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ものを売る人なら知っておきたい、音楽×ブランドの6つの事例

ものを売る人なら知っておきたい、音楽×ブランドの6つの事例

トライバルメディアハウス
インタビュー・テキスト
矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
撮影:豊島望

「カップヌードル」のCMは、コピーが「アオハルかよ」というのが、「おおお」という感じで。

—最後の1つ、お願いします。

高野:この前、授業(高野は尚美学園大学にて非常勤講師を務める)でも話したんですけど、「日清カップヌードル」の『魔女の宅急便』(1989年公開映画、宮崎駿監督)シリーズのCM。あれ、ちょっとびっくりしました。

—なぜでしょう?

高野:「カップヌードル」のCMって、おそらくターゲットは10代なんですね。でも、あのCMって、BUMP OF CHICKENの音楽で、『魔女の宅急便』を使って、キャラクターデザインは窪之内英策で、どう考えても世代が10代に合っていない。「どういうことだ?」と。

—たしかに、10代に向けるならもっと他の手法がありそうですね。

高野:おそらく、あのCMに対する賛否の「否」を出してるのは、「『魔女宅』世代」なんですよ。まさに、僕たちの世代から上。「キキはあんなんじゃない!」みたいな。

かつコピーが「アオハルかよ」というのが、「おおお」という感じで。「青春」って、青春が終わった人間が使う言葉だと思うんです。青春真っ只中の子たちは、「青春」なんて言葉を使わない。だから「アオハルかよ」って言った瞬間に、僕たちの世代が喋ってることになるんですよ。

—つまり、30代世代も巻き込んだコミュニケーションデザインになっていると。

高野:そう。でも、そこで「青春」と言わずに「アオハル」って言い換えることによって、10代の子たちは『アオハライド』(咲坂伊緒による漫画。2014年にはテレビアニメ化、映画化された)を思い浮かべる。だから若者にとっては、スパーンと入ってくる。

—実際、大学の生徒たちのリアクションはどんな感じだったんですか?

高野:ほぼほぼ、賛否の「賛」のほうでした。「素敵じゃないですか」って。今、若い子たちにどれだけアピールするかというのは、ブランド側にとっても死活問題なんです。若者へのアプローチの仕方って、どんどん変わってるから。

そこで「普遍的なものってなに?」と考えると、やっぱりエンターテインメントだと思うんです。そういうなかで、「音楽を活用して届けたい」ってブランド側がなったときに、僕たちModern Age/モダンエイジが上手くセッティングして、デザインして、コミュニケーションをする。ブランド側の言いたいことと、アーティストのやりたいことや届けたいことを翻訳してあげて、お互いが両思いになるような架け橋になれたらいいなと思っています。

音楽って、人類が作った一番の発明だと思ってるんです。だから、もっともっと音楽が日常に溢れる国にしたい。

—最後に、Modern Age/モダンエイジが理想とする、ブランド側とミュージシャン側にとっての世界はどういうものなのか、聞かせていただけますか。

高野:これからもアーティスト支援を含めた音楽マーケティングや音楽を絡めたブランドマーケティングを推進していきたいし、音楽とかブランドの多様な表現の仕方を提示し続けたいです。しかも、両方がハッピーになる形で。

僕は音楽に恩返しがしたいから、ミュージシャン側にとってブランディングやバズを作ることも当然やるけど、それプラス、お金を動かす、お金を循環させるということができるともっといいなと思っていて。それを僕一人じゃなくて、トライバルメディアハウスとして、Modern Age/モダンエイジチームとしてやりたいです。

Modern Age

—「お金を循環させたい」という想いの根底は、「音楽に恩返しをしたいから」という理由が大きいのですか?

高野:僕は社会人1年目の頃、鬱になって、「もう無理かもな」と思ったことがあって……家のドアを開けられないことがありました。でも、なんとかドアを開けられたのは、音楽のおかげだったんです。音楽を聴くことで僕はなんとか僕であれた。そういう意味でも僕は音楽で救われた人間だから、恩返しがしたいんです。

あと、僕の幼馴染に、メジャーデビューしたけど食えなくてやめちゃった人がいて。レコーディングエンジニアをやってたけど、足を洗っちゃった親友もいます。そういうのを見ていると、なんとも言えない気分になるんです。生意気ですけど、いい音楽をもっと届けるにはどうしたらいいか、どうしたらもっとアーティストがいい音楽を作り続けられる環境を整えられるのかって。

—音楽業界においては、マネタイズのポイントが揺らいでいる今だからこそ、高野さんやModern Age/モダンエイジの果たせる役目が、重要になってきそうですね。

高野:マネタイズって、フィジカルや配信だけとも限らないし、ユーザーからもらうだけとも限らない。僕、音楽って、人類が作った一番の発明だと思ってるんです。だから、もっともっと音楽が日常に溢れる国にしたい。

いろんな業界を巻き込んで、音楽がどうすれば広まるのか、聴いてもらえるのか、体験してもらえるのか。どうすれば誰かの音楽が、誰かの人生を変える一瞬をお手伝いできるのか。そういったことを考えて、実現させていきたいんです。

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会社情報

Modern Age/モダンエイジ
Modern Age/モダンエイジ

マーケティングデザインカンパニー「トライバルメディアハウス」内の音楽を中心にエンターテインメント業界へのマーケティングを支援しつつ、ブランドとエンターテインメントを掛け合わせるコミュニケーションデザインを専門とするマーケティングレーベル。これまでもテレビ局、音楽配信会社、音楽レーベル / メーカー、アミューズメント施設といったエンターテインメント業界を支援しつつ、ブランド側としても教育機関、観光、食品、スポーツ団体、ホテル、音響機器メーカーなど多くのナショナルクライアントのマーケティングをプロデュースしている。エンターテインメントの融合イベントや音楽系商品のデジタルプロモーションの企画・運用、またメディア開発やアプリプロデュース、CDやイベントブース、商品のクリエイティブディレクション・コピー開発を行う。日本初のブランドマーケティングとエンターテインメントマーケティングを融合させたマーケティングレーベル。

プロフィール

高野修平(たかの しゅうへい)

エンターテインメントマーケティングレーベル「Modern Age/モダンエイジ」レーベルヘッド。コミュニケーションデザイナー / クリエイティブディレクター。音楽を中心にエンターテインメント業界へのマーケティングを支援しつつ、ブランドとエンターテインメントを掛け合わせるコミュニケーションデザインが専門領域。日本で初のソーシャルメディアと音楽ビジネスを掛けあわせた著書『音楽の明日を鳴らす-ソーシャルメディアが灯す音楽ビジネス新時代-』、『ソーシャル時代に音楽を”売る”7つの戦略』を執筆。メディア出演、講演、寄稿など多数。2014年4月18日に3冊目となる『始まりを告げる《世界標準》音楽マーケティング-戦略PRとソーシャルメディアでムーヴメントを生み出す新しい方法-』を上梓。また、THE NOVEMBERSのコミュニケーションデザイン、クリエイティブディレクターも担当している。M-ON番組審議会有識者委員。尚美学園大学非常勤講師。

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