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Over The Dogs インタビュー

Over The Dogs インタビュー

インタビュー・テキスト
タナカヒロシ
撮影:柏井万作
2010/06/04

人それぞれ考え方が違うのは当然だから、「うん、そうだよね」って思ってくれたらラッキーだし、「そうじゃねーべ」って思ってくれたら、むしろ作戦通りというか。

―恒吉さんのなかで「いい曲」っていうのは、どんなものですか?

恒吉:自分のなかでほんとにグッとくる歌詞が、絶対に一行はないといけないなと思ってます。その一行を引き立てるためなら、変な話、前後の歌詞はくだらなくてもいいんですよ。その一行が自分のなかで最高だったら、その曲は成り立つんで。

―キラーワードみたいな感じですね。1曲だけでいいんですけど、そのキラーワードを教えてもらえますか?

恒吉:何がいいだろうなぁ…。例えば、“マルデメロス”の「君に言わなきゃ だけど嫌われちゃうかな」っていう歌詞は、すげーかっこ悪いんですけど、実際言ったら嫌われるのかなって、女の子に対してだけではなく、いつもビクビクしながら喋ってるときがあって。

―あー、そういうことって、逆に歌とかじゃないと言えないですよね。バンドのメンバー内でも、「ここの歌詞がグッときたよ」みたいな話をしたりするんですか?

ダイキ:歌詞についてはあんまり話はしないですね。

恒吉:メンバーによって、後から言ってきたりするやつはいますけどね。「あれはよかったー」とか。

Over The Dogs インタビュー
佐藤ダイキ

ダイキ:理解ができない歌詞も、メンバー各々あるし。「えっ、そう?」みたいな。でも、それは価値観じゃないですか。そういう解釈の仕方もあるのかなって。全然、否定的な意味で理解ができないというわけじゃなくて。

―理解できないほうがおもしろいっていうときもありますしね。

恒吉:なんか、例えば「愛はこうだ」とか、オチをつけすぎるとおもしろくないと思うんですよ。聴いてても説教されてるみたいな気分になっちゃう。だから、「こうですよ」っていうよりは、「こうじゃないかな」とかって、ちょっと余裕を持たせた感じというか。人それぞれ考え方が違うのは当然だから、「うん、そうだよね」って思ってくれたらラッキーだし、「そうじゃねーべ」って思ってくれたら、むしろ作戦通りというか。

“最大幸愛数”っていう曲は、「愛」よりももっといい、違う言葉を見つけたいっていう気持ちで作った曲。

―歌詞には共感してもらわなくてもいい?

恒吉:そうですね。アルバムには入ってないですけど、“愛”って曲があって、「愛というものがあるなら 僕は信じて生きよう/愛というものがあるなら 僕は疑ってみよう」っていう歌詞があるんです。まさしくそれで、みんないろんなものを疑って聴いてもいいと思うし。“愛は勝つ”っていう歌もあるけど、たぶん負けることもあるだろうし。結論づけると、逆に嘘臭くなってしまうときもあると思うんです。ちょっと余裕を持って歌詞を書いたほうが、賛否両論あっておもしろいんじゃないかと。

―共感よりも、そこから想像を膨らませてほしい?

恒吉:はい。今回のアルバムは『A STAR LIGHT IN MY LIFE』というタイトルで、直訳すると「私の人生における星の光」っていう意味なんですけど、別に本当に星のことではなくて、「自分のなかの照らしてくれるもの」みたいな。それは彼女でもよければ、大切にしているおもちゃでもいいし、ペットでもいいし、シャーペンでもなんでもいいんですけど、「私の人生における最高の恋人」って特定しちゃうよりも、「星の光」って言っておいて、それぞれが思い浮かべればいいと思うんです。それがシャーペンと言われたって、何か大事な思い入れがあって、人生を照らしてくれるシャーペンなら、僕は絶対に否定できないし。

―いろんなモノに置き換えられる言葉にしたかったんですね。

恒吉:好きなように捉えられる言葉だったら、一番いいなと思って。最後の“最大幸愛数”っていう曲は、「愛」よりももっといい、違う言葉を見つけたいっていう気持ちで作った曲なんです。愛の歌って、みんなが歌ってるから、もう歌い尽くされてるじゃないですか。「僕はそれを最大幸愛数と呼ぼう」っていう歌詞があるんですけど、別に「みんな呼んでね」って特定しているわけじゃなくて、「〈愛している〉よりも、もっと素晴らしいことを探しているんだよ」って。

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リリース情報

Over The Dogs<br>
『A STAR LIGHT IN MY LIFE』
Over The Dogs
『A STAR LIGHT IN MY LIFE』

2010年6月9日発売
価格:2,100円(税込)
MODERN TIMES RECORDS / MDTR002

1. A STAR LIGHT IN MY LIFE
2. マルデメロス
3. みぎてひだりて
4. サカナカナナニカナ
5. 彼女によろしく
6. 地球生命体
7. セロリは嫌い
8. 蟻と少年と内緒事
9. ロックンロールは簡単だ
10. もしも僕がシェフなら
11. 星に何万回
12. おとぎ話
13. ラバーボーイラバーガール
14. 最大幸愛数
※シークレットトラックあり

プロフィール

Over The Dogs

{プ恒吉豊(Vo&Gt)、樋口三四郎(Gt&Cho)、佐藤ダイキ(Ba&Cho)、星英二郎(Key&Cho)、田中直貴(Dr)の5人からなるロックバンド恒吉豊のハスキーな天然系ハイトーンボイスと独特な歌詞は聴く者の心を揺さぶり、それを支える楽器隊はこの5人でしか為し得ないアレンジでその世界観を広げている。

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