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BOOM BOOM SATELLITES中野が語る、故・川島への想いと未来

BOOM BOOM SATELLITES中野が語る、故・川島への想いと未来

BOOM BOOM SATELLITES『19972016』
インタビュー・テキスト
矢島由佳子
撮影:豊島望
2017/03/03
  • 146

川島道行の訃報が届いたのは、2016年10月9日のこと。あまりにも早かった。2015年2月に取材をさせてもらった際、川島に4度目の脳腫瘍が再発するも、治験を受け、腫瘍の拡大を防ぐことに成功したと話してくれていたのに――。

BOOM BOOM SATELLITESは、非常に稀有なバンドだ。デビューした1997年に初めて川島が脳腫瘍を患ったときから、「生命」と向き合いながら、作品を作り続けた。歳を重ねるごとに、人生観に変化が起こり、それと同時に、音楽に見出す価値や理想とする表現の形を変えていった。だから、BOOM BOOM SATELLITESがたどり着いたゴールには、「生命」や「音楽」において本当に大事な価値とはなにか、その答えが詰まっているように思えるのだ。

3月1日にリリースされたベスト盤『19972016』が、BOOM BOOM SATELLITESにとって、本当に最後の作品となる。デビューから20年間、川島と一心同体の存在として、ストイックに音楽を作り続けてきた上で、人生とは自分のミッションを見つけ果たしていくための道のりであることを知っている中野雅之は、この先をどう生きていくのか――BOOM BOOM SATELLITESの20年と、川島の存在を振り返ってもらうだけでなく、中野自身の未来についても話を聞いた。

川島くんの声は、本当に時代によって変化していることに、改めて気付かされました。

―ベスト盤『19972016』、一番最初に立てたプランでは、11月頃に発売予定だったそうですね。

中野:全然間に合わなかったです。まったく手も足も出ないくらい。

―予定よりも4か月ほど後ろ倒しになったのは、どういう理由だったんですか?

中野:全曲マスタリングをし直して、なかにはミックスまで立ち返ったものもあるんですけど、なんせ曲数が多いから。まだテープメディアの時代だった曲もあるし、何世代か前のコンピューターを引っ張り出してきて、ちゃんと動くかどうかを確かめるところから始めたり。9月に始めた時点で、11月発売というのは到底間に合わなかったです。

―9月から、地道な作業を積み重ねられていたんですね。

中野:まあ、そのあいだに川島くんが亡くなって、心も体も持っていかれたところがあったりして。断続的に、1月中旬まで作業をしていました。

中野雅之
中野雅之

―BOOM BOOM SATELLITES(以下、BBS)は、最近の作品はすべて中野さんご自身でマスタリング作業までやられていたとはいえ、心も体もタフだった今回は他にお任せする、という選択肢もあったと思うんです。

中野:本来は専門職の人がやることなので、アーティストがやっちゃいけない領域ではあるんです。マスタリングという作業はすごく崇高な、職人の技術だということを、僕もよく理解していて。自分がやることに対しての罪悪感とかおこがましさは、すごくあるんですよ。

「じゃあ、頼めばいいじゃん」ってなると思うんですけど……そうすると、実現しきれない部分もあったりするので。ただ、これが最後にしたいなとは思ってます。本当に大変だったから。

―マスタリングというのは、1枚のアルバムに入れる楽曲がすべて完成したあと、全体の音質や音圧などを調整する作業のことですけど、今作において、中野さんが実現したかったのはどういう部分ですか?

中野:自分でマスタリングをやらなければいけなかった理由は、この「20年」を、違和感なく全部聴けるように揃えたかったから。僕が聴かせたかったのは、純粋に音楽だけなので、聴いた人が他のことに気を遣わなくていい、という状態にしたかったんです。つまり「これは録音が古いな」とか「あ、90年代だな」とか、そういうことに気を取られるのではなく、純粋にこのバンドの音楽性に浸れるようにしたかった。

―10月9日(川島の命日)も挟んで、20年間の自分たちの音や声を毎日聴き続けるのは、かなりタフな部分もあったんじゃないですか?

中野:タフっていうより、感動のほうが多かったかな。ミックスの作業をやってるときって、川島くんは完全にアシスタントの立場で、一緒に聴いて、いいかどうか判断したり、お茶入れてもらったりしていたんです。それが一人の作業になったので、より川島くんの存在感を知ることになる、というのはありましたけどね。

―それでも、「感動」という感情が先にくるんですね。

中野:昔の曲をマスターまで立ち返ると、作品としてパッケージされているものよりも生々しいデータを聴くことになるので、自分たちの持ってる音楽に対しての情熱みたいなものが、よりはっきりわかるんですよ。振り返っていると、「なかなか、やるもんだな」って思ったり。

でも、だんだんとアレンジの稚拙さとか、歌のパフォーマンスに対して、「もうちょっとちゃんとやれよ」って思う部分もでてきて。感傷的になっている暇がなく、イライラしてくることもありました(笑)。

中野雅之

―昔の自分たちに対して、感動と苛立ちの両方を感じられていたんですね。

中野:データのなかには、川島くんのボツテイクとかもいっぱい入っていて、ひとつのフレーズを録音するのに四苦八苦してる様子とかが見て取れたりとかもして。川島くんの声は、本当に時代によって変化していることに、改めて気付かされました。やっぱり最後のほうは、病気のせいで声を出すのがすごく難しくなってきていて、録音自体も大変だったんです。

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リリース情報

BOOM BOOM SATELLITES『19972016』初回限定盤
BOOM BOOM SATELLITES
『19972016』初回限定盤(4CD+Blu-ray)

2017年3月1日(水)発売
価格:7,200円(税込)
SRCL-9211

[CD]
『19972016 -19972007 Remastered-』
『19972016 -20082016-』
[Blu-ray]
「BOOM BOOM SATELLITES 19972016 LIVE AND DOCUMENT」
SUMMER SONIC 2004,2006,2014
FUJI ROCK FESTIVAL '05,'07,'10,'12',15
METAMORPHOSE `08
SWEET LOVE SHOWER 2008
RISING SUN ROCK FESTIVAL 2010 in EZO
RADIO CRAZY 2013
VIVA LA ROCK 2015
WILD BUNCH FEST.2015
BOOM BOOM SATELLITES JAPAN TOUR 2008 FINAL
BACK ON MY FEET PREMIUM GIG
BOOM BOOM SATELLITES JAPAN TOUR 2010 FINAL
FRONT CHAPTER Vol.3 2011
The 15th Pre Release QUATTRO Premium Party
EMBRACE TOUR NIPPON BUDOKAN
FRONT CHAPTER Vol.4 2015

BOOM BOOM SATELLITES『19972016 -19972007 Remastered-』通常盤
BOOM BOOM SATELLITES
『19972016 -19972007 Remastered-』通常盤(2CD)

2017年3月1日(水)発売
価格:3,600円(税込)
SRCL-9216

[CD1]
1. KICK IT OUT
2. WHATGOES ROUND COMES AROUND
3. LOOKING GLASS
4. PILL
5. MORNING AFTER
6. LIGHT MY FIRE
7. LET IT ALL COME DOWN
8. 40-FORTY-
9. GIRL
10. MOMENT I COUNT
11. ON THE PAINTED DESERT
12. INTER GALACTIC
13. SOLILOQUY
14. PANACEA
15. STRIDE
[CD2]
1. EASY ACTION
2. SHUT UP AND EXPLODE
3. Id
4. PUSH EJECT
5. JOYRIDE
6. YOUR REALITY'S A FANTASY BUT YOUR FANTASY IS KILLING ME Featuring CHUCK D
7. BRANDNEW BATTERING RAM
8. DRESS LIKE AN ANGEL
9. SCATTERIN' MONKEY
10. RISE AND FALL
11. DIVE FOR YOU
12. PROPELLER
13. ANTHEM-reprise-
14. INGRAINED
15. ECHO TAIL

BOOM BOOM SATELLITES『19972016 -20082016-』通常盤
BOOM BOOM SATELLITES
『19972016 -20082016-』通常盤(2CD)

2017年3月1日(水)発売
価格:3,600円(税込)
SRCL-9218

[CD1]
1. LAY YOUR HANDS ON ME
2. SHINE
3. A HUNDRED SUNS
4. STAY
5. CAUGHT IN THE SUN
6. ANOTHER PERFECT DAY
7. UNDERTAKER
8. VAPOUR
9. DRIFTER
10. ONLY BLOOD
11. SNOW
12. SPELLBOUND
13. EMBRACE
[CD2]
1. BACK ON MY FEET
2. BROKEN MIRROR
3. HELTER SKELTER
4. ALL IN A DAY
5. DRAIN
6. LOCK ME OUT
7. BACK IN BLACK
8. FLUTTER
9. NINE
10. BLIND BIRD
11. STARS AND CLOUDS
12. STAIN
13. NARCOSIS

イベント情報

『FRONT CHAPTER - THE FINAL SESSION - LAY YOUR HANDS ON ME SPECIAL LIVE』

2017年6月18日(日)
会場:東京都 新木場 STUDIO COAST
出演:BOOM BOOM SATELLITES
料金:10,000円(ドリンク別)

プロフィール

BOOM BOOM SATELLITES
BOOM BOOM SATELLITES(ぶん ぶん さてらいつ)

1997年ヨーロッパでデビューした中野雅之、川島道行からなるロックユニット。エレクトロニックとロックの要素を取り入れながら、新しい未知の音楽を創造し続ける日本屈指のクリエイターユニット。ヨーロッパでリリースされた12インチシングルをきっかけに、UK音楽誌『Melody Maker』は、「The Chemical Brothers、The Prodigy以来の衝撃!」と報じたことをはじめ、多くのメディアに大絶賛される。2004年には映画『APPLESEED』の音楽を担当、その後もリュック・ベッソン監督の映画『YAMAKASI』やクリストファー・ノーラン監督『ダークナイト』で楽曲が起用されるなど、デビューから現在に至るまで映像クリエイターやアーティストに絶大な人気を誇り、楽曲提供やリミックスのオファーが絶えない。世代を超えた不動の魅力を持ち合わせたアーティストである。

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