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『デジタルコミュニケーションが社会を変える』 Vol.3 明日のデジタルコミュニケーションアーティストたち

デジタルメディア、ソーシャルメディアが日常生活に浸透し、かつ進化を続けるいま。私たちにとっての「デジタルコミュニケーションの未来型」とはどんなものでしょう? 本連載ではこれまで、デジタルハリウッドの杉山知之学長や、インタラクティブデザイナーの中村勇吾さんに、その可能性を語っていただきました。

第3回では視点を少し変えて、2011年にデジタルハリウッドに新設された「本科:デジタルコミュニケーションアーティスト専攻(DCA専攻)」でいままさに修行中の学生さんが登場します。安定した前職をあえて離れて大胆な転身を目指すひと、ウェブ業界勤務を経てさらなる進化を望むひと。異なるフィールド、動機、キャラクターを持つ彼らが描く、それぞれのデジタルコミュニケーションアーティスト像とは? 等身大のリアリティと刺激を感じさせてくれる、挑戦の日々のお話です。

なぜデジタルハリウッドのDCA専攻だったのか―転職組から経験者まで、それぞれの事情

今回登場してくれたのは、現在、DCA専攻・全日2年制コースで学ぶ邉春(べはる)貴保さんと萬谷(よろずや)多喜恵さん。少し補足すると、DCA専攻には主に初心者向けの全日2年制コースと、デザイン経験者のための全日1年制コースがあります。ふたりがDCA専攻を選んだのには、各々の必然的な理由がありました。

萬谷:以前は人事コンサル会社で働いていて、社内データの管理や、営業的なことも少しやってきました。その中に、企業サイトのブランディングページ管理の仕事もあったんです。業務を通して「コレ面白いな〜」と思うサイトにもたくさん出会えた一方で、企業の看板ともいえるウェブサイトの重要性に意識が行き届いていないところもまだ多いと実感しました。それなら私は、企業サイト全体の魅力を底上げする仕事ができたらと思うようになって。でも当時、改善点は見えているのに、そのための技術が自分にないのが悔しかった。CSSって言葉は知っていても、自分で書くことはできない、みたいな感じです(苦笑)。

萬谷さん

異業種からの転身を目指す大きな舵切りをした萬谷さん。自分で設定した目標のために、まず幅広いスキルと視野を手に入れようと、DCA専攻を選択したそう。といっても肩に力が入った感じはなく、終始にこやかな笑顔とユーモアで場を盛り上げてくれそうな人柄です。それがクラスの中でも発揮されていくのですが、その話はまた後で……。ところで、ウェブデザインのみを専門に学ぶ場所もあったと思いますが、萬谷さんはなぜDCA専攻を選んだのでしょうか?

萬谷:自分の目標のためにも、一度ウェブデザインをきちんと学ばなければ、というのはたしかに必須でした。でも同時に、そこではきっと企画力も求められるし、私自身そこから手がけてみたいと思ったんです。だから、デザインだけでなくプロデュースやディレクション能力までカバーするDCA専攻は自分に合っていると思いました。DCA専攻には大人の学生も大勢いて、いい意味での厳しさがありそうなのもポイントでした。単に「学校で勉強してきました」って自己満足で終わらせないように。2年制にしたのは私のスキルも主な理由ですが、どうせやるなら深く・広くやりたい気持ちもあって選びました。

いっぽうの邉春さんは落ち着いた雰囲気もただよう凛々しい秀才タイプ(と勝手に人相判断)。そのバックグラウンドや、DCA専攻に進んだ動機も萬谷さんとは対照的です。彼はもともとウェブ制作会社勤務という経歴の持ち主。ウェブ制作の現場ですごす日々から、あえて「学び直す」道を選んだ理由とは?

邉春さん

邉春:たしかに、僕の場合は約5年間、実際にウェブ制作に関わってきました。正直にいうと、その実務の中で自分に行き詰まりを感じ始めたのがきっかけです。日々進化する技術やアイデア、またウェブが他メディアを巻き込んでいく動きも盛んないま、やはりそれを見据えたものづくりをしてみたい。でも、自分のいた環境で業務に追われる中では、それもなかなか難しくて。そこで、会社勤めを一度離れてもいいから、しっかり勉強しようと思ったのがきっかけです。

とはいえ、そういう希望に応えてくれる専門機関があるのかどうか、よくわからなかった邉春さん。多忙な日々の合間に時間をつくって調べているうちに、デジタルハリウッドのサイトにあった「DCA専攻新設」の紹介ページに辿り着いたそうです。

邉春:そこにあったコンセプト「ひとつのメディアのみにこだわらずにデザインし、企画する」というコンセプトを読んで、これって自分の考えていたことでは? と思いました。ちょうどその年から新たに始まるコースだというのにも何か縁を感じて、受講を決めたんです。

人事コンサル会社からの転身タイプ、かたや現役ウェブ制作スタッフとしての経験を経て、さらなる進化を求めるタイプ。まったく違うふたりが、同じクラスでデジタルコミュニケーションアーティストへの道を歩むことになりました。それってホントに可能なのか? という疑問は、話が進むにつれ、なるほどと思わせる展開に――。

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