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luteのビジネスモデルってどうなってるの?代表・五十嵐に訊いた

luteのビジネスモデルってどうなってるの?代表・五十嵐に訊いた

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インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:永峰拓也 編集:矢島由佳子

音楽も映像もなくならないけど、音楽を伝える映像のフォーマットは変わったほうがいいと思いました。

—8月には「日本初のInstagram Storiesメディア」として、新生luteがローンチされました。これにはどんな意図があるのでしょうか?

五十嵐:もともと「luteで映像を作ろう」と考えたときに、まず思い浮かんだのが、やっぱりミュージックビデオだったんですね。なので、先人が作ってきたフォーマットでやってたわけですけど、「いま、ミュージックビデオって、みんな見るのか?」と思って。もちろん流し見はするし、気になるアーティストをチェックはするけど、最初から最後まで、全部ちゃんと見ることってあんまりないなと思ったんです。

五十嵐弘彦

—確かに、モバイルユーザーに5分の映像を見てもらうのはかなりハードルが高いと言われていて、先ほど名前が挙がった「Tastemade」などのレシピ動画も1分以内で作られていたりします。

五十嵐:いわゆるミレニアル世代、デジタルネイティブの人たちが普段どんなふうにコンテンツに接しているのかをヒアリングすると、まずパソコンを持ってないし、家にWi-Fiも飛んでなくて、パケ死と格闘しながらモバイルだけでコンテンツに接してるんですよね。しかも、ゲームの時間と、SNSの時間と、動画を見る時間と、全部がごっちゃになっている。

そう考えたときに、音楽はなくならないし、映像もなくならないけど、音楽を伝える映像のフォーマットは変わったほうがいいんじゃないかと思いました。そこで、いまの若い子に人気があるプラットフォームで、かつモバイルに順応していて、カルチャー、映像、音楽にハマるフォーマットはなにかを考えると、Instagram Storiesなんじゃないかなって。

Instagram(@lutemedia)
Instagram(@lutemedia)を見る

—「Stories機能」に着目し、「Instagramメディア」ではなく「Instagram Storiesメディア」としてローンチした理由は?

五十嵐:これは僕の主観ですけど、Instagramのタイムラインって、あんまり「隙間時間」を埋めてくれないんですよね。Facebookのタイムラインを見るのと同じくらい、ちょっと腰が重い。エレベーターに乗ってる時間に見るコンテンツはなにかを考えると、たとえば、まずTwitterを開きますよね。Instagram Storiesをザッピングする感じって、Twitterをダラ見する感覚に近いと思っているんです。

—Instagramの基本的な機能として、Storiesに上げた動画は24時間で消えてしまいます。コンテンツを作って上げていくうえで、そこに関してデメリットを考えることはなかったですか?

五十嵐:アーカイブの映像って、実はあんまり見なくないですか? たとえば、自分にとってのマスターピースみたいな映画はDVDを買うけど、Netflixとかで「マイリスト」に入れても、結局見なかったりすると思うんです。アーカイブされるものよりも、消えちゃうコンテンツのほうが「今日見なきゃ」ってなりますよね?

—ああ、確かに。

五十嵐:Instagram Storiesはプラットフォーム側も日々新しい機能を追加してますし、そこで新しいコンテンツを作っていくのって、すごく面白いですよ。

ここまでluteをやってきたなかで、気付いたことがあって。たとえば、そこそこ尺のあるドキュメンタリーを撮って、「載せやすいから」ってYouTubeに載せても、そんなに再生カウンターは回らないんです。コンテンツ、ターゲット、ターゲットが好むプラットフォーム、これらが一直線にならないと、ちゃんとは刺さらない。そのなかで、ミレニアル世代をターゲットにしたカルチャー的な動画のあり方はまだ確立されていないから、Instagram Storiesを中心にやっていくのはいいんじゃないかなと思ったんです。

Instagramを中心としたカルチャーがある世の中でできる360度のマネージメントビジネスが絶対にある。

—株式会社を設立したいまは、収益化も考える必要があるかと思うのですが、改めて、ビジネルモデルはどのようにお考えなのでしょうか?

五十嵐:Instagramのユーザー数が増えたら、広告媒体としての価値にもつながると思っています。ただ、うちの場合は扱っているジャンルとして、数百万フォロワーとかってことにはならないと思うんです。その代わり、クラスのなかに一部いる「すごくカルチャーホリック」なパイの人は必ず見る、というメディアにすることはできる。

なので「多くの人に拡散したい」という商材に関しては、広告媒体として適さないかもしれないですけど、「こういう人に確実に届けたい」というものにはハマると思うんですよね。だからこそ、大事なのはエンゲージメントの高さで、そのためには「今日見なきゃ」ってなるStories機能が適してるのではないかと。

—YouTubeやウェブページなど、Instagram以外のフォーマットも継続はするわけですか?

五十嵐:Instagram Storiesが8割、それ以外が2割くらいのイメージです。『Casa BRUTUS』は毎月いろんな特集を組んでるけど、たまに別冊を出すじゃないですか? ああいう感じで、Instagramが月刊、それ以外は別冊で、ミュージックビデオならYouTubeに載せるし、ドキュメンタリーなら劇場で公開しよう、というふうになっていくと思います。

五十嵐弘彦

—その他の事業はどのようにお考えなのでしょうか?

五十嵐:ひとつは、受託の映像制作事業ですね。これまで培ってきたクオリティーを担保して、様々なタイプの映像制作が可能なんです。たとえば、Storiesのための縦型の短尺動画を作ってきて思ったんですけど、世にあるデジタルサイネージって、ほぼ同じ画角なんですよ。そのための広告映像の受託制作もできるんじゃないかなと。

もうひとつが、マネジメントです。いまのミュージシャンって、ある瞬間にはモデルになったり、逆に、モデルなんだけどアナログシンセを使いこなせる子がいたり、いろんな表現方法の人が一緒くたにインフルエンサー的な感じになってると思うんです。マネジメントに関しても、Instagramを中心としたカルチャーができあがっている世の中だからこそできる360度のビジネスモデルが絶対にあると思っていて。そういう人たちのマネジメント、エージェント業務をやっていきたいと思っています。

もちろん、CDをミリオン売るような人だったら、これまでのようにレコード会社やマネジメント事務所に所属すればいいと思う。ただ、仕事論で言っても、いまの時代って別に1社だけに所属する必要ないし、遊び論で言っても、いろんなコミュニティーに属するほうが楽しいですよね。それに近い話で、「CDのディストリビューションはこのレーベルで、映像に関してはlute」みたいに、複数所属するのって全然変じゃないと思うんです。マネジメントとしてのluteは、アーティストにとってそういうオプションのひとつになれたらいいなと思っています。

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プロフィール

五十嵐弘彦(いがらし ひろひこ)

1985年東京生まれ。高校・大学時代をニュージーランドで過ごし、帰国後HR系スタートアップでの業務経験を経て、株式会社メディアジーンへ入社。lifehacker[日本版]編集部で編集・翻訳業務に従事する。その後エイベックス・デジタル株式会社に入社し、音楽サービス企画立ち上げ・運営に携わった後、自身が思い描いてきたコンテンツ重視型新規事業として、2016年にメディアレーベル「lute」を立ち上げる。2017年8月よりlute株式会社を設立し、日本初のInstagram Storiesメディア「lute / ルーテ」をローンチ。代表として、次世代を担うアーティストのMVやライブ映像、海外の音楽と社会状況を探るドキュメンタリーなど、様々な映像作品をリリースしている。

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