コラム

2017年年間ランキング発表 読者が選んだ各ジャンルのベスト10は?

2017年年間ランキング発表 読者が選んだ各ジャンルのベスト10は?

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CINRA.NET編集部

波乱続きの社会情勢だった2017年も、もう間もなく終わろうとしています。CINRA.NETでは昨年から引き続き、読者のみなさんのお力をお借りして、音楽、映画、アート、ステージ、書籍の5ジャンルの年間ランキングを発表します。気になる結果は、巷の売上ランキングでも、専門メディアのランキングとも違う、CINRA.NETならではのものになりました。是非このランキングを見ながら、みなさんの2017年を振返っていただけたら幸いです。

2017年ランキング 音楽 / 映画 / アート / 演劇 / 書籍

【音楽編】時流をねじ伏せるほどの完成度、強固な作品性を有する作品がランクイン

文:山元翔一、川浦慧

10位 Bjork『Utopia』

Bjork『Utopia』ジャケット
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11月にリリースされたばかりのBjorkの新作が10位にランクイン。BjorkとArcaという美しくも狂気的な2つの才能が、新たな傑作を生み出しました。Bjorkの先鋭性や芸術性が、2017年においても有効であることを軽やかに証明した一枚と言えるのではないでしょうか。なお強烈なインパクトを放つジャケットは、ジェシー・カンダ、マスクをデザインしたジェームス・メリー、ベルリンを拠点に活動するHungryとBjork自身によるもの。

9位 Cornelius『Mellow Wave』

Cornelius『Mellow Wave』ジャケット
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Cornelius名義としては実に11年ぶりとなる新作。坂本慎太郎を作詞に迎えた“あなたがいるなら”をはじめとした、揺らぎのある音像が支配する楽曲、夢と現実を行き来するような世界観によって、2017年という時代の空気を見事に捉えた一枚です。また、『FUJI ROCK FESTIVAL '17』でかつての相棒である小沢健二と、同日・同時間帯に出演したことでも大きな話題を呼びました。

特集:Corneliusが11年ぶりのアルバムを語る。この11年何があった?

8位 椎名林檎『逆輸入~航空局~』

椎名林檎『逆輸入~航空局~』ジャケット
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2018年はデビュー20周年イヤー、2020年の東京オリンピック閉会式プランニングチームにも選出された、椎名林檎のセルフカバーアルバム。テレビドラマ『カルテット』(TBS)のエンディング曲でも話題を呼んだ“おとなの掟”をはじめ、SMAPや高畑充希などへの提供曲を収録。アレンジや歌詞にも変化があり、ただのセルフカバー集にとどまらない、ゾクゾク感たっぷりの椎名林檎の世界を堪能できます。

7位 Beck『Colours』

Beck『Colours』ジャケット
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オルタナティブミュージックの貴公子・Beckの3年半ぶりのアルバム。2015年に突如発表された“Dreams”や『FUJI ROCK FESTIVAL '16』での来日直前にドロップされた“Wow”をはじめとする、珠玉のポップナンバーを11曲収録した本作。落ち着いたトーンの前作から一転、痛快なほどにポップな作風で多くの音楽ファンの心を掴みました。また、『バズリズム02』(日本テレビ)への出演やDAOKOとのコラボレーションなど、意外性のある活動も話題に。

6位 tofubeats『FANTASY CLUB』

tofubeats『FANTASY CLUB』ジャケット
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数々の大物アーティストとのコラボを果たす、平成生まれ世代のトラックメイカーtofubeatsがランクイン。名盤『POSITIVE』(2015年発売の2ndアルバム)以来約2年ぶりにリリースされた本作では、2017年という時代を反映する「ポストトゥルース」をテーマに「曖昧さ」や「わからなさ」がポップに歌われています。tofubeatsが一貫して作り続ける「ポップミュージック」の魅力に改めて気付かされる一枚です。

5位 DÉ DÉ MOUSE『dream you up』

DÉ DÉ MOUSE『dream you up』ジャケット
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今年で活動10周年を迎えたDÉ DÉ MOUSEの6作目が5位にランクイン。「架空SFアニメの若いパイロット達の間で話題のヒットミュージック」という秀逸なテーマのもと生み出された、フューチャリスティックなサウンドが炸裂する快作です。ハウス~テクノ、エレクトロニカやEDM、ロックを飲み込んだDÉ DÉ MOUSEの新たな代表作が誕生しました。

4位 The xx『I See You』

The xx『I See You』ジャケット
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世界が待ち望んだThe xxの3作目。憂いを帯びたバンドサウンド、カラフルな電子音にオリヴァーとロミーの歌声が絡み合うことで生まれる、親密さと愛念に溢れた音楽に世界中が虜に。年明け早々にリリースされたこともあって、冒頭の“Dangerous”は新たな時代の幕開けを祝福するような響きすら放っていました。全英1位、全米2位を記録した傑作です。

特集:The xxへ念願インタビュー 超待望の新作からBrexitまでを訊く

3位 PUNPEE『MODERN TIMES』

PUNPEE『MODERN TIMES』ジャケット
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どれだけ多くの人が待ちわびたことか。板橋育ちのラッパー初のソロアルバムが3位にランクイン。2057年のPUNPEEが未来からの眼差しで、40年前の1stアルバムを回想する、まるでタイムトラベル映画のような作品です。『FUJI ROCK FESTIVAL '17』では、雨の中での見事なステージで多くの音楽ファンを惹きつけ、リリースツアーでは赤坂BLITZを即完。こんな一般人いません。

2位 CHAI『PINK』

CHAI『PINK』ジャケット
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ミュージシャンをはじめ、多方面から絶賛の嵐だった、CHAIの1stアルバム。今年のCHAIの勢いはすごかった。“sayonara complex”や “ボーイズ・セコ・メン”のMVなども大きな話題を呼び、SNSでもバズりまくっていました。さらに『SXSW』『FUJI ROCK FESTIVAL '17』に出演し、初のワンマンライブをソールドアウトさせるなど、2017年でもっとも勢いのあるガールズバンドだったと言えるでしょう。

特集:CHAI×POLYSICS この2組、やっぱり似てた!相思相愛の音楽対談

1位 Suchmos『THE KIDS』

Suchmos『THE KIDS』ジャケット
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2017年もSuchmosの破竹の勢いは止まらない。収録曲“STAY TUNE”はテレビCMに起用され話題を呼び、同作は『日本レコード大賞 最優秀アルバム賞』を受賞。お茶の間にまでトップアーティストとしての名を知らしめた、文句なしの2017年ベスト1でしょう。彼らの特徴とも言える説得力のあるグルーヴ感はパワーアップし、多方面から演奏技術の高さや楽曲のクオリティーへの賞賛を集めました。不特定多数のリスナーに届く、完成度の高いSuchmosの真骨頂と言える1枚です。

特集:Suchmosが夢見る成功は、まだ先にある。次世代への意識を語る

音楽編総括
2017年の音楽シーンを振り返るにあたり、SpotifyやApple Musicといったサブスクリプションサービスを通じて音楽に接することが当たり前になってきたということは、大前提として言及しておく必要があるでしょう。Drakeが自身の新作『More Life』を「アルバム」ではなく「プレイリスト」であると表現したことが象徴するように、もはや「アルバム」という作品単位がかつてほどの強度を持たなくなり、楽曲単位で音楽を享受することに多くのリスナーが楽しみを見出すようになった。2017年は、その傾向がよりブーストされた1年だったと振り返ることができるかと思います。

そういった視点を踏まえてこのランキングを俯瞰すると、単なる「楽曲の詰め合わせ」にとどまらない意味や作品性を有した「アルバム」としての魅力に溢れた作品が数多くランクインしていることがわかります。PUNPEE『MODERN TIMES』のように明確かつ強固なコンセプトのもとに描かれたもの、Beck、Cornelius、Bjorkといった才気みなぎるベテラン勢による快作。そして、SuchmosとThe xxの新作は時流をねじ伏せるほどの完成度を持ち、さらに2017年という時代の空気を描いてみせた傑作でした。またランキングとしては、CHAIが満を持して発表した『PINK』が第2位と大健闘したことも見逃すわけにはいきません。

アメリカでは、ケンドリック・ラマー、Migos、Futureをはじめとするヒップホップアクトがチャートを席巻し、実質的な売り上げにおいても頂点に君臨しました。ヒップホップの盛り上がりは今年に限った話ではないですが、その熱狂が「シーン」という局地的なものではなくなったのが2017年。つまり、ヒップホップがポップミュージックの中心になった年であるとこの1年を捉えることができるかと思います。

その大きな波は日本の音楽シーンやリスナーの気分にどのような影響を与えるのか。2018年も刺激的な1年になることを願って。

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