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『デジタルコミュニケーションが社会を変える』 Vol.3 明日のデジタルコミュニケーションアーティストたち

同じ志を持つ者の中で 得意分野を見つけ、苦手を克服する

それぞれの立場から、実際にDCA専攻2年制コースに進んだふたり。それからほぼ1年が経つ現在まで、何を、どのように学んできたのでしょう? 1年目は基礎編として、先進のスキルと企画力を身につけながら、「現場の今」を意識したコースとのこと。いきなり居並ぶPCの前でカチカチと実技が始まるイメージもありますが、良い意味でその予想は裏切られたようです。

萬谷:最初は色彩とレイアウトなど、デザインの基礎を身につける授業が中心でしたね。タイポグラフィからモーショングラフィックまで、現在のデザイン実務に関わる内容も学びました。さらに、座学でメディアプランニングやデジタルマーケティングについての講義があったり……いま振り返ると、あまりコンピュータ漬けな感じのスタートではなかった。でも、私はそういうのも興味があるので楽しかったです。将来の交渉術にも役立ちそうだし(ニヤリ)。

邉春:最初から専門的な内容も含まれていたので、僕は「初心者の人にいきなりこれで大丈夫なのか?」って、勝手に少し心配になりましたが、後々の授業に進むにつれ、みんな前にやったことの意味がわかっていくんだって実感しました。こういってはアレですけど、やはり自分には一日の長があるというか、多少なりとも自信を持っていたところがあったと思います。でも、それもだんだん崩れてきて(笑)。

左:萬谷さん 右:邉春さん

ある分野の知識やソフトの使い方に誰よりも精通した「エキスパート」的存在も確かに重要ですが、やがてそこを目指すにせよ、またはそういう才能を集めてプロデュースやディレクションの立場に身を置くにせよ、必要最低限のデザイン知識・思想といったものがあります。だとすれば、まずはその基礎を実務レベルでしっかり学び、どちらに進むかは本人たちが決める――DCA専攻の教育思想はそんなところにあるのかもしれません。そして、同じ志を持つ約20名のクラスメイトと共に学ぶことで、ふたりはそれぞれ自分の長所を発揮し、苦手分野を克服していきました。

萬谷:実際、邉春さんはデザイン全般の経験値が高いから、クラスのお兄さん的な役にもなってますよね。デジタルハリウッドには講師たちと一緒に授業をサポートしてくれるティーチングアシスタント(TA)がいるけど、もう半分そんな感じで(笑)。

邉春:いえ、そんな(笑)。ただ「どういう意図で、どんな理由でこの知識が必要になる」っていうのがある程度はわかるので、それが見えなくて悩む人の相談にのることはありました。その点でいうと、TAの方々も、現場でお仕事している人ばかりなので、頼れる存在ですよね。

萬谷さん

萬谷:既存のサイトやムービーを皆で見て、「自分はこう見る」という分析結果をプレゼンし合う授業などもあったよね。

邉春:経験値といえば、萬谷さんはプレゼンが上手だよね…。僕も以前の職場でやることはあったけど、どうしても一方通行的なものになってしまって。DCA専攻では学生がプレゼンテーションする課題や機会も多いので、上手い人を見るとちょっとヘコむけど(苦笑)、すごく勉強になる。どれだけ良いモノを作っても最低限のプレゼンテーションができないと伝わらない/広がらないというのも、前より実感するようになってきた。

萬谷:私の場合、学生時代に弁論研究部だったからですかね。反対に、技術のほうで課題が多いのが悩みだけど(苦笑)。でも実際に、特にフリーで働く場合などは、自分が現場できちんと話せなくちゃって思います。リアルのコミュニケーションあってこそのデジタルというか。それと関連していえば、仮想クライアントを立てたプロモーション企画を考えたり、人を惹き付けるストーリーづくりの授業もありました。

企画力、技術力、プレゼン能力など、さまざまな要素を上手に用いて最善の結果を導けるバランス感覚は、次代のデジタルコミュニケーションの現場に求められる要素のひとつでしょう。もちろん、全員がオール5であることは難しいはず。けれど、他人の長所に気付き、それを引き出せたり、自分でも吸収できるようになれば大きな収穫です。そうして彼らは、授業をこなしつつも、教室を飛び出した独自企画を実現させることになります。そこには、実際の企業プロジェクトにも似た適材適所の試みがありました。

教室を飛び出した自主企画 ― Digit Holy Night

DCA専攻2年制の第1期生たちは、現在2年目にさしかかる、ちょうど折り返し地点にいます。それぞれが授業で得た知識や力を発揮するのは卒業後? かと思いきや、すでに教室の枠を飛び出し、いま自分たちにやれることを模索するプロジェクトにも乗り出しています。そこには「学生をやり直した」者だけが知る、学びの期間のありがたさと、だからこそ時間を無駄にできないというアグレッシブな姿勢がありました。そのきっかけは何だったのでしょう?

萬谷:DCA専攻に通い出してから、クラスの課題をしっかりやるのは当然として、もっといろんな人と知り合いたいと思うようになりました。会社勤めのときって、学生時代からの友だち付き合いもだんだん絞られてきて、決まった人とのお付き合いになりがちですけど。せっかくいま「学生」として自由に使える時間があるんだから、外に出なくちゃって。

邉春:それは僕もわかります。平日に美術館に行ったりできるありがたさは、大学生のころは実感できなかった(笑)。ひとりの時間も、いろんなクリエイターの文章やインタビューを読むことが増えました。

萬谷:でしょう〜? なんであのころの私は家で寝てばかりいたんだ?って(笑)。だから私は、いろんなパーティやイベントにも出かけるようになりました。デジタルハリウッド内でも5月に学科を超えた懇親会があったので、3DCG映像アーティスト専攻(CGA)クラスやデジタルハリウッド大学、大学院の方々とも知り合ったり、新しい出会いが増えてきて。楽しくてちょっと制作がおろそかになりそう…とか思いながら(笑)、でも同時に、ひとりでモノをつくっててもつまんねーぞ? って思うようにもなってきました。

そんな新たなつながりの中で、彼らは自主企画イベントを実行に移すことになります。それは、デジタルハリウッド在籍のDCA専攻学生と、CGA専攻学生がコラボレーションして実現したパーティ。ここで萬谷さんは持ち前の「人つなぎ」能力を、邊春さんは特設サイト制作をふくむ技術力と広報面での力を発揮しました。

『Digit Holy Night』

デジタルハリウッド専門スクールの学生が主催したクラブイベント。「Synapse」というコンセプトのもと、様々なアトラクションなどを用意した他、プロジェクターを使ったファッションショーを行うなど、色々な人をつなげる、刺激のある空間を作り上げた。イベント企画のほとんどをFacebook上のコミュニケーションで行ったというのも、デジタルハリウッドの学生らしいエピソードだ。

Digit Holy Night

邉春:もともとあのパーティは萬谷さん企画だよね。秋葉原のクラブを借り切って、クラスを超えてやってみようということで。

萬谷:CGA専攻の人に会場の映像をつくってもらったり、同じDCA専攻の1年制のみんながWiiリモコンで遊ぶインタラクティブゲームをつくってくれたり、普段仕事をしている週末クラスのみんながスタッフとして積極的に動いてくれたり、ホントにありがたかった。来場者は100人くらいの規模で、けして大きくはないけれど、すごく勉強にもなりました。

邉春:僕は前職でコーポレートサイトの制作が多かったので、こういう違うジャンルでの制作や広報がいい経験になりました。当日は会場でファッションショーも企画して、そこではDCA専攻とCGA専攻で協力して、プロジェクション・マッピングにもトライしたり、複合的に関わり合ったのも新鮮でしたね。

萬谷:もともとのきっかけが、お互い近い分野で学んでいるのに、学生同士の交流が少ないなと感じたことだったから。デジタルハリウッド以外の人も来てくれて、だから今年は学校間の交流にもなるイベントをもう一度やりたいですね。将来的に自分がこういう仕事をしたいのかも、というイメージをひとつ与えてくれた経験でもありました。

Digit Holy Night

このイベントはデジタルハリウッドのサポートを受けつつも、学生主体で実現させたもの。そこにはふたつの成長のポイントがあるように感じます。ひとつは、学校から与えられた課題を離れ、企画・予算・広報などすべて自分たちで担当し、現実的かつ魅力的なイベントに落とし込むというプロジェクトベースの実務体験。もうひとつは、それぞれがいま学んでいることを活かし、自分の得意分野で貢献し合う「チームと個人」という関係性の構築。邉春さんによる特設サイトには、充実感あふれるいくつもの顔が並んだパーティショットがありました。もちろん、実際の仕事では上手くいかないこともあるし、むしろそのほうが多いかもしれません。しかしこの日の体験は、将来の彼らが壁にぶち当たったときにこそ、想いの原点として支えになるものかもしれませんね。

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