ものを売る人なら知っておきたい、音楽×ブランドの6つの事例

音楽業界では、CDの売上が減少し、ライブ・グッズ・配信など新たな収入源を開拓しようとする動きが活発になり、もう何年も経つ。一方で、ブランド(本稿では、あらゆる企業や商品をこう呼ぶ)側は、テレビCMを打てばものが売れるという時代ではなくなった今、世の中へのアプローチ、特に接触するメディアが日々変化している10代へのアプローチ方法には、かなり頭を悩ませている。

「音楽」と「ブランド」、それぞれの課題を見つつ、両者の武器も把握し、互いがメリットを得られる企画を生み出しているのが、エンターテインメントマーケティングレーベル「Modern Age/モダンエイジ」にてコミュニケーションデザイナー / クリエイティブディレクターを務める高野修平だ。

今回、ものを売る仕事に就いている人や、音楽業界に携わるアーティストやスタッフなら知っておきたい、「音楽」と「ブランド」の掛け算によって人の心を動かし、売上にもつながった事例を6つ紹介してもらった。

認知はお金で買えるんです。でも、興味はお金で買えない。

—まず、高野さんがやられている「コミュニケーションデザイナー」という仕事はどういうものなのか、ご説明いただけますか?

高野:「コミュニケーションデザイナー」の定義は、会社によってバラバラで正解はないと思うんですけど、僕のなかでは、ブランドやアーティストのメッセージを伝えるための企画とかが世に出る前から、出たあと、さらにはその先まで、企画が動き続けるあいだのすべてを総合的にデザインする人のことだと思っています。要は、クリエイティブだったり、サイトだったり、メディアだったり、ユーザーとのタッチポイントのすべてを設計する人といった認識です。

—高野さんが「コミュニケーションデザイン」をするなかで、「音楽」と「ブランド」の掛け合わせに可能性を感じ始めたきっかけはなんだったんですか? 最近だと、感覚ピエロ×立命館大学(参考記事)や、My Little Lover×三井ガーデンホテルズ(参考記事)、SANABAGUN.×audio-technicaなどの取り組みを企画・実行されていましたよね。

感覚ピエロと立命館大学のコラボレーション企画の一環

My Little Loverと三井ガーデンホテルズのコラボーレンション企画の一環

SANABAGUN.とaudio-technicaのコラボーレンション企画の一環

高野:「トライバルメディアハウス」という会社にいる、ということは非常に大きいと思います。ブランドのマーケティングとかコミュニケーションデザインをする会社ですが、その一方で、THE NOVEMBERSやアイドルの神宿などのアーティストブランディングとか(参考記事:音楽ビジネスには何が足りない? 高野修平×THE NOVEMBERS)、音楽レーベル、マネジメントのお手伝いも増えていきました。ブランドと音楽の2つに関わっているからこそ、可能性も、課題も見えてきたんです。

—課題というと?

高野:たとえば、ブランド側とのお仕事もたくさんあるんですけど、僕が呼ばれるときって、だいたい音楽やエンターテインメントと自社をどう掛け合わせるかという悩みを抱えていることが多いんです。その際、みなさんがおっしゃるのは、音楽やエンターテインメントにすごく可能性を感じてらっしゃるということ。ただ、テレビCMとかのタイアップも素晴らしい方法だと思ってはいるけど、マーケティングがこれほど多様化したのに、音楽やエンターテインメントとの掛け算の仕方に「他の手段はないのか?」と。

一方で、音楽業界側も、「もっといろんな企業と組めたら、もっといろんな可能性が広がるかもしれない」という発想を持っている。そうやって両方のニーズがあるなかで、ちゃんと適切な文脈、かつ、なにか新しい試みも含めたコミュニケーションデザインを作ることで、両方にとっての効果を出したいと思っています。

—「マーケティングが多様化した」とおっしゃいましたが、ブランド側から見て、どのように変化しているのでしょう?

高野:ブランド側に限らない話ですが、わかりやすく例で言えば、認知だけのマーケティングは刺さらなくなりました。昔はテレビCMを含めた面の勝負で、認知を高める施策を打てば売れた時代でしたが、今はそういう時代ではなくなっています。「認知、プラス興味喚起」をどう作るのかが、マーケティングにおいて重要になってきている。認知はお金で買えるんです。でも、興味はお金で買えません。

これだけ情報の流れが変わり、ソーシャルメディアが普及し、可処分所得や時間の取り合いになり、商品もコモディティ化したなかで、目指すべき最終的なゴールはブランディングであると思っています。そこで重要なのは「想起」。「◯◯と言えば?」で最初に出てくるかどうか。そこに対して音楽はやっぱり有効で、ブランディングという観点において生き続けるものが作れると思っているんです。

高野修平
高野修平

—逆に、音楽業界側から見て、ブランドと掛け合わせることのメリットはどの辺にあるとお考えですか? それこそ、音楽業界もここ10~20年ですごく変わっていますよね。

高野:まずは、そもそも自分たちの音楽を広げる大きな一手になりますよね。組むブランドによってはブランディングにもなる。そしてマネタイズもできる。

—そこで「ミュージシャンが企業と組むのはかっこよくない」とか、「アーティストがブランドに寄り添ってなにかやるのはクリエイティブじゃない」みたいな意見も、音楽を作る側から出てくることもあるんじゃないかと思うのですが、いかがですか?

高野:そういう人もいると思うし、それはそれで健全だと思います。そのアーティストらしくないこと、スタイルに合わないことはやるべきではないと思います。戦略として企業と組まないというのも1つの手法です。

でも、たとえば、Mr.Childrenは昔からタイアップをよくやってますが、桜井(和寿)さんがすごいなと思うのは、その映画やドラマの世界観を維持して、その上でメロディーや歌詞にミスチルらしさを出しているからだと思うんです。それは、ものすごくプロフェッショナルだなといつも思います。

「氷結」のシリーズは、やっぱりすごく計算されてると思うんです。

—ここからは、音楽業界に携わる人や、なにかものを売ろうとしている人なら知っておきたい「音楽×ブランド」の最新事例を6つ挙げていただきます。まず、1つ目は?

高野:「キリン氷結」を挙げたいです。僕、お酒を一滴も飲めないから、お酒にあまり興味がないんですけど、それでも「氷結」のメロディーは口ずさめるんです。そうやって、ターゲット外の人間でも知っているというのは、音楽や音の力だと思っていて。

高野:そして、それが機能するのは、「氷結」が1つの型でやり続けているからだと思います。スカパラがいて、志村けんさんや高橋一生さんなど共演者は変わっても、型自体は変わらない。

これは僕も今まさに頭を抱えていることなんですけど、「型を継続する」って、すごく難しいんです。1つの型をやり続けるというのは、ブランド側に相当な理解がなければ難しい。担当者の異動もありますし。同時に音楽側もイメージが固定化するという懸念も生まれる。でも、やり続けないと、せっかくクリエイティブを通して作ったブランド資産が、お互いゼロになってしまうんです。「キリン氷結」が全然違うクリエイティブをいきなり始めたら、「これはなんのCMか?」とゼロベースになるわけです。

—特に高橋一生さんと浜野謙太(以下、ハマケン)さんのバージョンが発表されたときは、CINRA.NETでも、ニュース記事がかなりバズってました(高橋一生&浜野謙太&スカパラが氷結×ICEBOXのCMでセッション披露)。

高野:コーディネートが素敵ですよね。文脈というところで言うと、あえて「え?」という、驚きが作られている。「高橋一生って、ブルースハープ吹けるの?」とか、「志村けん、意外と三味線上手いじゃん!」みたいな。驚きと型がセットになってバズを生んでいますよね。

—たしかに、ハマケンさんも、SAKEROCKを知ってる人からすればトロンボーンを吹いていることに違和感はないですけど、知らない人からすれば驚きがあったのかもしれないですね。

高野:俳優のイメージが強いから、「あ、吹けるんだ」って。「氷結」のシリーズは、やっぱりすごく計算されてると思います。

アーティストの知名度に依存しない、コンセプト重視の選定をしているGAPのスタイルは、素晴らしいと思います。

—では、2つ目は?

高野:GAPの「1969 RECORDS」というプロジェクトです。

—GAPの創業の年である「1969」をキーワードに、ミュージックビデオやルックブックが制作・公開されたプロジェクトですね。

高野:なにが素晴らしいかって、新進気鋭のアーティストを使ったことだと思います。やっぱり、企業はコンテンツパワーが欲しいから、知名度があって有名な人ほどいいと考えることが多いわけです。

もちろん、若いタレントやアーティストであれば、自由がきくし安いというメリットはあるけれど、おそらくGAPはそういうスタンスではなくて、GAPのメッセージやコンセプトを伝えるなかで、ああいった人選をしているのだと思うんです。

—昨年はAwesome City Club、HAPPY、never young beach、環ROY×Taquwami×OBKR、雨のパレードが起用されていて、今年はyonige、Tempalay、Maika Loubte、JJJ、yahyelが登場しました。

高野:まだ「世の中ゴト」になっていないアーティストを使うのは、一般企業ではなかなか難しいことですけど、アーティストの知名度に依存しない、コンセプト重視の選定をしている企業のスタイルは素晴らしいと思います。しかもGAPは、ひとつのコンセプトの傘のもとにまとめて出して強くしていくというのが、また上手なやり方だと思いました。それに、このプロジェクトを今年も「継続」していますよね。

—しかも、映像内に「GAP」という文字は一切出てこないビデオが多いですよね。そこもまた、宣伝したい気持ちのあるブランド側にとっては、勇気のいる決断だなと。

高野:あれでもしミュージックビデオ内にGAPのロゴが出てきたりしていて、それがダサく見えていたら、GAPにとってもミュージシャンにとっても、マイナスになっていた可能性はありますよね。

そのさじ加減のジャッジメントは、どの場合においても肝なんだと思うんです。企業色が出すぎたらウザいし、出なかったら出なかったで企業側としては問題があるし。でも、だからこそ、そこが面白いところです。やり方が上手かどうかというのは、くすぐる要素や感情のスイッチを入れるきっかけをどこに置くか、ということだと思います。

コカ・コーラとunBORDEの企画は、ブランド側に対しても、新しい音楽との組み方を提示したと思います。

—それでは、3つ目をお願いします。

高野:コカ・コーラとunBORDE(ワーナーミュージック内レーベル)が、unBORDE5周年のときに組んだ企画です。1組のアーティストではなく、unBORDEというレーベルとして組むことで、無料招待のフェスをやったり、所属アーティストを集めて曲(“Feel”)を作ったり、1年通してコミュニケーションデザインをしていた。そうやって、瞬間風速的なキャンペーンをしなかったことが、すごく素敵だと思いました。

高野:あの企画は、アーティスト単体ではなく、レーベルとしてやれることがあるという、音楽との組み方の主語を「アーティスト」から「レーベル」に引き上げた素晴らしい事例だと感じました。たとえばきゃりーぱみゅぱみゅだけとのコラボだったら、また違ったと思うんです。音楽の聴き方が細分化されてきているからこそ、「レーベル切り」って今すごく大事だと思っていて。

—unBORDEのレーベルヘッドである鈴木竜馬さんを取材させてもらったときに(参考記事:unBORDE・鈴木竜馬を取材。ゲス乙女を巡る報道に対して提言も)、コカ・コーラの売り上げがかなり伸びたというレポートを受けたと話されていました。

高野:竜馬さんご自身が優れたクリエイターであり、マーケターだからだと思っています。これはブランド側に対しても、新しい音楽との組み方を提示したと思うんです。一つひとつのアーティストの影響範囲が狭いと、ブランド側としてはちょっと考えるところもあると思うんですけど、unBORDEのようにレーベルとしてタッグを組めるのはそれを解決する一手になり得るのではと。

unBORDEは「レーベル」という引き上げ方をしたもので、「金麦」は「音」というもので横軸を広げたようなイメージ。

—続いて、4つ目をお願いします。

高野:「サントリー金麦」のCM。これも「氷結」と同じで、お酒を飲めない僕でも、あのメロディーが歌えるんです。あのメロディーで、檀れいで、何年もやってるからこそ、まさに地層のように積み重なっていった。

僕は「金麦」や「氷結」、「そうだ 京都、行こう。」(JR東海)のような型を維持しているマーケティングを、「レイヤーマーケティングコミュニケーション」と呼んでいます。「金麦」も、あのメロディーが鳴った瞬間に「あ、金麦ね」ってなるし、電車の広告を見たら檀れいが夫を待っているシチュエーションが思い浮かぶ。マスマーケティングを使って、「記憶を記録していく」というのが上手な事例だと思います。

—たしかに、「金麦」と言われると、あのメロディーと檀れいさんの笑顔が自然と浮かんできますね。

高野:あと、「金麦」も、それこそ「そうだ 京都、行こう。」も、使われる音楽が必ずしも「アーティスト」でなくていい、ということを伝えられるものでもあると思います。アーティスト単位のタイアップが多いことに対して、unBORDEは「レーベル」という引き上げ方をしたものであって、「金麦」は「音」というもので横軸を広げたようなイメージ。世の中に出ているわかりやすいアーティストでなくても、ああいうふうに訴求できるというのは強いなと思いますね。

Origami Payの決済音を、サカナクションに作ってもらうという発想が新しいなって。

高野:という流れで、サカナクションとOrigami Payのことを話してもいいですか?

—はい、お願いします。

高野:Origami Payの決済音をサカナクションが作るというのは、すごいことですよね。「Origami Payのテーマソングを作る」とかならわかりやすいけど、決済音を、一郎さん(山口一郎。サカナクションのギターボーカル)に作ってもらうという発想が新しいなって。

高野:一郎さんが、インタビューで「音楽で企業のブランドをデザインすることをもっとしたい」とおっしゃっていたんですけど、本当にその通りだなと思いました。もっと音楽が融合できる余地はいっぱいあるんだということを、あの事例は示してくれた。

最初に、ブランド側が「CMタイアップ以外に方法はないのか?」と模索してると話しましたが、それに対する1つの解だと思うんです。マーケティングが多様化した上で、「あ、こういうやり方もあるんだ」と提示してくれた事例として素晴らしいと思います。

—一郎さんがインタビューで、「音で商品や企業をデザインしている事例は、海外には多いけど日本は無頓着だ」と発言しているのを私も読んで、まさにそうだなとハッとしました。

高野:僕もそれを読んで、すごく感動しました。「想いは一緒です!」みたいな(笑)。だって、Macを立ち上げたときの「ポーン」という1音だけで、Macを想起させるってすごいことじゃないですか? そういうことが、もっと日本で出てきても面白いなと思うんですよ。たとえば、エレベーター音だって、誰かに作ってもらったりして、もっと変わってもいいと思う。

—そういうのが増えていくと、みんなの日常が少し楽しくなりそうですね。

高野:そうですよね。そういうことも、1つの音楽ができる掛け算だと思うから、僕自身ももっとそういうのをやりたいなと思いますね。

—ミュージシャン側にとっても、ユーザーに対しての興味喚起やタッチポイントを増やす、という意味でいいだろうし。

高野:その通りだと思います。要は、ルートがたくさん作れる、イコール、ブランディングの価値や可能性が多様になる、ということなので。それに、シンプルにマネタイズのポイントが増える、という面でもミュージシャン側にとってはメリットですよね。

そういうことを考えていると、「未来は楽しいことしかなさそうだな」みたいな気がするんです。だってアーティスト側も、ブランド側も、まだ未開拓なところがいっぱいあるんですもん。

「カップヌードル」のCMは、コピーが「アオハルかよ」というのが、「おおお」という感じで。

—最後の1つ、お願いします。

高野:この前、授業(高野は尚美学園大学にて非常勤講師を務める)でも話したんですけど、「日清カップヌードル」の『魔女の宅急便』(1989年公開映画、宮崎駿監督)シリーズのCM。あれ、ちょっとびっくりしました。

—なぜでしょう?

高野:「カップヌードル」のCMって、おそらくターゲットは10代なんですね。でも、あのCMって、BUMP OF CHICKENの音楽で、『魔女の宅急便』を使って、キャラクターデザインは窪之内英策で、どう考えても世代が10代に合っていない。「どういうことだ?」と。

—たしかに、10代に向けるならもっと他の手法がありそうですね。

高野:おそらく、あのCMに対する賛否の「否」を出してるのは、「『魔女宅』世代」なんですよ。まさに、僕たちの世代から上。「キキはあんなんじゃない!」みたいな。

かつコピーが「アオハルかよ」というのが、「おおお」という感じで。「青春」って、青春が終わった人間が使う言葉だと思うんです。青春真っ只中の子たちは、「青春」なんて言葉を使わない。だから「アオハルかよ」って言った瞬間に、僕たちの世代が喋ってることになるんですよ。

—つまり、30代世代も巻き込んだコミュニケーションデザインになっていると。

高野:そう。でも、そこで「青春」と言わずに「アオハル」って言い換えることによって、10代の子たちは『アオハライド』(咲坂伊緒による漫画。2014年にはテレビアニメ化、映画化された)を思い浮かべる。だから若者にとっては、スパーンと入ってくる。

—実際、大学の生徒たちのリアクションはどんな感じだったんですか?

高野:ほぼほぼ、賛否の「賛」のほうでした。「素敵じゃないですか」って。今、若い子たちにどれだけアピールするかというのは、ブランド側にとっても死活問題なんです。若者へのアプローチの仕方って、どんどん変わってるから。

そこで「普遍的なものってなに?」と考えると、やっぱりエンターテインメントだと思うんです。そういうなかで、「音楽を活用して届けたい」ってブランド側がなったときに、僕たちModern Age/モダンエイジが上手くセッティングして、デザインして、コミュニケーションをする。ブランド側の言いたいことと、アーティストのやりたいことや届けたいことを翻訳してあげて、お互いが両思いになるような架け橋になれたらいいなと思っています。

音楽って、人類が作った一番の発明だと思ってるんです。だから、もっともっと音楽が日常に溢れる国にしたい。

—最後に、Modern Age/モダンエイジが理想とする、ブランド側とミュージシャン側にとっての世界はどういうものなのか、聞かせていただけますか。

高野:これからもアーティスト支援を含めた音楽マーケティングや音楽を絡めたブランドマーケティングを推進していきたいし、音楽とかブランドの多様な表現の仕方を提示し続けたいです。しかも、両方がハッピーになる形で。

僕は音楽に恩返しがしたいから、ミュージシャン側にとってブランディングやバズを作ることも当然やるけど、それプラス、お金を動かす、お金を循環させるということができるともっといいなと思っていて。それを僕一人じゃなくて、トライバルメディアハウスとして、Modern Age/モダンエイジチームとしてやりたいです。

Modern Age

—「お金を循環させたい」という想いの根底は、「音楽に恩返しをしたいから」という理由が大きいのですか?

高野:僕は社会人1年目の頃、鬱になって、「もう無理かもな」と思ったことがあって……家のドアを開けられないことがありました。でも、なんとかドアを開けられたのは、音楽のおかげだったんです。音楽を聴くことで僕はなんとか僕であれた。そういう意味でも僕は音楽で救われた人間だから、恩返しがしたいんです。

あと、僕の幼馴染に、メジャーデビューしたけど食えなくてやめちゃった人がいて。レコーディングエンジニアをやってたけど、足を洗っちゃった親友もいます。そういうのを見ていると、なんとも言えない気分になるんです。生意気ですけど、いい音楽をもっと届けるにはどうしたらいいか、どうしたらもっとアーティストがいい音楽を作り続けられる環境を整えられるのかって。

—音楽業界においては、マネタイズのポイントが揺らいでいる今だからこそ、高野さんやModern Age/モダンエイジの果たせる役目が、重要になってきそうですね。

高野:マネタイズって、フィジカルや配信だけとも限らないし、ユーザーからもらうだけとも限らない。僕、音楽って、人類が作った一番の発明だと思ってるんです。だから、もっともっと音楽が日常に溢れる国にしたい。

いろんな業界を巻き込んで、音楽がどうすれば広まるのか、聴いてもらえるのか、体験してもらえるのか。どうすれば誰かの音楽が、誰かの人生を変える一瞬をお手伝いできるのか。そういったことを考えて、実現させていきたいんです。

会社情報
Modern Age/モダンエイジ

マーケティングデザインカンパニー「トライバルメディアハウス」内の音楽を中心にエンターテインメント業界へのマーケティングを支援しつつ、ブランドとエンターテインメントを掛け合わせるコミュニケーションデザインを専門とするマーケティングレーベル。これまでもテレビ局、音楽配信会社、音楽レーベル / メーカー、アミューズメント施設といったエンターテインメント業界を支援しつつ、ブランド側としても教育機関、観光、食品、スポーツ団体、ホテル、音響機器メーカーなど多くのナショナルクライアントのマーケティングをプロデュースしている。エンターテインメントの融合イベントや音楽系商品のデジタルプロモーションの企画・運用、またメディア開発やアプリプロデュース、CDやイベントブース、商品のクリエイティブディレクション・コピー開発を行う。日本初のブランドマーケティングとエンターテインメントマーケティングを融合させたマーケティングレーベル。

プロフィール
高野修平 (たかの しゅうへい)

エンターテインメントマーケティングレーベル「Modern Age/モダンエイジ」レーベルヘッド。コミュニケーションデザイナー / クリエイティブディレクター。音楽を中心にエンターテインメント業界へのマーケティングを支援しつつ、ブランドとエンターテインメントを掛け合わせるコミュニケーションデザインが専門領域。日本で初のソーシャルメディアと音楽ビジネスを掛けあわせた著書『音楽の明日を鳴らす-ソーシャルメディアが灯す音楽ビジネス新時代-』、『ソーシャル時代に音楽を”売る”7つの戦略』を執筆。メディア出演、講演、寄稿など多数。2014年4月18日に3冊目となる『始まりを告げる《世界標準》音楽マーケティング-戦略PRとソーシャルメディアでムーヴメントを生み出す新しい方法-』を上梓。また、THE NOVEMBERSのコミュニケーションデザイン、クリエイティブディレクターも担当している。M-ON番組審議会有識者委員。尚美学園大学非常勤講師。



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