インタビュー

『ばかのうた』星野 源 インタビュー

『ばかのうた』星野 源 インタビュー

インタビュー・テキスト
タナカヒロシ
撮影:柏井万作
2010/06/25

ひとりぼっちの怖さみたいなことより、普通の幸せがなくなることの恐怖っていうのが、いま自分のなかですごく気になってるんです。

―今回のアルバムは、いままで作り貯めた曲をレコーディングしたんですか?

星野:前から作っていたものもあるんですけど、それは3分の1くらいで、あとは全部新曲なんです。前に作っていた曲は、嫌なことがあったりとか、悲しいことがあったときに、ポロッとできることが多くて。“ばらばら”とか“ばかのうた”はそうなんですけど。今回はそれだけじゃ曲が足りないので、初めてアルバムのために歌作りをしたんです。

―古い曲と新しい曲では、作り方も違ったりするんですか?

星野:曲の作り方は変わらないですけど、詞の内容は変わってきてると思います。自分が作ると、どうしても切ない雰囲気のものになってしまうんですけど、聴いてもらった人に言われて納得したのが、昔の曲は「ひとりぼっちの悲しさ」があるんだけど、新しい曲は「周りに人がいるなかでの悲しさ」があるって。確かに“老夫婦”とか、夫婦の歌が多いですし、ひとりぼっちの怖さみたいなことより、普通の幸せがなくなることの恐怖っていうのが、いま自分のなかですごく気になってるんです。

『ばかのうた』星野 源 インタビュー

気持ちって常に何本か同時進行だと思うんですよ。

―それは何かきっかけになる出来事があったんですか?

星野:それが自分でもよくわからなくて。昔から、楽しいー! みたいな歌がまったくできなくて、どうやっても悲しくなってしまうんです。 “子供”っていう曲も、本当にただ幸せな日常を歌った曲なんですけど、自分としてはものすごく悲しい気持ちで書いてて。こんな普通の幸せ、なかなかないよなって。昔から幸せなものをみると、なぜか恐怖を感じるんですよね(笑)。

―でも、悲しいということを否定している感じでもないですよね。

星野:そうですね。人間って、激怒してるときに笑っちゃったりするときがあるじゃないですか。「コノヤロー、ハハハ(笑)」みたいな。そういうバランスというか、ひとつの感情をずっとキープできる人って、あんまりいないと思ってて。すごい落ち込んでるときとかも、なんかニヤニヤしちゃったりとか。友達と楽しい話をしてるときも、親が具合悪くてっていうことを考えながら笑ってたりとか。気持ちって常に何本か同時進行だと思うんですよ。そういう歌ができたらいいなと思って。

―だから、切ないけど、ちょっとホッとする感じがあるのかもしれないですね。

星野:人によって聴き方が変わればいいなって。そのときどきで、その人の波長に合う部分に触れてくれればいいですね。

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リリース情報

星野源<br>
『ばかのうた』
星野源
『ばかのうた』

2010年6月23日

価格:2,940円(税込)
SPEEDSTAR RECORDS VICL-63626

1. ばらばら
2. グー
3. キッチン
4. 茶碗
5. デイジーお味噌汁(Instrumental)
6. 夜中唄
7. 老夫婦
8. くせのうた
9. 兄妹
10. 子供
11. さようならのうみ(Instrumental)
12. 穴を掘る
13. ただいま
14. ひらめき
15. ばかのうた

プロフィール

星野源

81年埼玉生まれ。SAKEROCKのリーダー兼ギタリスト、マリンバ奏者。俳優。近年ではドラマ『ゲゲゲの女房』、『去年ルノアールで』、映画『ノン子36歳(家事手伝い)』などに出演。代表を務める映像ユニット「山田一郎」での活動や、作家としても著書『そして生活はつづく』を刊行し、POPEYEにて「ひざの上の映画館」を連載、テレビブロスでの細野晴臣と対談連載『地平線の相談』など、様々な分野で活躍中。

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