2025年12月、SM ENTERTAINMENT JAPAN初のガールズグループが誕生した。名前は「GPP」。「G:限界突破」「PP:Paper Plane(紙⾶⾏機)」を意味し、ジャンルレスでエッジの効いた楽曲と、熱量の高い歌唱・ダンスを通して、試練に立ち向かう強い意志を音楽で昇華している。
一見、タフな精神力を持った勝ち気なグループのようにも見えるが、素顔はまた違う。メンバーの言葉を借りるならば「『目立とう』みたいなものがないというか。遠慮しがちなメンバー」だという。もともとは自信を持てずに悩んでいたメンバーもいたそうだ。でもそんな自分たちだからこそできる表現がある、と彼女たちは語る。
今回はメンバーそれぞれに事前に「10の質問」に回答してもらい、その答えをもとに、ディープインタビューを敢行。弱さや迷いさえも音楽の糧にしてきた彼女たちの等身大の魅力と、GPPの音楽をひもといていきたい。
King Gnu、BTSなどの影響も。さまざまなバックグラウンドを持ったメンバーがアーティストを目指した理由
―GPPはオーディション番組出⾝者、ダンサー、⼥優、モデルなど、それぞれ異なる経歴を持ったメンバーによって構成されている点が興味深いなと思っていました。
MIKA:本当にバックグラウンドがさまざまなんです。私はもともとダンサーの道を進んでいましたし、ほかのメンバーも、過去にグループで活動していたり、女優やモデルの仕事をしていたり、そこはほかのグループにはあまりない特徴かなと思っています。
―SARAさんは就職の内定をもらっていたとか。
SARA:就職するって家族にも言ってたのに、やっぱりアーティストになりたくてGPPに入ったので、ちょっと困らせちゃったかなって感じですね(笑)。
SARA(宮崎晃)。豊富なバックダンサー経験で証明された安定感と、周囲を照らす"太陽のような明るさ"が魅力。確かな実力でパフォーマンスを支えつつ、グループの雰囲気を創り出すムードメーカー。
―ちょうど進路を決めるタイミングでスカウトされた方も多かったんですね。「GPPに入る前の自分を一言で表すとしたら?」という質問に対して、HONOKAさんは「迷子」と答えています。
HONOKA:私はこのプロジェクトに入る前に、活動していたグループを辞めているんです。大学に通いながら音楽も続けたいけど、行く場所がなくて迷っていた時期でした。
HONOKA(伊藤帆乃花)。2004年9月14日生まれ。唯一無二の「魂の歌声」で聴く者の心を揺さぶる、グループのメインボーカル。豊富なステージ経験を武器に、その歌声でパフォーマンス全体に深みと説得力をもたらす。
―そんななかでこのプロジェクトに声がかかったんですね。一方で、RINKAさんは「がむしゃら」と回答されています。
RINKA:私は小学生の頃からずっと歌とダンスをやっていて、もう自分にはそれ以外の道がなさすぎて……ずっと音楽一本で進んできたという感じで。
―「グループの加入において何が評価されたと思いますか?」という質問には「いままでの経験と努力」と一言で書かれていて。数々のオーディションに参加されてきたRINKAさんならではの回答だと感じました。
RINKA:でも自分で自分のことを認められるようになったのは、GPPに入ってからなんです。それまでは自信がないタイプでした。でもメンバーと出会ってから変わって。一人ひとりのメンバーをリスペクトしているからこそ、自分がGPPにいられることが誇らしいと感じるようになりました。
RINKA(安藤梨花)。2004年8月18日生まれ。エネルギーを爆発させ、ストイックに自分を追い込むオールラウンダー。ダンス・歌を完璧に操り、その圧倒的な存在感から目が離せないグループの「核」。ステージの全てを掌握するカリスマ。
―LUNAさんとMIAさんは、アーティストの道に本格的に進みはじめたのはコロナ禍以降だったそうですね。お二人ともある楽曲がきっかけだったとか。
LUNA:私はKing Gnuさんの“The Hole”でした。コロナ禍で友だちとも直接会って喋れないし、将来の不安もあって気持ちが下がっていたときに、初めてこの曲を聴いて本当に感動して。日本中の音楽をやりたい人たちのなかから、King Gnuというバンドが生まれて、一緒に作品を作っているということが、すごいと思って。
―直感的にそう思わせる力があったんですね。
LUNA:それまではグループで何かをするということを考えたことがなかったんです。でもKing Gnuさんの曲との出会いで、大人数で音楽をやるということに興味を持ち始めました。
LUNA(渡辺瑠奈)。モデル経験で磨かれた長い手足を活かしたダイナミックな表現が真骨頂。ステージに強烈な迫力をもたらすダイナミック・ルーキーとして、グループのビジュアルインパクトを担う。
―MIAさんはいかがですか?
MIA:私はBTSさんの“Butterfly”です。初めて聴いたのはイギリスから日本に引っ越して1年くらいが経っていた時期でした。当時は英語も日本語もどちらもうまく話せなくて、自分を表現することがまったくできなかったんです。それに学校を何回も変えたりもしていたので、友だちもなかなかできないし、すごく寂しい思いをしていた時期でした。
―そうだったんですね。
MIA:そんなときに“Butterfly”がたまたま耳に入ってきて。韓国語だったので歌詞の意味はわからなかったんですけど、BTSさんが伝えようとしているものがメロディから伝わってきて、急に涙が溢れてきたんですよね。私と波長が合っているように感じて。それで気になって歌詞を読んでみたら、私の気持ちをそのまま映しているみたいでびっくりしました。音楽には言葉以上の力があるんだなって。
MIA(ニュービー 未亜)。2002年11月4日生まれ。英国人の父を持ち、透明感あふれるボイスとミステリアスなビジュアルで観客の視線を奪う存在。その唯一無二の雰囲気が、グループに幻想的な色彩を加える。
この8人だから自然体でいられる
―LUNAさんは「GPPに持ち込んだ一番の武器は何だと思いますか?」という質問に対して「突出した個性で引っ張るタイプではないですが、その分どんな場面でも馴染みやすく、グループのなかでも自然に自分らしさを出せるところが自分の武器」と答えていますね。
LUNA:私に派手なものがあるかと言われたらそうでもなくて……でもなんていうんだろう……この8人だから自然体でいられるというか。この8人だから自分が活かせる場所ができたのかなと思っていて。
―いまの自分をそのまま受け入れようとする姿勢に、LUNAさんがいかに自分自身と向き合ってきたかが感じられます。
LUNA:別のグループだったらいまのような考えにはなっていなかった気がします。メンバーに助けられて自分の良さを見つけられたという感じです。
―別のインタビューで、GPPには「ハイ&ロー」と呼んでいるミーティング時間が週に1回あるとお話しされていました。これは具体的にどういったものですか?
MIKA:嬉しかったこととか、落ち込んだことを共有する時間なんです。韓国でのトレーニング期間中にメンバーのメンタルが落ち込んでしまったときに始めました。最近は仕事の話もできるようになってきて、メンバーとの仲ももっと深まった感じがします。
MIKA(髙宮美香)。2002年5月4日生まれ。数々の世界大会優勝経験を持つ「ダンスの神童」。コレオ・トレーナー経験も豊富なグループのメインダンサー&ラッパーとして、技術と創造性でパフォーマンスを牽引する。
―自分の話をすることが苦手な方もいたりしましたか?
(LUNA、SARA、MIAが頷く)
―普段からご自身と向き合ってきている方々だとは思いますが、考えていることを口にするとなるとまた別の難しさがありますよね。照れ臭さもあったりとか。
LUNA:はい……(笑)。
全員:(笑)
SARA:私は言語化することが本当に難しくて。だからこういう職業を選んだのかなと思う部分もあったりして……言葉以外の何かで表現する方法というか……。
―それなのにこうして取材を受ける機会も多いでしょうから、大変ですよね。
SARA:そうなんです。
MIKA:毎日みんなで一緒に生活しているので、「なんだか今日はちょっと悩んでるのかな?」とか自然とわかるようになってきました。なのでメンバーといるときは、言語化できなくても大丈夫です(笑)。
過酷な韓国でのトレーニング期間
―デビューまでの1年半、韓国でトレーニングされていたそうですね、そのときのことも教えてください。MIKAさんは「トレーニング中の一番きつかったことは?」という質問に「みんなのメンタルが不安定になった時期」と回答されていますが、当時どのような状況だったのでしょうか。
MIKA:トレーニング期間は、誰かの気持ちが落ちると、みんなも持っていかれちゃうことがあったんです。みんなすごく優しくて、共感性が高いからこそ、誰かが落ち込んだときに一緒に落ち込みやすいんですよね。
―なるほど。
MIKA:厳しいトレーニングのなかでダイエットもしていたので、メンタルがやられて練習後に泣いちゃうことがありました。そんなときに始まったのが「ハイ&ロー」でした。ストレスを溜め込まないように話す時間をとったり、みんなでモチベーションを保つためのご褒美の日を決めたりして、辛い時期を乗り越えました。
MOMOKA(栗田桃花)。2004年3月30日生まれ。演技で培われた表現力と、ハスキーでソウルフルな歌声が融合。グループのサウンドに予測不能な"化学反応"を起こし、楽曲の世界観を立体的に描き出すキーパーソン。
―MOMOKAさんはどうですか? 「トレーニング期間に自分を支えた強みは?」という質問に「生活面もパフォーマンス面も、新しいものを身体に入れることに抵抗なくすんなり出来る」と答えていて、どんな状況でも冷静にいる方なのかなと思ったのですが。
MOMOKA:そうですね割と……。
全員:(笑)。
―あれ?
HONOKA:みんなの意見をまとめてくれたりもするんですけど、トレーニング期間中は大泣きしていて……(笑)。
MOMOKA:そのときは飲み込まれている1人ではありましたね(笑)。
HONOKA:でも、その経験があるからいまは俯瞰してみれるんだと思うんです。
―アーティストになるというのはそれだけ追い込みが必要な厳しい世界でもあるということですよね。同様の質問についてANAMIさんはご自身について「鋼のメンタル」と書かれていますね。
ANAMI:私は気持ちを一定に保つのが、自分にとってのベストだと思っているんです。メンタルがブレると何事もうまくいかなくて。トレーニング期間は、たくさんたくさん悩んでたんですけど、軸を持って「こういう生活をしよう」と心がけてやってきたつもりです。それが私にとっては大事だったなと思ってます。
ANAMI(大園亜波)。クラシックバレエで培った繊細な表現力と、抜群の運動神経から繰り出すパワフルな動きを両立。グループの表現の幅を無限に広げ、ステージに深遠な美をもたらす表現者。
―その「鋼のメンタル」はどのようにして培われたのでしょうか?
ANAMI:自分のこれまでの経験が支えてくれたものは大きいと思います。いろんなところで打ちのめされて、辛いことや楽しい経験を重ねてきたので……。あとはメンバーに助けられてます。
―環境によるところも大きいんですね。
ANAMI:精神的な強さを持っているかというと私はまだまだダメなんですけど。でも、ここにいる7人とだったら絶対に「大丈夫」という気持ちになれるんです。メンバーと出会って、不安のなかに希望が見えました。
―皆さんが口を揃えて「メンバーがいたから」と語られているのが印象的です。互いに尊重しあったり、自分の弱さを認めることによって、たくましさを手に入れてきたのだなと感じました。それがGPPの個性にもなっていますよね。
MIKA:最初はみんな自分の強みがあんまりわかってなかったんです。でも、「〇〇のこういうところが良い」とか、お互いに言い合えるようになったことで「GPPにとっての自分はこういう役割なんだ」というのがわかるようになってきて。それがパフォーマンスにも出ているのかなと思っています。
―GPPの「G」は「限界突破」という意味ですが、はじめにグループ名の由来を聞いたときには、ストイックで勝ち気な方が多いグループなのではないかと想像していました。
MIKA:みんな「私が目立とう」みたいなものがないというか。遠慮しがちなメンバーなんです。でもだからこそ、パフォーマンスでもそれ以外の活動でも補い合えているものがあると感じています。私も音楽の道に進むか迷っていたときにGPPに出会いました。このメンバーだったらグループとして頑張れるかもと思えたんです。
本当の自分を知るには一度崩さないといけない
―新曲「ATE!」についても聞かせてください。1stシングル「Bring it Back」から一転して色鮮やかなポップチューンになっていて、歌い方も表情がコロコロ変わって、GPPのいろんな一面が見えてくる曲ですよね。
HONOKA:レコーディングのときに歌詞の意味を忠実に再現するために、ジェスチャーをしながら歌に乗るようにと言われたのが印象に残っています。RINKAもいろいろやってたよね。
RINKA: <目が回るほど彩るジェットコースター>というフレーズがあるんですけど、目が回ってるようにこうやって……(顔をぐるぐる動かす)。
―へえ、そうだったんですか! だからいろんな声色を感じるんですね。
RINKA:今回のレコーディングは顔や体で表現しながら歌ってました(笑)。
ーHONOKAさんは「8人で歌い分けるときに互いの個性をどうリスペクトしていますか?」という質問に「ただ歌い分けるというより、お互いの個性を信じて任せ合いながら、1曲のなかでそれぞれのキャラクターを立たせています」と回答されていますが、今回はどのあたりを意識されましたか?
HONOKA:前回に引き続き高音パートを担当しているのですが、今回はMIKAのダンスブレイクにつなげていくパートで。この高音からどうやって力強い表現に持っていけるか考えてました。そこは前回よりも進化しているポイントかなとも思います。
―歌詞にはメンバー8人の個性ともつながるような食感や性格を表すようなフレーズもあります。MIAさんはこの曲をパフォーマンスするにあたって意識したことはありましたか?
MIA:韓国でのトレーニングを経験したことで、この曲でいろんな感情を入れることができたのかな。私は「自分」を知るにはいままでの「自分」を崩さないといけないと思っていて。それがトレーニングのなかでできた気がします。
―なるほど。
MIA:こういうときに自分は弱くなるんだとか、これには強いんだとか、自分にとって何が大切なのかとか、この夢を追いかける理由とか。いろんな自分に出会えて。だからこの曲にも自分の強みや弱みを全部出すことができているのかなと思います。
―GPPの音楽には、聴き手を揺さぶる熱量だけではなくてセルフラブの要素もあって。ある種のストイックさとケアの両方をメッセージとして届けていますよね。それがこのグループの魅力になっているなと感じます。
MIKA:やっぱり背中を押せる音楽を作りたいです。最初に話したようにいろんなバックグラウンドがあるメンバーが集まっていて。別々の道を歩みながらも、いまはGPPとしてデビューできているんですよね。だから「限界突破とは、自分を追い込むことではなく、弱さを認めながら進むこと」というメッセージを届けたいですし、私たちのパフォーマンスで少しでも頑張ろうと思えるきっかけになったらなと思っています。GPPのパフォーマンスを通して一緒に限界突破していけたら嬉しいですね。
- リリース情報
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2nd Digital Single「ATE!」
- プロフィール
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- GPP (ジーピ)
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SM ENTERTAINMENT JAPANから誕生した、全員日本人の8人組ガールズグループ。2025年12月にデジタルシングル「Bring it Back」でデビューを果たした。グループ名は「G:限界突破」と「PP:Paper Plane(紙飛行機)」に由来。幾度も折り目(試練)をつけられながらも遠くへ飛ぶ紙飛行機のように、常識を打ち破り世界へ羽ばたく強い覚悟が込められている。メンバーはオーディション出身者やトップダンサーなど多岐にわたるバックボーンを持ち、韓国での約1年半の超過密なトレーニングで培った世界最高水準の力強いダンスパフォーマンスが強み。
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