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広がるもの作りの輪 L.E.D.×タナカカツキ 対談

広がるもの作りの輪 L.E.D.×タナカカツキ 対談

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:柏井万作

カツキさんの映像と僕らの音を合わせると、奥深い怖さが付随されて、音だけとはまた違った感覚になる。

―そして、そのビデオをカツキさんが手掛けられたわけですが、内容については意見交換をしたんですか?

佐藤:1回打ち合わせたんですけど、ほとんど内容についての話はしなかったですね。カツキさんの世界観が元々大好きだし、絶対の信頼があったので。

横山:でも顔の案はそのとき出ましたよね?

佐藤:あ、そうだっけ。

タナカ:ローアングルのイメージはあったんですよ。でも最近のハイビジョンってえげつなくて、実写にすると鼻毛が見えるから線画にしましたね(笑)。

―そういう理由だったんですか(笑)。カツキさんは曲からどんなイメージを受けたんですか?

タナカ:歌詞が1番具体的なので、それを頼りにしましたけどね。アイルランドに住んでる人からメール来たんやな、こっちからは月が見えへんかったんやな、と。でも、「曇ってて こっちは なにも 見えないや」って歌詞のところに、おっきい月がバチーンって出てくるんですけどね(笑)。そういういたずらはしていますね。

オータ:拡大解釈すれば、心の中では見えてるとか。

タナカ:アイルランドの人の目線かもしれないしね。解釈は色々でいいんです。

広がるもの作りの輪 L.E.D.×タナカカツキ 対談

オータ:俺はあの最後に向けてのシーンがとにかく怖くて…。あの感覚は独特ですよね。怖いんですけど、救いはありつつ、微妙な空気にさせられたっていうか。

タナカ:あそこは対比やと思うんですよね。音楽がグワーっと行って、パッと終わるじゃないですか? パッと終わる静けさと、マックスで音が来てるところとの対比は、力を入れてやろうと思ってたんですよ。

横山:この曲はあんまりリズムを入れたくなくて、グワーっていうのだけで作ろうと思ったんです。だから、あそこが1番やりたかったんです。

―ちゃんとそこに映像的にもクライマックスが来てると。

タナカ:まあ、その話は今初めて聞きましたけどね。事前に聞いておけば不安なくできたのに!

―(笑)。

オータ:あの最後はホントすごいですよ。後味が悪いんだけど不快じゃないっていう。

佐藤:でも少女が駆け出してるからフワッとなるよね。

オータ:そうなんだよね。でも手前にすごい怖さがあった上でのフワッとだから、救いのエンディングにはなってるんだけど、微妙に後味が悪いというか、「この子どうなっちゃうんだろう?」っていう不安感もあって。あの独特の後味の悪さはぜひ感じてほしいですね。

佐藤:音に関しても、原田さんもやっぱりあそこにこだわってたよね。怖くすることに。俺ら的には「これぐらいでいいかな?」って思っても、「もっともっと!」って。「よけたくなるくらいの音にして欲しい!」って言ってたよね。

広がるもの作りの輪 L.E.D.×タナカカツキ 対談

タナカ:そのビデオを作るって、苦痛ですよ(笑)。何度も何度もそのシーンの調整をして、その度に恐ろしい音が降り掛かってくるからね。そりゃあ、よけたいよね。(笑)

オータ:ははは!(笑) でも実際、音だけ聴いたときはうるさいって思いますよね。昼のラジオでかかったとき、「視聴者大丈夫かな?」って思いましたもん。主婦の皆さん、洗い物落としちゃうんじゃないかなって(笑)。でもカツキさんの映像と僕らの音を合わせると、奥深い怖さが付随されて、音だけとはまた違った感覚になるから、コラボ作品としてすごいよかったんじゃないかって。

佐藤:僕らが『ALTOVISION』を見てキャーキャー言ってたその感じが、ホントに僕らの音と合わさっていて、ものすごく嬉しくて、涙出てきちゃったんですよ。「ああ、やっと一緒にできたな」って。カツキさんの映像って、どれを見ても同じ感覚というか、カツキさん独特の情感に満ちていて、ノスタルジックな感じとか、叙情的で優しいんですよね。

4/4ページ:世の中ですげえって言われてるものって、結局シャレから入ってるような気がしなくもないんですよね。

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リリース情報

L.E.D.『elementum』
L.E.D.
『elementum』

2011年4月6日発売
価格:2,500円(税込)
PEMY-015

1. aqua
2. ventus
3. I'll(feat.原田郁子)
4. hitofudegaki
5. terra (album ver.)
6. nathan road
7. bluemoon in Togakushi
8. ignis
9. 500

イベント情報

『exPoP!!!!!』

2011年4月21日(木)
会場:東京都 渋谷 O-nest
出演:
L.E.D.
MaNHATTAN
Fragment×leno (術ノ穴)
and more
料金:無料(2ドリンク別)

L.E.D. 『elementum』release tour

2011年5月1日(日)
会場:愛知県 名古屋 栄lounge Vio
出演:L.E.D.、egoistic 4 leaves、stim、ホテルニュートーキョー、mississippiroid

2011年6月12日(日)
会場:渋谷O-NEST
出演:L.E.D. with VJ QUIZ、Calm、WUJA BIN BIN

2011年6月17日(金)
会場:宮城県 仙台enn 2nd
出演:L.E.D.、タテタカコ、and more

プロフィール

L.E.D.

各方面で活躍する生楽器のマエストロ7人から成るシネマティック・インストバンド。そのサウンドは、Jazz、Funk、HipHopからHouse、Ambient,Minimal、Electronica、Krautrockまで様々な要素をバンド独自の有機的フィルターを通して解体、再構築。既存のインスト、ポストロック勢とは明らかに一線を画し、映像を強くインスパイアさせる、まさにシネマティックなサウンドスケープを展開している。結成当初から確かな演奏力と映像親和性により高い評価を受けているライブは各地のフェスをはじめ、活動の幅を広げ続けている。また映像に重きをおくコンセプトにより前作のアートワーク、ライブでのVJ参加(VJ QUIZ)、今作ではMVを手掛けた漫画家でもあり映像作家の異才タナカカツキとのコラボレーションも話題に。そして2011年バンド初のボーカルトラックにクラムボンの原田郁子を迎えた楽曲“I'll”(アイル)を含む渾身の2ndアルバム『elementum』が遂に完成。

タナカカツキ

1966年生まれ、大阪府出身。18歳でマンガ家デビューし、以後、映像作家、アーティストとしても活躍。漫画家としての代表作は『バカドリル』(天久聖一との共著)『オッス!トン子ちゃん』など。2008年には究極の映像美で新境地を拓いた『ALTOVISION』をブルーレイで発売。

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(山元)

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