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感覚ピエロと高野修平に学ぶ、音楽とブランド広告の幸せな関係性

感覚ピエロと高野修平に学ぶ、音楽とブランド広告の幸せな関係性

トライバルメディアハウス
インタビュー・テキスト
黒田隆憲
撮影:岩本良介 編集:矢島由佳子

曲作りの上では「立命館大学の受験生」がターゲットであることは、あまり関係ない。(横山)

―そもそも、Modern Age/モダンエイジは「エンターテイメントマーケティングレーベル」とのことですが、どんな特徴があるのでしょうか?

高野:事業の強みは、大きく2本の軸があります。ひとつは、たとえばアーティストのプロモーション支援や、レコード会社やテレビ局など、いわゆるエンターテイメント業界の方々へのマーケティングやコミュニケーションデザインの支援です。

もうひとつは、今回のように、音楽などのエンターテイメントとプロモーションにもなり、ブランドのプロモーションにもなる、エンターテイメントとブランドの掛け算を目指したコミュニケーションデザインです。

高野修平

―今回のプロジェクトにおいては、どのように立命館大学と感覚ピエロの「掛け算」を作ろうとしたのでしょう?

高野:立命館大学との「#がんばれ受験生」プロジェクトは2016年からやっていて、初回は「コピーとお守り的な画像」をTwitterで展開しました。初年度だったので、ストレートにやろうと。

ただ、このときも今年も、コンセプトは変わっていなくて、立命館大学を受験する人もしない人も含めた「すべての受験生を応援しよう」というものです。新聞における企業の意見広告のようなもので、「すべての受験生への応援広告を実施しませんか?」という提案から始まりました。

―ただ、新聞に載せるのではなく、Twitterを媒体として選ばれましたね。

高野:メッセージを伝えたい受験生がもっともいる場所は、Twitterであると考えたからです。2016年も、Twitterのプロモトレンド(Twitterのトレンドリストの一番上に表示される24時間限定の広告枠)を使って、センター試験の前日に実施しました。

当日は、受験生はもちろん、センター試験を体験した先輩たちからのエール、企業からの応援と、1日のあいだにとても大きなうねりが起きたんです。それで、今年もセンター試験の前日に、プロモトレンドを使うことになって、2016年と同じ形でいくか、なにか新しいことを挑戦するかを思案していたときに、「応援歌」はどうかと思ったんです。

左から:高野修平、横山直弘、秋月琢登

―その「応援歌」を歌ってもらうアーティストとして、感覚ピエロを選ばれたと。感覚ピエロは、今回のオファーが来たときにどう思いましたか?

秋月:インディペンデントな活動をしていくなかで、いろんな人たちと関わるんですけど、Modern Age/モダンエイジがやろうとしていることは新しいなと思いました。既存のテンプレートに沿ったことをやっていないという点では、自分たちの活動と共通している部分もあるなと。全体のコンセプトもいいなと思いましたね。

横山:今まで自分たちが取り組んだことのない、新しいタイプの仕事がきたなと。しかも、自分の出身校のプロジェクトということで、自分の人生とリンクする部分もあって、身の引き締まる思いでした。

ただ、曲作りの上では「立命館大学の受験生」がターゲットであることは、あまり関係ないというか。人生の岐路に立ちながら頑張っているすべての人に向けた楽曲になったと思います。

左から:横山直弘、秋月琢登

―個人的な動機として「立命館大学」というキーワードは大きかったけど、作品として世に出すときには、もっと普遍的なものになったと。

高野:そこは僕らとしても同じ思いでした。露出の確保という点や多くの人にリーチできるという点はもちろんですが、音楽やエンターテイメントとブランドを掛け合わせてコミュニケーションデザインをするとき、双方にとって価値あるものでなければなりません。今回のプロジェクトは、立命館大学からの提案ではありますが、感覚ピエロにとっても当然メリットがなければ意味はないということです。根っこでつながることで、生み出される価値というか。

「#がんばれ受験生」というテーマを掲げているので、もちろんメインターゲットは受験生なのですが、立命館大学と感覚ピエロが掛け算することで、なにかに悩んでいる人、迷っている人、決断を迫られている人、そういう人たちすべてに刺さる楽曲にしたいと思っていました。そういう背景も込めて、彼らにお願いをしたんです。

音楽には記憶を格納する力があります。この歌が届いた方たちや受験生たちにとって、生涯忘れられない1曲になればと嬉しいなと。(高野)

―今回のプロジェクトを実施するにあたって、既存曲ではなく「書き下ろし楽曲」にするというのは、高野さんからのリクエストだったのでしょうか?

高野:はい。というのも今回、「応援歌となる楽曲とミュージックビデオを、Twitterのプロモトレンドでフル公開する」というアイデアがまずありました。僕が知る限り、この形での新曲発表は、世界中でもあまりないはずなんです。それに、せっかくTwitterのプロモトレンドというデジタル上でのマスマーケティングに近い場所を扱えるのなら、感覚ピエロにとっても最高のプロモーションにしたいと思っていました。

左から:高野修平、横山直弘、秋月琢登

―ほとんど誰もやったことのないことをやるのには、当然リスクも伴いますよね。

高野:リスクも大きかったんですが、そこに挑戦することに意義があるんじゃないかと。そこで使われる楽曲と映像は、感覚ピエロの事を知ってる人はもちろん、知らない人にとっても「これは私の歌だ」と思ってもらう必要があると考えました。

音楽には記憶を格納する力があります。なので、この歌が届いた方たちや受験生たちにとって、生涯忘れられない1曲になればと嬉しいなと。そういった観点からも、書き下ろし以外の選択肢はない、そうでなければ成立しないと思ったんです。

―そうしたリスクもある新しい企画に挑戦することに対して、立命館大学側の反応はどうだったのでしょう?

高野:ありがたいことに即決でした。プレゼンしたその場ですぐ「やりましょう」と。立命館大学自体が、「Beyond Borders」というビジョンを掲げていて、「超えていけ。挑戦しよう」といったスタンスをお持ちなんです。

そもそも、すべての受験生を応援するという点にGOを出してくださったわけです。普通だったら、「立命館大学を受ける受験生」に向けた企画を考えると思うんですよね。それが、「立命館大学は関係ない」と言い切れるところは、まさに「Beyond Borders」だなと。立命館大学の方々には、ベンチャー企業のようなマインドを感じています。

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リリース情報

感覚ピエロ『等身大アンバランス』
感覚ピエロ
『等身大アンバランス』(CD)

2017年2月22日(水)発売
価格:1,944円(税込)
JIJI-0009

1. 等身大アンバランス
2. 加速エモーション
3. CCC
4. TELL ME WHY
5. チェシャ

イベント情報

『感覚ピエロ ワンマンツアー2017』

2017年6月3日(土)
会場:福岡県 Live House CB

2017年6月4日(日)
会場:岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM

2017年6月11日(日)
会場:北海道 札幌 Sound lab mole

2017年6月23日(金)
会場:東京都 お台場 Zepp DiverCity

2017年6月24日(土)
会場:愛知県 Zepp Nagoya

2017年6月30日(金)
会場:大阪府 Zepp Osaka Bayside

プロフィール

高野修平(たかの しゅうへい)

エンターテイメントマーケティングレーベル「Modern Age/モダンエイジ」レーベルヘッド。コミュニケーションデザイナー / クリエイティブディレクター。音楽を中心にエンターテイメント業界へのマーケティングを支援しつつ、ブランドとエンターテイメントを掛け合わせるコミュニケーションデザインが専門領域。日本で初のソーシャルメディアと音楽ビジネスを掛けあわせた著書『音楽の明日を鳴らす-ソーシャルメディアが灯す音楽ビジネス新時代-』、『ソーシャル時代に音楽を“売る”7つの戦略』を執筆。メディア出演、講演、寄稿など多数。2014年4月18日に3冊目となる『始まりを告げる《世界標準》音楽マーケティング-戦略PRとソーシャルメディアでムーヴメントを生み出す新しい方法-』を上梓。また、THE NOVEMBERSのコミュニケーションデザイン、クリエイティブディレクターも担当している。M-ON番組審議会有識者委員。尚美学園大学非常勤講師。

感覚ピエロ
感覚ピエロ(かんかくぴえろ)

2013年7月大阪にて結成。結成直後、自主レーベル&マネジメント「JIJI / JIJI RECORDS」(Just Imagine. Just Idea.)を設立。確信的に中毒性の高い楽曲と圧巻のライブパフォーマンス、驚異的な活動スピードを持ちながらも、どこにも属さずにこれまでのすべてをメンバーの自主プロデュースで活動してきた感覚ピエロ。『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』『RADIO CRAZY』などの大型フェスにも数多く出演しており、2016年6月にリリースされた2ndミニアルバム『不可能可能化』収録曲“拝啓、いつかの君へ”は宮藤官九郎が脚本を務める日曜ドラマ『ゆとりですがなにか』の主題歌に抜てきされる。現在もなお、「メジャー」「インディー」問わず、自己・唯一無二である彼らの活動は止まらない。

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