ハイブリットポップバンドHOSOMEインタビュー

オリジナリティー溢れるバンドが次々と出現してくる関西の音楽シーン。2007年末にデビュー作をリリースしたHOSOMEは、そうしたシーンの中でもひと際ラディカルに、そしてポップに、その音楽を磨き上げているバンドだ。アンダーグラウンドとか、メジャーだとか、そんな枠組みを笑い飛ばすかのように、HOSOMEというバンドは独自の「ポップ」を作り出している。このバンドの指向性が後世、「ゼロ年代最大の事件」として語られたとしても何ら不思議ではない。ワクワクさせてくれるエンターテイメント性も、危険が香るドキドキ感も、全てがメーターを振り切っているこの強烈なバンドは、果たしてどのように醸成されてきたのだろうか?

尖っているというよりは、尖らざるをえなかったと思いますね、大阪のシーンを勝ち抜くには。

―HOSOMEの音楽は、「突然変異」という表現が似合うほどオリジナリティー豊かですが、どんな音楽を聴いて育ったんでしょうか?

ナカジマ:小学校6年生くらいの頃にMr.Childrenやスピッツの楽曲を聴いたのが音楽を始めたきっかけでした。曲を真剣に書こうと思ったのは中学校の終わり頃で、Elvis CostelloやThe Jam、クラッシュ、XTCなどを聴いてからです。この頃は本当に音楽が楽しくて仕方がありませんでしたね。

―ミスチルやスピッツの名前が出てきて、ちょっと意外でした(笑)。HOSOMEはどういったいきさつで結成されたんですか?

ナカジマ:今現在のメンバー桑野(Ba)に「オリジナルロックンロールバンドを組まないか」と誘われ決断しました。ドラムは無理やり引っ張ってきて泣く泣く叩いてもらいました。

ハイブリットポップバンドHOSOMEインタビュー

―「オリジナルロックンロールバンド」ですか! 最初から現在のような音楽性だったんでしょうか? 多くのミュージシャンは何かを「真似る」ことから音楽を生み出していると思いますが、HOSOMEからはバックグラウンドにあるものがなかなか見えてきませんよね。

ナカジマ:さっきお答えしましたMr.Childrenの要素は入っていませんが(笑)、「POPである」ということについては、僕等も先輩方(Mr.Children)も耳に響く要素は全く同じだと考えています。

影響受けたHOSOMEのバックグラウンドは、PixiesやXTC、Warp Records(Aphex Twinなどが所属)周辺のテクノアーティストですね。PixiesもXTCもWarpの連中もみんなオリジナリティー(強い個性)を求めてかなりの努力をしているのがわかるアーティストなので、そこが最大の魅力だと思います。

―確かに、個性を求めている点では共通していますよね。

ナカジマ:そうだと思います。だから影響を受けていると言っても、音の詰め込み方は僕らにしかできないことをやっていると思っています。あと精神論で言いますと、矢沢永吉さんや、Hoteiさんも精神的には魅力的な方達ですね。

―HOSOMEの音楽は間違いなく「POP」だと思いますが、「大衆性」とは異なっているように思います。HOSOMEが考える「POP」とはどのようなものでしょうか?

ナカジマ:「POP」とは破壊、それはつまり創造だと思っています。破壊というのは、ハードコアとかノイズとかそういう意味ではなくてですね、今あるジャンルになにかしらのスパイスを加えてオリジナリティーを築くということですね。ノイズミュージックの中でノイズをしても全く意味がないことだと僕は思っていますから。

大衆性についてですが、まだ僕はその点では結構悩んでいます。HOSOMEの音楽をポール・マッカートニーに聴かせても、まだ理解はされんなーとかは思います。「音楽なんか焼き回しばっかりじゃないか、オリジナリティーを聞かせて」という方にはわかっていただけるのではと思うのですが。ただ今後、作品をリリースする度に大衆性の距離はHOSOMEなりのやり方で近づいていくのは間違いないと思います。

ハイブリットポップバンドHOSOMEインタビュー

―なるほど。現在のHOSOMEはかなり「尖っている」と思うのですが、それは譲れないものではないと?

ナカジマ:はい、譲れないものでもないですね。尖っているというよりは、尖らざるをえなかったと思いますね、大阪のシーンを勝ち抜くには。自然にそうなっていった感じもあるし。そこは大阪で活動したところも大きいと思います。

―そういうことだったんですね。関西って、東京にはないオルタナティブな音楽がどんどん出現してきていると思いますが、そういう土壌があるのでしょうか?

ナカジマ:みんな自分が1番だと思っているし、大阪の街が持つ癖というか泥臭さというかそういうものも関係しているのかもしれませんね。東京の透き通る感じでないですね。

―そういった状況の中で音楽をやり続けてきたと思いますが、音楽をやる上での原動力とはなんでしょうか?

ナカジマ:難しい質問ですし、まだ僕らのレベルで語れるものではないとは思いますが、それでも答えさせていただきますと、初めは自分との戦いがあって、それを超えると、周りの支えてくれてる人がいて、もうやらんと仕方ないだろって状況になりますね。もちろん、自分達のやっていること(存在価値)ももっと世の中に知ってもらいたいという部分もありますし。

「みんなを元気にする」HOSOMEのライブ観

―僕は1stアルバムでHOSOMEのことを知ったんですけど、その後にライブを観て、かなり衝撃を受けたんです。もっとアンダーグラウンドな感じなのかと思ってたら、見ててめちゃめちゃ楽しかった。すごいエンターテイメント性がありますよね。

ナカジマ:ライブで大切にしていることは、動きと、どれだけパンクでいられるかなんです。熱量ですよね。みなさんが明日から元気で生きれるような。アカデミック的なものも嫌いではないのですが、なんか汗をかいてやるパンクって好きなんです。

―まさに元気をもらった気がします。曲がポンポン切り替わっていくからドキドキしますし。でも、曲が短いのは何故ですか?

ナカジマ:単純に長くすれば良い曲、良いライブができるものではないと思ってるからですね。でもまあ、僕にあと少し才能があれば、かなり長くもやれたのですが(苦笑)。

―音源とライブは、どのように棲み分けているんですか?

ナカジマ:ライブは僕らとお客さんが同じ空間(空気)にいますが、音源は場所や、季節、温度、昼間や、夜などチョイスできますし、一人で聴いたりみんなで聴いたりできますよね。それだけでも、ライブと音源は自然に違ってきますよね。

―最初にライブを観た時は、音源の世界観をライブでも再現できていることに驚いたんですが、音源ならではの表現というのも意識しているんですね。

ナカジマ:音源は個々が自由な時間にそれぞれの好きな空気感で聴けるので、音源はライブではしないような曲を意図的に作ったりしますね。ライブ感が全くないような曲だと、アルバムの最後に収録した“メトロポリス・ポケットワールド”があります。メランコリーな音の後には、みんなでおやすみなさい的な発想で作りました。

ハイブリットポップバンドHOSOMEインタビュー

―HOSOMEの歌詞は、焦燥感や破壊衝動的なものが入り交じっていて、その型にはまらないHOSOMEらしさが面白いと思うのですが、HOSOMEの音楽にとって歌詞はどんな存在ですか? メッセージを伝える上で、必要不可欠なものでしょうか?

ナカジマ:正直にお話すると、あまり意味の無い歌詞もあるのですが、言葉で歌う以上、その内容はかなり大切なことだと思いますし、自分たちの中でもどんどん重要になっていっている気がします。もっと普通の人が感じていることを歌詞にしたりとか、「HOSOMEらしさ」を言語の部分でも突き詰めていきたいですね。

―何かを伝えようとしたり、表現しようとするということは、その向こう側に受け手としての「社会」があると思うのですが、そうした社会に対して、自分の表現はどうありたいと思いますか?

ナカジマ:社会に対してというよりは、自分の戦う土俵の同業者達(レーベルやメディア側)に何じゃこりゃと思わす方が、まず先かなとは思いますね。テレビのゴールデンに僕らが出れば、何らかしら何もしらない人達も勝手に変わってくるとは思いますし。

―じゃあまずは、HOSOMEの存在を知らしめていくというのがこれからの目標でしょうか?

ナカジマ:そうですね。より多くの人に知ってもらう他、無いですね。それは日本だけじゃなくて、海外の全人類も含めて。観たい人がいるならどこへでも行きますよ。みなさんオファーよろしくお願いいたします。そして観たことない人ライブへ是非起こし下さい。感じたことのない世界へお連れします。

リリース情報
HOSOME
『JAKAMASHI JAZZ』

2009年9月9日発売
価格:2,200円(税込)
DDCB-14401

1. Dream Machine Gun Orchestra
2. You Want To Be A HEN
3. Intel Yakuza
4. Gokigen Blast
5. Tired Man
6. So Utsu
7. スワン・ソング
8. Notledomの洞窟
9. Alternative Emotion
10. Fake Craction
11. Be Against The Daily
12. I or Die
13. メトロポリス・ポケットワールド

プロフィール
HOSOME

大阪ゼロ世代、最後の刺客。病的なまでにPOP MUSICを追求したらこんな風になりました!的なカラフルで鋭利な展開を持ちつつ、必殺のメロディフレーズを忍ばせる犯罪的なハイブリッド・ポップ・ミュージック! そんな彼等のここ最近の弾けっぷりと、更なるバンドの進化と楽曲のポップさは尋常じゃないレベルに達しそうです。アンダーグラウンド・シーンに於いて...ぶっちゃけ話題です! 初見の観客を瞬殺で虜にする凄絶なライブも必見。



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