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アート・リンゼイがひとり自由に歌う夜 偶然の出会いがそこにある

『Park Live』
インタビュー・テキスト
大石始
撮影:嶌村吉祥丸 編集:石澤萌
アート・リンゼイがひとり自由に歌う夜 偶然の出会いがそこにある

「親のいない子供のように自由な気分で演奏できる」——アート・リンゼイが語る、ソロの魅力

最新作『Cuidado Madame』のレパートリーを中心に演奏されるかと思いきや、バンドセットでは披露しなかったというポルトガル語曲など、ノイジーでありながらメロウ、フリーキーにして繊細な歌の世界を展開していく。

アート・リンゼイ

突然飛び出したThe Stooges(1960年代より活動していたアメリカのロックバンド)の“I wanna be your dog”のカバーについて、終演後のインタビューで尋ねると、「よかったでしょ? あれは『aibo(ソニーが1999年より発売しているペットロボット)』へのオマージュだったんだ(笑)」とアートは笑い、今日のライブの感想について、こう続けた。

アート:普段のバンド編成とは違って、今回みたいなソロのパフォーマンスのときは親のいない子供のように自由な気分で演奏できるんだよ(笑)。

もちろんひとりでやることについてはプレッシャーもあるけど、今回みたいにお客さんとの距離も近くて親密感のある会場でパフォーマンスするのは、自分にとってもエキサイティングなことなんだ。

アート・リンゼイ

音楽との出会いは、街を見る目すら変える

東京を歩いていて、偶然にして幸福な音楽との出会いを体験することはなかなかない。20年ほど前、ニューヨークのたまたま通りかかったカフェで、トリオ編成のジャズライブを観たことがある。とりたてて個性的なものではなかったが、その演奏に触れたことで、ニューヨークの街並みがいくらか違って見えたことははっきりと覚えている。

変わり続ける実験的な「公園」をコンセプトとする「Ginza Sony Park」は、そうした体験ができる稀有な場所といえるが、『Park Live』にもそうしたコンセプトは反映されているのだ。

なお、この日に限らず、『Park Live』でのライブはつねに入場無料(ワンドリンクオーダーが必要)。アート・リンゼイの濃密なステージをビール1杯で観ることができるとは、まったく驚くべきことだった。「Ginza Sony Park」の外に出ると、いつもの銀座の街並みが普段とは少しだけ違って見えた。

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イベント情報

Park Live

ライブハウスともクラブとも一味違う、音楽と触れ合う新たな場となる"Park Live"。出演者は当日まで発表しないシークレット形式のライブ。音楽との偶発的な出会いを演出します。

プロフィール

アート・リンゼイ

アメリカ生まれの音楽家。3歳から17歳までブラジルで過ごす。1977年、ニューヨークにてバンド「DNA」を結成。ノーウェーブと呼ばれるムーブメントを代表するバンドとなるが、1982年に解散。その後は、The Lounge Lizards、Ambitious Loversなどで活動する一方、ソロミュージシャンとして数多くのアーティストの作品に参加している。

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