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感覚ピエロと高野修平に学ぶ、音楽とブランド広告の幸せな関係性

感覚ピエロと高野修平に学ぶ、音楽とブランド広告の幸せな関係性

トライバルメディアハウス
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:岩本良介 編集:矢島由佳子

ドラマ『ゆとりですがなにか』で、主題歌のみならず挿入歌にも抜擢され、話題となったロックバンド・感覚ピエロ。彼らの新曲“等身大アンバランス”が、立命館大学によるすべての受験生を応援するプロジェクト「#がんばれ受験生」のテーマソングとなり、1月13日にフル尺の新曲ミュージックビデオが「Twitterのプロモトレンド」にて解禁されたことで、再び注目を集めた。

このプロジェクトを仕掛けたのは、マーケティングデザイン会社トライバルメディアハウス内のエンターテイメントマーケティングレーベル・Modern Age/モダンエイジ。レーベルヘッドは、ソーシャルメディアと音楽ビジネスを掛け合わせた著書をいくつも執筆し、レコード会社やブランドへのマーケティングコミュニケーション支援も務める高野修平だ。

インディペンデントな活動を貫きながら、マスメディアや大手企業などとも堂々と渡り合い、常に新しい試みに挑戦してきた感覚ピエロ。画期的なアイデアで、今までにないブランドデザインやプロモーションを展開してきた高野。今回、彼らはこのプロジェクトに対して、どのような狙いで取り組み、実際にどのような手応えがあったのだろうか。バンドのギタリストで、自主レーベル「JIJI RECORDS」を運営する秋月琢登と、ボーカリストの横山直弘、そして高野に話を聞いた。

まったく無名なバンドでも、アイデアひとつで世界中に知れ渡る時代ですよね。すべての表現方法がそうなりつつあると思う。(秋月)

―感覚ピエロのお二人にお会いしてまずお聞きしたかったのが、ドラマ『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系、2016年4月~6月に放送)の主題歌として“拝啓、いつかの君へ”が起用され、ミュージックビデオがそのままドラマのオープニングとして使われたり、本編でも“O・P・P・A・I”が流れたりと、なぜあれほどオイシイ使われ方をしたのか? ということだったんです。

秋月(Gt):“拝啓、いつかの君へ”は、ドラマが放送される前の年(2015年)にリリースした曲なんですけど、それを水田伸生監督がたまたま聴いてくれていたみたいで。昨年の頭くらいに、「あの楽曲を使わせてほしい」という電話が僕のところに来て、何度か話しをさせていただくなかで決まりました。

それで、ドラマの脚本を読んだら「おっぱい」っていうセリフがたくさん出てきて。ちょうど僕らに“O・P・P・A・I”という曲があると監督に話したら、それも知ってくれていたんです(笑)。僕らの楽曲を、作品の一部にしてもらえたのは純粋に嬉しかったですね。単に政治的なタイアップではまったくなかったし、一緒にもの作りをさせていただいている感覚でした。

―感覚ピエロが、レーベルや事務所に所属せず、完全にインディペンデントな活動を貫いてきたのはなぜでしょう?

秋月:「全部自分たちで、自由にできたらいいよね?」という発想から、マネジメントもレーベル経営もやり始めて、ビジネス的な部分は僕が担当するようになっていったんです。軌道に乗ってくると、「ちょっとこれは無理かな?」と思うことも、「とりあえずやってみよう」っていう反骨精神が湧いてくるんですよね。

左から:高野修平、秋月琢登、横山直弘
左から:高野修平、秋月琢登、横山直弘

―反骨精神?

秋月:これまでのテンプレートに沿った活動をやるよりは、新しいことを成し遂げていったほうが単純に面白いじゃないですか。まったく無名なバンドでも、アイデアひとつで世界中に知れ渡る時代ですよね。音楽だけでなく、すべての表現方法がそうなりつつあると思う。そんななかで、自分たちが取るべき選択肢を考えていると、できることって未知数で、そこは自分たちで見つけていったほうが絶対に面白いと思うんですよね。

僕らは今年で結成4年目なんですけど、メジャーとかインディーとか、そういう垣根がどんどんなくなってきている。インディペンデントでも、すごくやりやすい状況になっているし、「音楽を続けていく」ということでは、所属している場所とかそんなに重要じゃないような気がします。

秋月琢登

―メジャーの力に頼らずやっているバンドはたくさんいるけど、Twitterのフォロワー数もライブの動員も、なかなか伸びないバンドが多いですよね。そんななか、感覚ピエロがインディペンデントなスタンスを貫いたまま、Twitterのフォロワー数も約5万人いたり、Zepp規模で全国ツアーを回ったりするくらいにまで広がった要因は、なんだと思いますか?

秋月:うーん……タイミングがよかったのと、常に周りの人たちが味方してくれたからだと思うんですよね。あとは、自分たちの立ち位置を確認しつつ、その時々でやりたいことをやっていたら、結果的にこうなっていたとしか言いようがない。

「こっちのほうが、もっとできることあるかも」と思って進んでいくと、だんだん天井が見えてきて。「もうすぐ頭がつくから、次の天井を考えなきゃ」と思っているうちに、半年前には「絶対無理」と思っていた天井はすでに下にあって、「あれ、まだまだいける」って思うんです。

クライアント側とアーティスト、両方にとってフェアに価値を生めるような「文脈」を作れるかどうかが大事。(高野)

―高野さんが今回、立命館大学による受験生応援プロジェクト「#がんばれ受験生」で、感覚ピエロを起用しようと思った経緯は?

高野:誰を起用すべきか考える際に、僕のなかで4つ条件がありました。受験生たちがよく聴いているアーティストであること。アーティストと立命館大学に関係があること。「#がんばれ受験生」に賛同してくれること。解釈次第で、多くの人が前を向ける歌を書けること。

そのときに思い浮かんだのが、感覚ピエロでした。彼らのことは『ゆとりですがなにか』の前から知っていて、楽曲はもちろん、スタンスも含めてかっこいいバンドだなと思っていたんです。「いつか一緒に仕事がしてみたい」って、前から思っていました。

秋月横山(Vo,Gt):ありがとうございます(笑)。

高野:アーティストさんをクライアントワークで起用させてもらうとき、最も大事にしているのが「僕自身がファンである」ということです。そして、クライアント側とアーティスト、両方にとってフェアに価値を生めるような「文脈」を作れるかどうか。ブランド起点とアーティストやエンターテイメント起点を同時着眼として描けるかどうかが、重要だと思っています。

そんななか、横山くんが立命館大学出身であるということや、感覚ピエロのファンと、今回のプロジェクトのターゲット、つまりティーンである受験生は、きっと重なるだろうと。さらに、感覚ピエロのミュージックビデオの監督を務めている太田(タイキ)さんも立命館大学出身という点が揃ったときに、感覚ピエロしかありえないと思って、オファーをしました。

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リリース情報

感覚ピエロ『等身大アンバランス』
感覚ピエロ
『等身大アンバランス』(CD)

2017年2月22日(水)発売
価格:1,944円(税込)
JIJI-0009

1. 等身大アンバランス
2. 加速エモーション
3. CCC
4. TELL ME WHY
5. チェシャ

イベント情報

『感覚ピエロ ワンマンツアー2017』

2017年6月3日(土)
会場:福岡県 Live House CB

2017年6月4日(日)
会場:岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM

2017年6月11日(日)
会場:北海道 札幌 Sound lab mole

2017年6月23日(金)
会場:東京都 お台場 Zepp DiverCity

2017年6月24日(土)
会場:愛知県 Zepp Nagoya

2017年6月30日(金)
会場:大阪府 Zepp Osaka Bayside

プロフィール

高野修平(たかの しゅうへい)

エンターテイメントマーケティングレーベル「Modern Age/モダンエイジ」レーベルヘッド。コミュニケーションデザイナー / クリエイティブディレクター。音楽を中心にエンターテイメント業界へのマーケティングを支援しつつ、ブランドとエンターテイメントを掛け合わせるコミュニケーションデザインが専門領域。日本で初のソーシャルメディアと音楽ビジネスを掛けあわせた著書『音楽の明日を鳴らす-ソーシャルメディアが灯す音楽ビジネス新時代-』、『ソーシャル時代に音楽を“売る”7つの戦略』を執筆。メディア出演、講演、寄稿など多数。2014年4月18日に3冊目となる『始まりを告げる《世界標準》音楽マーケティング-戦略PRとソーシャルメディアでムーヴメントを生み出す新しい方法-』を上梓。また、THE NOVEMBERSのコミュニケーションデザイン、クリエイティブディレクターも担当している。M-ON番組審議会有識者委員。尚美学園大学非常勤講師。

感覚ピエロ
感覚ピエロ(かんかくぴえろ)

2013年7月大阪にて結成。結成直後、自主レーベル&マネジメント「JIJI / JIJI RECORDS」(Just Imagine. Just Idea.)を設立。確信的に中毒性の高い楽曲と圧巻のライブパフォーマンス、驚異的な活動スピードを持ちながらも、どこにも属さずにこれまでのすべてをメンバーの自主プロデュースで活動してきた感覚ピエロ。『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』『RADIO CRAZY』などの大型フェスにも数多く出演しており、2016年6月にリリースされた2ndミニアルバム『不可能可能化』収録曲“拝啓、いつかの君へ”は宮藤官九郎が脚本を務める日曜ドラマ『ゆとりですがなにか』の主題歌に抜てきされる。現在もなお、「メジャー」「インディー」問わず、自己・唯一無二である彼らの活動は止まらない。

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