コーラを飲んで、フェスに行こう」というコピーは、ふと思いつきました。ただ、うちはミスチルとかサザンのような東京ドームクラスのアーティストはいなくて、「エッジ」というとかっこいいですけど、マーケットでいうと、そこまでオーバーグラウンドではないんですよね。なので、コカ・コーラのようなモンスターカンパニーと組んでイベントを開催するのは難しさもあったんですけど、そこはセンスにベットしてもらおうと思って、旧知の副社長に「幕張買ってくれない?」って言って(笑)。

―夢のある話ですね(笑)。とはいえ、コカ・コーラ側も、そこにベットすることにメリットを感じて決断してくれたわけですよね。

竜馬:コカ・コーラとしても、10代が赤いコカ・コーラから離れているという状況があったので、お互いのニーズが合致したんです。それが上手くハマって、実際に今年の夏はコカ・コーラの売り上げがかなり伸びたというレポートを受けました。ちゃんとお互いにとっていい結果となったので、それはすごくよかったです。

『Coca-Cola presents unBORDE 5th Anniversary Fes 2016』にて、unBORDE all starsのステージが実現した

何事もやるなら徹底的にやった方が面白いし、そうじゃないと届かないからね。

―レコードビジネス自体は斜陽といわれていて、実際ニッチな市場になっているのかもしれないですけど、音楽自体の価値は変わらず大きなものがあって、今の話のように、広告に使われることによって、ものが爆発的に売れたりもする。そうやって業界を超越して結びついていくことが、これからより重要になっていくように思います。

竜馬:本当にそうで、それは俺だけでなくて、レコード会社全体の課題でもあると思います。それこそ、『君の名は。』があれだけ大ヒットしたのは、RADWIMPSと映画のケミストリーみたいなものがあったからだと思うし、最近のワーナーの話でいうと、ゲームの『龍が如く』に山下達郎さんが曲を提供して話題になったりもしています。

単純に稼ぐという意味でいっても、tofubeatsはここ半年自分の作品はリリースしてないけど、今鬼のように忙しくて、それはウェブ広告とかの音楽を作ってるからなんですよね。「A2B(Artist to Business)」で生まれる純利益はかなり大きいです。

鈴木竜馬

―企業とのタイアップという意味では、SuchmosとLevi's®のコラボレーションも話題になりましたし、2016年は音楽の可能性を感じさせる事例が多かったように思います。

竜馬:YONCE(Suchmosのボーカル)はBEAMSの動画(『TOKYO CULTURE STORY』)にも参加してましたもんね。Levi's®の広告は、「Adidasを着ててもいいんだ!」って思ったけど(笑)、やっぱりああいうかっこいいことは恥ずかしげもなくやった方がいいですよね。

竜馬: MTVが作った「ブランデッドミュージックビデオ」(ミュージックビデオとCMをシンクロさせた映像)という言葉があって、RIP SLYMEはそれをやり倒したんですけど、単なるサブリミナルじゃなくて、そこに相乗効果が起きないとつまらない。車のCMだったら、「しれっと車に乗るシーンを入れる」ではなくて、車に堂々と乗ってた方が絶対に面白いと思うんですよ。

―“Feel”のミュージックビデオも、後半でみんながコカ・コーラを飲むシーンはとても印象的で、あれ見たらコーラ飲みたくなりますもんね。

竜馬:でしょ? せっかくコカ・コーラと組めるんだから、あそこまでやらないと意味がない。日本はスポンサーの兼ね合いの問題があって、それをやっちゃうとテレビで流しにくいみたいなこともあるけど、今ではYouTubeもあるわけで。何事もやるなら徹底的にやった方が面白いし、そうじゃないと届かないからね。

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プロフィール

鈴木竜馬(すずき りょうま)

株式会社ワーナーミュージック・ジャパン執行役員 / 邦楽第1クリエイティブルーム本部長 / unBORDEレーベルヘッド。1969年、東京生まれ。1993年、株式会社SONY CREATIVE PRODUCTSに入社。1999年、ワーナーミュージック・ジャパン入社。RIP SLYMEのデビューから、山下達郎、竹内まりやなどの販売促進担当として様々なプロジェクトに携わる。2010年、社内に邦楽レーベル「unBORDE(アンボルデ)」を発足。きゃりーぱみゅぱみゅのプロデュースなど、レーベルの陣頭指揮を執りながら現在に至る。

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